2015年05月27日
ホテルカクタス
昨日今日と、暑いですね〜
と、いう訳で、個人的に
何となーく、涼しさを感じる作品
江國香織 著『ホテルカクタス』
とある今はもう無いアパートでのお話……
アパートなのに、ホテルカクタスという名前なのです
さて、そんなホテルカクタスの
住民である きゅうりと、2と、帽子は友達になりました
素直できゅうりみたいに真っ直ぐなきゅうり
神経質なところのある2
ミステリアスな帽子を目指している、帽子
3人は、最初から性格があう訳ではありませんでしたが
やがて、2の家に集まるようになって……
何とも、不思議な感じ漂うお話です
3人とも、それぞれ変わっていて
時にぶつかったり、何だか思いっきりすれ違ったり
(でも本人たちは気付いていない!?)
しながらも、親友になっていきます
ホテルカクタスの中だけで集まっていたのが
段々、一緒に競馬を見に行ったり
さらにはきゅうりの実家にお邪魔してみたり……
確実に3人の距離が縮まっていくのが、感じられます
でも、なんだか、その縮まり方が
不思議。面白い、ふふふ、と思いながら
読み進めてしまいます。
話の内容にとてつもない起伏がある訳ではなくって
独特の彼らの人生観? 等が垣間見えながらの
これまた独特な友達関係を眺めながら
ホテルカクタスの世界に浸り込むことで
満足感を得られる作品です
うーん。以前ご紹介した稲垣足穂さんの『一千一秒物語』が
好きな方ならば、絶対好きだと思います
あそこまで、癖はない、かもしれませんが
そして、ハートフル(かも?)という
特徴があります
不思議ながらも、三人の友情に
ちょっぴり心が温まる…気がします
また、言葉の使い方が個人的に好きなんです
競馬の時なんぞは、馬が走る擬音語を
「ぼどだぼどだぼどだぼどだ」と表現していらっしゃるのですが
これには、やられましたー
あぁぁ、ぼどだぼどだぼどだ。
また、実は、先程お話に起伏があまりない、と
言ったのですが、ラストは少し
劇的な展開を迎えていきます
実は、そのクライマックスこそが、魅力かもしれません
縮まった3人の距離の変化が、説得力があり
何とも言えない余韻へとつながっていく
ちょっとひんやりと涼しさを感じるのは、
うーん、ラストのせいかな?
少し、不思議なアパートでの物語
ちょっと、覗き見るような気持ちで
読んでみてはいかがでしょう?
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