2011年12月26日
「ルルドの泉で」見てきました
今日も土曜日に見てきた映画の紹介です。出張で東京に来ているからには、地方で上映されるかどうか分からないようなコアな映画も見ておきたいと言う思いからも、この映画は外せないと思い見に行きましたが・・・個人的な感想で言えば、これほど“エグい”映画とは思いませんでした。
あらすじは車いすの生活を送っているクリスティーヌが“万病を治す奇跡の泉”と言われる聖地・ルルドへのツアーに参加します。彼女の介護役であるボランティアのマリアは、同じくボランティアで参加している軍人、クノにうつつを抜かし、クリスティーヌをないがしろにする。しかしツアーの数日目、参加者に奇跡が・・・
この映画、見に行くとすれば公式サイトのあらすじも読まない方が良いでしょう。(予告編の動画も「感想」に入れたのはそのため)当然、ガチのネタバレを書きますんで、恒例の【感想:Start】〜【感想:End】の間にあるネタバレも読まないことをおススメします。
【感想:Start】
この映画、はっきり言って「ルルド」のキーワードが無ければ見に行かなかったと思います。超常現象懐疑系の私からすれば「ルルドの泉の賛美」に終始した映画だとしたら問題があるなぁ・・・との感じで見たものの、内容は真逆。本当に救いようのない心に突き刺さるような映画でした。ものの見事に人間の“生臭さ”を描いています。
また、この映画、よく撮影させてくれたなぁと感じるほど、泉に対する幻想をかき消すような描き方をしています。奇跡を起こすとされるルルドの泉、その泉の水の取り扱いも事務的だし、ツアーに付き添う神父たちの雑談(小話)でも、ルルドの泉を愚弄しています。
主人公のクリスティーヌを介護するマリアは彼女同様、敬虔なクリスチャンと言うわけでもなく、ボランティア精神にあふれているとは言い難い上、どこかに障害者に対する差別意識が感じられます。そしてツアー参加者にとって時間は貴重であるはずなのに、クリスティーヌをほったらかす事も。見かねたツアー参加者の老女が車椅子を押し、ルルドを巡りますが・・・その時、動かなかったはずの手でルルドの岩壁に触れることができるようになります。
翌日、本当に病がウソの様に自然とベッドを離れ、自らの脚で歩けるようになったクリスティーヌ。当然、ツアー客も彼女におきた奇跡を賞賛しますが、同時に言葉では表しきれない嫉妬の目が向けられます。ツアー参加が1度や2度ではない、信仰心の厚い参加者母子の複雑な表情は表現することができません。
また、奇跡が起こったクリスティーヌに対し、我が手柄の様に振舞うツアーを先導した神父。それまで彼女に付き添った老女を押しのけて車椅子を押す。しかし、クリスティーヌはクリスティーヌで喜びからか、老女に対する感謝の言葉を忘れ、嫌な形での心の変化が生まれてしまう。
そしてここからはガチのネタバレ、ラストシーンについて。
ルルドにある奇跡を認定する事務局にて、症状を医学的に解析を行ないますが、彼女の病の独特な症状として、この回復も一時的なものと言われ、この状態が続かなければ奇跡とは言えないと判断される。一抹の不安を抱えながらも、ツアー最後のお別れパーティーの席。歩けるようになってから急接近したクノとダンスを踊りますが、そこで崩れる様に倒れてしまいます。
壁際で休むクリスティーヌに老女が車椅子を持ってきますが、再び車椅子に戻ることは無いと着席を拒みます。が、彼女から離れるクノを目で追いながら・・・何とも言えない表情で車椅子に腰をかけます。このラスト、子供の頃に見て衝撃を受けた「アルジャーノンに花束を」のラストを思い出しました。
【感想:End】
この映画、正直なところ退屈な部分もありますし、「名画」の仲間入りはしないかもしれません。さらにはDVDになるかも怪しい感じがしますが、私にとっては妙に心に突き刺さる映画になりそうです。
最後に。今年も残りわずか、この一年で見た個人的なアワードみたいなものを書きたいのですが、その時間もなさそうだなぁ。例えば、今年一年、映画館で見た映画の「ベスト3」「ワースト3」「悪役ベスト3」など。あと、先日の『ビートたけしの超常現象(秘)Xファイル』 に関するネタも書きたいのですが・・・教授が何やら「後出しジャンケン」をしているみたいで、これが落ち着いてからにするかな(笑)。
・ルルドの泉で@ぴあ映画生活
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あらすじは車いすの生活を送っているクリスティーヌが“万病を治す奇跡の泉”と言われる聖地・ルルドへのツアーに参加します。彼女の介護役であるボランティアのマリアは、同じくボランティアで参加している軍人、クノにうつつを抜かし、クリスティーヌをないがしろにする。しかしツアーの数日目、参加者に奇跡が・・・
この映画、見に行くとすれば公式サイトのあらすじも読まない方が良いでしょう。(予告編の動画も「感想」に入れたのはそのため)当然、ガチのネタバレを書きますんで、恒例の【感想:Start】〜【感想:End】の間にあるネタバレも読まないことをおススメします。
【感想:Start】
この映画、はっきり言って「ルルド」のキーワードが無ければ見に行かなかったと思います。超常現象懐疑系の私からすれば「ルルドの泉の賛美」に終始した映画だとしたら問題があるなぁ・・・との感じで見たものの、内容は真逆。本当に救いようのない心に突き刺さるような映画でした。ものの見事に人間の“生臭さ”を描いています。
また、この映画、よく撮影させてくれたなぁと感じるほど、泉に対する幻想をかき消すような描き方をしています。奇跡を起こすとされるルルドの泉、その泉の水の取り扱いも事務的だし、ツアーに付き添う神父たちの雑談(小話)でも、ルルドの泉を愚弄しています。
主人公のクリスティーヌを介護するマリアは彼女同様、敬虔なクリスチャンと言うわけでもなく、ボランティア精神にあふれているとは言い難い上、どこかに障害者に対する差別意識が感じられます。そしてツアー参加者にとって時間は貴重であるはずなのに、クリスティーヌをほったらかす事も。見かねたツアー参加者の老女が車椅子を押し、ルルドを巡りますが・・・その時、動かなかったはずの手でルルドの岩壁に触れることができるようになります。
翌日、本当に病がウソの様に自然とベッドを離れ、自らの脚で歩けるようになったクリスティーヌ。当然、ツアー客も彼女におきた奇跡を賞賛しますが、同時に言葉では表しきれない嫉妬の目が向けられます。ツアー参加が1度や2度ではない、信仰心の厚い参加者母子の複雑な表情は表現することができません。
また、奇跡が起こったクリスティーヌに対し、我が手柄の様に振舞うツアーを先導した神父。それまで彼女に付き添った老女を押しのけて車椅子を押す。しかし、クリスティーヌはクリスティーヌで喜びからか、老女に対する感謝の言葉を忘れ、嫌な形での心の変化が生まれてしまう。
そしてここからはガチのネタバレ、ラストシーンについて。
ルルドにある奇跡を認定する事務局にて、症状を医学的に解析を行ないますが、彼女の病の独特な症状として、この回復も一時的なものと言われ、この状態が続かなければ奇跡とは言えないと判断される。一抹の不安を抱えながらも、ツアー最後のお別れパーティーの席。歩けるようになってから急接近したクノとダンスを踊りますが、そこで崩れる様に倒れてしまいます。
壁際で休むクリスティーヌに老女が車椅子を持ってきますが、再び車椅子に戻ることは無いと着席を拒みます。が、彼女から離れるクノを目で追いながら・・・何とも言えない表情で車椅子に腰をかけます。このラスト、子供の頃に見て衝撃を受けた「アルジャーノンに花束を」のラストを思い出しました。
【感想:End】
この映画、正直なところ退屈な部分もありますし、「名画」の仲間入りはしないかもしれません。さらにはDVDになるかも怪しい感じがしますが、私にとっては妙に心に突き刺さる映画になりそうです。
最後に。今年も残りわずか、この一年で見た個人的なアワードみたいなものを書きたいのですが、その時間もなさそうだなぁ。例えば、今年一年、映画館で見た映画の「ベスト3」「ワースト3」「悪役ベスト3」など。あと、先日の『ビートたけしの超常現象(秘)Xファイル』 に関するネタも書きたいのですが・・・教授が何やら「後出しジャンケン」をしているみたいで、これが落ち着いてからにするかな(笑)。
・ルルドの泉で@ぴあ映画生活
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