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2022年5月22日に、海上自衛隊横須賀基地船越地区にて護衛艦じんつう(DE230)が掃海母艦うらがに衝突する事故がありました。
図1 じんつう事故
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FTbbJ5hacAA7h24.jpg
護衛艦じんつうは艦首がへこみ、衝突された掃海母艦うらがも船体中央部に大きなへこみと亀裂が入る事故となりました。
横須賀造修補給所船体科大激怒案件ですが、船越岸壁の出入港はかなり難しいものがあります。
運用性を取るか、騒音対策を取るかの問題となるでしょう。
(前回記事):『【世界情勢】スラヴァ級巡洋艦撃沈ってマジかよ・・・(汗)』
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(1)船越岸壁は特殊だからね〜?
今回の事故については、横須賀のいつもの吉倉岸壁とは違う場所で発生しています。
図2 吉倉逸見岸壁
引用wiki
自衛艦隊司令部などがある、奥の岸壁で発生しています。
1.1 船越岸壁はめちゃくちゃ複雑!
船越地区にある岸壁には、吉倉岸壁に泊まれなかった艦船が集まってきています。
図3 船越岸壁
引用URL:https://www.google.com/maps/@35.300644,139.6370869,893m/data=!3m1!1e3?hl=ja
少し前の航空写真ですが、岸壁の様子が分かるようになっています。
今回発生したのは、特に大型艦が係留する岸壁(画像右上)のところで発生しています。
広いように見える水域ですが、意外と狭い水域なので出入港に苦労する場所です。
1.2 結構難しい場所!
最初に護衛艦じんつうがうらがに突っ込んだと聞いたときは、「おいおいどんな操艦したらぶつけるんだ?」と考えてしまいました。
図4 昔の船越
昔やってや係留であれば出船係留でぶつける要素があまりないように感じていましたが、最近は民間地区にエンジン排気音をぶつけないように、入船係留していることが多くなっているのを忘れていました。
図5 入船係留
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FTXgMpqVIAAWquM.jpg
この状況で、港内にて方向転換するのに各艦ともかなり苦労していたのを覚えています。
1.3 ブイ係留保管船があると狭い!
船越岸壁地区には、掃海艦が停泊する艦船補給処の桟橋と船越岸壁の間に浮標(ブイ)があり、退役した船が係留されていることもあります。
図6 浮標係留
ほんとに回転する水域があるとしたら、掃海母艦「うらが」の横しか海域が無い状況です。
護衛艦じんつうの事故は、そんな中で操艦ミスの部分が大きいといえます。
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(2)曳船使い・機械の使い方・艦橋での遅れ?
出入港については、事故が起きやすい部分であるので最も注意しているのですが事故は起きてしまいます。
図7 曳船との連絡
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/E-lXY9vVgAIiILS?format=jpg&name=medium
いくつものミスが発生した可能性があります。
2.1 出港前ブリーフィングの伝達不足?
可能性の一つとして、出入港での艦長のインテンション(意図)を周知する出港前ブリーフィングにて意思疎通不足があったのかもしれません。
図8 出港前ブリーフィング
引用URL:https://fanblogs.jp/sstd7628/file/E587BAE6B8AFE5898DE38396E383AAE383BCE38395E382A3E383B3E382B0E381AEE9A2A8E699AF.jpg
(参考記事):『【海上自衛隊】船務士も出港時にはお仕事いっぱいだよ!』
このコロナ過で密集することがあまり好まれない状況で、的確にインテンションを伝達できたのかという問題があるでしょう。
ここで、意思疎通不足があったのかもしれません。
回頭する位置や、回転スピードの細かい指示が十分でなかったのかもしれません。
2.2 艦橋が騒がしい船は事故る!
練習艦隊や護衛艦勤務の時によく言われたこととして、出入港作業における艦橋の在り方です。
『艦橋が騒がしい船は、必ず事故になる!』
図9 艦橋
引用URL:https://www.hiroshimapeacemedia.jp/blog/wp-content/uploads/2018/02/6f77947fad1a2a20454880c963fb6829.jpg
艦長の操艦号令が、正確に伝達されなければ事故の元になります。
部下の報告も、艦長の仕事の邪魔をしないようにて適格に行う必要があります。
2.3 緊急投錨の時間もなかっただろうな〜
出入港の際には、艦の動きが予想より大きく動いてしまうこともあります。
そんなときに船を止める手段として、緊急投錨という手法があります。
図10 釣り錨
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/yokosuka/news/02/img/08/03.jpg
出入港作業において、必ず錨の一個については「釣り錨」として船を止める最後の手段として緊急投錨にて止める作業をします。
一瞬の時間なので、緊急投錨する時間もなかったかもしれません。
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(3)昔が豪快すぎた?
昔の船乗りの話を聞くと、多少こすっても許されたおおらかな時代がありました。(おおらかすぎた?)
しかしながら最近では、ぶつけたら即時に大問題となってしまいます。
3.1 駆潜艇のような哨戒艦の早期配備を望む!
最近の護衛艦は大型になりすぎて、若い時代に艦艇長勤務経験ができる駆潜艇が無くなったのも経験を積める機会が少なくなったといえます。
図11 駆潜艇
引用wiki
今回の事故は艦長の操艦ミスとして、簡単に片づけていい話ではないと考えます。
艦艇の十分な経験がしっかり詰める環境として、哨戒艦などの早期配備が必要になってきているといえます。
今後の計画をしっかりとしてほしいものです。
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そういう船が量産されていたら
中国艦隊の監視に掃海艇を引っ張り出す事もなかったでしょうね
90年代にもしも、駆潜艇の代わりに哨戒艦を作っていたらと考えると1号型ミサイル艇ではなく500トン程度のミサイル艇搭載型哨戒艇となっていたかもしれません。
装備として、
@主砲:76mm砲
Aミサイル:SSM4発
B機関:ディーゼル2機(スクリュー1軸)
C乗員:40人程度
対潜戦については、潜水艦・護衛艦に任せて哨戒と共に、対ミサイル戦の補完戦力という位置づけになるでしょう。
現職時代に、ソ連のタランタル級コルベットをうらやましがる話をよく聞いていました。
500トンほどの小型艦がやはりほしいところですね。
90年代中期にDEの代わりに、昔の駆潜艇ぐらいのサイズの哨戒艇を作るとなると
どんな感じのスペックになるのでしょうか?
(21世紀になると世界情勢が悪化しますから、哨戒艇を作るなら90年代がベターなはずです)
以前から横須賀基地の艦艇係留能力の余裕のなさは指摘されていましたので、ひゅうが就役に合わせて逸見岸壁の新設が行われた経緯があります。
それでもなかなか厳しいものがありますね〜。
なお、米海軍基地については米軍が使っていないときは海上自衛隊も使用できる地位協定第2条第4項(a)になっています。
護衛艦ひゅうが就役から1年ぐらいは、逸見岸壁完成遅れのため米海軍桟橋を主に利用していました。
(電気水道料金の他に係留料金はしっかり徴収されるけど・・・)
それとは別に米軍基地返還しろよと思います。まずは共同運用区域に変えろと。