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2024年04月18日

Kawasakiは電動偵察バイクの夢を見るか?

『偵察バイクの電動化は必要だ!』
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2019年に防衛装備庁の研究で、陸自偵察バイクの電動静粛化という面白い研究が始まりました。

当時は夢物語であった、電動バイク技術を早期に確立しようという物です。

図1 偵察バイク
図1 偵察用バイク.jpg
引用wiki

2024年1月には、カワサキがついに電動バイクの販売を開始しました。

陸自偵察バイクも、電動化の波に乗ることが出来るか?!
(前回記事):『悲報くぅじーさんに捕捉される(涙)!
\こちらもご参考にPR!/
(1)防衛装備庁新技術短期実証事業!

カワサキが発売した電動バイクは、防衛装備庁の新技術短期実証事業の成果として登場しています。
図2 電動バイク
図2 電動バイク.jpg
引用URL:https://images.squarespace-cdn.com/content/v1/63c94d36684e583a7ae37e3b/bced4117-8cbd-46bc-b5ab-97cd9b8c1358/Captain-Electro-Kawasaki-Electric-Motorcycles-1.jpg?format=2500w

今後は、陸自偵察バイクへの転用が期待されます。

1.1 平成29年度(2017)に研究開始!

カワサキが受注した、電動化による偵察バイクの静粛化は2017年に防衛装備庁の研究に採用されました。

図3 研究内容
図3 偵察バイクの電動化.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/bouei_gijutsu/sonota/07_b.pdf

偵察部隊が使用するバイクを、リチウムイオン電池と電動モーター使用で静粛化する研究です。

新技術短期実証事業は、あくまで装備化前提ではなく新技術を研究するものです。

研究結果の続報が無かったのですが、2019年にカワサキが電動バイク投入のリリースをして、新技術短期実証事業の初の商業化事例となりました。

その後2024年1月に、「Ninja e-1」「Z e-1」を発売することになります。

1.2 Z e-1は偵察バイクに転用できそう!

注目すべきは、Z e-1と呼ばれるオフロードモデルが偵察バイクに転用できそうです。
図4 Z e-1
図4 Z e-1.jpg
引用URL:https://www.kawasaki1ban.com/wp-content/uploads/2023/12/kawasaki_e-1_02-580x435.jpg

扱いは125CCのバイクと同等レベルで、現用偵察バイクの250CCよりは劣ります。
(出力が半分以下となっている。)
しかしながら、十分部隊研究として使用できる価値はあるでしょう。

1.3 電動バイクの軍事的価値は高まっている

2017年の開発開始当初は、電動バイクについてはあまり研究の比重が高いとは言えませんでいた。

カワサキも研究資金を求めて、防衛装備庁新技術短期実証事業に応募したほどです。

図5 開発途中
図5 開発途上.jpg
引用URL:https://global.kawasaki.com/en/corp/sustainability/report/2021/pdf/21_houkokusyo.pdf

しかし民生用にも軍事用にも、電動バイクの価値が高くなっており非常にタイムリーな研究となりました。

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(2)ウクライナ戦争での電動バイク

電動バイクの軍事的有用性を示したのが、ウクライナ戦争といえます。

図6 ウクライナ戦争
図6 ウクライナ戦争.jpg
引用URL:https://cloud.rtl.it/RTLFM/News/Article/1920xH/veloci-silenziose-e-invisibili-ai-sensori-biciclette-elettriche-la-marcia-in-pia-dellaesercito-di-wide-site-yilhc.jpg

機動性と静粛性で、ウクライナ軍の足となっています。

2.1 対戦車弾まで運ぶ電動バイク!

ウクライナ戦争において、車両不足に悩むウクライナ軍は騎兵まで投入する事態となっています。

図7 騎兵
図7 騎兵.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GEX4P-qWEAENzvp?format=jpg&name=medium

そんな中で、市販電動バイクを改造して軍事用に使い始めました。

皮肉なことに、機動力と生産性の高さから各所で活躍しています。

2.2 対戦車兵器とのコンビ

電動バイクは、供与された対戦車兵器と組合わせて運用もされています。

図8 対戦車兵器
図8 対戦車兵器.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FS9LSauWQAMa61z?format=jpg&name=small

対戦車兵器を投入するうえで、最も問題となるのが迅速かつ静粛に人員を投入できるかです。

電動バイクは、偵察の他に対戦車兵器配備への一つの解を出したといえます。

2.3 通信システムとの相性

偵察部隊の役目として、敵情報を入手して迅速に司令部に伝達することです。

図9 偵察兵
図9 偵察兵.jpg
引用URL:https://twitter.com/13b_jgsdf/status/1309034994191544320/photo/1

大容量の情報を送信するには、通信機も電力をかなり食います。

陸自の広帯域多目的無線機(コータム)は、バッテリー駆動であり電力補給の場所が限られます。

電動バイクが使えれば、かなり使い勝手がよく大容量通信システムも使用可能になるでしょう。
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(3)電動バイクは偵察用に向いている

今まで自衛隊で電動化という物は、顧みられていない所がありました。

偵察用バイクも、その一つといえます。

3.1 真剣に検討する必要がある!

2017年の研究開始当初の偵察バイクの電動化は、あまり注目されていませんでした。

図10 バイク
図10 バイク.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/gsdf/neae/6d/photo/bike_2.jpg

偵察バイクはエンジンで動かすという、固定概念があったといえます。

しかしウクライナ戦争での活躍を見ると、電動バイクの必要性は高まったといえます。

3.2 充電方法の改善の問題はある。

カワサキから発売された電動バイクも、問題が無いわけではありません。

図11 バッテリー
図11 バッテリー.jpg

引用URL:https://content2.kawasaki.com/ContentStorage/KMJ/Products/5370/a0372028-3b9e-43de-83f5-9dfebaf532fc.jpg

1個約11.5kgのバッテリー2本フル充電で、約4時間かかるという充電時間の問題です。
(燃料式なら10分もかからない)
野外において家庭用コンセントが存在しない状況で、太陽光パネルなどで電力供給を検討する必要があるでしょう。

しかしながら今すぐにでも、電動バイクの運用研究自体は始めるべきです。

せっかく防衛装備庁新技術短期実証事業にて、電動バイクの技術的知見を得たのですから!

今後の陸自における、しっかりとした研究ビジョンが必要です!
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posted by sstd7628 at 15:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事技術

2024年03月22日

イスカンデルはおそロシア!

『変態技術者め、イカれた進歩をしやがって!』
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ウクライナでKN-23が使用されている間に、ロシアのイスカンデルMミサイルが進化して来たようです。

そんなところに、電子誘導モジュールを増設するんか!

図1 イスカンデル背景
図1 イスカンデル背景.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GIfu2DbXEAA5qxc?format=jpg&name=large
ウクライナ戦争の長期化で、なかなかグロテスクな技術的進化遂げるようになりました。

やはりロシアの技術思想は、おそロシア!
(前回記事):『防衛省日鉄呉工場跡取得と毒まんじゅうの不安!
\こちらもご参考にPR!/
(1)デコイに続いて電子モジュールか!

2024年3月13日に、ウクライナで発見されたイスカンデルMミサイルの破片から奇妙なものが発見されました。

図2 ミサイル尾部
図2 ミサイル尾部.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GIvcrLzXMAEV-R0?format=jpg&name=large
一見すると、普通のイスカンデルMミサイルの破片に見えます。

1.1 ミサイル尾部に誘導モジュール?

以前に発見されたイスカンデルMミサイルについては、囮デコイ搭載の存在が判明するなどおそロシア技術が良く表れていました。

図3 ミサイルデコイ
図3 ミサイルデコイ.png
引用URL:https://twitter.com/CAT_UXO/status/1502936791665491970
(関連記事):『イスカンデルのデコイ機能がついに露見?!【軍事技術】

この時は、ミサイル尾部にデコイランチャーを装備して実際に使用していることが判明しています。

Kh-101巡航ミサイルにも、フレア発射機能が搭載されるなどなかなかイカれた技術思想はバカにできません。

そんな中で、イスカンデルMミサイルの尾部に新たな機能が搭載されていました。

1.2 ここにGNSSモジュールを付けるかぁ(呆)?!

今回発見されたイスカンデルMミサイルの破片には、デコイ発射口に電子機器が装備されていました。

図4 GNSS
図4 GNSSモジュール.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GIfu3gkXsAARMBw?format=jpg&name=large
なかなかイカれた位置に、GNSS受信モジュールを装着したものです(呆れ)。

ロケット噴射の熱でカバーが焦げていますが、中身までは損傷していないようです。

普通のミサイル技術者なら、ここに電子機器を装着しようとは思わないなあ・・・

それだけロシアも、焦っているのかもしれません。

1.3 残弾不足と電波妨害対策のためかな?
2023年の団塊で、イスカンデルMミサイルなどがかなり撃ち尽くしているとの報道が出ています。

図5 ミサイル残弾
図5 ミサイル残弾.jpg
引用URL:https://twitter.com/ukraine_map/status/1736778969079226500/photo/1

特にイスカンデルMミサイルは、開戦から相当数を発射して残りが少なくなっています。

さらにロシア・ウクライナ(NATO?)双方の電波妨害により、精密誘導が厳しいようです。

図6 セヴァストボリ
図6 セヴァストポリ.jpg
引用URL:https://www.navalnews.com/wp-content/uploads/2023/11/Sevastopol-GPS-Jamming-26-Nov-2023-scaled.jpg

セヴァストポリ軍港周辺でも、かなりの電波妨害が起きているようです。

その対策として、GNSS受信モジュールを追加したのかもしれません。

やはりロシアの技術思想は、西側と異なるおそロシア状態です。
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(2)KN-23に還流すると厄介だな!

ウクライナ戦争では、北朝鮮KN-23が実戦使用されたものの精度が悪いようです。

図7 北朝鮮KN-23
図7 KN-23.jpg
引用URL:https://i2.obozrevatel.com/news/2024/1/5/filestoragetemp-61.jpg?size=2010x1050

問題はKN-23がイスカンデルMのような改造を受け、北朝鮮に技術がバックフィットされることです。

2.1 KN-23の精度はどのくらいなのかな?

KN-23については、ロシアに輸出されたものはかなり精度が悪くなっています。

もしかすると、GNSSなどの精密誘導装置をわざと取り外しているかもしれません。

図8 イスカンデルコンピュータ―
図8 コンピューター.jpg
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/185/TgQ38.jpg

北朝鮮のKN-23の成功具合から、イスカンデルM搭載システムと同程度の能力はあるはずです。

図9 KN-23命中
図9 KN-23命中.jpg
引用URL:https://img9.yna.co.kr/photo/yna/YH/2022/01/15/PYH2022011500480004200_P2.jpg

相当な命中精度に加えて電波妨害対策をされたKN-23が登場すると、安全保障上危険と言わざるを得ません。
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(3)KN-23改の登場に注意!

今後数年以内に、ウクライナ戦争の教訓を得たKN−23改が登場するかもしれません。

図10 スカッド
図10 スカッド.jpg
引用wiki

かつて北朝鮮がスカッドミサイルのコピー商品販売で、ミサイル技術を習得していました。

今後注目すべきものになるでしょう!
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posted by sstd7628 at 11:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事技術

2023年12月23日

NBC偵察車の早期用途廃止への慚愧【軍事技術】

『もう少し技術的成熟をすべきだったなあ』
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2024年度の防衛予算案が登場して、新装備の開発も進むことになりました。

しかし思い入れのあるNBC偵察車が早期に用途廃止となるようです。

図1 NBC偵察車
図1 NBC偵察車.jpg

引用URL:https://www.mod.go.jp/gsdf/neae/6d/photo/nbc_2.jpg

量産初号機に監督官刻印を入れたものとして、結構後悔が残るものになりました。

そんなNBC偵察車の思い出について書いていきます。
(前回記事):『ASBMを撃墜しろだなんてむーりいー無理!!【海上自衛隊】
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(1)初号機監督官をやってね!え?海の人間だけど?!

NBC偵察車は防衛省出向時に、検査官として関わりがありました。

(関係記事):『【防衛省】知られざる地方防衛局・防衛事務所という組織のお仕事!
図2 検査官
図2 検査官.png
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/F8nfrYWaQAA4vgN?format=png&name=900x900

偶然の結果で、本来の陸検査官の代わりに監督刻印を押すことになったのです。

1.1 検査官ってなんやろな?

防衛省出向時には、製造される装備品の監督検査を行う「検査官」という仕事を行っていました。

図3 完成品
図3 完成品.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/rdb/chushi/030_kouhou/010_kouhousi/kouhou55.pdf

陸海空の装備品が製造されるとき、地方防衛局所属の検査官が監督・検査をして合格判定行うものです。

基本はそれぞれ陸海空の検査官が担当しますが、たまに陸装備を海自検査官が検査するなどします。

むろん事前教育はしっかり行われ、製造品への監督検査はしっかりできるようになっています。

1.2 NBC偵察車の予備監督官に指定ね!

会計法により、国が発注した工事・物品には必ず監督検査・完成検査は行う必要があります。

大規模な装備になると、複数の検査官を指名して検査漏れが無いようにします。

防衛省地方防衛局に出向したときは、前任者の契約業務を引き継ぎ検査官業務を引き継ぎます。

図4 潜水艦業務
図4 潜水艦.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/F68ALZObcAAAvMe?format=jpg&name=900x900

ちょうどNBC偵察車量産初号機の、予備監督官業務も引き継ぐことになりました。

「まあ、何もないから安心しとけ!」

そんな言葉が先輩検査官から掛けられますが、安心できないのが自衛隊です。

まさかの事態が発生します。

1.3 ちょいとNBC偵察車の監督検査してこいや!

NBC偵察車の量産初号機が完成して、あとは監督・完成検査立ち合いだけというときでした。

監督業務をしてた陸検査官が、陸自人事の都合で急きょ後方支援連隊の中隊長に上番することになります。

図5 後方支援連隊
図5 後方支援連隊.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/gsdf/mae/14b/butaisyoukai/kakubutai/7_log/images/keyvisual.jpg

急な話なので、当然後任者が来る予定が全くありません。

検査官を離れると、当然装備品の監督検査書に押印する権限が無くなります。

「ちょwwNBC偵察車の監督刻印誰が押すんですか?www」
「ペンギン!お前が完成検査の監督やっとけ!」

急きょながら、海の人間が陸自装備NBC偵察車の検査をすることになります。
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(2)サスペンションに油いれてんのか〜い(怒)!

急きょNBC偵察車初号機の監督検査をすることになりましたが、ひどいものでした。

図6 NBC偵察車外観
図6 N偵.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Em_ERO5UYAAcAz0.jpg:large

当時最新鋭だったはずのNBC偵察車は、設計者出てこ~い!の状態です。

2.1 サスペンションがいまいちすぎる!

96式装輪装甲車が比較的乗り心地の良い車両なので、安心できるだろうと思っていました。

『サスペンションに油入れてんのか〜い(怒)!』

実路の走行試験ではあまりの振動に、思わずこう叫ぶほど乗り心地が悪いものでした。

図7 バイク悪路走行
図7 バイク悪路走行.jpg
引用URL:https://global.yamaha-motor.com/jp/showroom/event/playsurvive/playsurvive2021/img-0002/pic_002.jpg

まあ、中間試験で合格してる以上は合格にするしかありませんでした。

2.2 エンジンをここに置いたのは誰だ!

NBC偵察車で一番悔やまれるのは、エンジンの位置です。

図8 96式
図8 96式.jpg
引用URL:wiki

96式はエンジンが運転席左にあり、安定性がありました。

しかしNBC偵察車は車体中央右にあり、車内スペースを圧迫していました。

当然横転性が上がっていましたが、陸自の合格基準内に入っていました。

これもまた試作車両で合格が出てる以上、量産車も合格印を出さざるを得ませんでした。
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(3)もっと煮詰めるべきだったなあ

当時は量産スケジュールが詰まっており、合格印を出せというプレッシャーが大きくありました。

図9 S-10
図9 S-10.jpg
引用wiki

海自でS-10試作機を不合格にしたとき、装備スケジュールが大幅に狂った苦い思い出があります。

3.1 もっと時間があればなあ

当時は化学防護車と生物偵察車しかなく、NBC偵察車の装備化が急がれていました。

結果として問題が山積のまま、部隊配備予定数50両を大きく下回る結果になります。

もうちょっと煮詰めてから出荷すべき車両だったと、慚愧の念に堪えません。

技術者として反省すべきところだったと思っています。

3.2 パトリアならやってくれる!

NBC偵察車は早期に用途廃止となり、パトリアAMVの派生型が後継になるようです。

図10 パトリア
図10 パトリア.jpg
引用URL:https://www.defensehere.com/img/2023/09/Ekran-goruntusu-2023-09-20-100924-e1695193780828-850x478.jpg

中途半端に終わってしまったCBRN対策車両を、必ず達成してくれるでしょう!

期待して待っています。
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posted by sstd7628 at 14:48| Comment(4) | TrackBack(0) | 軍事技術

2023年10月22日

拘束発射というミサイル屋さんが見たくない現象【軍事技術】

『拘束発射が起きました!アンギャ―ー!!!』
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陸海空自衛隊を問わず、ミサイルを扱う人にとって最も体験したくない現象があります。

そいつは、拘束発射(こうそくはっしゃ)と呼ばれる現象です。

図1 VLS
図1 VLS.jpg
引用wiki
ホットローンチをするVLSなどで、ブースターが点火してミサイルが飛び出していきます。

そのミサイルが飛び出さない現象があるんですよ。
(前回記事):『F-2卿にF-2の珍しい写真を捧げましょう!【自衛隊】
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(1)イヤー!拘束発射発生!

ウクライナ戦争の中で、あるロケット発射失敗の映像が流れました。

図2 ロケット発射失敗
図2 ロケット発射失敗.png
引用URL:https://twitter.com/kamipapa2/status/1699616612834537604

この画像を、見た方も多いかと思います。

1.1 射撃関係者は恐怖モノだろうなあ

ロケット発射失敗により、ブースターが点火したまま発射車両が森に突っ込んでいく光景です。

普通の人なら、何だただのロケット発射失敗か!なんて思うかもしれません。

しかしミサイル関係者にしてみると、
『イヤー!拘束発射!見たくないい!!』
と恐怖の対象になるでしょう。

図3 11短SAM
図3 11短SAM.jpg
引用URL:https://www.flickr.com/photos/90465288@N07/39227773454/in/album-72157632230016328/

ミサイルやロケットが飛び出していかない恐怖は、想像を絶するものがあります。

1.2 拘束発射ってなんだ?

拘束発射という言葉は、一般的ではないので戸惑うかもしれません。

簡単に言うと、
『ミサイル発射時に、発射レールから外れず拘束されたままブースターが燃焼し続ける』
そんな現象です。

図4 シースパローランチャー
図4 シースパロー.jpg
引用wiki

一例として、シースパローランチャーを見てもらればわかります。

ミサイル本体は、レールガイドによって発射筒内に固定されています。

ブースターの点火と推進開始によって発射レールの固定が解けるのですが、たまに固定されたままになります。

VLSでも、本当に偶然発生することがあります。

1.3 拘束燃焼試験は安全性を確認するため!

時たま、誘導弾の試験に関する入札について「拘束燃焼試験」という文言があります。

これは、拘束発射が発生したときに爆発せずほかの誘導弾に延焼しないための確認です。

図5 拘束燃焼試験
図5 拘束燃焼試験.png
引用URL:https://media.defense.gov/2016/Oct/07/2001645552/1920/1080/0/160808-N-DM751-001.JPG

この画像は、米海軍LCS用の対艦ミサイルランチャーの拘束燃焼試験です。

このとおり、拘束発射でボウボウに燃焼しても安全になるように試験はされています。

しかしながら、拘束発射は本気でコワい代物です。
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(2)海自でもあった拘束発射!

海上自衛隊では、拘束発射があったのかという疑問があると思います。

図6 試験艦あすか
図6 試験艦あすか.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ase/asuka/#6102-2

実は、試験艦「あすか」にVLSを搭載したときに1度発生しています。

2.1 新アスロック技術試験にて拘束発射発生!

現在の07式垂直発射魚雷投射ロケット(07VLA)が、新アスロックと呼ばれていた時期に発生しました。

図7 新アスロック
図7 新アスロック.jpg

引用wiki

ちょうど技術研究本部(TRDI)で、技術試験を行っていた時に発生しています。

第二次発射試験の時に、Mk41VLSから弾が飛び出ず拘束発射で火の海になりました。
(関連記事):『【自衛隊】装備品の配備には試験だらけでとても長い!
関連記事で書いた「大変なこと」は、この拘束発射の事象発生です。

2.2 火の壁が出現!

私ペンギンは、試験艦あすかには乗艦してはいませんでした。

しかしながら、実験部に持ち込まれた発射映像は地獄でした。

図8 SM-3
図8 SM-3.jpg
引用URL:https://www.navalnews.com/wp-content/uploads/2023/04/7277584-1024x578.jpg.webp

SM-3を発射したくらいの火炎が、数十秒間噴射している映像が艦橋から撮影されました。

2.3 VLSは陸揚げして大修理!

海上自衛隊のVLSで初めての拘束発射発生ということで、VLSを陸揚げしての大修理となりました。

試験艦「あすか」の上甲板などもペンキが焼けこげ、修理費1億円くらいがかかる結果となります。

拘束発射は、ホントにダメージが大きいですよ!
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(3)拘束発射はマジで怖い!

ミサイル屋さんが、拘束発射はマジで怖い!というのが実感できた体験でした。

拘束発射が起きると、ロケットランチャー搭載車両なんて簡単に動き出します。

あれは二度と経験したくない、恐怖の体験といえます。
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2023年09月24日

キャハ♡!T-14アルマータ戦車を全○にしてみました♡【軍事技術】

『T-14アルマータ戦車の無修正写真流出!』
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ロシアのT-14アルマータ戦車は、量産車両がなかなか出ず写真も限られていました。

出てくる写真は、軍事パレードでのきれいな姿ばかりです。

図1 T-14アルマータ
図1 T-14アルマータ.jpg
引用wiki
そんな中で、T-14アルマータの装甲を外した無修正全○写真が登場してきました。

ロシアって、写真流出にとことん無頓着だよね・・・
(前回記事):『Technical Answers to Richard's Japanese Submarine OSINT Questions【軍事技術】

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(1)T-14アルマータの無修正写真だ!

ウクライナ戦争で全く投入された実績のない、T-14アルマータ戦車についてはどうなっているのか不思議でした。

図2 T-14正面
図2 T-14正面.jpg
引用wiki
2022年よりロシア軍事展覧会アルミヤで、展示が始まったばかりです。

1.1 装甲を剥がした無修正写真が流出してるのか・・・

そんな中で、装甲を外したT-14アルマータの写真が出ていることが分かりました。
図3 装甲を外したT-14
図3 装甲を外したT-14.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/F6s2Zi-WoAAJdkl?format=jpg&name=small

2015年に初登場した最新鋭戦車なのに、装甲を外した写真がもう出回っているのか・・・

しかしながら、なかなか砲塔部分の隠れていた部分が全て見えており貴重な写真です。

どうも2021年あたりに、すでにロシア国内放送でこの映像が流れたようです。

対戦車弾を物理的に無効化する、ハードキル型アクティブ防御システム(APS)のZaslin設置位置もしっかりわかる大変貴重な画像です。

しかしながら、どこかで見たことのあるシルエットだなー?

1.2 T-95戦車オブイェークト195の試作車写真に似てるんだ!

記憶をたどると、2019年に紹介したT-95戦車の試作車両写真がありました。

図4 T-95戦車
図4 T-95戦車.jpg
引用URL:https://ic.pics.livejournal.com/bmpd/38024980/6039392/6039392_original.jpg

ロシアの軍事を知るときに利用させてもらっている、BMPDニキ(https://bmpd.livejournal.com/)が2018年に公開した写真を、いつも利用させてもらっています。

ホントにオブイェークト195に、そっくりなのがT-14アルマータの内部構造といえます。

まあT-95戦車の技術を利用して、無難に完成させたといえます。

以前にも、T-95戦車の記事を書きましたがT-14の装甲を外した写真が出てくるとは思いませんでした。
(関連記事):『【ロシア】幻の「T-95戦車」スクープ写真流出か?!

1.3 T-14は量産できていないとみるべきか?

2022年11月ごろに、T-14アルマータ戦車はロシア南西部地域の軍事訓練場に移動したという情報が駆け巡りました。

図5 T-14ドンバス
図5 T-14ドンバス.jpg
引用URL:https://www.armyrecognition.com/images/stories/news/2022/december/Russian_latest_generation_tank_T-14_Armata_would_be_deployed_in_Ukraine_Donbas_region_925_001.jpg

いよいよ最新鋭戦車投入か?!と思われましたが、結局は実戦投入が確認できないままです。

20両程度という生産数で、ウクライナ戦争の戦車損耗補填が最優先となり量産に移行できていないようです。

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(2)ロシアって写真がいつも漏洩するよね

ソ連時代はともかく、ロシアになってからよく写真情報が漏洩するようになりました。

図6 巡洋艦モスクワ撃沈
図6 巡洋艦モスクワ撃沈.jpg
引用URL:https://topwar.ru/uploads/posts/2022-04/thumbs/photo_2022-04-18_04-03-08.jpg

巡洋艦モスクワの被弾した写真なんかは、本来漏洩しちゃいけない画像情報なのに・・・

2.1 なんでドックで揚陸艦と潜水艦が大破するんですかぁ!

ここ最近のニュースで一番驚いたのは、クリミア半島のロシア海軍基地セバストボリで揚陸艦と潜水艦が撃破されたことです。

図7 大破揚陸艦
図7 大破揚陸艦.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/F56CjxTWUAA7rSi?format=jpg&name=large

まあ、揚陸艦はあれだけ炎上していたから目立ちやすいでしょう。

しかしながら潜水艦の方は、撃破できたか戦果不明で衛星写真からでしか確認できない状況でした。

BDA(戦闘損傷評価)を相手にさせないためには、写真情報などは絶対漏洩してはいけないものです。

潜水艦が生きているかもしれないというだけで、脅威評価が上がるほどです。

2.2 なんで潜水艦撃破写真がネットに上がるんですかぁ!

そんな中で、2023年9月18日にはドック入渠中に攻撃を受けたキロ級潜水艦の写真が流出します。

図8 キロ級潜水艦
図8 キロ級潜水艦.jpg
引用URL:https://twitter.com/CITeam_en/status/1703736274484334701/photo/1

何で詳細な写真が出るんですかあ!これは完全に大破でしょうが!ウクライナ海軍大喜びですよ!

ホントにロシアの防諜体制が機能してるのか、疑問を呈するしかありません。

電子機器の発達により、簡単に写真をネットに挙げられるとはいえものすごい時代になりました。
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(3)マジにウクライナ戦争はどうなる?

ウクライナの反撃と共に、黒海艦隊司令部が巡航ミサイル攻撃で攻撃されるなど混沌としてきました。

図9 黒海艦隊司令部攻撃
図9 黒海艦隊司令部攻撃.jpg
引用URL:https://ichef.bbci.co.uk/images/ic/512xn/p0gg7v3z.jpg

こりゃあ、クリミア半島が早期にウクライナによって奪還される可能性も出てきたといえます。

今後も、ウクライナ情勢とロシアから目が離せないですよ!
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2023年09月15日

Technical Answers to Richard's Japanese Submarine OSINT Questions【軍事技術】

『ハッキングじゃないよ!海外OSINTへの情報提供だよ』
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There is a person named Richard (@EmbersOfSuns) who does #OSINT about submarines around the world.

Him:https://twitter.com/EmbersOfSuns

This person requested information about the Maritime Self-Defense Force's Soryu class submarines.

Figure 1: Bridge of the Soryu class submarine
図1 アンテナ.jpg
URL: https://twitter.com/EmbersOfSuns/status/1613677551330951171

Mr. Richard's design has been very helpful in understanding submarines.

As a thank you, we will provide information from Japan.
(Due to the use of Deepl translate)
(前回記事):『ついにFCS-4開発開始となるか?!【海上自衛隊】
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(1) Who am I? I am a naval officer involved with submarines.


If you suddenly send me information from a suspicious person in Japan, the information will be considered inaccurate.

Who are you? What is your background? I will answer the following questions.

1.1 I am a retired JMSDF officer and submarine engineer.

I writer a blog in Japan under the name Penguin.

I am a former officer of the Japan Maritime Self-Defense Force (retired Navy Lieutenant Commander ).

During my service in the JMSDF, I was in the department that maintained submarine equipment, surface ship equipment and special forces SBU equipment

Figure 2 SBU
図2 SBU.jpg
URL: https://pbs.twimg.com/media/E_YsRMbVQAEdh0S.jpg

I was involved in submarine construction and repair, and was involved in the construction phase of the Soryu class submarine.

It was also involved in the development of the FCS-3, which is equipped by the Maritime Self-Defense Force ship.
(関係記事):『【艦発隊】特別警備隊(SBU)に関係する研究について
Figure 3 FCS-3
図3 FCS-3.jpg
Citation wiki

1.2 Japanese submarine information is strictly confidential and information is difficult to obtain.

When conducting OSINT, you may be troubled by the fact that information on Japanese submarines is almost impossible to obtain.

In Japan, there was a TOP SEACRET leak in December 2022.

Figure 4: Military Secrets
図4 軍事機密.jpg
Citation wiki

Therefore, submarine information has always been difficult to obtain.

The information we provide this time is only delivered from the information disclosed in Japan.
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(2) The object is an ESM antenna.

In conclusion, the object is an ESM antenna.

The model number is called "ZLR-3-6" and it is a Direction Finding (DF) antenna.

2.1 Radio Direction Finding and Information Gathering Antenna

You might think that an ESM sensor on a periscope would be sufficient for a submarine.

Figure 5: Submarine periscope
図5 潜水艦潜望鏡.jpg
Citation wiki

However, after the Souryu class submarine, the wideband radio wave information gathering capability was required to be improved.

Therefore, a high-performance ESM antenna was installed for radio direction finding and submarine intelligence espionage(SIGINT MSSION).

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(3) Can someone pass the word to Richard (@EmbersOfSuns)!

I do not have an X account.

Therefore, I cannot provide information to Richard (@EmbersOfSuns) directly.

If possible, please get the information to him.
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2023年07月22日

中国052D駆逐艦のダメコンは悪くないが・・?【軍事技術】

『悪くないが流血の教訓が根付いていない』
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最近どうやら中国052D駆逐艦のダメコン能力について、何やら意見が出てきたようです。

中国駆逐艦のダメコン能力は最低限!なんていうのは簡単ですが、事実に基づいて発言すべきです。

図1 中国052D駆逐艦
図1 中国052DL駆逐艦.jpg
引用URL:https://www.xinghuozhiku.com/wp-content/uploads/2023/05/91683853496.jpg

一応艦船技術者として、多少は知識と現場経験を重ねたものとしての意見です。

中国海軍のダメコン能力は向上してきて悪くないが、良くもないという意見です。
(関係記事):『【中国海軍】052D型駆逐艦の厨房から見えてくる技術思想!
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(1)水密扉と配管・電線処理を見ればレベルが分かる!

最近大増産されているのが、中華版イージス艦の052DL型です。

図2 5隻建造中
図2 5隻建造中.jpg
引用URL:https://twitter.com/Aurora107E/status/1665136160149057536/photo/1

なんだか色々な話が飛び交って、ダメコン能力を疑問視する声があるようです。

1.1 日米のダメコン能力が異常なだけだよ!

はっきり言うと、日米の艦船ダメコン能力が異常なまでに発達しすぎたから他の国が貧弱に見えてしまうのかもしれません。

図3 駆逐艦コール
図3 駆逐艦コール.jpg
引用wiki

船腹に大穴を開けられても生き残った、米海軍駆逐艦コールが良い例でしょう。

海上自衛隊も、日本海軍での血の教訓を糧に大幅にダメコン能力を増強したといえます。

1.2 上部構造物だけでもダメコン思想が読み取れる

中国052DL駆逐艦が海外にて一般公開され、艦内を見た識者がダメコン能力に疑問符を付けているという情報が流れてきました。

図4 ダメコン
図4 防水実習.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FGwvsifUcAEnfU3?format=jpg&name=4096x4096

まあダメコンは結構特殊技術でもあるため、パッと見で道具が見当たらないから能力が低い!なんていうほど簡単なものではありません。

(関連記事):『【海自】ダメコン応急工作は奥が深いよ〜!

いろんな準備と共に、設計段階から丁寧に細部のぎ装を考慮すべき話です。

1.3 水密ハッチと配管・電線を見ろ!

一般公開にて見過ごされがちなのが、水密ハッチと配管・電線の配置状況です。

特に区画をまたぐときに、配管と電線がどのように貫通しているかで設計思想が分かります。

図5 護衛艦いずも艦内
図5 護衛艦いずも.jpg
引用URLhttps://www.glico.com/assets/images/medium/0I9A1461vsd__1.jpg(グリコHPから)

この写真は、護衛艦いずもの艦内を捉えた映像です。

グリコの宣伝写真の中に、ちょうどよい画像がありました。

海上自衛隊の護衛艦などは、こんな感じでちょっとごちゃごちゃしています。

これもダメコンを考慮した、設計とぎ装になっています。

この中で隔壁を貫通している配管と電線に注目すると、中国海軍のダメコン能力を比較できます。
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(2)中国はダメコン能力は向上したがまだまだ問題がある

以前の051型(旅大級)駆逐艦については、ダメコン能力はひどいものでした。

図6 キッチン
図6 051型キッチン.jpg
引用URL:http://k.sinaimg.cn/n/sinakd20100/200/w640h360/20200621/4515-ivffpct0226437.jpg/w700d1q75cms.jpg

炊飯釜を上甲板に置くなど、とてもダメコンを考慮したとは言えませんでした。

2.1 052Dは改善されてきたね!

そんな中で2010年代に登場してきた、052D駆逐艦はダメコンも考慮されてすっきりしてきました。

図7 艦内配管
図7 艦内配管状況.png
引用URL:https://www.youtube.com/watch?v=0ApBrnosK3E

一応はスマートな艦内設計になっているように見えますが、この映像を見たときに少し違和感を覚えました。

配管を、隔壁や構造物金物に貫通させるときに貫通金物をちゃんと通しているのは正解です。

ただし、
・逆止弁(ぎゃくしべん)や閉鎖バルブを設置せずに、配管を長くするのか?


という疑問が出てきて、中国のダメコン対応能力に疑問符が付きます。

流血の教訓から、日米艦艇は配管にこれでもかとバルブを設置して流出防止をしています。

2.2 おいいい!電線処理が甘いぞ!

052D駆逐艦の艦内公開映像を見て、ダメコン設計がまだ途上と感じたのは電線処理のところです。

図8 艦内電線処理
図8 配管電線.png
引用URL:https://www.youtube.com/watch?v=0ApBrnosK3E

艦内の隔壁を貫通する電線について、貫通部に防炎・防熱の隙間充填処理がされていない!

完全に、ダメコン設計は考慮されているけどぎ装までしっかりとできていない証拠です。

海自護衛艦や艦艇でこんなことをすると、ぎ装員や主任検査官から激詰めされる案件です。
(そうれはもう、アツく激しく罵倒の嵐になるでしょう)

ダメコンを少しでも知る人間なら、難燃性電線は溶け落ちるモノと認識するはずです。

2.3 1982年イギリス海軍シェフィールドの教訓

1982年に発生したフォークランド紛争にて、駆逐艦シェフィールド火災沈没が有名になりました。

図9 シェフィールド火災
図9 シェフィールド火災.jpeg
引用URL:https://csis-website-prod.s3.amazonaws.com/s3fs-public/styles/768x461/s3/publication/Hundimiento_del_destructor_HMS_Sheffield_ccexpress.jpeg?VersionId=qrUShAf4Q.hdKdFdtiBsegpjuhVosJNV&h=94757312&itok=zdCmvdk7

駆逐艦シェフィールド大火災の原因は、アルミ製上部構造物のせいといわれています。

実際は、火災発生により隔壁を貫通していた配管や電線が焼け落ち隣接区画に延焼拡大したためです。

その後世界各国の海軍は、徹底的に隔壁貫通の配管・電線処理に留意するようになります。

中国にもその教訓は伝わっているはずですが、ぎ装まで徹底できなかったのでしょう。

流血の教訓を体感できていないから、不十分なダメコン設計になったのかもしれません。
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(3)中国海軍ダメコン能力は悪くないが良くもない

結論として、中国海軍のダメコン能力は2000年代以降向上しているとは言えます。

しかしながら、まだまだ向上の余地があるといえるでしょう。

ダメコン用具が視界に入らないから、能力に問題があるとかそんな簡単なもんではないですよ!
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2023年06月30日

モロジー二のはみだしは痩せ馬対策かな?【軍事技術】

『よく見るとはみ出している部分があるね!』
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2023年6月にイタリア海軍哨戒艦フランチェスコ・モロジーニが横須賀に寄港しました。

哨戒艦だけど7000トン越えという、巨大艦となっています。

図1 哨戒艦フランチェスコ・モロジーニ
図1 哨戒艦.jpg
引用URL:https://twitter.com/jmsdf_yrh/status/1671753096907874304/photo/2

その中で、艦橋上部構造にナゾのはみだし部分が見つかる面白い展開になります。

イタリア海軍の建造技術はいかに?
(前回記事):『【海上自衛隊】艦これついに艦船呼んじゃったよすげえなあ!
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(1)艦橋上部にナゾのでっぱり!?

イタリア海軍の哨戒艦が日本に寄港して、いろんな発見がありました。

図2 後ろ姿
図2 後ろ姿.jpg
引用URL:https://twitter.com/jmsdf_yrh/status/1671753096907874304/photo/3

日本では初登場のOTOメララ76mmSovraponteも見えています。

1.1 艦橋上部にナゾのでっぱりが?!

そんな中で、日本に寄港したからこそ近くで写真撮影できたから判明したことがあります。

図3 艦橋上部の拡大写真
図3 拡大写真.jpg
引用URL:https://twitter.com/jmsdf_yrh/status/1671753096907874304/photo/2

なぜか艦橋上部に、一部不思議なでっぱりがあるとの指摘が出てきました。

一見すると単なる施工ミスのようにも見えますが、そんな単純ミスをするかな?

イタリアのレベルの高い冶金工学が、簡単なミスをするとは思えません。

1.2 1番艦進水時には見られない部分

イタリアの長距離警備艦(PPA)という、フリゲートと哨戒艦を融合したような軍艦は今後の流行となるかもしれません。

図4 図解
図4 図解.jpg
引用URL:https://twitter.com/D__Mitch/status/1435167863510376451/photo/1

パオロ・タオン・ディ・レベル型として就役した、フランチェスコ・モロジーニは哨戒艦という位置づけですが今後の改装でフリゲートのような重武装になります。

そんな新型艦の1番艦の進水式の写真を見つけました。

図5 進水式
図5 進水式.jpg
引用URL:https://www.seaforces.org/marint/Italian-Navy/Patrol-Vessel/P-430_DAT/P-430-ITS-Paolo-Thaon-di-Revel-002.jpg

1番艦の進水式の時には、でっぱりが見受けられません。

なおかつ、しっかりとした艦橋からの切れ目が見えています。

そこで引っかかったのが、PPAパオロ・タオン・ディ・レベルが2022年に就役後すぐに中東に派遣されたことです。

図6 派遣写真
図6 派遣写真.jpg
引用URL:https://www.seaforces.org/marint/Italian-Navy/Patrol-Vessel/P-430_DAT/P-430-ITS-Paolo-Thaon-di-Revel-024.jpg

2022年8月に撮影された写真ですが、右舷の艦橋上部にヤバいくらいの痩せ馬が走っています。

1.3 中東の日光でヤバい痩せ馬が!

新造艦であっても、中東アラビア海のような強烈な日光を浴びると鉄板にゆがみが発生します。

図7 痩せ馬
図7 痩せ馬.jpg
引用URL:http://blog-imgs-49.fc2.com/a/s/a/asahikawa1972/_99002014110001.jpg

本来なら、建造時の技術的加工技術の未熟さであばら骨のように鉄板が歪むのを「痩せ馬」と造船の世界では呼んでいます。

おそらくPPAも設計当初は、しっかりと計算されて建造されたのでしょうが中東の直射日光が外板を歪めた可能性があります。

そのため、2番艦については急遽外板の溶接位置を変更したものと思われます。

だからモロジーニも、変なでっぱりが出来てしまった可能性があるといえます。
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(2)Xバンドレーダーの重量が重い?

今回艦橋上部に変なでっぱりが出来た理由として、装備するレーダーが予想より重い可能性があります。

図8 レーダー部分
図8 レーダー装備位置.jpg
引用URL:https://electronics.leonardo.com/o/adaptive-media/image/22483417/w_960/Scalable%20architecture_new.jpg

その重量分散のため、やむなく溶接位置を変更したのかもしれません。

2.1 FCS-3でも苦労した重量軽減

FCS-3を装備した、ひゅうが型護衛艦以降の艦は艦橋構造物を強化して重量のあるレーダーを搭載しています。

図9 FCS-3
図9 FCS-3.jpg
引用wiki

すでにCバンドレーダーでかなりの重量となっていたため、Xバンドレーダーは重量軽減のため小さくせざるを得ませんでした。

レオナルド社のKRONOS DUAL BANDレーダーについては、レーダー素子面積を同じ大きさで2つ搭載しています。

そのため、予想以上に艦橋構造物の溶接部に負荷がかかっていいる可能性があるかもしれません。

2022年3月に1番艦が就役してから、修正の必要ありとして急遽外板の張替えが行われた可能性もあるといえます。
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(3)RCS低減用の工夫かも?

また別の見方をすれば、RCS低減のため溶接肉盛り部分を少なくするための工夫がされたかもしれません。

図10 RCS
図10 RCS.png
引用wiki

ステルス性を追求するため、あえて溶接部分をずらしている可能性があります。

3.1 溶接部の肉盛り部分はRCS増大の要因

戦闘機では有名になったステルス性は、軍艦でも取り入れられています。
(関連記事):『【ロシア】ソ連感の無い軍艦なんてただのロシア軍艦だ!

ここで問題になるのが、構造物の溶接跡の処理です。

護衛艦でも、構造物をよく見ると溶接の跡が残っていることがあります。

ここで問題になるのが、多層構造物の肉盛溶接を行った場合です。

図11 肉盛り溶接
図11 肉盛り溶接.jpg
引用URL:http://www.k-kamei.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/2af0d16de804e2fb9256b5053d7fd8bf.jpg

たかが溶接されど溶接であり、肉盛溶接の後には丸みを帯びた部分が残ります。

3.2 丸いものはRCS増大の要因になる

ほんのわずかな溶接の肉盛部分の丸みであっても、RCSには影響が出てきます。

意外と、球体はRCSが高くレーダー反射を起こしやすいところがあります。
(RCS計測を行ったときに、肉盛りの有無で数値に違いがあった)

図12 球体RCS
図12 球体RCS.jpg
引用wiki

イタリアの造船所は、この肉盛りが残ることを嫌って溶接位置をずらした可能性もあるでしょう。

かなり深いわけがありそうです。

3.3 真相はいかに?

今回のモロジーニの寄港を機に判明した、イタリア艦の溶接の謎について
@痩せ馬を削るため溶接位置を変えた?
Aレーダー重量を分散するために溶接位置をずらした?
BRCS分散のため、わざと溶接肉盛りを減らす措置?


ということが考えられます。

さあ真相はいかに?!
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2023年04月24日

もがみ型護衛艦電波アンテナは興味深い!【軍事技術】

『いまさらだがもがみ型の電波周りは面白い!』
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2022年に就役が始まったもがみ型護衛艦FFMは、省人化やステルス性など大きく力が入れられました。

1番艦から8番艦まではVLS搭載無しとなり、いろんな議論を呼んでいます。

図1 もがみ型護衛艦
図1 もがみ型.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ffm/mogami/#1-1

ここで意外と触れられていないのが、通信電波アンテナ関係の話です。

ステルス性に対して非常に相性の悪い、通信電波に関するお話をご紹介!
(前回記事):【【軍事技術】GTエンジン沼にはまってみないか?
\こちらもご参考に!PR/

(1)ユニコーンは頑張ったんだよ!

もがみ型護衛艦について、ステルス性に考慮をされた船体となっていますが一部は従来型になっています。

図2 航海用アンテナ
図2 航海用アンテナ.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ffm/mogami/#3-2

従来のアンテナなどを搭載せざるを得ない状況も発生しています。

1.1 ユニコーンは頑張った!

もがみ型護衛艦の大きな特徴は、複合型空中戦NORA-50ユニコーンの搭載です。

図3 UNICORNマスト
図3 UNICORNマスト.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/en/policy/pdf/defense_equipment_unicon_reference_guide.pdf

長らく艦船技術者が夢見た、マスト周辺のごちゃごちゃした通信アンテナをひとまとめにしたユニコーンアンテナはステルス性能向上に役立つでしょう。

搭載されているだけでも、
・UHFアンテナ
・VHFアンテナ
・LINK16アンテナ
・IFFアンテナ
・方探アンテナ(逆探知系)
・TACANアンテナ(航空用)
・Wi~Fiアンテナ(FCネットワーク用?)

などいろいろあります。

よくぞここまで集合させて、すっきりとした形状にまとめきれたといえます。

図4 統合空中戦システム
図4 統合空中線システム.png
引用URL:https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11339364/www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/22/jizen/sankou/16.pdf

平成22年度に登場した、統合空中線システムの研究などを経てユニコーンは登場したといえます。

防衛装備庁はよく頑張ったよ!アンテナだらけのマストをよくまとめたよ!

もっと評価されても良いポイントかもしれません。

1.2 航海用レーダーは仕方がない!

もがみ型護衛艦の海上公試が始まったときに、回転式レーダーが付いている!なんて指摘がされました。

図5 回転式航海レーダー
図5 回転式航海用レーダー.jpg
引用wiki

航海用レーダーはXバンド帯の発信をしますが、GMDSS(海上における遭難及び安全に関する世界的な制度)にて反応がするためには民生用と同じ製品を使う形になります。

わざわざ専用品を作るよりも、安上がりとなります。
(私は漁船ですよ〜?と電波的に化けることもできる)

1.3 衛星通信亜アンテナはもっと仕方ない!

もがみ型護衛艦はユニコーンアンテナの前後に、衛星通信用アンテナを置いています。

図6 衛星通信アンテナ
図6 衛星通信アンテナ.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ffm/mogami/#3-3

大出力大容量データーの通信を行うには、どうしてもパラボラアンテナ方式が必要となります。

そのため丸いアンテナレドームを使用せざるを得ません。(中にパラボラアンテナが入ってる)

変に遮蔽版を置くと、衛星電波の利得がめちゃくちゃになり通信がうまくいきません。

まあこれも仕方ないでしょう。
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(2)HF(短波)アンテナは収納できなかったのね?

もがみ型護衛艦のアンテナ周りで特徴的なのが、HF(短波)無線機用アンテナが出ていることです。

図7 HFアンテナ
図7 こんごう型.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ddg/kongou/img/173_05l.jpg

こんごう型以降に船体後部に、太いHFアンテナが付くようになりました。

2.1 HF(短波)は何に使うの?

ここでHF(短波)と言っても、あまりなじみがないかもしれません。

身近にあるケータイ電波はUHFなど波長の短いものを使います。

図8 用途
図8 用途.gif
引用URL:https://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/freq/search/myuse/summary/eqsp001.gif

波長10m〜100m周波数帯3MHz〜30MHzが、短波の領域で船舶や航空機の通信に使用します。

短波通信が便利なのは、水平線越えの長距離通信が可能な点です。(その代わり雑音がひどい)

図9 洋上管制所
図9 洋上管制.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/E-4qeffVQA4GkWt?format=jpg&name=900x900

海上自衛隊航空集団には、洋上飛行をする航空機管制を行う管制所があります。

かつてこの通信管制室は撮影禁止だったので、海自航空集団がTwitterで写真掲載したのは驚きです。

海自では船舶通信やHS運用通信に利用するため、欠かせないものです。

ただ送信出力の大きさや、アンテナが長く大きくなるのが難点です。

2.2 ORA-19は偉大な存在!

短波通信空中線は以前から艦艇に搭載していましたが、アンテナだらけになり苦労していました。

そんな中で、短波空中線を共用して使えるORA-19受信空中線共用器が装備されるようになります。

図10 ORA-19
図10 ORA-19.png
引用URL:https://ssl.bsk-z.or.jp/kenkyucenter/pdf/25sannbakou11.25.pdf

空中線周りをすっきりさせたORA-19は、短波通信の偉大な存在といえます。

ちょうど艦船の煙突についてる2本のアンテナがHF送信アンテナであり、送信位置として他の電波機器に干渉しない位置となっています。

そんな短波通信アンテナは、やはりステルス性との闘いになります。

2.3 格納すると他の通信機器に影響する。

もがみ型護衛艦は、HF送信空中線や受信空中線は従来のままとなっています。

図11 みくま横から
図11 みくま横から.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ffm/mogami/#3-6

煙突付近でにて、飛び出ているのがHF送信空中線です。

ユニコーンの中に格納すると、各種の通信機器に電波干渉してしまうので格納をやめたのでしょう。
(マジにHF電波は通信機器に電波干渉します。)

ステルス化への最終関門は、通信アンテナとなるのは皮肉な話です。
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(3)ぐるぐる巻きにしてえなぁ〜!

潜水艦搭載のHFアンテナは、ループアンテナをぐるぐる巻きで複合空中線に格納しています。

図12 AN/OE-538
図12 OE-538.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ss/oyashio/#595-1

黄緑色のものが、潜水艦用のAN/OE-538複合空中線です。

3.1 短くしてぇ〜!

現職時代に聞いたのは、「HFアンテナもっと短くしてえ!特にHS甲板のやつ!」という悲鳴です。

図13 ヘリ甲板アンテナ
図13 ヘリ甲板アンテナ.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/dd/akizuki/#118-3

折り畳み式にはなっていますが、HSパイロットから一番文句が出るのがヘリ甲板のアンテナ類です。

電波の送受信には最も適していますが、発着艦には邪魔です。

ぐるぐる巻きにすると短くできるけど、電波利得が低下するしな〜!

中々苦労の連続です。

3.2 アンテナから見るもがみ型も面白い!

もがみ型護衛艦はステルス性に配慮した形状となりましたが、HFアンテナは従来の形状となりました。

電波干渉を考慮すると仕方ないですが、まだまだステルスの道は遠いところです。

HFアンテナなんてイラン!とすると、搭載HSとの交信ができません。

図14 N-AS-299
図14 N-AS-299.jpg
引用wiki

N-AS-299のように短い短いものもあるけど、出力が足りなくなります。

けっこうもがみ型もいろんな面からみると、面白いですよ!
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2023年04月11日

【軍事技術】GTエンジン沼にはまってみないか?

『エンジンはいいぞ〜GTエンジンはいいぞ〜!』
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軍事において武器システムにはまる人は多いけど、意外と少ないのがエンジン好きの人です。

艦内に格納されてしまうから、目立たないという難点のあるかもしれません。

図1 GTエンジン
図1 GTエンジン.jpg
引用URL:https://weblio.hs.llnwd.net/e7/img/dict/sgkdj/images/105136.jpg

艦船に使われるガスタービンエンジン(GT)を知ると、いっぱいありすぎて目移りします。

文句が出る海自艦船GTエンジン組み合わせも、実はちゃんと意味があったりします。
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(1)ロールスロイス最高だろ〜!(空自への煽り)

航空自衛隊ではイギリスロールスロイス社エンジンに対して、これでもかと文句があるでしょう。

図2 F-1支援戦闘機
図2 F-1支援戦闘機.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/F-1__(航空機)#/media/ファイル:Mitsubishi_F-1_03.jpg

まあF-1支援戦闘機の推力不足はいがめなかったのは事実です。

1.1 海自のGT化をもたらしたロールスロイスエンジン
海上自衛隊では1970年代後半に、はつゆき型護衛艦にてGTエンジン搭載が計画されます。

図3 はつゆき型護衛艦
図3 はつゆき型護衛艦.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/dd/hatsuyuki/img/main.jpg

はつゆき型の前には、ディーゼル搭載の「やまぐも」「みねぐも」型や蒸気タービン搭載の「たかつき」型がありました。

対潜戦の静粛化を考えると、ディーゼルや蒸気タービンから転換する必要がありGTエンジンが選択されたところがあります。

1.2 21型フリゲート(アマゾン級)の成功を受けて
そんな中で1969年に建造が始まり、1974年から就役が始まったイギリス21型フリゲート(アマゾン級)の成功が世界に報じられます。

図4 21型フリゲート
図4 21型フリゲート.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/21型フリゲート#/media/ファイル:HMS_Arrow_(F173)_underway_c1982.jpg

世界で初めてGTエンジン搭載の軍艦として完成度の高さを出したので、はつゆき型としてもイギリスに習ってGTを選択していきます。

タインRM1C(巡航用)とオリンパスTM3B(高速用)の2種類にてガスタービンを切り替えて使用する方法になります。

図5 RM1C
図5 RM1C.jpg
引用URL:http://www.uk-kk.co.jp/img/english/product/img09.jpg

途中でロールスロイス社に併合されることになり、1社供給となります。

1.3 なぜ異なる2種類のエンジンを使用したか?
よく聞かれる質問として、なぜ異なるGTエンジン搭載を行っているのか?というものがあります。

理由としては、大出力GTエンジンがまだ登場していなかったというものがあります。

1970年代だと、船舶用GTエンジンにて1軸に対して2基使用しないと最大速力(30ノット)まで行けなかった状態です。

さらには、減速機(ギア)の問題がありました。

図6 減速機
図6 減速機.gif
引用URL:https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2002/00198/images/170_01l.gif

高速回転するGTエンジンからの回転シャフトを減速してプロペラに動力を伝えるには、慎重な設計が必要です。

成功実績のある物を選択していくのが、基本となります。

あさぎり型では、ロールスロイススペイSM1Aを4基搭載してCOGAG方式にて運転方式の多様化に成功します。
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(2)LM2500は魔法のエンジンにあらず

イージス艦に搭載されていたことで、魔法のエンジンのように言われたLM2500エンジンがあります。

図7 LM2500エンジン
図7 こんごう型.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ddg/kongou/img/173_02l.jpg

平成になって登場したLM2500エンジンには、色々悩まされたものです。

2.1 扱いやすいが出力がねえ?

GE社のLM2500エンジンは、1970年には登場していましたが信頼性の面でまだ実績がなかったところがあります。

最初に船舶用として搭載した、スプルーアンス級駆逐艦(1975年就役)の運用実績が少ない中ですぐに切り替えるわけにはいきませんでした。

図8 スプルーアンス級駆逐艦
図8 スプルーアンス級駆逐艦.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/スプルーアンス級駆逐艦#/media/ファイル:US_Navy_010618-N-6626D-002_USS_Hayler_(DD_997)_underway.jpg

登場したばかりのLM2500についても、1980年代には必要推進力を1軸1基で賄えるほどではありませんでした。

海上自衛隊で注目されたのは、オリバー・ハザード・ペリー級の実績が(1軸2基の信頼性)顕著に出てきたことです。

その後イージス艦導入と共に、LM2500導入が始まります。

2.2 むらさめ型以降の発展型につながる。
むらさめ型にてLM2500(高速追加用)とロールスロイスSM1C(巡航用)の併用ということが始まりました。

批判も多い組み合わせですが、当時の導入数が少ないLM2500を補完するものとしてSM1Cを併用することになります。

図9 SM1C
図9 SM1C.jpg
引用URL:http://www.uk-kk.co.jp/img/english/product/img08.jpg

LM2500エンジンは、IHIがライセンス生産・オーバーホールを担当することになり整備キャパが不安視されたところがあります。

故障対処や部品供給態勢が整ってきた2000年ごろからようやく、信頼性を持ったといえます。

2.3 LM2500不足問題
LM2500については、2001年のインド洋派遣が始まったことから慢性的な予備機不足に悩まされます。

図10 インド洋派遣
図10 インド洋派遣.gif
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/approach/kokusai_heiwa/terotoku/images/gaiyou1.gif
灼熱の環境にて、エンジンの故障も頻発してくることになります。

さらに防衛費削減によりエンジンオーバーホール間隔の延伸が行われ、部品不足による整備待ちエンジンが積みあがることになります。

エンジン屋さんがどうしてもLM2500を好きになれない理由は、苦難の歴史があります。

さらにM事案により、予備機増強を含めたLM2500購入がストップすることがありました。
(機関科の人たちが、大号泣しながら修理する羽目に・・・)

海自にもIHIに予備エンジンがない危機的状況が、1年ほど続いたことがあります。
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(3)エンジン屋さんのライフはもうゼロよ!

もがみ型護衛艦のGTとしてロールスロイスのMT30が導入されることになりました。
図11 MT30
図11 MT30.png
引用URL:https://www.shintoa.co.jp/wp-content/uploads/kumano_mt30.png

川崎重工が整備とオーバーホールを担当することになります。

3.1 SM1A/Cとの両立は大丈夫か?

川崎重工としては、ようやくタインRM1CとオリンパスTM3Bの保守から解放されます。
(TM3Bは「はたかぜ」型2隻を残すのみ)

そんな中で、国産化したSM1AとSM1Cの面倒を見ながら、MT30の整備もしなくてはいけません。

スペイSM1Cについては、ましゅう型補給艦などにも使用され日本が一番の使用国となりました。

ロールスロイス社から部品が来ないから、2012年にはついに製造事業譲渡を受けて100%国産化となります。

図12 国産化
図12 国産化.png
引用URL:https://www.khi.co.jp/corporate/timeline/pdf/125history_19.pdf

ホントに大丈夫?ちゃんと供給できる?

3.2 M1A発電機については言うまでもない

海上自衛隊のGTについて、もっとヤバいのがM1Aシリーズですね。

図13 M1A発電機
図13 M1A発電機.png
引用URL:https://www.gtsj.or.jp/journal/contents/vol41no4_journal.pdf

ガスタービン発電機として開発されましたが、機関や電気員の恨みをどれだけ買ったことか・・・

GTエンジン沼は、ほんとに奥が深いぜえ〜!
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posted by sstd7628 at 12:38| Comment(6) | TrackBack(0) | 軍事技術
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