2015年07月11日
夜光虫
昨日は暑かったですねー…
といって今日も蒸し蒸しですが。
何だかしばらく重たいめが
続いた気がするので、
からっとしたものを。
織田作之助著『夜光虫』
大阪の織田作之助ですよ〜
とにかく、テンポ感がよくて
全体的に楽しい小説です
復員兵の小沢は、
復員したものの
家族もいなくなり
帰る場所もなくなり
困ったなぁ、という所で
友人の伊部の元へ
行こう、としていた所で
突然、裸の娘が
助けて下さい!
と現れるところから
はじまります
ぎょっとする小沢。
とりあえずコートを
渡してやり
二人して、結局
宿で一泊
女の名前は雪子と
言いました。
と、一方でスリ集団の
リーダー豹吉の
話へとうつり
彼は、人をあっと
驚かすことが
好きで好きでたまらない
という少し変わった
男で、それが高じて
ついにとんでもない
ことをやらかしてしまいます
さて、実は豹吉は
雪子に惚れていて……?
そして、小沢は
伊部の元へ
雪子のための着物を
借りに行くのですが
その道中で、また
不穏な人物を見つけ……
作者は、
偶然というものは
続けばきりがないのだ。
と開き直って
最初はてんでばらばらだった
人物達を結局偶然により
ひとつにまとめあげ
全く天晴と思うほど
綺麗に話が収束していきます
どちらかと言えばご都合主義なのに
何だか、それが鼻につかない
全体を流れる剽軽な
雰囲気のせいでしょうか
それまた、偶然が来たぞ、
とほくそ笑みながら
読むことが、何となく出来る
しかし、一方で
戦後の日本の暗い一面も
きっちりと描きだしてもおり、
ここらへんも
きっちり織田作。
でも、そんな戦後の日本を
憂慮する小沢が、
最後には、「ほんまかいな」
というような活躍の仕方で
話が急展開していきます
とっても気軽に読める作品です
じめじめした気分を
転換するつもりで
いかがでしょう?
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