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2024年01月25日

謎水騒ぎを仕様書と契約の観点から解説【自衛隊】

『陸自練馬駐屯地がニセ科学に騙されかけたと聞いて!』
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陸自練馬駐屯地にて、謎水なるニセ科学製品の入札公示と急きょ公示取消しがあったようです。

ニセ科学はともかく、役務調達要求仕様書と契約制度の問題が結構あるなあ・・・

図1 謎水?
図1 謎水?.png
引用URL:https://www.irasutoya.com/2019/03/blog-post_927.html

似たようなものは私の現職時代も結構持ち込まれたりしています。

まあ大抵指揮官クラスが、トップダウンで持ち込むんですよね〜!
(前回記事):『KN-23がウクライナで使われるとは!【世界情勢】
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(1)謎水入札公告と公示取り消しまで

2024年1月22日に、有志の手で練馬駐屯地の地方調達にて謎水の入札公告が発見されました。

図2 Twitter
図2 Twitter.png
引用URL:https://twitter.com/konamih/status/1749341032939176206

明らかにやべー案件ですが、1月24日に無事に取り消しとなったようです。

1.1 明らかに1社決め打ち案件やな・・・

謎水とかいうニセ科学については、詳しい有識者が多くいるはずなのでお任せします。

問題はこのような案件が、正規の調達要求と入札公示手続きが行われてしまったことです。

図3 指揮官
図3 指揮官.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/lp/missions/common/img/scope/commander_mv.png

自衛隊は指揮命令系統がしっかりしていますが、会計法上の契約行為は別の統制があります。

今回の入札案件は、明らかに一般競争入札→1社入札からの随意契約を狙ったものでしょう。
(物品役務調達要求では、結構ある話)

そこにニセ科学製品が入り込んだという物です。

図4 入札 
図4 入札.png
引用https://www.irasutoya.com/2016/01/blog-post_712.html

公示から入札まで10日というのは、予算決算及び会計令第74条の最低公示期間であり一応基準は満たしています。(ホントに最適基準のみ!)

1社しか製造してないのに一般競争入札にされた時、このような手法は良くあります。

ついでに指摘するなら、1500万円以下の入札予定価格を設定していたと思われます。

物品購入(社給品)込みで予定価格1500万円ぐらいを超えると、国際競争入札の対象となり政府調達になり入札期間は1か月以上取る必要があるためです。
(数年に1回金額が改訂されるため、基準として約1500万円以上があります。)

建設役務工事・修繕役務工事なら約6億2千万円を超えたら、政府調達となります。

WTO(国際貿易機関)の国際競争入札により、公正な国際入札を実施するために定められています。

おそらく練馬駐屯地司令(第1師団副師団長)は、全く聞かされていなかったと思います。

1.2 指揮官クラスがねじ込んだんだろうなあ〜

役務調達要求元や契約担当者(会計隊)は、この手の詐欺まがいの話には十分注意しています。

しかしながら上級司令部指揮官から、「これを何としてでも入れろ!」とねじ込まれることは割とよくある話です。(調達要求現場では恒例行事)

図5 パワハラ
図5 パワハラ.png
引用URL:https://www.irasutoya.com/2015/07/blog-post_847.html

私ペンギンも造修補給所監督官時代には、何回も経験してねじ込んできた指揮官の身辺背後には怪しげな業者が出入りしてる情報も調達要求元には入ってきます。
(部隊に割り当てられたカネは俺のカネ!ぐらいの軽いノリなんですよね)

今回の場合は相当上位の指揮官からねじ込まれて、やむなく役務調達要求を出したんでしょう。

図6 特記事項
図6 特記事項.png
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GEbnu-bbMAAcJB_?format=png&name=medium

特記事項にわざわざ記載することで、要求元は最大限の抵抗をしたといえます。

さらに「官が認める同等品」の項目により、予決例による監督・検査で不合格・契約不履行を期待しているのでしょう。
(監督官・完成検査官が不合格を宣言すれば、未完成で契約不履行に出来る)

会計監査で突っ込まれても、ねじ込んだ指揮官は「そんな要求はしたことない!」と責任逃れすることがほとんどです。
(契約関係職員は日時を入れた文書にしてサインを要求して自衛をしています)

さて今回はどのように後始末が付くか、練馬駐屯地所在部隊の人事に注目です。

1.3 1陸佐以上の不審な人事異動に注目!

今後予想されるのが、第1師団司令部や連隊長が突然人事異動になることです。

図7 人事異動
図7 人事異動.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2023/1222c.pdf

2023年12月22日に将補の異動があり、第9師団副師団長(将補)が「陸上幕僚監部付」になっています。

今後練馬駐屯地所属部隊の指揮官が、突然異動になった場合その人物がニセ科学にはまった人物でしょう。

後情報の追跡も、結構大事ですよ!
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(2)一般競争入札は詐欺が入り込みやすくなった!

なんでニセ科学などの詐欺同然の商品が導入されるか疑問に思うかもしれません。

しかし一般競争入札導入の弊害として、このようなニセ科学製品が入りやすくなっています。

2.1 書類が整っていると調達要求を拒否できない。

官の契約の欠点として、調達要求書類が整っていると契約担当官は契約行為を拒否できないんですよね。

契約担当官は、要求仕様書に明らかな瑕疵(かし)が無い限り仕様書の内容に口出しできません。
(口出ししたら契約担当官が全部仕様書まで書け!となってしまうため)

「訓練に必要だ!」とエアガンを地方調達して、あとから会計監査で怒られた事例もあります。

そのためなかなか契約担当部署で、ニセ科学製品を差し止めするのは難しいのです。
(業者が法令違反・指名停止措置などになっていれば、契約拒否はできる)

2.2 要求元が信じ込んでしまうとヤバい!

一番ヤバいのは、要求元がニセ科学製品を信じ込んでしまって要求を上げることがあります。

図8 詐欺
図8 詐欺.png
引用URL:https://www.irasutoya.com/2014/11/blog-post_57.html

防大出身の指揮官がこの手の話によく引っかかり、調達要求を持ち込むことが結構あります。
(指摘するとすぐに怒る!)

実体験では総監部会計監査官を兼任する造修補給所科長に、護衛艦艦長が話を持ち込んで調達要求を出してきたことがあります。

見事に総監部会計監査課→総監に話がいき、翌日艦長が急遽更迭となったのを体験しました。

カネと物に関しては、マジに1日で指揮官の首が飛ぶくらい厳格な対応が行われます。

けど騙される指揮官が多いんですよね〜。

2.3 防大専門家によるチェック?ワロス!

Twitterの意見の中には、防大応用化学科出身の幹部によるチェックをしては?なんて意見がありました。

図9 防衛大学校
図9 防大.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/nda/education/files/1674200603phples07D.jpg

一般大卒の技術系幹部だった身から言わせると、
『防大卒に一般科学常識を期待する方が間違っている!』
(激しい防大卒へのヘイトスピーチ!)

それくらい防大卒幹部の科学知識は、怪しいものです。

「やめて!化学式を読めない防大幹部もいるのよ!」
(マジにあった話です!)

防大卒幹部の卒論を読んだら、他の大学教員はブチ切れるくらいレベルは低いです。

だから、ニセ科学にコロッと騙されるんでしょうね〜
(海自幹部中級課程での「7つの習慣」みたいな、怪しげなことが流行るわけだ!)



(3)怪しい入札は総務省行政評価局にタレコミだ!

今回の謎水案件は、元防衛副大臣が情報をすぐに指摘してくれたのでうまく取り消しになりました。

今後はどうすべきか?

3.1 会計検査院は契約済みのものしか意見できない

契約関係だから会計検査院だ!と思われるほど、会計検査院の重要性は国民に認知されています。

図10 会計検査院
図10 会計検査院.jpg
引用URL:https://www.jbaudit.go.jp/img/report/fy04_kensahoukoku_02.jpg

しかし会計検査院は、入札前・契約前の案件についてはあんまり口出しできないところがあります。
(証拠書類がそろっていないため)

契約済みの案件に対して、会計監査を行うことしかできません。

ではどこに相談すべきか?それは総務省行政評価局です。

3.2 総務省行政評価局は恐怖の存在!

総務省行政評価局は、行政のあらゆることに国民からの相談を受けて各省庁に照会通知をしてくれます。

図11 行政評価局
図11 行政評価局.jpg
引用URL:https://www.soumu.go.jp/main_content/000222741.jpg

防衛省の公益通報制度が機能不全である以上、総務省はあらゆる相談に乗ってくれます。

入札内容に疑義があるものでも、十分相談に乗ってくれますよ!
(財務省よりも権限がデカいかもしれません)

さあみんなで怪しい入札情報を監視しよう!



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posted by sstd7628 at 15:30| Comment(5) | TrackBack(0) | 自衛隊

2024年01月16日

KN-23がウクライナで使われるとは!【世界情勢】

『イスカンデルは完全に枯渇したかな?』
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2022年から始まったウクライナ戦争において、ロシアが北朝鮮製KN-23を使用する事態となりました。

皮肉なことにKN-23の実戦デビューとなっています。

図1 KN-23
図1 KN-23.png
引用URL:https://nonproliferation.org/wp-content/uploads/2019/06/preliminary-analysis-kn-23-srbm_4.png

実戦データを収集した北朝鮮は、より改良型ミサイルを出してくるでしょう。

注目すべき事態です。
(前回記事):『NBC偵察車の早期用途廃止への慚愧【軍事技術】
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(1)KN-23がロシアから発射された?!

2024年1月になりアメリカは、北朝鮮製KN-23弾道ミサイルがロシアからウクライナに発射されたと発表しました。

図2 米国発表
図2 米国発表.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GDClUG_b0AA4Qv9?format=jpg&name=medium

北朝鮮の弾薬支援は、弾道ミサイルまで供与していたことになります。

1.1 間違いなくKN-23の破片だ・・・

2024年に入ってからウクライナ各所でイスカンデルミサイルとは異なる部品発見報告が相次ぎました。

図3 部品
図3 部品.jpg
引用URL:https://englishsl.com/wp-content/uploads/2024/01/Russia-fires-North-Korean-missiles-at-Ukraine-for-first-time-640x427.jpg

ロシアのイスカンデルミサイルにしては、ずいぶんと古めかしい構造となっています。

どこかで見たようなボルト止めのロケットとなると、あの国しかありません。

図4 北朝鮮KN-23
図4 北朝鮮KN-23.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/card_img/1745810129306484736/-ZdPAbLa?format=jpg&name=small

北朝鮮のキムカンデルこと、KN-23短距離弾道ミサイルにそっくりです。

ほぼ断定されたのは、やはりミサイル底部の部品の写真が登場したことです。

図5 ミサイル底部写真
図5 ミサイル底部.jpg
引用URL:https://fakty.com.ua/wp-content/uploads/2024/01/06/novyj-proyekt-1.jpg

ああ、これはKN-23で確定だなと言えるものでしょう。

1.2 射程は500kmほどなのか?

今回ウクライナに向けて発射されたKN-23については、約460kmを飛行したとされています。

KN-23は射程約500kmと言われており、ほぼ最大射程で発射したと言えるでしょう。

図6 イスカンデル
図6 イスカンデル.jpg
引用wiki

しかしながら射程400kmと言われたイスカンデルミサイルが約800km飛行したこともあります。

KN-23は射程約1000kmまで行くのでは?と以前から主張してきました。
(関連記事):『【北朝鮮】イスカンデルミサイルもどきを再整理してみる!

かなり厄介なことになりそうです。
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(2)KN-23について判明したこと。

ウクライナで発見されたKN-23の部品は、イスカンデルとは異なる部分があります。

図7 発射機
図7 比較画像.jpg
引用URL:https://www.b14643.de/Spacerockets/Specials/Pukguksong_GLBM-2/analysis3.jpg

専用の発射機でイスカンデルとは共通化していないと考えられていました。

しかしながら、従来予測が覆ることになりそうです。

2.1 ミサイル直径が同じ?

ウクライナからの情報では、KN-23の直径が予測より細くイスカンデルミサイルと同じ直径であるとされています。

図8 部品計測
図8 部品計測.jpg
引用URL:https://reporteasia.com/wp-content/uploads/2024/01/photo_l-34.jpg

かなり荒い部品計測ですが、直径約0.9mであるとされています。

この情報はかなり重大な情報となり、北朝鮮ミサイルの性能向上をうかがわせるものです。
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2.2 2019年の予測では直径約1.1mだった

KN-23が登場した2019年にはいくつかの写真から、KN-23の寸法が予測されていました。

図9 寸法予測
図9 寸法予測.jpg
引用URL:https://www.b14643.de/Spacerockets/Specials/Pukguksong_GLBM-2/analysis4_a.jpg

この時は、直径約1.1mと予測されていました。

しかしながらウクライナに着弾したのは、直径約0,9mのミサイルだったのです。

予測が間違っていたのか?最初から直径0.9mのミサイルだったのか?

今後検証が必要でしょう。

2.3 KN-23とイスカンデルに共用性があるかもしれない。

2019年に登場したときは、KN-23とイスカンデルミサイルに共用性が無いと思われていました。

しかしながらウクライナ戦争により、ロシアがKN-23を使用したことで可能性が出てきました。

図10 KN-23改良型
図10 KN-23改良型.jpg
引用URL:https://www.b14643.de/Spacerockets/Specials/Pukguksong_GLBM-3/2021_5.JPG

すでに北朝鮮は2022年にKN-23改良型として大型化したミサイルを登場させています。

注文に応じて、イスカンデル発射機に合わせたミサイル製造も可能になっているでしょう。

今後イスカンデルKN-23のようなキメラミサイルが登場する可能性も否定できません。

警戒して状況監視をするべきでしょう。

戦争中の急速な技術進歩は、時としてとんでもないものを生み出します。

恐れるべきでしょう。
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posted by sstd7628 at 14:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 世界情勢
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