『女一匹シルクロードの旅』 読書と食欲の秋!ウズベキスタン関連書籍紹介
季節はもう秋(というかもうすぐ冬)!みなさんにとって秋と言えば、食欲の秋?それとも読書の秋だろうか?今回は、食欲の秋と読書の秋、両方楽しみたい人向けにオススメのこちら『女一匹シルクロードの旅』を紹介しよう。
『女一匹シルクロードの旅』織田博子著
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私が管理人を務めているFacebookグループ「中央アジアの料理が好きじゃー!」で、作者の織田博子さんが告知して下さったおかげで知った本が『女一匹シルクロードの旅』という本だ。中国の西安から、新疆ウルムチ、カザフスタン、ウズベキスタン、そしてトルコへと、女性一人で旅した模様を描いたコミックエッセイだ。旅行のルートがまさに私の興味のあるストライクゾーンにどんぴしゃりなので、迷わず購入した。
本を読み始める前は、どこへ行った、誰と会った、こんな話をした、というような旅のエピソードがメインで、食べ物のことはきっとあまり描かれていないのだろうなと思っていたら、かなりたくさん食べ物が描かれていて驚いた。しかも絵がきれいで、どれもおいしそう。それだけではなく、ノンを焼く様子や、プロフを作る工程が細かく描写されていて、まるで実際に自分が現地人と一緒に料理を作っているかのような錯覚を感じた。
もちろん、旅で出会った個性的な人々との交流の様子もとてもイキイキと伝わってきて、団体旅行では味わえない、一人旅だからこそ経験できること貴重な体験や違って見える光景にとても共感した。
でも、読んでいてどうしても腑に落ちないことがあった。なんで、ブタなんだ?この本では作者の織田博子さんは、人間ではなく、ブタとして描かれている。織田さんはブタのように太っているのかなと気になって、Facebookで織田さんの写真を確認して見るものの、全然太っていない。ますます謎である。
それに加えて私が疑問に思ったことは、よく女性一人で、外国語が堪能というわけでもなく、シルクロードを旅行できたなということだ。私もよく海外一人旅をするが、現地に友達や知り合いがいない限り、ビビッて一人で海外なんて行けやしない。
しかも、織田さんのすごいところはそれだけではない。OLとして勤めていた会社を辞めて、旅行しているのだ。おそらく会社を辞めて旅したいと思っているサラリーマンはかなりたくさんいると思うが、大抵の人は変わるのが怖いと思っている。家、会社、家、会社の毎日がつまらないとは思ってはいるものの、人とは安定を求めてしまう生き物だ。どうして織田さんは大胆にも会社を辞めて、女一人で旅出来たのだろう。織田さんはいったいどんな人なんだろう。
読めば読むほど、織田さんという人に興味が沸いてきて、いつか会ってみたいなぁと思った。そんな矢先、私のFacebookグループで、『女一匹シルクロードの旅』出版を記念して織田さんのトークイベントが開催されると投稿して下さった人がいて、これは絶対に行かなきゃ!と思い、会社の仕事をさっさと終わらせて、会場に行った。
『女一匹シルクロードの旅』織田博子さんトークイベント
開始時間ギリギリで入ったら、もうほぼ満員状態で、残っていた最後のイスに座った。前に織田さんが座っていた。本を読んだ時には、会社を辞めて一人で大陸を一周する旅に出たのだから、きっとメチャメチャ元気で、バイタリティーに満ち溢れた人に違いないと思っていたが、優しそうな普通な感じの人で意外だったが、親しみやすそうでちょっと安心した。
織田さんはスライドで旅行の写真を見せながら、シルクロードの旅の話をされた。開始早々「なぜブタなのか」について話してくれた。良く聞かれる質問らしい。『ベイブ』というブタの映画が流行っていたときに、ブタのイラストをよく描いていたら、いつの間にかそれが自分のキャラクターとして定着したようだ。もっとブタには深い意味があるのかと思っていたが、意外と単純な理由だった。
『女一匹シルクロードの旅』を読んでいた時も感じたことだが、織田さんが見せる写真を見ていた時も、シルクロードを西へ進むごとに少しずつ変わっていく町並みや食べ物、文化などがとてもリアルに伝わってきた。
もちろんそういった国や民族などの文化の違いはとても興味深いのだが、私にとって一番印象に残ったことは、文化や言葉、人種や民族が違っても変わらないものがあるという、織田さんのメッセージだった。
西へ行くごとに、まるでグラデーションみたいに、ゆっくりと移り変わっていった言葉や文化、人々の顔も変わっていった。変わらないものもある。人種や民族が違っても、家族の大切さや、他人への思いやりの気持ち…それは同じだった。(中略)きっと言葉や文化が変わっても、人が大切にしていることは変わらないんだ。だからこそ、民族や人種を超えて、人は人と交流していくのだと思う。『女一匹シルクロードの旅』織田博子 pp.186-189
私はこれまで一人で見知らぬ土地に行くことに恐れていたけれども、織田さんは「世界のどこに行っても人は皆いい人」と話していて、一人で旅することに抵抗がないようだ。もちろん夜一人で出歩かないとか、飲みすぎない、といったような注意は当然必要だが、かといって過度に警戒して、行きたい場所に行かないで、じっとしているのはもったいないなと織田さんの言葉を聞いて感じた。
一人旅はもちろん不安だけど、その不安は、歯医者に行く前に泣いている子供の気持ちと一緒かもしれない。まだどこも痛くないのに、治療したら痛いかもしれない、という理由で泣くのは馬鹿げている。大事なのは一歩踏み出す勇気。一歩踏み出せた人だけが、ツアーや団体旅行では決して味わえない体験と、素敵な出会いを経験することができるのだと思う。
イベント後に織田さんに書いて頂いたブタさん。いつかプロフを食べながら、織田さんとゆっくりお話ししたいなぁ。
次ウズベキスタンに行く時は、一人でサマルカンドとブハラへグルメの旅に行こうかなぁ。
【織田博子さんの書籍紹介】
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