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2017年12月24日

一日でも永く・・・という願いは酷だっただろうか・・・

癌治療に対する恐怖。
放射線治療、化学治療の代表格である抗がん剤治療。
腫瘍の摘出手術。

そのどれにもリスクはあり、副作用という症状がある。
そこには個人差というものが存在する為に
過去のデータを参考に考えたところで
実際にその本人がやってみない事にはわからない。

そこには期待と不安とが入り混じる。
その度合いもまた、人それぞれ・・・。

癌という病気にはステージ(病期)があり、
ステージによって、完治するものから余命宣告されるものもある。
ステージ1では初期治療後、5年間再発しなければ完治(根治)となる。

逆に、ステージ4になると完治(根治)は望めない。
もちろん医学的な見地の話である。
世界には説明のつかない例外は多く存在する。

私も母にそれを願った。
奇跡が起きるのではないか・・・母なら大丈夫だ・・・
母は死なない・・・という、根拠のない自信。

放射線治療・・・抗がん剤治療・・・そのどちらも
受けたくはない治療だった筈だ。
手術を受けた後、二週間ほどで放射線治療が始まった。
目立って大きな副作用はなかったものの
心配かけまいと振る舞っていた母に騙されていた部分もある。

だから、母がどれだけの苦痛や辛さを味わっていたのか・・・
今となってはわからない。

それは抗がん剤治療においても同様に言える。

放射線治療も抗がん剤治療も、医師の提案する治療は受けるべきものとして
捉えていた私だったが、母の腹の内は全くの真逆であった可能性もある。

突然目の前に突きつけられた難問。
与えられた本人と、その家族では答えが違うことの方が自然なのかもしれない。

ひょっとしたら・・・
治療を受けて欲しいという切な願いも、
一日でも永く生きていて欲しいという願いも、
母にとっては酷な願いとなって母に届いていたのでは・・・

こんなに辛いのなら、一日でも早く逝きたい・・・と
母は考えていたのでは、と感じることは多々ある。

この感情だけは、この2年間ずっとまとまらない。
母にとって何が酷だったのか。
癌になったこと自体、酷であったことには違いないだろう。

治療を受けるべきか、受けないまま全うするべきか・・・
母の心も揺れていたことだろう。

癌になっただけでも辛い。
手術も受けて、放射線治療も受けた・・・
でも、抗がん剤治療だけは受けたくない・・・

だとしたら、
私たちは・・・私は母に無理強いしてしまったのかもしれない。
辛いだろうが・・・生きろ・・・と、
苦しくても、痛くても、一日でも永く生きろ・・・と。

これって、物凄く酷なことではなかろうか?
抗がん剤治療を受けて欲しい・・・
あの時の自分の願いは、母の為だったのだろうか?
それとも、少しでも母と永く居たいという
・・・自分の欲の為だったのだろうか・・・


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