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最近次期オーストラリア海軍艦艇のコンペで、日独艦艇が有利になってきたようです。
その中で、搭載する対艦ミサイルはNSMミサイルが有力となっています。
図1 NSMミサイル
引用wiki
日本もFFMへの搭載を検討して、国産誘導弾と競合する懸念があるようですが・・・
すぐ撃てる対艦ミサイルなら、国産でも外国産でもどっちでもいい!すぐにヨコセ!
(前回記事):『陸自輸送艦「にほんばれ」進水したけどこれから大変!』
\こちらもご参考にPR!/
(1)新世代の対艦ミサイルNSM
NSMについては、ノルウェーが原産国である次世代ミサイルです。
図2 JSM
引用URL:https://milterm.com/wp/wp-content/uploads/2019/03/JSM%E3%82%92%E7%99%BA%E5%B0%84%E3%81%99%E3%82%8BF-35-768x525.jpg
F-35Aから発射するJSMも、NSMの派生品であり自衛隊に導入が始まっています。
1.1 ハープーンの後継として使いやすい!
アメリカや西側各国では、長らくハープーンミサイルが対艦ミサイルの主力でした。
図3 ハープーン
引用wiki
1965年から開発が始まり、1971年に試射成功・1975年には量産開始となっています。
日本も1981年就役の護衛艦「いしかり」から、ハープーンを搭載しています。
(はつゆき型護衛艦より早く搭載した)
図4 護衛艦「いしかり」
引用wiki
しかし古い設計と、射程の短さ(艦対艦で約150km)が次第に足を引っ張る形になります。
そんな中で、ノルウェーのコングスベルグ社が1990年代に開発したNSMが注目されます。
1.2 やや軽量だが射程は長くなる!
重量約650kgほどのハープーンに比べると、約400kgのNSMミサイルは軽いかもしれません。
しかしながら、ハープーンSSMが届かなかった射程200kmを狙えるものです。
図5 YJ−83
引用wiki
中国のYJ−83Jなど長射程対艦ミサイルが続々登場する中、長射程ミサイルが必要でした。
ウクライナ戦争でのネプチューンミサイルなど、長射程対艦ミサイルは今後も必要です。
1.3 国産90式だ!17式だ!12式改善型だ!
中には国産誘導弾こそ性能が優れている!と思うかもしれません。
図6 90式
引用wiki
まあ国産誘導弾を信じたい気持ちはわかるのですが、使ってた側としてはねえ?
弾は高額だし備蓄は少ない、戦時の増産は絶望的というところがあります。
統合演習で自衛艦隊後方幕僚をやった身としては、性能比較より重要なものがあると思います。
(関連記事):『艦補処自衛艦隊司令部後方幕僚に派遣!(その1)』
『とにかく今すぐ撃てる長射程の弾いっぱい持ってこい!』
(体験すると、弾薬キチにもなるよぉ〜)
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(2)戦いは数だよ兄貴ィ!!
後方幕僚として、自衛隊統合演習を経験したものとしては「弾数こそパワー」と断言します(狂)!
(関連記事):『幕僚編B演習開始!交戦多発に苦戦するJTF!』
図7 ドズル
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/EfnRpQ1UMAErBz2.jpg
数がそろうなら、外国産誘導弾も積極的に取り入れるべきです。
1.1 共通性があるNSMは魅力的!
NSMについては、西側で共通性のある対艦ミサイルとして数が見込めます。
まあ生産量がどのくらいになるか、まだ不明なところもあります。
図8 工場
引用URL:https://www.kongsberg.com/globalassets/kongsberg-defence--aerospace/3.-news-and-media/news/2024/nexus/dsc_5274_edit_liten.jpg?width=1040&quality=99&rxy=0.5,0.5
ノルウェーのほか、オーストラリアでも新工場が完成して増産体制が構築されています。
FFMについても、NSMを搭載できる技術的共通性を持てば有事の際に海外からの緊急輸入ができます。
2.2 弾が無いよう!弾ヨコセ弾ヨコセ!
演習時には何度も、対艦誘導弾の不足に苦しむ体験をしました。
演習前は『まあ備蓄弾薬でなとかなるだろう』と、楽観視していました。
いざ演習が開始され、何度も発生する海戦!不足する弾薬!すぐになくなる即応弾備蓄!
(関連記事):『幕僚編F反撃のJTF!第1次対艦総攻撃開始!』
図9 弾ヨコセ!弾ヨコセ!
引用URL:https://www.irasutoya.com/2014/09/blog-post_739.html
妖怪首おいてけならぬ、妖怪弾ヨコセ!と狂気に舞い落ちる後方幕僚部の人間が続出します。
(関連記事):『幕僚編H再補給・JTF再編成、離島奪還への作戦準備!』
米海軍からハープーンを分捕っても、まだ足りない!
トマホーク装備となり、現有弾薬ブロックWを強奪する海自の魂は弾薬不足からか?!
現場にいた人間としては、とにかく長射程の対艦弾がいっぱい欲しい!
国産だ!輸入弾だ!性能比較ガ〜!という前に、まずが数をそろえてほしいです。
2.3 アルゼンチンのエグゾゼ運用のような柔軟性が欲しい!
対艦ミサイルについては、陸海空で共通して使用できるような共通性も欲しいものです。
ハープーンのように、空対艦から艦対艦に転換するのに1発に3日かかるようではいけません。
1982年のフォークランド紛争でアルゼンチンは、艦対艦誘導弾を地上発射に転換しました。
図10 簡易発射台
引用URL:https://weaponsandwarfare.com/wp-content/uploads/2024/01/Exocet-in-Stanley.jpg
空中発射型エグゾゼMM40が5発しかなく、艦載型MM38を改造して陸上に設置しました。
すぐにぶっ放せる仕様になっていたからできた、苦肉の策です。
米軍のNMESISの原型といえる、汎用性の高い対艦ミサイル運用です。
図11 NMESIS
引用URL:https://media.defense.gov/2021/Sep/14/2002853114/780/780/0/210816-M-LC313-2226.JPG
17式艦対艦誘導弾や、23式空対艦誘導弾にここまでの汎用性はないでしょう。
(ブースターポン付けで艦載・航空機搭載に展開できるようにしてほしかった!)
NSMは汎用性と、価格の面で国産弾と勝負できる余地があります。
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(3)国産と輸入は並行していくべき!
弾薬備蓄については、国産と輸入を平行して行うべきでしょう。
図12 ウクライナ
引用URL:https://www.twz.com/wp-content/uploads/2023/08/10/ukraine-patriot-pac-2.jpg?strip=all&quality=85
ウクライナやイスラエルへのペトリ供与で、PAC-2ミサイルが枯渇して日本が米国に売却する状態になっています。
3.1 輸入途絶は厳しいよ!
有事の際は、輸入弾が迅速に納入されず枯渇する可能性もあります。
日米安全保障条約があるとは言え、どこまであてにできるか不明です。
図13 備蓄
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2024/image/zuhyo03010601.gif
各種弾薬の備蓄が大増強されましたが、どこまで備蓄できるか?
とにかく想像以上に、有事の際は弾薬消耗が激しくなります。
3.2 まずは数を揃えよう!
<国産弾や輸入弾での性能比較は、平時の暇なときにでも行っておけばいい!
『アメリカ〜!そいつ(対艦誘導弾)をヨコセぇ!!』
NSMもとにかく安くて数がそろうなら、国産弾より優先して配備してもいいと思われます。
できれば長射程かつ威力があり数を揃えられる弾薬こそ、いま必要なものです!
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