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防衛省の調達実績を見ると、いろんな装備が調達されています。
しかしたまに、不思議な単位で表記されるものがあります。
図1 訓練機雷
引用URL:https://twitter.com/jmsdf_krh/status/1658335486820364289/photo/2
例えばこの訓練用機雷ですが、調達補給上では1EAという不思議な単位を使います。
1発やろ!漢字を使わんかい!と思いますが、ものすごく深い理由があったりします。
(前回記事):『アムラームのラ国とは驚いた!』
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(1)そもそもEAってなんじゃ!1個と表記せんかい!
弾薬やいろんな部品を、調達補給するときEAなんて聞きなれない単位がけっこうあります。
図2 CIWS給弾
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/sf/whatsnew/images/y453.jpg
1発とか、1セットとか日本語だといろんな表記が出来るでしょう。
1.1 EAは個数を表す単位表記!
主に海上自衛隊の話をしますが、良く海上自衛隊ではEAという単位を使います。
図3 食器
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_PAO/status/1522395729595187262/photo/1
海自で有名な食器盤(テッパン)も、補給上は1EAと表記します。
(一枚じゃないんかい!)
いわゆる1個を表記するのに、わさわさEAと表記するのは補給上の都合です。
じゃあEAってなんの略なんじゃい!と考えるのは当然です。
1.2 米国の「each(それぞれ)」という表記から!
戦後海上自衛隊は、補給実施要領については米国のやり方を全面的に取り入れています。
(帝国海軍の踏襲をしなかった!)
図4 米国値札
引用URL:https://fastly.4sqi.net/img/general/width960/396643_aSR5euRVX_kQiS_XkPc0DcUiOotw2my9jP_is0KfXOU.jpg
米国では1個のことを1EA(each)と表記するのが、普通の状況となっています。
そんな米国のやり方を踏襲したため、海自では個数をEA表記するのが普通になります。
ただ面白い話があり、補給実施要領でのEAは「BACH(個/台)」だったりします。
元々補給用語で「BA(本)」(BALL)という表記があり、使用できなかったそうです。
1.3 補給の単位は面白い!
造修畑に進んだことで、補給の必要性・ありがたみを良く感じることがありました。
そんな中でも、補給の単位はいろいろありなかなか面白いところがあります
・SE:組(SET)
・OT:一式(OUTFIT)
・KT:キット(KIT)
・AY:アッセンブリ(ASSNBLY)
『ぜんぶ一緒じゃないですか〜!!』
けど不思議と使い分けていたりします。
ここまで来ると、漢字で表記した方がいいんじゃね?と考えてしまいます。
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(2)いまさら変更できない通信との相性!
陸自だと結構単位表記を、漢字で表記することがあります。
図5 陸自
引用URL:https://img.aucfree.com/u309886610.1.jpg
ただし補給上は英語2文字の略語で、払い出しをします。
2.1 すべてはコンピューター通信が悪いんや!
補給システムはかつて紙で処理していましたが、現在はコンピューターを導入して進化します。
図6 キーパンチ
引用wiki
1950年代はパンチカードでデータ変換をして、通信で送信するようになってきます。
ここで一つ問題だったのは、6bit(びっと)のASCIIで通信をしていました。
図7 ASCII
引用wiki
アルファベットと数字、カタカナで表記をしてテレタイプ通信と組合わせて使用します。
当時の通信は、一文字6bitでの通信が当たり前でした。
ただ漢字やひらがなを使用できないため、1982年に漢字対応のASCIIが登場します。
しかし漢字を使うには、一文字16bitも使用する必要があります。
(英略字2文字なら12bitで済む!)
通信で一番大事なのは、「短く!bitを出来るだけ節約!」です。
そのため、1982年に漢字対応ASCIIが出ても補給の世界は6bitで処理されてきました。
2.2 海自テレタイプが漢字対応になったのは2005年(平成17年)!
映画などでは、テレタイプ端末から文字が打ち出されるシーンがあります。
図8 テレタイプ
引用URL:https://duino4projects.com/wp-content/uploads/2020/04/LOGGING-INTO-LINUX-WITH-A-1930S-TELETYPE.jpg
海上自衛隊の通信単位が8bitになり、漢字も使用できるようになったのは2005年(平成17年)です。
1952年の海上警備隊創設から、6bit通信を続けてきてようやく8bit通信が出来るようになりました。
ただここまでに、補給でのデーターは膨大な量になっています。
今まで使ってきたEAなどの単位を変更するのは、膨大な作業量になるため現実的ではありません。
そのため、海自は米海軍との連動を考え単位をそのまま使用することにしました。
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(3)海自にはEAと言う単位が染みついた!
とにかく米海軍との連動を第一に考えるのが、海上自衛隊です。
図9 米海軍
引用wiki
補給についても、米海軍と共通の考えをもっておくべきです。
3.1 油くれ!あいよ!何ガロンね!
米海軍と共通の補給用語を使用していれば、共同訓練も円滑に進みます。
図10 洋上給油
引用URL:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/2007/html/h3/imgs/h3_06.jpg
リットルだの換算するより、ガロンで統一して記載した方が分かりやすくなります。
(単位換算をミスってして失敗したのが、インド洋給油量誤記載事件)
不思議な単位系にも、色々と重要な背景があるんですよ!
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やはり最初にEAという単位を見たときは、なんじゃこりゃ?と思いながら使っていました。
段々と補給が分かってくると、なかなか奥深いものがあるが分かります。
(SE・OTなどの物品パーツを引き抜いて、EAとして部品取り補給なんてのも懐かしい・・・)
そらじにも、EAはやはりあるのですね!勉強になります!
EA単位ですか。。。。
日常的に目にしていました。若い時から目にしていたせいか、特に違和感はありませんでしたね。(そーゆーものか、くらいの感じでした)
ただ、最初はEA、SE、OTの区別はよく理解できませんでしたが、システムや構成品単位としてみると「あー、これをLRUにしたいんだな」「こいつで1つのシステム(サブシステム)なんだな」といった感じでイメージできるようになりました。
(まぁ、例外も少なくなかったですけど)
ちなみにおかもそらも、一応EAはあったと記憶しています。
やはりおか自も、補給システム上はEAが使用されているのですね!
統合運用になって、後方補給で苦労することはなかったのはやはり先人がしっかり単位統一してくれたおかげですね!
おか自さんも書類上(受渡証甲、受甲や弾薬引渡証)はEA という単位ですね。現役の時はこの単位何やねんと思ってました。小銃弾とかはたしかに発だった記憶があります。何でみたのやら……モジュール装薬?退職した今は確認のしょうがないですね。