2015年08月10日
綺羅星波止場
暑さが厳しい、
厳しすぎる……
皆様、お元気ですか?
ちょっと、暑さも忘れるような
一冊を
長野まゆみ著『綺羅星波止場』
とにかく、思わず
ほうっとため息を
つきたくなるような、
素敵な不思議短編集
収録されているのは
「銀の実」
「綺羅星波止場」
「雨の午后三時」
「レダの卵」
「耳猫風信社」
「黄金の釦(ボタン・ドール)」
「月夜の散歩」
「銀色と黒蜜糖」
題名だけで、なんだか
綺麗で不思議で
ひたっとくっつくような
感触があるように
思います
独特な世界観は
作者があとがきで
触れているように
透明感に溢れていて
可愛らしく、綺麗です
でも、時々少し
不気味なことも
でも、不気味さも
含めて、カランと音を
たてるガラス玉のように
透き通っています
どれもこれも
本当に大好きなのですが
作者が『野ばら』の亜種と
語る、「銀色と黒蜜糖」
これがですね
(読んだ当時私は
『野ばら』を
知らなかったのですが)
衝撃を受けました
こんなに、現実と夢の世界を
織り交ぜ織り交ぜ
自然と、わざとらしくなく
夢と現実が、どちらがどちらか
分からなくなるように
描くことが、出来るものなのか…と。
読了後は、夢から覚めた
直後の、少し世界が
ふらふらしている感じが
しばらく続きます
不気味なはずなのに
綺麗で透き通った
光に満ち満ちているように
思われるような
そのくせ、ぼんやりと
しているような
物語が、薄くひらひら
漂いながら
自分を包みこんでくる
そんな印象
私は、こういう世界観
たまりません
どちらかというと
このような世界観の
不思議なことが
当たり前のように起こるお話は
癖があることが多いのですが
案外癖も少なめで、
さらっと読めて
どなたにも楽しめそう
是非是非、如何でしょう?
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