2014年10月06日
沈黙
おはようございます、本日紹介するのはこちら
遠藤周作著『沈黙』
重い話ですが、考え方をぐいと
広げてくれる、良い作品です
キリスト教に対して禁教令が出た頃の日本
宣教師ロドリゴが、
棄教したという報せとともに
連絡がつかなくなっている
恩師フェレイラ教父を探すため
そして、また布教活動のため
そのような状況の日本へ上陸します
この時の彼の様子は、
どこまでも真っ直ぐに神を信仰する
真摯なクリスチャンで
印象に残ります
勿論、キリシタンでない日本人に
見つかれば、即アウト
日本に上陸した時から、
緊張の連続で神経が疲れてしまいそう
そして、辛い
次から次へと、まあよくこんなに
辛いことが起きるものだと
思うほどに、
あの頃の日本では
「キリシタン」に対する仕打ちはひどかった
しかし、文章自体は驚くほど
すらすらと読め、引き込まれて
本当に、そこにいるかのような感覚
だからこそ余計辛いんですが笑
また、日本では
同じ「キリシタン」でも様々な人が出てきます
ひたすらに、ただひたすらに
神の救いを求めて祈る農民たち
恐怖に打ち勝てず、仲間を裏切っては
再びキリストを信仰しようとするキチジロー
私は、自分がクリスチャンでないからか
(一神教の宗教を信仰していないからか
キチジローの行動に嫌悪感を
覚えながらも共感してしまいました
対して、ロドリゴ他クリスチャン「キリシタン」
達には、はじめ共感出来ないものが
あったのですが
徐々に、彼らの神に対する
心の持ちようが見えてきて
気持ちが塞がれるようになりながら
読み進めていきました
ロドリゴは一度たりとも
神を責めることはしませんし
ひたすら、祈るんです
肉体的にどれほど辛くとも
精神的に彼はそれだけで救われていた
しかし…日本で行われる
拷問はあまりにも過酷であり、残酷です
それでも、ただ祈り続けていた
ロドリゴにも、神は「沈黙」を貫きます
キリスト教がテーマなのですが
むしろ、クリスチャンで無い人が読んでも
非常に興味深く
考えさせられる作品です
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