2016年02月22日
アイの物語
さーて、本日はこちら
山本弘著『アイの物語』
語り部といって
人々にお話しをして
聞かせる生業をしている
「ぼく」
その世界は、
人間が戦争で
ロボットに負けて以来、
ロボットに支配され、
人間の栄華はもう
跡形もない、そんな世界
「ぼく」はロボットが憎い
悔しい、やるせない。
そんな「ぼく」を捕らえて
かつてヒトがつくった
フィクションを
語って聞かせる
アンドロイド
バーチャルな繋がりや
人工知能のお話が
6つ。
かつて、ヒトが
夢見た技術と
ロボットとの共存
「ぼく」にその
意図は分からない
分からないながら
はじまった、
機械とヒトの
千夜一夜物語
語られるのは、
真実よりも正しい
フィクション
それは一体どういう
意味かと「ぼく」は
突っかかりますが……
それぞれのお話が
面白いことは勿論ですが
一つ、お話が終わるごとに
「ぼく」とアンドロイドとの
やり取りが挟まって
この世界に対する
謎や、アンドロイドの意図が
気になってくる
アンドロイドが語るのは
ただのフィクションだと
分かっていても
人の夢に満ち溢れる
機械とヒトとの
話を読んでいくうちに、
段々と、こう
思わずには
いられなくなってくる
なぜ、地球は
ロボットによって
支配されてしまうように
なったのだろう?
最後の話が
表題、
「アイの物語」
最後に相応しく
これが抜群に面白い
壮大で面白いだけでなく、
鋭く人間の
本質を突いていて
大きく心を
揺さぶられます
人間が先の
6つのような
素晴らしい物語を
紡ぐ一方で
過ちを繰り返し、
憎しみ合い、
殺し合ってしまうのは
一体どうしてなのか
そして、最初の疑問に
戻る。
どうして、アンドロイドは
この話を「ぼく」に
聞かせるのか?
なぜ、この世界は
ロボットに支配されて
しまったのか?
6つの物語も
全て最後になって
もう一度きらっと生きる
かなり長さがあるのに
全くそう感じさせない
一気読み必至な作品です
そして、フィクションが
好きな全ての方が
感銘を受けること
間違いなし
「真実よりも正しい
フィクション」の
意味が実感できて
じわじわ鳥肌が
たってくるような感動
面白いだけでなく
素晴らしい作品だと
思います、本当に。
是非是非
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