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2014年10月17日

伊勢物語の表現を掘り起こす

本日ご紹介するのは、こちら

小松英雄著
『伊勢物語の表現を掘り起こす』
伊勢物語.png

伊勢物語、皆さま学校で習ったことがあるはずです。名前を聞いただけでは思い出せない?
では、きっと知ってるであろう伊勢物語冒頭と、一般的とされている現代語訳を少しのせてみましょう。
ちなみに、実際の原文では句読点というものは存在しません。
現代人の私達が分かりやすいために、句読点をふっていますが…。
また、現代語訳も今回は分かりやすさ現代語としての自然さ重視なので助動詞等あまり厳密ではないですが。
(今日はちょっといつもに輪をかけて話が長いです…

【原文】
昔、男初冠して、平城の京、春日の里に、しるよしして、狩りに往にけり。その里に、いとなまめいたる女はらから住みけり。この男かいまみてけり。思ほえず、ふる里にいとはしたなくてありければ、心地まどひにけり。男の、着たりける狩衣の裾を切りて、歌を書きてやる。 その男、しのぶずりの狩衣をなむ着たりける
春日野の若紫のすりごろも しのぶの乱れかぎりしられず
となむ追ひつきて言ひやりける。ついでおもしろきことともや思ひけむ。
陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにし我ならなくに
といふ歌の心ばへなり。昔人は、かくいちはやきみやびをなむしける。

【現代語訳】
昔、男が初冠(成人の儀式)をして、平城の京、春日の里に、治めているゆかりの地があって、そこへ狩りをしにいった。その里に、非常に若々しくて美しい姉妹が住んでいた。この男は、この姉妹を覗き見てしまい、思いがけなく田舎の里に非常に不似合(な程の姉妹の様子)であったので、心が乱れてしまった。男は、来ていた狩衣の裾を切って、歌を書いて、姉妹へ届ける。その男は、まさしくしのぶずりの狩衣を着ていた。
(男の贈った歌はこのようなものである)
春日野にいるみずみずしい若草のように、若々しく美しいあなたがた姉妹。私の今着ているしのぶずりの衣が、紫草によって乱れ模様を織りなすように、若草のようなあなたがたを見て、私の心はあなたがたを恋い慕って限りなく乱れています。
と、すぐに言って贈ったのである。このような歌を詠む機会を、風流な事と思ったのであろうか。(ちなみにこの歌は)
陸奥で染められるしのぶもぢすりのように、私の心がしのぶ心(恋い慕う心)で乱れはじめてしまったのは、一体誰のせいでしょうね。私のせいではありませんというのに(あなたのせいなのですよ)
という歌の趣である。昔の人というのは、このように若い頃から雅なことをしていたのだなぁ。

現代語訳、……変かもしれませんが、大方このような感じでいいはずです。。。
さて、皆様思い出しましたか? そして改めてこのお話を見て、何か変だなぁと思うことはありませんか? 
え、現代語訳の日本語がちぐはぐだとかそういうのは置いておきまして…… 
話の内容で、話の内容に違和感を覚えませんか? 
私ははじめて中学生の時に授業でこのお話を知って、
違和感を感じずにはいられなかったのですが……
あまりにも自然と流されてしまったので、聞くに聞けずにもやもやとしていて…
一体何を言ってるんだコイツと思われていそうなので、質問しますね
この男の人は、どうして、最後に褒められているんですか? 
もう少し原文に沿って言うと雅なことをしていたと言われているんですか?
え、なぜって、上手いこと着ていた服と田舎で見た姉妹達を絡ませて歌を詠んだからじゃないの? 
という答えが返ってきそうですが……

いえいえ、そのような歌の巧拙など以前に、中学生の私が真っ先に思ったのは、
どうして、姉妹とはいえ、女の人二人に同時に一枚の恋の告白の歌を送った
失礼な男の人が、雅だと言われているの?
と、いう事でした。不思議ではありませんか?
現代風に置き換えてみれば、体育館裏に可愛らしい姉妹を呼び出して、
あなたたちどちらも可愛くて大好きなんです、と告白するようなものです。感覚的に変ではないですか?

だって、その頃って所謂一夫多妻制でしょ? だからじゃないの?
という声も返ってきそうですが、断っておきますが、いくら一夫多妻制でも、
一応男の人は、女の人の前では、それなりの建前を言うものだと思うんです
ちょっと身分の関係であの女の人のもとにいくけど、でも、あなたが嫌いな訳じゃないよ
だとか、、、 それくらいの建前を言う世界で、上記の出来事って変じゃないですか?
(その女の人に愛想を尽かしていればまた別だったのかもしれませんが)

また、姉妹であっても、例えば源氏物語の大君・中君姉妹など、
二人とも非常に美しいと言われますが、薫の君も、遊び好きな匂宮もそれぞれ大君・中君
に決めて、一方のみに猛烈アタックをしかけています。
どう考えてもそちらの方が自然なはず。
百歩譲って、仮に二人の女人にひとつの歌をまとめて贈るようなことが
行われていたとして(伊勢物語以外で私はそのような例を知らないので)
それを雅なことをしていた、と評価するものなのでしょうか? 
むしろ、中学生の私は若気の至りだとか、そのような評価をされている方が普通なのに…
と思ってしまったものです。そして、それは高校へ入って後ももやもや。
そんなもやもやを払拭してくれたのが、この一書です。

こちらの作者の小松さんも、同じようにもやもやを感じたところから、
従来の現代語訳という偏見に左右されない、全く新しい解釈が出来ないかと、
まさに一から伊勢物語の表現を掘り起こしていきます。
全く新しいと書きましたが、勿論好き勝手にお話を作ってしまうのではありません。
原文をより忠実に、忠実に読み進めていくとどうなるか、という試みをしていくのです。

そして、そうすることで見えてきた、この初冠のより自然で、
こちらが真実なのであろうと(私は)思えるようなストーリー。
初冠だけでなく、伊勢物語の様々な章でもそのような試みをし、
伊勢物語全体としての起承転結を浮かび上がらせていきます。

本当に、面白い。もやもやを感じて、とりあえず
伊勢物語のつく本を探しては読み探しては読みしてよかった
と、この本を読んだときは思ったものです笑

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