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2013年05月01日
「藁の楯」見てきました
 本日、クソ映画の臭いがプンプンすると思いながらも「藁の楯」を見に行きましたが、思った以上に“楽しめる映画”でした。で、ネタバレの可能性がありますが「起承転結」で4つのパートに分けると80点、50点、100点、40点…って感覚でした。ただし、「結」の判断は個人によって大きく変わるかも?



 邦画にありがちな“物語の世界感”のレールに強引に乗っけるためのご都合主義や説明に終始するナレーションなどが抑えられているのは評価できますが、終わって見ればやっぱり強引だったかな?って気も。

 それでは恒例の【感想:Start】〜【感想:End】に。この間にネタバレの記述がありますのでご注意を。

【感想:Start】

 この映画、あらすじを聞いただけで荒唐無稽な印象を受けますが、映画の中ではさほど違和感なく頭に入って行きました。もしこの部分に引っ掛かる(入り込めない)場合は、拒絶したままで映画が楽しめないかもしれませんが・・・正直な話、一度冷静になるとやっぱり笑ってしまうか(笑)。

 冒頭、殺人犯の清丸を博多から東京に移送しなければならない状況で、彼の命を狙う刺客が次々と現れますが、その意外さから“誰も信用できない”という状況を作り上げます。そこから移送方法の手段が次々と潰されていきます。

 このプロセスなどで、かろうじてリアリティの糸がつながっていますが、その後の展開でやっぱり荒唐無稽(ファンタジー)?って流れになりかかる。そこから再び登場人物の葛藤が描かれ・・・ラスト周辺で最大の現実味の無い空間が現れてしまいます。

 ホント、最後の最後にファンタジーになっちゃうんで、これまでかろうじてつながっていた糸が切れてしまったって気になりますが、これを許容できる人とで映画の評価が大きく分かれるでしょうねぇ。

 くり返しますが、私はこれを許容できなかったゆえ、清丸殺害のためにそこまで手を回しているなら、もっと方法があっただろうとか、アイツが殺害を企てる側に付いているなら、こんな判断をするだろうか?とか思い始めてします。ってか、いざ行動を起こすタイミングで無駄口が多すぎる(笑)。黙って行動を起こせば良いのに。

 次にキャスティングですが、藤原竜也は好きな俳優ですが「連続殺人犯」には不釣り合いだったかな?と。演技力は問題なしで、演技派の俳優陣の中でもまったく引けを取らない存在感はありましたが、そもそもがベビーフェイス。ゆえに憎んでも憎み切れない悪党と言うイメージが最後まで持てなかったのが残念。あくまでも個人的な希望ですが、綾野剛か波岡一喜なんかが合ってそうな気がしました。


 全体を通し、ラストシーンに想定できるオチのいくつかのパターンの中で、ありがちなパターン・ベスト3に入りそうな終わり方はちょっと残念。まぁ、「セブン」みたいな終わり方だったとしても想定の範囲内だし、観客の予想を裏切るエンディングってのも難しいか(笑)。

【感想:End】

 最後に。好みは分かれるでしょうが、一応おすすめする映画です。そしてもし見に行く場合は、ちょっと引っかかる程度の疑問や矛盾は完全に無視して見るべきです。ある程度、後半にその疑問は解消してくれますんで。


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