今、テレビで近く放映される「ＭＷ（ムウ）」の宣伝番組をやっています。

　いや、この「ＭＷ」を映画化するって聞いた時、「マジか？」と思ったと同時に、絶対に原作に忠実な作品にならないだろうと感じました。そりゃ、原作知ってる人間はほとんどそう思ったんじゃないかな？

　で、主演の玉置宏さん。この話が来た時に興味を持ち、原作を読んで衝撃を受けたとか。いやはや、あの原作を読んで主演を演じたいと思ったの？じゃあ、男同士でベッドシーンもやるんでしょうかねぇ？しかも原作のラストシーンは（原作者の）手塚治虫作品史上、最高の脱力ものだったんですけどねぇ。

　まぁ、映画はもちろん見ていませんから原作の話になりますが、映画に出てくる主人公は二人。結城美知夫は冷酷非情なシリアルキラー、そしてもう一人は賀来巌はその犯罪を知りつつ見過ごす神父。しかし、賀来は結城を愛していると同時に、結城の人生を狂わせたのは自分では無いかと自責の念に駆られている。そしてその賀来の気持を利用する結城。

　つまりはこの「道ならぬ関係」は「ＭＷ」のストーリーをより深くするポイントであり、作品全体に漂う狂気の世界を演出するエッセンスでもあります。


　で、これを抜きにしてこの作品は成功するでしょうか？以前に「どろろ」も設定を変えてしまったし…

　と言いながらこの番組でもある出演者が「ＭＷ」のダークな内容を受け「これがホントに手塚さんの作品かと思った」と寝言を言ってる。前にも書きましたが、「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」「リボンの騎士」なんかが手塚作品のすべてと思ってる人間もかなりいるようですねぇ。

　それじゃ、「アトムの最期」って短編でも読んでみると良い。ってか、アトムの本編の中でも結構非情なシーンもあるし、「火の鳥」でもある惑星で太陽に焼かれて死ぬ「知能を持ったナメクジ」に対する無慈悲な言葉も「手塚治虫＝友愛」ってイメージの強い人間はちょっと引くかも。

　「きりひと賛歌」「鉄の旋律」などなど、人間の汚さと苦悩を描いた作品が多くありますが、そんな中で（繰り返しますが）オチが大失速した「ＭＷ」をどんな同性愛ネタを排した上でどの様なラストシーンに仕上げるか…って、それじゃあほとんど原作の設定を使っただけのスピンアウト的な映画じゃないかなぁ（笑）。

映画『MW』公式サイト
http://mw.gyao.jp/

{a8.net http://tenant.depart.livedoor.com/t/neowing/item4965644.html?lid=af0501}{a8.net http://www.dmm.com/mono/dvd/-/detail/=/cid=n_659xt1342}{a8.net http://item.rakuten.co.jp/book/4853349}{a8.net http://tenant.depart.livedoor.com/t/livedoorshop/item3153818.html?lid=af0501}

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