2015年08月30日
利休にたずねよ
ご無沙汰しております
本日はこちらです
山本兼一『利休にたずねよ』
場面は秀吉に
切腹を命じられた
千利休の
まさに、その
切腹する朝から
幕を開けます
妻である宗恩との
最後の会話にて
宗恩は利休に、
自分よりも
お好きな女人が
おいでだったのでは…
とたずねます
利休は一笑にふし、
宗恩が実際に
一番の女だと
思っている様子
なのですが……
読者としては
気になるところです。
その後は、利休だけではなく
様々な人物、
秀吉や石田三成は勿論
細川忠興や古田織部等々
利休の弟子から
敵対する人々まで
皆に共通しているのは
利休の鑑識眼については
(たとえ悔しくても)
認めざるをえない
それほど彼が
自然と美に
生きているという
利休への評価です
ある人は美を
支配していると言い、
ある人は美に驕り
他人を見下していると憤り
またある人は
美に怯えているのだと
うすやかに笑う
利休と美の関係は
濃密でありながら
どこか謎めいています
他の人から見ると
一寸の隙もないように
見える利休ですが
果たして、本人の
思いはどのような
ものであったのか
そして、宗恩の
たずねたあの内容は
一体何だったのか
時代小説、というよりも
少しミステリーっぽいような
謎が見えてくるようで
見えてこない
大きなテーマは
美のようでいて
最終的には
宗恩の疑問に
収束していくような
感触があります
利休の人物像も
個人的には今まで
抱いていたものと
違っていて
こんな見方も
あるのか、と新鮮に
思いました
そして、なかなかに
構成が凝っていると
言いますか、
面白いです
解説にも書いて
ありましたが
確かに、進んでいく
途中途中で
前をもう一度
読み返したくなる
ことが何度もあります
これ以上言ってしまうと
ネタばらしに
なりそうなので
口を噤みましょう
ぜひ一度
手にとってみてください
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