2016年01月18日
タイタンの妖女
さてさて、本日はこちら
たまにね、こういう
ドキツイものを読みたくなるんです
カート・ヴォネガット著
『タイタンの妖女』
うーん、凄まじいのに
出会ったなぁ!
(もちろん良い意味で)
という作品です
個人的な話なのですが
以前ご紹介した
『さようなら、ギャングたち』
みたいな話が読みたい
という時に見つけて
非常に満足した覚えがあります
最初は、何が起こっているのか
全く分かりません
何の話がはじまるのか……
あらすじを書いて
読みたいと思う作品もあれば
そこが問題では
ない作品もあると
思いますが
こちらは後者ですね
あらすじ、とか
そこじゃない。
問題にしたいのは
惹かれるのは
そこじゃない
読み始めてまず、一体
今から何がはじまるのか
全く分からない
そういう意味では……
うーん、、、
好みは分かれそうな
作品ではありますが……
読み始めてしばらく
しんどくても
少し辛抱して
読んでみてほしい
かと言って、後半になれば
ページを繰る手が
はやまるか、というと
そういう訳ではなく
読者を混乱させるような
時系列と出来事と
しかし、段々全体が
見渡せてきて
読みながらかなり
思考することになると
思います
こうなってくると、
この作品は最後まで
きっちり自分の中へ
落とし込んでいける
いや、一度では
難しいから
いつか再読しよう、という
そんな気分になる
とにかく、
魅力を持った作品で
あることは確かです。
SF?なのか、いや
SFではないのか
テーマは人間?運命?
地球?宇宙?幸福?
宗教???
全体として、
ドタバタ劇であることは
ドタバタ劇ではあります
しかし、ドタバタしているのに
それは予定調和的で
示された通りに
ドタバタしながら進んでいく
読者には最初に
ほとんど、その予定調和が
示されて
しかし、ドタバタしている
張本人たちは
そのことを知らない
(忘れている)
未来が分かるという
まるで「神」のような
ウィンストン・ナイルズ・ラムファード
彼によって様々な
人々は「完全に」操られ……
他人の血を流すことに対して
にこやかな熱心さを
持つラムファード氏により
利用されていく人々
その犠牲になった
人々によって
世界はどう変わっていく?
誰が幸せになる?
幸せとは何か?
人間とは?
ものすごく、刺激的な
ブラックユーモアで
描かれる群衆
そしてまた、最後に
唖然とするような
真実のようなものが
提示され
で、結局この話が
落ち着いた先は……?
意味が分からないようで
時に胸が苦しくなるほど
切なくて
生きていることを
放り出したくなる一方で
生きたいと思いたくなる、
そんな、濃い濃い作品です
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