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2024年02月21日

靖国参拝って毎年やってるやつやんけ!【海上自衛隊】

『帝国海軍からの伝統であ〜る!』
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いくつかの新聞で、海自練習艦隊の靖国神社参拝を問題視する声が出ているようです。

かつて参加した身としては、何をいまさら昔からやってたじゃん!と言ったところです。

図1 靖国参拝
図1 靖国参拝.jpg
引用IURL:http://j.people.com.cn/NMediaFile/2014/0813/FOREIGN201408131307000066889238139.jpg

というか東郷さんの所とか、金毘羅さんの所が問題にならないのは何故?

経験者として実際の所を語ります。
(前回記事):『13DDはダイヤモンドのレーダーになるか?【海上自衛隊】

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(1)参拝は自由意志だったね〜

以前に私の経験を書いたもので、近海練習航海を書いたことがあります。
(関連記事):『【海上自衛隊】国内巡航(その2)から遠洋練習航海出発へ!

この時東京研修の最中に、靖国神社参拝がありました。

1.1 自由意志やで〜!つーか防大出身者は来なくていいぞ!

研修の時は、靖国神社参拝が目的ではなく遊就館(ゆうしゅうかん)の方がメインの研修先でした。

図2 遊就館
図2 遊就館.jpg
引用URL:https://www.yasukuni.or.jp/assets/carousel/sp/8.jpg

江田島にはない展示物が数多くあるため、研修の目玉と言えました。

この時、練習艦隊司令官は本殿に参拝に行くけど実習幹部はいきたい奴だけついてこい!という事前通達がありました。

政教分離の観点や、宗教が絡むので参加は実習幹部個人の意思にゆだねられていました。
『防大出身者は以前参拝してるから特に来る必要はない!』

防大では、靖国神社参拝が学生隊の行事で行われているそうなのでそんな指示がありました。

もっと切実な問題もありました。

1.2 一杯参拝したら俺のポケットマネーが吹っ飛ぶわ!(by司令官)

参拝の玉串料は、全員分を練習艦隊司令官や艦長のポケットマネーで出ることになっていました。

理由は1997年愛媛県靖国神社玉串料訴訟での公金支出が違憲とされてたためです。
愛媛県靖国神社玉串料訴訟
愛媛県知事が、戦没者の遺族の援護行政のために靖国神社などに対し玉串料を支出したことにつき争われた訴訟。最終的に最高裁が違憲判決を出した。

そのため公金支出ではなく、私的費用で玉串料を出す必要があります。

図3 玉串料
図3 玉串料.jpg
引用URL:http://awa-jinjacho.jp/images/rules/img_noshi.jpg

実習幹部が数多く参拝したら、司令官や艦長のポケットマネーが大ダメージです。

そのため、あんまり来るな!と言われていました。
(参拝しない実習幹部も多くいました:遊就館の見学時間が多くとれるため)

自由意志が徹底されていた記憶があります。

1.3 参拝しない実習幹部の意見が振るっている!

靖国神社に参拝しないとはケシカラン!なんていう意見を持つ人もいるかもしれません。

一般大出身幹部の中には、防大出身よりいろいろな意見で参加しない人もいました。
・薩長の人間に頭を下げるなんてできるか!(会津人)
・実家の家業的にちょっと問題が・・・(お東さんの宗家出身)
・西郷さんが祭られていないのはオカシイ!(鹿児島県人)


こちらの方がアブねー思想だった気がします(汗)
(不参拝者が人事上不利になることはなく、順調に出世しています)

まあ帝国海軍の後継者としては、追悼に関してもっと議論があった方がいいと思います。

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(2)東郷さんと金毘羅さん

帝国海軍・・・じゃなかった海上自衛隊としては、東郷神社と金毘羅神社があれば文句はありません。

図4 東郷神社
図4 東郷神社.jpg
引用:東郷神社Facebook

東郷神社も否定されたら、海自はキレるでしょう。

2.1 金毘羅神社の流し樽参拝は抵触する?

参拝が事務次官通達に抵触するとなったら、香川県の金刀比羅宮における流し樽参拝も該当するのでしょうか?

図5 流し樽
図5 流し樽.jpg
引用URL:https://www.jmets.ac.jp/news/qc5bl20000000d96-img/mpvk9g0000008ofn.jpg

江戸時代からの船乗りの風習で、金刀比羅宮近くを航行したとき「流し樽」にて航海安全を祈る風習があります。

海上自衛隊練習艦隊は、毎年海の風習として流し樽を行っていますがこれもOUTでしょうか?

図6 海自流し樽
図6 海自流し樽.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Am-bGaACMAATB9Z?format=jpg&name=small

経費節減のため発泡スチロールで流さざるを得なかった、海自の慟哭の涙を見よ!

これもダメになったら、海自はキレるでホンマに!

2.2 やはり誘導された誤爆が必要か・・・

やはりここは、米海軍を見習い「良く誘導された誤爆」が必要かもしれません。(怒られるからヤメナサイ!)
図7 P-3C投下
図7 P-3C投下.png
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2006/2006/image/i32p0810.png

けっこう重要な問題が、先送りになっていると思われます。
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(3)参拝と自衛隊の問題は続く

自衛隊と宗教の問題は、有事後を見据えて本格的論議をした方がいいかもしれません。

問題が起きてからでは遅すぎるでしょう。

図8 防衛省殉職者慰霊碑
図8 防衛省殉職者慰霊碑.jpeg
引用URL:https://kiharaminoru.jp/wp-content/uploads/2021/11/7B6D376F-1BBB-4F19-96A3-00B76F1891A1-768x512.jpeg

防衛省市ヶ谷地区には、殉職者慰霊碑がありますがこれだけでいいのか?と考えています。

今こそ論議の時でしょう。
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2024年02月05日

13DDはダイヤモンドのレーダーになるか?【海上自衛隊】

『イージスの1000億よりは安いよね?!(白目)』
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令和13年度に予定される新たな護衛艦用としてのレーダー国内開発が決定いたしました。

高速高機動目標対応レーダーとして、量産単価約481億円となる見込みです。

図1 高速高機動目標対処レーダー
図1 レーダー.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/news/2024/01/25a.pdf

量産単価が約481億円と驚く声があるようですが、イージスの1000億円越えよりは安い(白目)!

ダイヤモンド半導体を使ったレーダー素子なら、安いくらいだ!
(前回記事):『謎水騒ぎを仕様書と契約の観点から解説【自衛隊】
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(1)FCS-3性能陳腐化の教訓を生かすべき

FCS-3レーダーに比べると非常に高価になっており、驚くのは良く分かります。

図2 OPY-1
図2 OPY-1.jpg
引用wiki

FCS-3が研究開発終了時に、すぐに性能向上型開発を迫られた苦い教訓を生かすべきでしょう。

1.1 ガリウムヒ素(GaAs)から窒化ガリウム(GaN)へ!

FCS-3については、試験艦「あすか」に搭載されていたGaAsのレーダー素子を基本にしていました。

図3 試験艦あすか
図3 試験艦あすか.jpg
引用wiki

1990年代から2000年代には、ガリウムヒ素半導体がパワー半導体の主力であり選択は間違っていませんでした。

しかし1993年に実用化された青色ダイオードに使用するGaNについては、急速な技術進歩により一気に発展していきます。

図4 GaN素材
図4 GaN素材.jpg
引用URL:https://www.ganpro.imass.nagoya-u.ac.jp/img/gan_img_01.jpg

商業ベースに乗って2001年頃から、多量のGaNパワー半導体が登場することになります。

運悪くFCS-3の開発完了(2000年)と同時期になってしまったため、たかなみ型護衛艦4番艦「すずなみ」への搭載が見送られます。
(1年FCS-3開発完了が速ければ、「すずなみ」からFCS--3搭載はあったそうです)

海自も急速にGaN対応型のFCS-3を準備することになります。

1.2 19DD「あきづき」からGaN搭載へ!

軍用レーダーについては、「枯れた技術」により信頼性の高いものが好まれます。

しかしながら19DDは、SPY-1F売り込みもあり焦ってGaN搭載レーダーとなりました。

図5 あきづき
図5 あきづき.jpg
引用wiki

しかし運用者からGaNレーダー素子の不評は、かなり激しいものがありました。
(MTBFが予想を上回るペースになってしまった)

パワー半導体としてのGaN素子は、技術的熟成がまだまだだったといえます。

最近ようやく故障が落ち着いてきているでしょう。

1.3 FCS-4(仮称)はどの素子で開発すべきか?

FCS-3の研究開始は1983年までにさかのぼるため、基本技術は1990年代を元にしています。
(関連記事):『ついにFCS-4開発開始となるか?!【海上自衛隊】


今回開発される新型レーダーは、2010年代の技術が基本となります。

しかし将来性を考えると、レーダー素子については可能な限り最新鋭のものにすべきでしょう。

図6 モジュール
図6 モジュール.jpg
引用URL:https://www.eis-japan.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/nxp_20230317-600x338.jpg

令和13年度(2031年)に予算計上となると、2036年(令和18年)以降に就役となります。

2030年代〜2050年代において、十分に活躍できるパワー半導体素子導入を検討すべきです。

SiC(炭化ケイ素)半導体が、当面の次世代半導体ですがその先を見る必要があります。
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(2)ダイヤモンド半導体という夢の素材

SiCはすでに商業品が出回り始めましたが、限界もあります。

図7 SiC半導体
図7 SiC半導体.jpg
引用URL:https://xtech.nikkei.com/dm/atcl/feature/15/032200080/032200001/100zu01.jpg?__scale=w:800,h:320&_sh=0810b0cd0c

省電力の装置としては優れていても、大電力高周波数に対応できません。

2.1 SiCは高周波数レーダー素子には向かない

次世代半導体であるSiCについては、早くから有効性が注目されてきました。

図8 半導体分布
図8 半導体分布.png
URL:https://www.nedo.go.jp/content/100939129.pdf

比較的低周波については、SiCの効果があるでしょうが高周波数帯(GHz)ではGaNの方がまだ向いています。

米国のSPY-6/7がGaN素子を使用する理由も、大電力高周数数での使用を考えたものです。

一応SiC後継となる酸化ガリウム半導体(Ga₂O₃)の実用化が、2023年に発表されました。

図9 酸化ガリウム
図9 酸化ガリウム.png

引用URL:https://www.nict.go.jp/press/2013/06/4otfsk00000fobbo-img/20130619-3.png

しかし究極となる半導体開発が、実用化に向けて開発されています。

2.2 ダイヤモンド半導体?!のブレークスルー!

防衛装備庁が実施している安全保障技術研究推進制度で、ダイヤモンド半導体の技術的ブレークスルーが発生しています。

図10 安全保障技術研究推進制度
図10 安全保障技術研究推進制度.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/funding/seidogaiyo_20230810.pdf

この制度を利用して、2017年に発表されたのがGaN素子にダイヤモンド結晶被膜を接合する技術です。

図11 ダイヤモンド素子
図11 ダイヤモンド素子.jpg
引用URL:https://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/12/7b.jpg

GaN素子が作動するとき熱放出が激しいため、熱損失による性能低下が起きやすい現象がありました。

対策としてダイヤモンド半導体が理想とされましたが、実現はかなり困難でした。

そんな中で量産技術実用化も視野に入った、革命的研究成果が平成29年(2017年)に発表されています。
(プレスリリース:https://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/12/7.html
13DDのレーダーについて、このダイヤモンド素子を利用したレーダー開発が行われているかもしれません。

それであれば、量産単価約481億円も不思議ではありません。

2.3 枯れた技術と新技術の融合を!

軍用製品には、どうしても枯れた技術で信頼性の高いものが選ばれる傾向があります。

図12 UYK-44
図12 UYK-44.jpg
引用URL:https://cdn.vox-cdn.com/uploads/chorus_asset/file/20744791/ows_137737721361019.jpg

UYK-44みたいな古いコンピューターが、軍用では現役であることからもうかがえます。

しかしながら新技術を適時に導入していかないと、FCS-3のように開発完了時に性能陳腐化ということも起きえます。

今後の技術進歩を適切にみていくべきでしょう。
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(3)ASBM/HGVは新たな脅威!


新世代の護衛艦は、HGVやASBMの脅威に晒されるようになりました。

図13 ASBM
図13 ASBM.jpg
引用URL:https://s.japanese.joins.com/upload/images/2022/04/20220421142724-1.jpg

第二のASMDとして備える必要があります。

3.1 イージスの1000億越えよりはいいよね!

護衛艦レーダーとしては、量産単価約481億円というのは高く感じるかもしれません。

しかし1967年のエイラート号事件以降、対艦ミサイル防御(ASMD)が現代海軍の基本となりました。

図14 ミサイル艇
図14 ミサイル艇.jpg
引用wiki

近いうちにASBM/HGVによる艦船撃沈記録が出るのも、時間の問題でしょう。

そこから慌てて対策検討をするより、最初から大気圏外監視能力を持ったレーダーを開発すべきでしょう。

イージスシステムが約1000億円越えとなる中で、500億円弱で完成するなら儲けものです。

3.2 ダイヤモンドレーダー登場なるか?

将来的には、ダイヤモンドレーダー搭載護衛艦の登場もあり得るでしょう。

ステルス機やHGV/低RCSミサイル探知には、どうしても強力なレーダーが必要です。

今後の開発状況が楽しみですね。

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2023年12月06日

ASBMを撃墜しろだなんてむーりいー無理!!【海上自衛隊】

『ASBMだなんて聞いてないよ〜!』
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2023年11月26日に海賊対処派遣中の護衛艦「あけぼの」の近くにASBMが撃ち込まれました。

何とか無事に離脱できたのが幸いです。

図1 ノノ
図1 ノノ.jpg
引用URL:https://i.pximg.net/img-master/img/2013/03/01/19/19/06/33918180_p0_master1200.jpg

海自の中の人にしてみたら、ASBMなんてむーりぃー!と叫びたくなる状況です。

SSN-22ならともかくASBMを撃墜しろってのは、イージス艦以外では現状無理です!
(前回記事):『潜水艦と機雷は存在するだけで脅威となる!【海上自衛隊】
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(1)海賊対処中にASBMが飛んでくるなんて想定できるか!

海自ならASBM(対艦弾道ミサイル)ぐらい落とせ!なんて言われるかもしれません。

図2 イージス艦
図2 イージス艦.jpg
引用wiki

イージス艦とSM-3のイメージが鮮烈すぎるのも考えものです。

1.1 むらさめ型護衛艦だとほとんど対処不能!

現場にいた護衛艦「あけぼの」(DD108)は、むらさめ型護衛艦の8番艦です。

図3 護衛艦あけぼの
図3 護衛艦あけぼの.jpg
引用wiki

イージス艦とは違い対空レーダーは回転式のOPS-24B、FCS-2で誘導するESSMという状況です。

図4 OPS-24B
図4 OPS-24B.jpg
引用wiki

はっきり言って、弾道ミサイル探知能力なんて持っていません。

1.2 LINK11とCENTRIXSで情報が来たんだろうね

ASBM探知の情報は、米軍からLINK11とCENTRIXSで通報されたのでしょう。
(むらさめ型にはLINK16がない)
図5 LINK11
図5 LINK11.jpg
引用URL:https://electronicstechnician.tpub.com/14088/img/14088_91_1.jpg

情報共有でCENTRIXSは非常に参考になります。

図6 CENTRIXS
図6 CENTRIXS.jpg
引用wiki

情報が来たならば迎撃できそうじゃないか?と言われそうですが、個艦で捕捉できないと射撃は困難です。

イージス艦搭載のCECとEORが無いとかなり厳しいでしょう。

1.3 ESSMもそんなに高く飛べない

搭載してるESSMも射程最大約50kmと言われていますが、確実に命中させるにはもっと射程は短くなります。

図7 ESSM
図7 ESSM.jpg
引用wiki

ASBMに対しての現状における最善手としては、全速力で逃げるしかありません。

マッハ5以上で宇宙から降ってくるミサイルなんて、想定していなかった戦場としか言いようがありません。
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(2)飛んできたイラン製ASBMについては?

イエメン反政府勢力フーシ派は、イランからASBMを供給された模様です。

図8 ASBM
図8 ASBM.png

引用URL:https://i.postimg.cc/Hxct2h4Z/48.png(ORYXJAPAN)

ハリジ・ファルスと呼ばれる、イランオリジナルの対艦弾道ミサイルのようです。

2.1 めちゃくちゃ厄介だぞこれは!

ASBMなんてしばらくは無理だろうと、中国DF-21Dを見ていましたが意外なところから出てきました。

図9 機動
図9 機動.jpg
引用URL:https://tommytoy.typepad.com/.a/6a0133f3a4072c970b0162ff1110c7970d-800wi

DF-21Dのような機動を取るのであれば、探知は非常に難しいといえます。
(OPS-24やFCS-3の探知範囲外を滑空してくる)

ハリジ・ファルスのCEPが1m程度と主張されていますが、迎撃にはSM-2級の長射程SAMが必要です。

短SAMのESSMでの迎撃は、最後の手段としか言いようがありません。

2.2 イージス艦を海賊対処に派遣するのは本末転倒になる

海幕はイージス艦を海賊対処に派遣することを検討し始めたようですが、圧倒的に数が足りないといえます。

ASBM迎撃を行った場合、海賊対処法の武器使用根拠を超えてしまうためです。

海上警備行動や弾道ミサイル破壊措置命令という方法もありますが、法的整理が必要です。

2.3 しばらくは米軍に任せるしかない。

悔しいですけど、むらさめ・たかなみ・あきづき型の護衛艦ではASBM対処は厳しいでしょう。

戦闘システムを無理に作り変えるより、次期護衛艦に任せた方が無難です。

(関連記事):『ついにFCS-4開発開始となるか?!【海上自衛隊】
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(3)対艦弾道ミサイル対策が今後の目標かな?

将来の海戦においては、対艦弾道ミサイルからの防御が目標になるかもしれません。

図10 イメージ
図10 イメージ.jpg

引用URL:https://www.usni.org/sites/default/files/styles/hero_image_2400/public/Turnwall-PRO-11-19%201.jpg?itok=1HE9bqj7


ESSMの後継がNSAMになるか?それともSM-6になるか注目です。

3.1 探知さえできれば撃墜は可能!

海自はKh-31やSS-N-22を一つの目安として、CDSなどの戦闘システムを構築してきました。

図11 Kh−31
図11 kh−31.jpg
引用wiki

何とか探知さえできれば、ワンチャンスで撃墜は可能です。
(マッハ4で飛行して、探知から着弾まで十数秒の中でやるしかないけど)

とりあえずASBMは、発射されたら逃げるしかないですね!
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2023年11月04日

潜水艦と機雷は存在するだけで脅威となる!【海上自衛隊】

『いやあ〜沈黙の艦隊っていいですねえ!』
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沈黙の艦隊が映画化されて、潜水艦に脚光が浴びるのはいいですねえ!

潜水艦の雷撃で、一撃轟沈する水上艦ほど見てて気持ちいものはありません。

図1 轟沈する艦船
図1 轟沈.png
引用URL:https://twitter.com/Jatosint/status/1461159443081482241/photo/3

しかしながら、潜水艦と機雷は存在することこそ最強の兵器となります。

まさに沈黙の艦隊となります。
(前回記事):『拘束発射というミサイル屋さんが見たくない現象【軍事技術】
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(1)潜水艦は戦闘だけじゃない!

潜水艦は、次々と魚雷攻撃をして敵艦撃沈が主な任務と思われがちです。

図2 ハープーン
図2 ハープーン.jpg
引用wiki

しかし実際は、ハープーンを発射すると100%位置がバレます。

1.1 魚雷攻撃は一撃必殺!

敵艦隊も潜水艦に対する警戒は、しっかりと行っているため魚雷攻撃は命がけです。

図3 魚雷攻撃
図3 対潜戦闘.jpg
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2003/2003/image/15z31221.jpg

だからこそ、潜水艦の攻撃は慎重に行う必要があります。

しかし潜水艦が存在するだけで、敵艦隊を拘束することもできます。

1.2 たった1隻に翻弄されたフォークランド紛争

1982年のフォークランド紛争は、イギリス側の勝利で終わりました。

図4 イギリス海軍
図4 イギリス機動部隊.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FPWRA1kX0AEpdL_?format=jpg&name=medium

しかしながら海戦の分野では、アルゼンチン海軍潜水艦1隻にてんてこ舞いの状況だったのは知られていません。

図5 潜水艦サンタフェ
図5 潜水艦サンタ・フェ.jpg
引用URL:https://wikimapia.org/8187368/Wreck-of-ARA-Santa-Fe-S-21#/photo/341297

イギリス空母機動部隊は、アルゼンチン潜水艦1隻が撃破されるまでフォークランド諸島に接近できませんでした。

さらに、アルゼンチン海軍の209型潜水艦については全く捕捉できない状況だったのです。

図6 潜水艦サンルイス
図6 潜水艦サンルイス.jpg
引用URL:https://www.flickr.com/photos/elsnorkel/4584983971

魚雷攻撃が失敗しなければ、イギリス海軍の損害はさらにフリゲート艦が2隻撃沈されていたと言われています。

それほど潜水艦の存在は、水上艦にとって恐ろしいものです。

1.3 偵察や機雷敷設にも使える

潜水艦は平時から、偵察行動や敵地での機雷敷設にも使用できます。

図7 偵察行動
図7 偵察行動.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Fc4XKj9XkAAKxGT?format=jpg&name=large

情報収集においても、敵に気付かれることなく接近できます。

以前お話した、任務艦も似たようなものです。
(関連記事):『【海自】いわゆる任務艦の話に関するエトセトラ!

潜水艦には、もっと多様な使い方があります。
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(2)潜水艦×機雷=最強の沈黙の艦隊!

潜水艦から、機雷を敷設できることはあまり知られていません。

図8 米海軍機雷
図8 米海軍機雷.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/E5KZWVTXEAU6JBL?format=jpg&name=medium

米海軍のMk67SLMM自走式機雷は、凶悪なものです。

2.1 東京湾に機雷を敷設されると日本経済が破滅する

東京湾に機雷敷設だなんて、突飛な話かもしれませんが可能性としては十分あります。

戦略兵器としての潜水艦と、潜水艦敷設機雷を使えば日本経済に打撃を与えることも可能です。

図9 東京湾
図9 東京湾.png
引用URL:https://www.pa.ktr.mlit.go.jp/wankou/knowledg/img/p01-1.png

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だからこそ、海自は掃海部隊に力を入れているのです。

2.2 新型機雷(小型機雷)は注目すべきもの!

令和5年度より研究が始まった、新型機雷(小型機雷)は今後台湾有事などにおいて注目すべきものでしょう。

図10 91式機雷
図10 91式機雷.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/EyIILqCVcAIM7Th?format=jpg&name=900x900


水上艦などから投下できる機雷として、91式機雷を思い浮かべるかと思います。

しかしながら91式機雷は、サイズがデカすぎるため運用がかなり難しいモノになっています。
(K-RX2が潜水艦用に量産されなかったのは、サイズがデカすぎたため)

そのため、新型機雷(小型機雷)についてはMk52機雷(1000ポンド)ぐらいまで小型化すべきでしょう。

図11 Mk52機雷
図10 Mk52機雷.jpg
引用URL:https://d1ldvf68ux039x.cloudfront.net/thumbs/photos/2208/7384853/1000w_q95.jpg

出来れば、潜水艦発射型まで発展して欲しい代物といえます。
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(3)機雷を使う沈黙の艦隊もいいぜ!

潜水艦は魚雷・ミサイルの他にも機雷を運用できるのが強みといえます。

機雷を使用する潜水艦の活躍も、なかなかいいのではないでしょうか?

しかし映像的には地味になるかも?

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2023年09月09日

ついにFCS-4開発開始となるか?!【海上自衛隊】

『令和13年度護衛艦に間に合えばいいけど』
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令和5年度の政策評価にてついに、次世代護衛艦建造の射撃戦闘指揮システムなどの開発が始まるようです。

FCS-3も開発開始から40年を超えるため、2030年代以降の戦闘システムとして適切な開発時期でしょう。

図1 FCS-3
図1 FCS-3.jpg
引用wiki

ただ、FCS-2・FCS-3の開発遅延の教訓をどれだけ生かせるか見ものとなります。

FCS-3もボロクソ言われたけど、FCS-2の開発遅延はもっとひどかったんだからね!
(前回記事):『せ戦争じゃあ・・令和6年度概算要求を見た感想【防衛省】
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(1)ついに新護衛艦3点セットが登場だ!

令和5年度の政策評価にて、令和13年度護衛艦(13DD?FFG?)に搭載される開発品が発表されました。

図2 高速高機動目標対処レーダー
図2 レーダー.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/hyouka/seisaku/2023/pdf/jizen_12_honbun.pdf

ついに新時代の護衛艦開発が始動したと言ってもいいでしょう。

1.1 FCS-3などの3点セットを思い出すなあ

今回の令和6年度からの研究開発は、
・高速高機動目標対応レーダの開発(FCS-4になるのかな?)
・護衛艦用新戦闘指揮システムの研究(ACDS(OYQ-10シリーズ)後継)
・新艦対空誘導弾(能力向上型)(ESSM後継国産弾)

というように、令和13年度(2031年)護衛艦に搭載する装備の開発を進めるものです。

図3 新戦闘指揮システム
図3 新戦闘指揮システム.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/hyouka/seisaku/2023/pdf/jizen_02_honbun.pdf

かつての、FCS-3を含む3点セットATECS(FCS-3・ACDS・RIM-4)を彷彿とさせるものです。

もう新時代の開発を行う時代になったのだなあ、という感慨深いものがあります。

1.2 HGV対処研究はかつてのASMDを思い出す。

研究の主眼に置かれたのは、現用のFCS-3では難しいHGV(極超音速滑空兵器)への対処を行うものです。

図4 HGV
図4 HGV.png
引用wiki

最近の流行であるHGV対処を急ぐのは、かつて1970年代以降にASMD(対艦ミサイル防御)対処を急いだ時代に重なるものがあります。

かつてのゲームチェンジャーだった対艦ミサイルも、HGVにはかなわない状況です。

今後の流行として、HGV対処を主眼としてレールガン搭載も視野に入るでしょう。

1.3 予定通りに開発完了できるかなあ?

ただFCS-3に関わったものとしては、どれだけ開発遅延を縮小して予定通りに開発できるかが心配です。

図5 GFCS-1
図5 GFCS-1.jpg
引用wiki

すでに全機が退役したGFCS-1(72式射撃式装置)ですが、開発開始は1960年で制式化に12年かかりました。
(途中でFCS-0(68式射撃式装置)はできたが、さらに実用化に6年かかった)

射撃式装置や艦載レーダーの開発は、開発遅延との闘いです。

今回は、どれだけ早期に開発完了できるかが見ものでしょう。
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(2)FCS-3・FCS-2の遅延は艦艇建造にも影響した

搭載装備品の開発遅延は、護衛艦建造に重大な影響を与えることになります。

図6 謎護衛艦
図6 謎護衛艦.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/CrlLV3GVYAA82ce.jpg:medium

たまに出てくる謎護衛艦のポンチ絵は、FCS-3を搭載する予定だった「たかなみ型(10DD)」の残影です。

2.1 FCS-3はACDSの遅延が響いた

開発についてボロクソに言われるFCS-3について、最大の開発遅延の要因だったのはACDSです。

図7 ACDSの概要
図7 ACDSの概要.png
引用URL:https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_1283286_po_TRDI50_05.pdf?contentNo=5&alternativeNo=

平成4年に試作を開始して、平成10年に実用試験を終了する予定でしたが2年の開発遅延となりました。

対潜情報処理装置(ASWCS)との連接や、FCS-3・RIM-4との連接に手間取ったのが原因です。

10DD(たかなみ型)の1番艦から搭載する予定が、4番艦(12DD:すずなみ)に延期されさらに16DDH(ひゅうが)まで搭載が延期される結果となります。

FCS-3のレーダ素子も1990年代には最新鋭だったガリウムヒ素(GaAs)半導体が、2000年代には陳腐化してしまいました。

図8 ガリウムヒ素半導体
図8 GaAs.jpg
引用URL:https://www.nisshinbo-microdevices.co.jp/img/rf-device/rf-column_01-04.jpg

あきづき型護衛艦(19DD)からは、窒化ガリウム(GaN)に変更してようやく何とかなった状態です。

たかなみ型護衛艦からFCS-3を搭載できていれば、今とは違った艦隊になっていたかもしれません。

2.2 FCS-2は4年の遅延で危うく国産化断念の瀬戸際だった

現在の護衛艦にて、いまだに主力として活躍しているのがFCS-2(81式射撃式装置)です。

図9 FCS-2
図9 FCS-2.jpg
引用wiki

護衛艦の多くに見かける名品ともいえる射撃指揮装置ですが、開発当初4年の開発遅延があったことは知られていません。

図10 護衛艦しらね
図10 護衛艦しらね.jpg
引用wiki

FCS-2は1970年(昭和45年)に開発を開始して、1975年(昭和50年)に開発完了をする予定でした。

まあそれが洋上での技術・実用試験で不具合連発により、50DDH(しらね型)への搭載を断念することになります。

急遽暫定の短SAM管制用FCSとして、シグナ―ル社(現タレス社)のWM-25を搭載することになります。

実用試験では、7回の大規模改修を行い4年の遅延をすることになります。
(開発当時に、プロジェクト管理(LCC)があったとっくに中止だったでしょう)

図11 改修後のくらま
図11 くらま.jpg
引用wiki
(「しらね」・「くらま」は2000年代にWM-25をFCS-2に換装)
当時すでに1977年(昭和52年)には、FCS-2搭載を前提した「はつゆき型」「いしかり型」護衛艦の発注が行われておりました。

1978年には「これがダメならFCS-2計画は放棄して、海外製WM-25を搭載する」という最終リミットが示されます。

官民一体となって猛然と海上試験を行い、ようやく1979年に制式化して国産FCSは生きながらえます。

もしかすると、国産FCSが途絶えた世界があったかもしれません。

2.3 FCS-3改はまだよい方だった

FCS-3改(今のひゅうが搭載用)の改修試験が難航したとき、「FCS-2の時よりはまだましだから!」とナゾの励ましの上でX帯イルミネーターの試験は予定通りに完了しました。

SPY-1Fを19DDに搭載しろ〜!というナゾの圧力に負けず、FCS-3AやOPY-1/2の系譜につながったのはよかったといえます。
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(3)2030年代にどれだけ間に合うかな?

令和13年度護衛艦(13DD?FFG?)は、計画通り新型FCS−4が完成しないかもしれません。

しかしながら、開発遅延を可能な限り圧縮することで成功の可能性はあります。

3.1 たかなみ型代替艦という認識で良いのかな?

もがみ型護衛艦は、掃海艇・あさぎり型・あぶくま型護衛艦の代替として12隻建造となりました。

図11 もがみ型
図12 もがみ型.jpg
引用wiki

今回登場したのは、2035年以降に退役が始まる「たかなみ型」護衛艦の代替艦と考えるのが適切でしょう。

多少開発が遅延しても、装備換装で対応できるように設計も考慮されるかもしれません。

FCS-4の研究開発は、多少開発遅延を覚悟しても実施していくべきことでしょう。

FFM22隻の整備が終了後に登場する、13DD?を楽しみに待ちましょう!
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2023年06月14日

艦これついに艦船呼んじゃったよすげえなあ!【海上自衛隊】

『艦これの影響力はやっぱすげえなあ?!』
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2023年6月10日に、いつも見ていただいているROKETTOさまから艦これコラボの情報をいただきました。

海自にて艦船を派出する調整活動をした身としては、ホントにすごいことだと思います。

艦艇1隻を外部のイベント協力で派出することは、よほどの説得力がないとできません。

主催団体の尽力と地域の理解のすごさに、素直に脱帽です。
(前回記事):『【海上自衛隊】いなづま修理が数年がかりになる理由について!
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(1)艦これやっぱすげえなあ!

2023年6月9日と10日に実施された艦これ佐世保コラボイベントが実施されました。

図1 ミサイル艇しらたか
図1 ミサイル艇しらたか.jpg
引用URL:https://twitter.com/sasebokanko/status/1667696893739307008/photo/2

佐世保地方隊のミサイル艇「しらたか」が、イベント会場に横付けされました。

1.1 すげえなあ!ついに艦艇派出まで来たか!

艦これについては、リリース当初からいろいろ話題になりました。

海上自衛隊にも深く静かに浸透していき、ついにはイベントでコラボするほどです。

図2 コラボイベント
図2 コラボポスター.jpg
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_mrh/status/1292596520001449990/photo/1

佐世保でのイベントは10周年ということで、音楽隊と共にミサイル艇まで登場しました。

ひとえにファンの支持と共に、地域との共存をしてきたからこそ可能になったといえます。

1.2 艦艇航空機派出は簡単にはできない!

ここで、イベントへの艦艇や航空機装備の広報派出なんて簡単にできそう?と思っている方もいるかと思います。

図3 ニコニコ超会議10式戦車
図3 10式戦車超会議.jpg
引用URL:https://twitter.com/JGSDF_pr/status/327924227304992768/photo/1

ニコニコ超会議に、陸海空自衛隊の装備品を持っていき展示するなど広報展示はよく行われます。

しかしながら、簡単に広報派遣が出来ないということを知って欲しいところです。

以前に、艦艇一般公開にこぎつけるまでの裏側を記事にしたことがあります。

(関連記事):『【海上自衛隊】大乱闘!艦艇一般公開イベント開催の裏側では・・・?

このとき、艦艇を派出しての広報には2年前から準備が必要と書きました。

今回の艦これイベントの場合は、民間団体の主催イベントに艦艇を派遣しました。

どれだけ主催者団体が苦労して、海幕を説得したのか気になります。

1.3 提出された企画書を見てみてえ!

防衛省自衛隊が自分で企画した、広報活動でさえ運用調整で一苦労するものです。

ましてや、認知度の高い艦これイベントを主催する団体が説得するのは非常に苦労したでしょう。

図4 舞鶴地方隊Twitterアイコン
図4 舞鶴地方隊.jpg
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_mrh/status/1659121656080773121/photo/1

舞鶴地方隊のTwitterアイコンは、密かに侵食されています。

ドンだけ艦これの影響力が浸透しているのか、よくわかる構図です。

今回の佐世保コラボイベントの企画書は、ホントに説得力のある物だったのでしょう。

出来れば海幕に提出された、企画書を読んでみたいものです。
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(2)厳格なルールのなかで広報は実施される!

自衛隊の広報企画は、何でもかんでも行われるという物ではありません。

図5 亡国のイージス
図5 亡国のイージス.jpg
引用URL:https://mihocinema.com/wp-content/uploads/2015/03/boukokuno-aegis.jpg

かつて映画「亡国のイージス」も、一度は防衛省が協力拒否する寸前でした。

2.1 広報活動は関連法規で規定がある!

あまり知られていませんが、防衛省自衛隊が広報活動やTV映画などでの協力については関連法規があります。

『防衛省の広報活動に関する訓令』(防衛庁訓令第36号)
という物があります。
防衛に対する日本国民及び外国人の認識と理解を深め防衛施策に対する信頼と協力を得るため、
防衛の実態を正しく部内及び部外に伝え、防衛省設置法(昭和29年法律第164号)第4条
第1項第17号に規定する防衛に関する知識の普及及び宣伝に関する任務を遂行する活動

この目的に沿うように、防衛に対する認識と理解を深めることができるなら協力をしてきました。

さらに、海上自衛隊に関していえば自主的広報活動と協力的広報活動に分かれます。

図6 護衛艦「いずも」公開
図6 護衛艦いずも公開.jpg
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_PAO/status/1180704721603944450/photo/1

艦艇一般公開については、自主的広報活動に分類されるものです。
(自衛艦隊から割り振りされるけど自主的とはこれ如何に?)

対してTV映画等の制作や部外イベントへの協力は、「協力的広報活動」になります。

2.2 協力的広報活動はKENZENなものだけ!

協力的広報活動の時は、4項目に照らし合わせて該当する場合のみ協力できます。
・広報上効果がある場合
内容が健全妥当である場合(ココ重要!)
・海上自衛隊の協力を得なければ製作が不可能又は困難である場合
・教育訓練をかねて実施できる場合


え〜、艦これの場合は「内容が健全妥当である場合」
について疑問符が付きますが(汗)?

特に大破のイラストが問題になります。

艦これがリリースされた時、海自があんまり協力じゃなかった理由は「内容が健全妥当」か揉めてました。

このままだったら海自はイベント協力をしなかったでしょう。
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(3)地域に受け入れられたことが大きい!

海上自衛隊が、艦これイベントに協力的になったのは地域社会と共存したイベントになったことです。

図7 地域イベント
図7 地域イベント.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FyJT-hUaYAEKLC5.jpg:medium

これだけ地域に貢献するイベントなら、広報の機会だと考えるでしょう。

3.1 36万円の係留料を払う価値はある。

佐世保のイベントには、民間岸壁にミサイル艇が係留されました。

ミサイル艇(200トン)が民間岸壁に係留すると、長崎港だと約36万円を海自から長崎市に支払うことになります。
(海自艦艇が民間港に入港すると、係留料が必要です。在日米軍艦艇は免除になってます。)

海自にとっては、約36万円の係留料を支払ってでも広報価値があると判断できるイベントになったといえます。
(関連記事):『【面白話】海上自衛隊とカレーにまつわるお話

まあいつも海自広報が乱心しており、通常営業かもしれません。

3.2 説得したイベント実行委員会すげえ!

海幕と共に佐世保地方総監部にも、イベント協力について説明と説得をしなくてはいけません。

図8 ミサイル艇
図8 ミサイル艇.jpg
引用URL:https://twitter.com/jmsdf_srh/status/1377455180883451907/photo/2

佐世保総監にしてみれば、貴重な実働兵力なのに海峡監視任務で忙しい状況です。

ミサイル艇も、普段の運用は自衛艦隊が行っており簡単に出せるものではありません。

それでも地域活性化のために必要として、佐世保音楽隊も共に派出してくれました。

ホントに説得した熱意がスゴイと思います!
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2023年05月16日

海上自衛隊いなづま修理が数年がかりになる理由について!

『しらねの200億円よりはマシかな(白目)』
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2023年1月に発生した、護衛艦いなづまの座礁事故について最初の修理概算額が出てきました。

修理費40億円で、修理に数年かかることになりそうです。

図1 護衛艦いなづま
画像1 いなづま.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/dd/murasame/#105-13

何でそんなにかかるんだ?!なんて思うかもしれません。

しかしこれは、海上自衛隊の苦しい後方支援基盤も関係してきます。
(関係記事):『【海上自衛隊】修理費があ!修理費がああ!「いなづま」の件に思うこと!』 
\こちらもご参考に!PR/


(1)修理費と造船所ドック不足が絡んでくる!

すぐにドックに入れて修理できないのか!なんて意見もあるかと思います。

図2 駆逐艦コール
図2 駆逐艦コール.jpg
引用wiki

米海軍のように、すぐに大修理ができるほど海自の後方支援体制は整備できていません。

1.1 2023年度予算でひねり出すのは厳しい!

2023年度予算をやりくりすれば、約40億円くらいすぐに出せると思われがちです。

しかしながら、他の艦艇の定期検査・年次検査を中止するわけにはいきません。

図3 修理のドック入渠
図3 修理入渠.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/oominato/butai/orsf/images/hamagiri003.jpg

ここに予定外の、緊急修理の費用が出てくると予算のやりくりが大変になってきます。

海幕を中心に、必死に予算をかき集めて捻出することになります。

定期検査等の造船所工事分を、乗員修理に変更したり部品交換の先送りなどで費用捻出になります。
(その分艦船乗員に負担がかかってしまう。)

当然、艦艇の稼働率にも影響してくるのでギリギリのところで妥協する形になります。

艦船修理費は、ポンポン出てくるものじゃないんですよ。

1.2 潜水艦そうりゅう修理でかなりの額が圧迫している。

護衛艦いなづまは、呉を母港としていますがおなじ呉の船で潜水艦そうりゅうの修理がまだ終わったわけではありません。

図4 そうりゅう状態
図4 そうりゅう事故.jpg
引用wiki

2021年2月8日に事故を起こして、まだ修理が続いています。

修理を担当する呉造修補給所としては、ただでさえ修理費用が掛かっているところにいなづまの事故が来たことになります。

護衛艦ががの特別改造も行っているので、相当な修理費用の圧迫になります。

1.3 造船所の修理ドックは開いていない!

破損したプロペラや舵の修理は、造船所のドックに入渠して行うことが必要です。

図5 破損したプロペラ舵
図5 破損したプロペラ舵.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FGlXtLZWQAgaJaw?format=jpg&name=medium

おそらくこのくらいの破損状況と推定されるため、プロペラの組みなおしと舵可動部の大修理が必要になります。

しかしながら、造船所としても修理スケジュールが詰まっているところに「早急に修理して!」とと凹まれても困ります。

呉地方隊の警備区内では、

・JMU因島工場(今回の定期検査担当事業所)
・JMU呉工場(護衛艦かが特別改造実施中)
・三菱マリタイム玉野事業所(FFM建造中)


の3つの事業所でしか、護衛艦検査修理ができません。

航行不能の状況を考えると、この3事業所で修理の隙間を縫って修理を行う形になります。

そのため、修理に数年かかると報道されたのです。
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(2)まずは自力航行可能に回復させることが優先!

座礁事故により自力航行不能となった、護衛艦いなづまについては自力航行可能にするのが優先です。

図6 ドック中の米艦艇
図6 ドック中の米艦艇.jpg
引用wiki

まず2023年度中には、自力航行可能にするのが目標になるでしょう。

2.1 自力航行できなければ始まらない。

1回の修理で完全に修理完了となるのが理想ですが、他の艦の修理もあるのでまずはプロペラと舵の修理です。

図7 プロペラと舵
図7 プロペラと舵.jpg
引用wiki

画像は、揚陸艦「ボノム・リシャール(LHD-6)」のプロペラと舵の写真です。

2010年に米国での修理の際に撮影されたもので、かなり大きなものになります。

とにか優先すべきは、自力航行可能になるようプロペラ交換と舵修理でしょう。

予備品などを活用しても、10億円以上の修理費がかかるといえます。

ドックに入渠と、重量物交換のクレーン費用は結構シャレにならない高額な費用になります。

2.2 自隊保有ドックが少ない弱さが露呈している。

本当ならば、海上自衛隊が自前の修理用乾ドックを持つのが良いのですがそんなにうまくいきません。

図8 大湊1万トンドック
図8 大湊1万トンドック.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/oominato/butai/orsf/images/dock01.jpg

自前で管理しているのは大湊造修補給所の1万トンドックのみです。

横須賀には、米軍基地にある1〜6号ドックがありますが米海軍の修理が優先されることになっています。
(日米地位協定第2条第4項(a)の規定が適用される。)

佐世保・舞鶴・呉造修補給所については、基本的に民間造船所ドックに修理を注文することになります。

海自艦艇修理の後方基盤は、非常に不安定な状態なのですが海自が自前で乾ドックを持てなくなったのは歴史絵的な理由もあります。

2.3 軍転法という制約

これには軍転法(旧軍港市転換法)という法律で、横須賀・呉・佐世保・舞鶴の旧海軍用地が民間に解放された結果があります。

図9 JMU呉工場
図9 JMU呉.jpg
引用URL:https://www.city.kure.lg.jp/uploaded/image/33295.JPG

かつて戦艦「大和」が建造された、呉海軍工廠も戦後すぐに民間に払い下げられました。

現在は、JMU呉工場が使用しています。

大湊だけが軍転法の対象外となったので、何とか海自が旧海軍ドックを持てたのです。
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(3)問題はソーナードーム交換かな?

問題は、損傷したという艦首のソーナードーム交換でしょう。

図10 バウソナードーム
図10 ソナードーム.jpg
引用URL:https://i.ytimg.com/vi/a8hS5xN_BdI/maxresdefault.jpg

ラバードーム交換は、かなり手間のかかる作業です。

3.1 ラバードーム交換だけで済むかな?

ニュース情報だと、艦首のソナードームにも損傷があるとの情報があります。

図11 ソナードーム
図11 ラバーウィンド.png
引用URL:https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11502835/www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/kouritsuka/rev_gaibu/pdf/2017_01_shiryo.pdf

米軍とは違う形状の硬質ゴムであり、ソナー機器を保護するソナードームを使用しています。

内部はスチールワイヤーで補強がされており、破けにくくなっています。

これが厄介なもので、もしかするとラバードーム交換直後の事故かもしれません。

予備品のラバードームと交換するだけで済めばいいですが、もしかするとソナー素子に異常があるかもしれません。

3.2 ソナー素子交換だと厄介だぞ〜!

ソナーについては、多数の素子が使用されています。

図12 ソナー素子
図12 ソナー素子.jpg
引用wiki

だいたいこんなようなものが、中にあると思っていただければ幸いです。

下手をすると、ソナー素子にもダメージが来ており損傷があるかもしれません。

一度全部のハイドロフォンアレイを、陸揚げして分解点検する必要が出てきます。

それならば、先にプロペラと舵だけを交換して自力航行可能にするのが優先となるでしょう。

なかなか厄介な状況です。

3.3 自前の浮きドックが欲しいねえ!

海自で艦船修理をしてた時は、自前の浮きドックが欲しいと思ったことが多々ありました。

アレがあれば、乾ドックを占有せずに修理が行えるのでうらやましかったところがあります。

弾薬備蓄増加もいいですが、できれば海自後方支援に浮きドック1隻が欲しいものです。

今後の修理状況に注意が必要ですよ〜!
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2023年01月12日

「いなづま」の修理費があ!修理費がああ!!【海上自衛隊】

『むらさめ型護衛艦ってよくプロペラ吹っ飛ばすよね(怒)!』
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2023年1月10日に発生した護衛艦「いなづま」の座礁にて、海上自衛隊のあわただしい新年が始まりました。

浅瀬を突っ切って、プロペラと舵・さらには艦首ソナーラバーウィンドも損傷した模様です。

まあ事故原因の調査は、これから進められていくのでしょうが単純ミスだったら目も当てられない状況です。

思えば「むらさめ型」護衛艦って、しょっちゅうプロペラ破損をやらかす問題児だったなあ〜。
(関連記事):『【海上自衛隊】特定秘密漏洩の先陣を切ってどうする!
\こちらもご参考に!PR/

(1)うお〜い何しとんねん!

最初にニュースを聞いたときは、「じんつう」事故に続いて何しとんねん!と思う状況です。

図1 プロペラ破損
図1 プロペラ破損.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FGlXtLZWQAgaJaw?format=jpg&name=900x900

舵とプロペラ破損と聞いて、こんな状況になんでなるねん!と思いました。

1.1 年次検査の機関公試での事故かな?

情報を総合すると、JMU因島での検査で出港した護衛艦「いなづま」が、周防大島の南の海上で暗岩に接触して航行不能となったと思われます。

図2 護衛艦いなづま
図2 護衛艦いなづま.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/pco/hiroshima/event/20210731/105_03l.jpg

母港が呉の4護衛隊群所属になっており、活発に活動していた「むらさめ型」護衛艦です。

それなりに古いとはいえ、まだまだ現役バリバリの艦艇が派手に事故ったものです。

1.2 なんで浅瀬を突っ切てるねん!

海上自衛隊の船乗りとしては、周防大島周辺と言えば江田島の近くでもありホームグランドとも呼べる場所です。

図3 周防大島
図3 周防大島.jpg
引用URL:https://kotobank.jp/image/dictionary/nipponica/media/81306024008424.jpg

進路ミスなのか?海図(チャート)確認不足なのか?外力で流されたのに気づいていなかった?

想像される原因は多数ありますが、『なんで深度7mラインがある浅瀬を突っ切てるねん!』

これはもう、徹底的に事故原因を調査するしかないでしょう。

1.3 呉造修補給所の嘆きが聞こえそう・・・

海上自衛隊の関係では、非常に頭の痛いところとなっているかと思います。

図4 多用途支援艦
図4 多用途支援艦.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ams/hiuchi/img/main_4301.jpg

現場には、えい航をするための多用途支援艦が到着したようなので何とかえい航して呉港に入港させる形になるでしょう。

呉造修補給所の艦船部は、現在てんやわんやの状況となっているのが目に浮かびます。

ただでさえ2022年度予算の時期内なので、ここから修理費をかき集めてドック入りはかなり厳しい状況かもしれません。

年次検査中であれば、JMU因島工場に引き返すという手段も取れるでしょうが因島工場ではプロペラ軸系の工事はちょっと難しい状況でしょう。

予算があ!予算があああ!と激しく慟哭の涙が流れる状態です。(しらね火災でえらい目にあった)
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(2)むらさめ型護衛艦ってホントにプロペラ飛ばすことが多いなあ!

むらさめ型護衛艦というと、現職時代はほんとに「プロペラ折れました〜(涙)」となることが多かった印象があります。

図5 米海軍プロペラ
図5 米海軍.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/CZyPxy_WYAAZEvB?format=jpg&name=4096x4096

米海軍もたまにやらかすけど、むらさめ型はほんとにペラ破損が多かったです。

2.1  可変ピッチプロペラは複雑!

護衛艦では標準装備となった可変ピッチプロペラ(CPP)については、かなり複雑な機能です。

図6 CPP
図6 CPP.jpg
引用URL:https://www.khi.co.jp/mobility/marine/machinery/img/propeller_im01.jpg

護衛艦用CPPについては、通常の可変機構に加えていろんな細工がしているため非常に扱いが繊細です。

1枚のプロペラ翼製造に3か月はかかるため、艦船補給処で予備のプロペラ翼を保管しています。

しかしながら、景気よくぶっ壊すので現職時代に「むらさめ型」の予備品が底をつきそうになったことがあります。

補給本部が、大量に予備品を注文したおかげで何とかやりくりできた部分がありました。

2.2 ソナードームはマジで予備品が少ないぞ〜

問題は、ソナードームも損傷しているという情報があることです。

図7 ソナードーム
図7 ソナードーム.jpg
引用wiki

写真は、米海軍イージス艦に搭載しているSQS-53のソナードームです。

むらさめ型護衛艦に搭載しているOQS-5は、船底装備ですが強化ゴム(補強用ワイヤー入り)で製造されています。

一応交換年数が定められており、予備品もあるのですがなかなか交換費用が厳しいことになるでしょう。
(中のソナー素子も点検交換が必要かも?)

2.3 運動性が良くなった弊害?

むらさめ型護衛艦は、船体設計が良くなり凌波性も向上したため荒波を乗り超えていきます。

図8 凌波性
図8 波乗り越え.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FUjTjcAVEAAAD_x?format=jpg&name=large

こんな感じで、派手に乗り越えた結果「プロペラ曲がった〜!・折れました〜!」と造補所・艦補処に連絡が来ることがよくありました。

はつゆき型・あさぎり型・イージス艦やDDHではそんなになかったのに、なぜかむらさめ型だけペラ交換が多かったんですよ。
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(3)さらに事故が続かなきゃいいけど・・・

2022年には、護衛艦「じんつう」が横須賀港内で接触事故を起こしており事故が続く印象があります。

図9 護衛艦じんつう
図9 じんつう.jpg
引用wiki

船の事故は結構連続して起きるから、本気で注意が必要です。

3.1 ジャイロコンパスの狂い補正ミスだとやべえぞ!

海図を見ると、一直線に浅瀬を突っ切った航跡になっているようです。

図10 ジャイロコンパス
図10 ジャイロコンパス.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/D_AuQcvVUAE9ldP?format=jpg&name=large

艦橋での操艦では、ジャイロコンパスを見ながら操艦を行います。

厳正に狂いが無いようにチェックをしながら、航行を行いますがコンパスチェックを忘れていたなら大問題です。

どうも航跡を見ると、ジャイロコンパスの狂いを放置したまま全速航行したような感じしかしません。

今後の徹底的な原因究明が望まれます!
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2022年12月26日

【海上自衛隊】特定秘密漏洩の先陣を切ってどうする!

『イージス漏洩の二の舞いを海自がやるとは!』
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2022年12月26日、海上自衛隊での特定防衛防衛秘密漏洩事件の処分が下されました。

流出元となった、I1等海佐については懲戒免職となりましたが大元の海自OB元海将の名前は最後まではぐらかされた感じになりました。

図1 海幕長
図1 海幕長.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/about/topmessage/img/sakairyo_2.jpg

まあ防大派閥の関係もあり、言いたくなかったんでしょう。

色々怪情報が飛び交う前に、知りえる情報を流しておきましょう。
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(1)ペンギンはI1等海佐の元部下でした。

私ペンギンも海上自衛隊にいましたので、関係情報やいろんなバックグラウンドを知る立場にあります。

今回の懲戒免職事案について、ちょこっとばかり関係者が混じっているので驚いています。

1.1 ペンギンは、I1海佐の元部下でした。
実のところを言うと、懲戒免職となった「I1海佐」の元直属部下だったことがあります。

直属の部下として、1年以上勤務しているため結構いろんなことを知りえました。

海の世界だと、1年ほど上司と部下の関係を続けると結構後々濃いつながりとなります。

そのため良い面も悪い面も知ることになります。

元部下という関係上実名を避けることで、最低限の義理は果たそうと思います。

1.2 あんまりよい上司じゃなかったんだよね・・・

結論から言うと、I 1海佐はあんまり良い上司ではなかったというのが元部下ペンギンの結論です。

実際に同僚だった幹部自衛官が、2名ほどツブされたのを目の当たりにしました。
(パワハラではないけどやりにくい人だったなあ・・・)

ペンギンはほとんど箸にも棒にも引っかからなかったのか、ツブされることはなかったです。

他にI1海佐の部下になった人からも、あんまりいい評判はなかったんですよね。

1.3 I1海佐は一般大出身者の幹事付経験者

知っている正確な情報として、I1海佐は防大出身者ではなく一般大出身で幹部候補生学校に入った経緯があります。

なんだか防大出身の先輩後輩関係が〜なんて、まるで防大出身者であるような情報が出回っていますが全くの間違いです。

ただ優秀だたっため、海上自衛隊幹部候補生の「幹事付」(通称:赤鬼・青鬼)になるほど優秀だったのですが・・・

元部下として、この人情報保全意識大丈夫かな?と思ったことがあります。(任務艦)

だから元部下で1佐クラスまで上がってきた人間に、後ろから刺された状態になったのかもしれません。
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(2)漏洩先のOBはあの人かな?

今回特定秘密の漏洩先として、元自衛艦隊司令官を経験したOB(元海将)の情報があります。

ネットでK提督だろう!なんて情報がありましたが、別の元海将が思い当たる節があります。

2.1 I元海将じゃないだろうか?

思い当たる節として、I元海将(防大出身)ではないかな?と個人的には思っています。

図2 自衛艦隊
図2 自衛艦隊.jpg
引用wiki

アノ人に心酔していたから、ついつい漏洩してしまったのかも・・・

Twitterで情報発信をしている、空自で情報職域の幹部をしていた「Sonoda Hiroki氏」が思いっきり呆れています。
(いつもTwitterでの知己のある情報発信に感謝しかありません!)

図3 Sonoda Hiroki氏のTwitter
図3 Twitter.png
引用URL:https://twitter.com/SonodaHiroki/status/1606866724393222146

I元海将って不思議と人を引き付ける魔力みたいなものがあったので、心酔する幹部は結構いたんですよね。

防大・一般大出身の垣根を越えることができた、不思議な魔力を感じる人でした。
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(3)OB問題は根が深いぞ〜?

自衛隊OBが現職に情報を求めてくることはよくあるんですよね。

私の場合、装備幹部でしたので入札・予定金額の話・検討中の装備情報を求めてくる人が多かったですね。

特に「M重工(名航宇宙)」って、的確に元上司だったの顧問(将官クラス)をあてがってくるのですげえ嫌でしたね。

イージス情報漏洩事件で、あれだけ海上自衛隊へのバッシングが起きたのにまた情報漏洩をやらかすとは情けないにもほどがあります。

情報保全の再度規律徹底を望みます。
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2022年05月29日

護衛艦じんつうやっちまったなぁ〜【海上自衛隊】

『船越岸壁って結構狭いのよねえ〜!』
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2022年5月22日に、海上自衛隊横須賀基地船越地区にて護衛艦じんつう(DE230)が掃海母艦うらがに衝突する事故がありました。

図1 じんつう事故
図1 護衛艦じんつう事故.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FTbbJ5hacAA7h24.jpg

護衛艦じんつうは艦首がへこみ、衝突された掃海母艦うらがも船体中央部に大きなへこみと亀裂が入る事故となりました。

横須賀造修補給所船体科大激怒案件ですが、船越岸壁の出入港はかなり難しいものがあります。

運用性を取るか、騒音対策を取るかの問題となるでしょう。
(前回記事):『【世界情勢】スラヴァ級巡洋艦撃沈ってマジかよ・・・(汗)
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(1)船越岸壁は特殊だからね〜?

今回の事故については、横須賀のいつもの吉倉岸壁とは違う場所で発生しています。

図2 吉倉逸見岸壁
図2 横須賀基地.jpg
引用wiki

自衛艦隊司令部などがある、奥の岸壁で発生しています。

1.1 船越岸壁はめちゃくちゃ複雑!

船越地区にある岸壁には、吉倉岸壁に泊まれなかった艦船が集まってきています。

図3 船越岸壁
図3 船越岸壁.png
引用URL:https://www.google.com/maps/@35.300644,139.6370869,893m/data=!3m1!1e3?hl=ja

少し前の航空写真ですが、岸壁の様子が分かるようになっています。

今回発生したのは、特に大型艦が係留する岸壁(画像右上)のところで発生しています。

広いように見える水域ですが、意外と狭い水域なので出入港に苦労する場所です。

1.2 結構難しい場所!

最初に護衛艦じんつうがうらがに突っ込んだと聞いたときは、「おいおいどんな操艦したらぶつけるんだ?」と考えてしまいました。

図4 昔の船越
図4 船越係留.JPG

昔やってや係留であれば出船係留でぶつける要素があまりないように感じていましたが、最近は民間地区にエンジン排気音をぶつけないように、入船係留していることが多くなっているのを忘れていました。

図5 入船係留
図5 入船係留.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FTXgMpqVIAAWquM.jpg

この状況で、港内にて方向転換するのに各艦ともかなり苦労していたのを覚えています。

1.3 ブイ係留保管船があると狭い!

船越岸壁地区には、掃海艦が停泊する艦船補給処の桟橋と船越岸壁の間に浮標(ブイ)があり、退役した船が係留されていることもあります。

図6 浮標係留
図6 あきしお係留.JPG

ほんとに回転する水域があるとしたら、掃海母艦「うらが」の横しか海域が無い状況です。

護衛艦じんつうの事故は、そんな中で操艦ミスの部分が大きいといえます。

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(2)曳船使い・機械の使い方・艦橋での遅れ?

出入港については、事故が起きやすい部分であるので最も注意しているのですが事故は起きてしまいます。

図7 曳船との連絡
図7 曳船との連絡.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/E-lXY9vVgAIiILS?format=jpg&name=medium

いくつものミスが発生した可能性があります。

2.1 出港前ブリーフィングの伝達不足?

可能性の一つとして、出入港での艦長のインテンション(意図)を周知する出港前ブリーフィングにて意思疎通不足があったのかもしれません。

図8 出港前ブリーフィング
図8 出港前ブリーフィング.jpg
引用URL:https://fanblogs.jp/sstd7628/file/E587BAE6B8AFE5898DE38396E383AAE383BCE38395E382A3E383B3E382B0E381AEE9A2A8E699AF.jpg

参考記事):『【海上自衛隊】船務士も出港時にはお仕事いっぱいだよ!

このコロナ過で密集することがあまり好まれない状況で、的確にインテンションを伝達できたのかという問題があるでしょう。

ここで、意思疎通不足があったのかもしれません。

回頭する位置や、回転スピードの細かい指示が十分でなかったのかもしれません。

2.2 艦橋が騒がしい船は事故る!

練習艦隊や護衛艦勤務の時によく言われたこととして、出入港作業における艦橋の在り方です。

『艦橋が騒がしい船は、必ず事故になる!』


図9 艦橋
図9 艦橋.jpg
引用URL:https://www.hiroshimapeacemedia.jp/blog/wp-content/uploads/2018/02/6f77947fad1a2a20454880c963fb6829.jpg

艦長の操艦号令が、正確に伝達されなければ事故の元になります。

部下の報告も、艦長の仕事の邪魔をしないようにて適格に行う必要があります。

2.3 緊急投錨の時間もなかっただろうな〜

出入港の際には、艦の動きが予想より大きく動いてしまうこともあります。

そんなときに船を止める手段として、緊急投錨という手法があります。

図10 釣り錨
図10 釣り錨.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/yokosuka/news/02/img/08/03.jpg

出入港作業において、必ず錨の一個については「釣り錨」として船を止める最後の手段として緊急投錨にて止める作業をします。

一瞬の時間なので、緊急投錨する時間もなかったかもしれません。
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(3)昔が豪快すぎた?

昔の船乗りの話を聞くと、多少こすっても許されたおおらかな時代がありました。(おおらかすぎた?)

しかしながら最近では、ぶつけたら即時に大問題となってしまいます。

3.1 駆潜艇のような哨戒艦の早期配備を望む!

最近の護衛艦は大型になりすぎて、若い時代に艦艇長勤務経験ができる駆潜艇が無くなったのも経験を積める機会が少なくなったといえます。

図11 駆潜艇
図11 駆潜艇.jpg
引用wiki

今回の事故は艦長の操艦ミスとして、簡単に片づけていい話ではないと考えます。

艦艇の十分な経験がしっかり詰める環境として、哨戒艦などの早期配備が必要になってきているといえます。

今後の計画をしっかりとしてほしいものです。
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