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イージス・システム搭載艦に、ロールスロイス製MT30エンジンが採用されるという報道がありました。
もがみ型護衛艦にも使用しているエンジンであり、海自のニュースタンダードになりつつあります。
図1 MT30エンジン
引用URL:https://www.rolls-royce.com/~/media/Images/R/Rolls-Royce/Defence/2200_banner.jpg
ただ古い護衛艦に乗っていた身としては、ロールスロイスか・・・となるくらい不安があります。
悪評を克服してLM2500を超えるGTエンジンに大化けするか?!
(前回記事):『イスカンデルMに戦術核を搭載できるのか?』
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海上自衛隊のエンジン屋さんは、今この状態かもしれません。
図2 頭を抱える
引用URL:https://irasutofree.com/illustrations/9971
またロールスロイスか!悪夢はもういやあああ!!!
1.1 MT30は夢のエンジンだぜ!
私はロールスロイス否定派ではないですよ!ホントだってば!
図3 F-1支援戦闘機
引用URL:https://www.mod.go.jp/asdf/airpark/GUIDE/equipment/aircraft/img/f1.jpg
F-1支援戦闘機のエンジン(ロールスロイス製)で、さんざんこき下ろしたけどさ!
(関連記事):『GTエンジン沼にはまってみないか?』
MT30GTエンジンの発表当初(2000年)は、ホントに海軍に変革をもたらす!と言われました。
図4 LM2500
引用wiki
LM2500エンジンしかなかった高速高出力エンジンに、さっそうと登場したMT30!
1.2 統合電気推進などににピッタリ!
MT30エンジンが歓迎されたのは、IEP(統合電気推進)に非常に向いているからです。
海上自衛隊でも、砕氷艦「しらせ」などでIEPとなりました。
図5 あさひ型護衛艦
引用wiki
さらに「あさひ型」護衛艦以降では、巡航時電気推進と機械式推進のCOGLAGに進化しました。
LM2500では運転効率が悪いため、MT30は代替手段として非常に注目されました。
図6 構造
引用URL:https://www.rolls-royce.com/~/media/Files/R/Rolls-Royce/documents/country/japan/mt30-brochure-japanese.pdf
GT1本で40MWという、夢のような高出力はレーザー砲やレールガン搭載も可能にする出力です。
LM2500エンジン2本分の出力を、MT30は1基で出せます。
1.3 信頼性のある航空機用エンジンから派生!
ⅯT30は、ボーイング777用エンジンのトレント800をコアエンジンにした派生型です。
図7 トレント800
引用wiki
信頼性についてはお墨付きと言えるだけの、非常に優れたエンジンです。
だからこそ、各国海軍の新型艦艇にMT30が採用されているといえます。
図8 各国採用艦艇
引用URL:https://www.rolls-royce.com/~/media/Files/R/Rolls-Royce/documents/country/japan/mt30-brochure-japanese.pdf
順調に進めば、日本がMT30エンジンの最大のユーザーになるでしょう。
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かつてMT30の前に、夢のエンジンWR-21が英45型駆逐艦に搭載されました。
図9 WR-21
引用URL:https://www.researchgate.net/profile/Ji-Jeong-3/publication/267500656/figure/fig2/AS:392068531802118@1470487830978/WR-21-intercooled-and-recuperated-gas-turbine.png
結果は散々なものになっています。
2.1 大丈夫?SM-1A/Cみたいにならない?
古い海自の人間にしてみれば、あさぎり型護衛艦以降に搭載したSM1Aエンジンを思い出すでしょう。
図10 あさぎり型
引用wiki
最近だと、あきづき型護衛艦(19DD)がSM1Cを搭載してるほどです。
他に「ましゅう型」補給艦にも搭載するなど、海自ではロールスロイスエンジンを多く使っています。
しかし修理や部品製造に、どれだけ苦労したことか!
2.2 部品が来ねえんだよう!
海自エンジン屋さんにしてみれば、SM1A/Cほど手を焼かされるエンジンはなかったでしょう。
図11 部品
引用URL:https://media.licdn.com/dms/image/C5612AQGUQ857zGUnLg/article-cover_image-shrink_600_2000/0/1520208890211?e=2147483647&v=beta&t=VBxqopH4qbXHp1cYCc1ncrJQXrJj2bwjAtwbQAd79Qo
特に部品は高いわ!修理回答が遅いわ!と非常に川崎重工業も苦労しました。
あげくに本機の販売成績が英国の他にはオランダにしか売れず、日本が最大のユーザーになってしまいました。
さすがに切れたのか川崎重工業が、2012年にSM1A/Cの権利を全て買取国産化してしまいます。
図12 事業譲渡
引用URL:https://www.khi.co.jp/corporate/timeline/pdf/125history_19.pdf
ロールスロイスエンジンをめぐっては、海自は強い恨みを持っています。
2.3 MT30も押し付けられるかも?
MT30については、海外販売成績がいまいち伸び悩んでいます。
図12 コンステレーション級
引用wiki
米国の次期フリゲート「コンステレーション級」でのエンジン受注に失敗しており、MT30のさらなる受注が見込めない状況です。
日本はFFMにて22隻+ASEV2隻と、順調にMT30搭載を増やしています。
またまたSM1A/Cのように、日本が最大ユーザーとなってしまうかもしれません。
エンジンの形態管理も、とてつもなく大変なんですよ!
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MT30もカタログスペック上は、ホントに良いエンジンなんですよ!
ただロールスロイス製と言うだけが、不安の種です。
3.1 GCAPも大丈夫か?
航空自衛隊の次期戦闘機(GCAP)の共同開発も、いよいよ本格化しました。
図13 GCAP
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/defense/nextfighter/images/nextfighter_06.jpg
機体やレーダーはともかく、エンジンはロールスロイスが主開発企業となるでしょう。
(やはり戦闘機用エンジン開発ノウハウのあるロールスロイスは強みがある。)
かつてのT-2/F-1で、非力なアドーアエンジンに散々悩まされた悪夢がよみがえります。
MT30も気が付いたら日本がメインユーザーになっているかもしれません。
今後も情報に注意していきましょう。
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