2016年02月29日
長い長い殺人
さて、本日はこちら
宮部みゆき著『長い長い殺人』
状況証拠ならば
そろっているのに
決定的な物理的証拠が
ない殺人事件
捜査が進む程に
複雑さを増していく
事件の真相は……!?
というのを、
何と、様々な
登場人物たちの
「財布」目線で
語られるのです
このユニークな
手法にまずはびっくり
最初は何かと
思いました笑
だから、描かれるのは
財布から見た
人間社会や
主人であったり
その周りの人々
主人を尊敬する財布
心配する財布
大好きな財布
少し見下している財布
財布によって
主人への心象は
様々で
また、事件に対する
見方も、
その事件との
関わり方も様々
ある財布から
犯人が分かったと
思わせるような
状況証拠が
語られたかと思えば
ある財布の主人が
犯人のアリバイを
証明してしまう……
またある財布の主人は
一見この事件とは
全く関係ない事件に
巻き込まれていたり……
複雑過ぎて、むしろ
事件が見えにくくなって
くるわよ!と
言いたくなる程
伏線が張られていく……
そんな、堂々巡りの
長い長い殺人
結局、真相は?
とんでもない
どんでん返し感が
ある、という訳では
ないように
感じますね
びっくり仰天させられる、
というよりも
じりじりじりじり。
焦らされて焦らされて
うあっとやっと
真実が見えたか!
みたいなすっきり感
財布目線の
「ちょっと足りない」
情報が見事に絡み合って
いくところが圧巻で
もう、読むのを止められなく
なってしまいます
また一方で
財布は人間社会を
結構、冷静に
見ていたりして
皮肉もきいている
殺人事件に対する
マスコミの様子や
大衆の様子、
主人に起きる
ちょっとした事件
人間の単純なようで
少し歪んでいて
思い込みの激しい
陰の部分が
浮かび上がって
いたりして、
何だかちょっとだけ
ぞぞっとしたり。
その、ぞぞっとが
案外この殺人事件へ
繋がっていったり
しちゃって!
面白いものが
読みたいなぁという方は
とりあえず読んでみてください
とにかく面白い
それに尽きるような
作品です
人気ブログランキングへ
新品価格 |
価格:720円 |
タグ:宮部みゆき
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/4789816
この記事へのトラックバック