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2021年07月07日
姑獲鳥の夏 2
うぶめの事――――――
世に語り伝ふる、うぶめと申す物こそ心得候はね。其の物がたりに伝へるには、産の上にて身まかたりし女、其の執心、此のものとなれり。其のかたち、腰より下は血にそみて、其の声、をばれう、をばれうと鳴くと申しならはせり。人死して後、他の物に変じ来たる道理候はば、地獄の事も、疑はしく存ぜられ候。如何に候やらん。
久遠寺の母は子供を見ると石で打ち殺すのですよ!
私を――助けて下さい。
ネタバレ
実は恋文の宛名は「梗子」ではなく「きょうこ(京子)」となっており、この「京子」の手紙を受け取った涼子に新しい人格が芽生える。涼子はとある人物によって、ダチュラ(朝鮮朝顔。猛毒。譫妄などの症状が発症する)を投与され、性的な暴行を受けていた。
彼は京子及び涼子と逢引きを重ねるにつれ、妊娠が発覚する。彼は彼女の両親に会うも断られ、彼女は我が子を出産するも無頭児であったために、久遠寺のしきたりで子供は石で叩き殺されることになり、院内で涼子は二度、三度と新生児の誘拐を繰り返した。
第二次世界大戦で集兵された彼はドイツの内乱で負傷。性器を破損し、子供を望めない身体になるも、体外受精による子供の妊娠法を考案していた。
事件当日、梗子は夫のありもしない出来事――真相は京子の人格を有した涼子が相手だった――錯乱し、夫を刺殺する。犯行動機は話の食い違いの末に起きた浮気が原因か。
関口が部屋の中で見た「きらり」と光るものは、凶器である刃物の光の反射であった。
そうして関口もダチュラを処方していた人物と同じことをし涼子に対する申し訳なさから、かつて京極堂の言っていた「人間は見たくないものは見ない」、榎木津が部屋を見て言った「警察に通報しろ」云々は、元々夫が部屋から出たわけではなく、死蝋化するまで室内に横たわっていたものであり、関口と、そうして実行犯である梗子らからしたら、突如出現するような形で現れた、古びた亡骸を再発見することになる。
事件の真相が明らかになったとき、涼子がまたしても赤ん坊を攫い、皆が追いかけていくのだが、関口の「かあさん」の一声で彼女は京子ではなく涼子としての人格を取り戻し、高所から落ちる形で死亡。
最後は京子ではなく、涼子に彼女は戻った。
後に、彼女は久遠寺因縁の無頭児であることが発覚する。
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2021年07月06日
姑獲鳥の夏
姑獲鳥の夏とは京極夏彦による小説。
この小説は講談社メフィスト賞を創設するに至るきっかけとなった小説であり、第0回受賞者として、時折京極夏彦の名が挙げられる。
京極夏彦自身は仕事の片手間に執筆したものであるが、出来上がった小説を担当者が読んだ感想としては「プロが匿名で出したきた」といわれている。
をばれう。をばれう。
【内容】
あらすじ
「この世には不思議なことなどないもないのだよ」
東京・雑司ヶ谷の医院に奇妙な噂が流れる。娘は二十箇月も身籠ったままで、その夫は密室から失踪したという。文士・関口や探偵・榎木津らの推理を超え噂は意外な結末へ。
以上、本文庫から抜粋。
まず本書のタイトルに「うぶめ」とある通り、まず「姑獲鳥」とは何であるのかを説明しなくてはいけない。
姑獲鳥とは鬼子母神のように、子供を攫う妖怪と言われている。「こかくちょう」とも読み、元は中国の妖怪であったが、日本の産婆と同一視されるようになった。
姑獲鳥の夏においては非常に重要なキーワードであり、モチーフとなっている。
物語の冒頭としては小説化・関口が安倍晴明の流れを組む陰陽師にして憑き物落としである彼に「二十箇月も妊婦は子供を身籠ることは出来るのだろうか」といった、奇妙な相談であった。
しかも相談内容はそれだけではなく、「夫(内藤)が密室から煙のようにいなくなってしまった」と関口は述べるのだが、京極堂はあまり面白くなさそうな反応である。
「人間は無意識下に見たいものと見たくないものを選別している」と述べ、一旦その話は終わり、関口は直々に噂のタネとなっていた久遠寺医院に、探偵・榎木津と共に訪れるのだが、夫が失踪した部屋に入るなり榎木津は「警察に通報しろ」と述べる。
どうやら「見えないものが見えてしまう榎木津からしたらこの密室は異常なモノ」らしく、彼の特性について知っていた関口は「普通の人には見えないものが見えてしまうえのさんには何が見えたのか説明して貰わないと分からない」と述べるのであった。
関口は部屋の内部に何かキラリと光るものを発見しつつも、榎木津の急変した態度に不思議に思いつつ、過去、京極堂と関口共通の知り合いである藤野(梗子の夫であり密室の失踪者)が「きょうこ」の手紙の届人として関口は動いていた。
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2021年07月05日
ネロ祭 3
・メイヴ(第五演技 2016年版)
スーパーケルトビッチちゃんことメイヴの高難易度クエスト。副題に「戦士たちの母」とついていたことと、彼女の普段の言動(取り巻きを集めてメイヴちゃんサイコー!)をやらせる気質は十二分に知っていたので、周囲エネミーを倒して攻略するものであることは十二分に想定できた。
しかし、男性アサシンは完璧NGだったことは知らず、軽率にもコスト関係でファントムを連れて行ってしまったのだが、メイヴに対峙すると永続魅了で動けなくなるというまさかの置物化としてしまう。
(編成チーム)
前線はルーラ特有の堅さとクリティカル攻撃を持つルーラーのお陰で、雑魚エネミーを千切っては投げ千切ってはなげた。
メイヴの宝具は男性特攻の単体宝具なので、アサシン特有の回避といざという時のガッツさえあれば、やり過ごすことが出来たりする。
・ギルガメッシュ(第六演技 2016年版)
(編成チーム)
第一第二2w目をなぎ倒した後、ギルと対面するのだが、ギルのターン終了ごとに攻撃力が増加するのを目撃して速攻で倒した方が良いだろうとすぐさま判断した。
しかもそれだけではなく、宝具大幅ダウンというデバフを付与されるため、宝具を撃つよりは、素殴りで倒した方が強い。
最後のメンバーであり、異常な回復量を持つエルキドゥをトリに持って行っていき、ギルの弱点そのままである神性とスタンで足止めをして、気が付いたら勝利していた。スカサハ(槍)がいれば、もっと楽に終わっていただろうが、それでもあまり歯ごたえがなかったように思える。
・フィナーレ(2016年版)
登場するのが、ジャック・メディア・アルトリア(槍オルタ)・天草・オジマンディアス・ネロといった具合。
敵を倒すごとに敵側にバフが付与されるので、倒す順番を考えないといけない。
編成チームの画像をとり忘れたが、こちらは道満・ランスロット・アンデルセン・モリアーティで挑んだ。
一番苦戦したのが、敵側オジマンディアスの防御アップの硬化であるが、フレンドで借りた攻撃特攻礼装を持つ全体攻撃で無理矢理踏破していったものの、何度もガッツスキルを使うネロには辟易した。
ネロを順番を考えずに倒した場合、敵全体にガッツが付与されるので、どうにかこうにかしてネロを最後に残して、モリアーティのカード三枚がArtsで宝具連発。しかも防御無視のスキルを使って叩きのめした。
あと一歩で敗北してしまうのではないかと危惧される場面はあったものの、アラフィフは最後まで頑張ってくれた。
なお、フィナーレprototypeは未だクリアしていない。
スパルタクス(2017年版)
超絶な回復力を持つスパルタクス。
どれぐらい回復量が凄まじいのかというと、体力を半分ほど削っても全回復してしまうほど。
しかも体力ゲージが複数あるので、相手は弱点の多いバーサーカーとはいえども長期戦が強いられる。
編成チームは以下の通りだが、
水着キアラの全体回避などを使ってどうにかやり過ごし(キアラはしぶとい)、回復バフがターン経過でなくなった頃合いを見計らって、特攻礼装をつけたボイジャーでトドメを刺していった。
最後はボイジャーくんが残り、どうにか勝つことが出来たが、純粋に長期戦が強いられる相手なので、強くて苦戦したといった感じではなく、回復量で長丁場になってしまったような感じである。
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幽玄ノ乱
幽玄ノ乱とは太鼓の達人の最難関と悪名高い曲である。私個人、これまで太鼓の達人で難しい曲といえば「さいたま2000シリーズ」や「やわらか戦車(裏)」だと思っていたが、さいたまの鬼レベルが甘っちょろく感じるレベルの難しさを誇っている。全良でクリアできる人間は人を卒業している。
長年、存在そのものは仄めかせられていたが、正式に姿を現わしたのは「太鼓の達人だドン!日本一決定戦2013」。
大会優勝者は運営には人情がないのか最難関を誇る「幽玄ノ乱」を初見プレイさせたのだが、優勝者が規格外のゴリラであるためクリアしている。
【内容】
ドンドンドン ドンドンドンドン ドンドンドンドン ドンドンドンカッカッカッドンドンドンドン ドンドンドンドン ドンドンドンドン カッカッドンカッカッドン
ドンドンドンドン ドンドンドンドン ドンドンドンドン ドンドンドンカッカッカッドンドンドンドン ドンドンドンドン ドンドンドン カッカッドンカッドンカッ
カッドンドンドンカッドンカッドンカッドンカッドンカッカッドンカッカッドンカッドンカッドン
ご存知の通り、太鼓の達人には難易度「かんたん」、「ふつう」、「むずかしい」、「おに」といった四段階があるのだが、一番下の難易度の「かんたん」の譜面が全く簡単ではない。人によっては「ふつう」、「むずかしい」よりもクリアし難いとの証言がある。
ぶっちゃけ、「幽玄ノ乱」そのものは普通に良い曲なのだが、プレイ動画であったとしても聞く余裕がないほど、「ドン」、「カッ」の忙しさは目を見張るものがある。
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2021年07月02日
復刻 ネロ際 2
・百殺夜行(ハサンズ)
即死をデバフとした敵側チーム。
第一1w2w始まるものだと思っていたが、敵対するハサンの数が30ほどに及ぶ為か、いきなりラスボス対面である・
呪腕・百貌・静謐、そうしてまた呪腕が倒した直後に味方側に即死効果のある時間制のあるデメリットを放つのが特徴。
個人的に、第一回戦は様子見を兼ねて挑んだのだが、呪腕・百貌・静謐のいずれかで即死効果が及ぶとは知らず撃沈してしまうのであった。
単純計算で、敵を倒した場合四回ほどのデバフがあるので、初見でもいけなくはない構成となっている。
わたしは、それらを踏まえた上でガッツスキルがあるならば、どうにかなるのではないかと思い、
の編成で挑んだ。
キュケオーンとアナスタシアの礼装にガッツスキルがあるため、ぶっつけ本番ながらも即死に耐えきれるかと推定したところ、無事に完了した。
中には少々手ごわい雑魚敵がありあがらも、なんとかこなしたのは良いが、まさか最後の最後のデバフ(残り一体)で味方全体を巻き込んだ、即死道ずれが起きるとは思っていなかった。
恐らく、四体目を温存しておくか、戦闘終了後に即死スキルが発動する前に倒しきるのが常套手段だと思われるが、アナスタシアの特攻ガッツ付き礼装のお陰で勝利することができた。
コンテニューはしたものの、令呪は切っていない。
・魔竜降臨(ジークフリート)
ドラゴンの2wの戦いを終えた後に現れる、ジークフリート。
いつもは、すまないさんの異名を持ちつつもその硬さは太陽マシマシゴリラ以上ではないかと思うほどの硬さを担っている。
最初は様子見は肝心と悟っていた私は、ワイバーンの群れをやり過ごしすまないさんの目の前に現れたのだが、最大防御されたすまないさんに対する攻撃はどれほどバフを重ねようとも、0とかザラで二百・三百入るなら御の字という有様になっている。
すまないさんのHPは平均よりやや低めに設定されているものの、ほとんど通らない攻撃にどうしたものだろうかと思いながらも、特攻礼装を付けていないトリスタンがまさかの快挙を成す・
宝具二連発さえすれば勝利できるものと確信した私は、防御無視を基軸にケイローン・ダビデ・トリスタンを軸に編成。
邂逅一番、ジークフリートに放ったところ、トリスタンが一撃で葬ったのは言うまでもない。
具体的な強さを述べるなら、他のアーチャーの攻撃が二〜三百で終わるところ、五千近いダメージを叩きだしていた。
念のため、トリスタンの宝具効果について調べたところ、
「敵単体に超強力な防御無視攻撃」
がついていた。
そら強いわ。
意外と知らない小野小町
小野小町とは平安時代の人物。三十六歌仙などで歌われている。
よく世界三大美人の一人として名前が挙げられる。
【内容】
小野小町は生前の絵などがないため、絵師によって描かれたモノは後世による作品であり、記憶を元に描かれたものだと思われる。しかし絵師によっては当時の小町を完全なる想像で可能性があるため、正確な顔立ちについては不明。本当に美人なのか分からない。
しかも信憑性は限りなく低いだろうが、いとこはとこなどといった血縁者がいるが、恐らく自称、もしくは偶然名前が被っている可能性がある。
生誕地についても非常にあやふやで、宮仕えだったと考察されているが、墓所の場所もやたら多いのも特徴的で本当に実在していた人物さえ怪しくなってくる。
また、百夜通として非常に有名。昔の平安貴族の婚礼は結婚の条件が現代と比べて、通うだけで成立するものであり、難易度は低かった。しかし結婚率は高いが同時に、離婚も星の数だけあった模様である。
百夜通のエピソードから小町の町をとって、「待ち針」の名前が出来たとの逸話もある。
歌人として
・思ひつつ寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせば覚めざらましを
・色見えで移ろふものは世の中の 人の心花にぞありける
・いとせめて恋しき時はむばたまの 夜の衣をかへしてぞ着る
・おろかなる涙ぞ袖に玉はなす 我はせきあへずたぎつせなれば
などと色々な物があるが一番有名なのは、
花の色は移りにけりないたづらに 我が身世をふるながめせし間に
であろう。
義務教育で習う。習わなくとも人生で一度くらいは耳にする。
歌人として名高い小野小町であるが、伝説や伝承の意外なエピソードとして九相図の話がある。
九相図(九相詩絵巻)、別名「小野小町九相図」というものがあり、檀林皇后(橘喜智子)が実際に行ったとされているが「我死なば焼くな埋むな野に捨てて 痩せたる犬の腹を肥やせよ(埋葬せず野犬に食われるまで道端に亡骸を放置していて下さい)」と遺言で伝えた。
九相図の段階として、
・脹相 (腐敗ガスで遺骸が膨らむ)
・壊相 (腐乱の進行のより皮膚が破れ始める)
・血塗相 (腐敗の損壊が進み、体内の液体が流れ出る)
・膿欄相 (死体が腐敗により溶ける)
・青瘀相 (亡骸が青黒くなる)
・噉相 (蛆などの虫が湧き、害虫に食い荒らされる)
・散相 (肉体がバラバラになる)
・骨相 (骨だけの状態になる)
・焼相 (骨が焼かれ灰になる)
といった九つの段階である。
小野小町は絶世の佳人(美女)と言われるだけに男性に言い寄られることが多く、僧として修業する懊悩の妨げとなっていると思い、美しいものが無残にも醜い姿になっていく様を見て煩悩を取り除こうとした。
その昔、僧は女性の身体に触れるだけで地獄に墜ちると言われており、後世創造の多い小野小町はともかく、実際に九相図を行ったとされている檀林皇后も美女であったため、僧たちの思いを懸念して、帷子辻にて遺骸を放置させたものだとされている。
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2021年07月01日
復刻 ネロ祭(FGO)
復刻ネロ祭とはオリンピアがローマローマした祭りのことである。
例の如くボックス高難易度クエストだと思っていれば大体ソレ。
今回、FGOを始めた時期と合わさって初の挑戦になるのだが、今回は高難易度について記載していこうと思う。
今回は素材がオイシイゾ。
【内容】
ヘラクレス(十二の試練)
2ウェーブ目を過ごしたら、すぐさまヘラクレスを倒した方が良いと個人的に思った高難易度。
十二の試練の名にある通り、十二回のガッツを決めてくるヘラクレス。ガッツ使用後は、約24万ほどある体力の半分を回復する。絆礼装持ちかと思った。
バーサーカーは最強の再現かと言わんばかりの戦闘は、バーサーカーに強いフォーリナーであるボイジャーくんを起点に戦っていったのだが、ネロ祭は初の戦いである他、イベントのボックスガチャで配られる特攻礼装なしに挑んだので令呪を切る破目になってしまった。
でも初挑戦だもの、是非もないよネ。
というか、個人的によく特攻礼装もなしに耐えたものだと思うが、二回戦目のリトライにて勝利したのは内緒である。
ヘラクレスにはArtsではなく、BastardかQuickで挑んだ方が良い模様。
スカサハ&クーフーリン
例の二人を相手にすると、開幕早々宝具封印される試練をかす師匠。
その封印自体は良いのだが、スカサハを先に倒すべきか、絶えず矢避けの加護(回避)を使うクーフーリンを倒すべきか迷った。
最初は一人倒れたら(スカサハ、クーフーリンのどちらであっても構わず味方全体に即死効果)ギミックが発動するとは知らず、クーフーリンの方から倒していた……のだが、スカサハの通常攻撃の即死により退散を与儀なくされた。
この時点で、ヘラクレス(十二の試練)ですべての令呪を使い切ってしまったショボショボマスターであるが、なんとなくであるがコツは掴んでいた。
こっちには円卓最強の騎士がいる……あと、☆5はともかくとして綱・柳生宗矩・ラーマなど☆4サイバー運だけは微妙に良い(宝具が重なる)ので、前衛に☆4メンバーを終結させて再チャレンジすることになった。
クーフーリンの動きから、必中が勝敗を決めると思った私は、基軸メンバーに必中と無敵貫通の礼装を与えた。
コストの関係ながら蘭陵王には何も礼装を与えることはできなかったのだが、彼の役目は味方強化と敵のOCの削減が目的なので、特に支障はない。
令呪なしで行けるものなのか、明日に回した方が良いのではないかと思いながらも二度目のリトライを挑むとアッサリ行けた……と同時に、ヘラクレス戦は様子見で撤退を考えるべきだったと思う(だが、一回戦はガッツがあとひとつで解除されるので欲張ってしまった)。
ランスロの活躍は予想できたものの、案外良い働きをしてくれたのは、実はサンタなカルナさんだったりする。
正攻法としては二人同時に倒すのがセオリーだったりするのかなぁ……。
復刻 ネロ祭(FGO) 2へ
変身(カフカ)
変身とはフランツ・カフカにより執筆された作品である。
作中で主人公である男が、ある日何の前触れもなく「毒虫」に変身しているのだが、ドイツ語による原文では正確には虫などではなく、害をなす虫や鳥のことを広義的に指し示す言葉である。
「変身」は一見、暗い内容のように思えるが、作者であるカフカは時折吹き出しながら朗読していたらしい。
【内容】
あらすじ
ある朝、男が目を覚ますと毒虫に変身していた。自由に身体を動かすことができないまま、現在の仕事における境遇に思いを馳せ、不満を抱く。出張時間が早いのも悩みの種であり、「人間はたっぷり休まなくてはならない」と思う中、とうとう出勤の時間を大幅に超してしまった。
部屋から出ない彼を心配に思った家族から声をかけられる中、様子を見に来た男の雇い主である支配人がやってくる。
男の職務怠慢を叱責する支配人だが姿を見せると家族と支配人はパニックに陥り、父親にステッキで殴られ、部屋の中に負い戻されるのであった。
「変身」の内容は三部作構成となっており、第一部は大体「あらすじ」で大まかな内容を把握することができる。
第二部では、男は自室の中に引きこもるようになり、静かに生活をしていた。妹が掃除にしに来たとき、気を使って身を隠すようになっていく。彼は毒虫になる前は、一家唯一の働き手として頑張っていたのだが、偶然盗み聞きした会話によると「1、2年は暮らしていけるほどの貯蓄がある」ことが発覚する。
誰とも接触せず静かに暮らしていく中で、動けることに気付いた男に対して妹は邪魔になるであろう家具を母親と共に撤去していくのだが、物が完全に片付けられていく中で彼は壁に飾ってあった雑誌に飛びつき、自分の意思(人間性の消失の危機)を伝えようとするが、会話による意思疎通が出来ないので伝えたいことが理解されないだけでなく、雑誌に飛びついた姿に母親がショックを受け気絶してしまう。
その後、父親が帰宅し男にリンゴを投げつけるのだが、果物が肉体に埋め込むほどの痛手を負った男は満足に動けないようになってしまった。
第三部では、父親が新しい就職口を見つけたものの生活が切迫し、母親と妹が働きに出なくてはならないほど差し迫ったものになっていた。妹は男の世話をする余裕と、そうしていくら肉親だからといっていつまでも親切に世話をする熱心さをなくしており、彼の世話役として新しい女性が雇用されることになる。この女使用人は母親でさえも気絶した男の姿を見て驚くどころか、逆にからかいに出ている。
その内、家の一部屋が紳士三名により貸し部屋となり、男の部屋は邪魔な物品を置く物置小屋と化してしまった。
ある日、妹がヴァイオリンを弾いてると紳士の一人が部屋に来て引いて欲しいと誘われ妹は承諾するのだが、演奏は早々に興味を失われ誰も相手にしなくなる。逆に男は妹の演奏に感激し自室から出たところを父親に追い返され、紳士たちも貸し部屋に戻そうとするのだが逆鱗を買い、下宿代を払わないと宣言して出ていってしまう。
家賃による収入を得ることが出来なかった一家は、男が部屋から出てきたことが原因でこのような結果になってしまい、妹の口から見捨てるべきだと発言し、家もろとも男は完全に棄てられた形となった。
かつて、家族との愛情を思い返しながら孤独にも死んでいった男は人知れず処理され、妹の見捨てるといった発言は正しい選択だったのか、美しく育った彼女の両親は娘のために新しい婿を捜すなど順風満帆な結末で終了している。
感想:
はじめてカフカの「変身」を読んだとき、江戸川乱歩の芋虫を想起したのは言うまでもない。乱歩の「芋虫」に引っ張られてか、何かしらの理由で不自由になった主人公である男が家族にさえも不憫な扱いを受けてしまうと思っていたのだが、大人になって読み返してみると全くの解釈違いであった。
乱歩の「芋虫」は戦争で四肢を失い、皮膚感覚と視界のみしか機能していない夫を妻が虐げていく。妻が彼の両目を潰して視界を奪ってしまうのだが(皮膚感覚はまだあったので妻は「ゆるして」と背中に指文字を書いている)、夫は妻のあらゆる嗜虐的な乱暴を許して井戸で自殺している。
「芋虫」と比較して「変身」はそれら陰鬱な内容ではなく、毒虫と化した男が壁や天井を這いずり回るなどの描写があったことから肉体の欠損はなく、そしてドイツでの原文ではただただ迷惑をかける害虫の意味を持つUngeziefer(害虫)となっていることから、引きニートの方がより近いのではないかと思われる。
家庭内での父親からの暴力(ステッキでの殴打・リンゴを投げつけられる)、世話疲れをした妹……そうして三名の紳士から男の存在を内密にしているなど、左記の内容から照らし合わせるとそうとしか思えないのだ。
なお引き籠りの解決策として、家族が家を棄てて電気や食料の供給をストップさせ強引に自立に促す方法があるのだが、「変身」の最後では家族は離散しながらもそれぞれ裕福になっていくのに対して、生活能力のない主人公は衰弱してしまうといった内容は、家族に見捨てられてもなお何もしなかったニートの悲劇的な結末のようにしか感じられないのである。
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2021年06月30日
はらぺこあおむし
はらぺこあおむしとは、誰もが一度は読んだことのある絵本である。全体的に緑色で派手派手しく、青虫が蝶になっていく過程が絵本化したもの。
ちなみにアメリカ人の絵本作家・エリックカール(日本語翻訳:もりひさし)により、1969年に発表していると、かなり古い絵本であり現代でも人気があることから、かなりのベストセラーであることは一目瞭然である。
ページ数をめくるごとに飛び出す絵本のような仕掛けが施されているが、アメリカの会社では絵本の作成コストが掛かるため、日本の担当編集が担当した。
【内容】
あらすじ
日曜日の朝に生まれたあおむしが、月曜日にりんごを一つ、火曜日には梨を二つと、いろいろな食べ物を食べながら成長していく。土曜日には食べすぎてお腹を壊すが、その後きれいな緑の葉を食べて回復し、やがてさなぎになり、最後には美しい蝶へと変身する。
(以上、wikiより抜粋)
内容としては、徐々に増えるあおむしが食べるモノの数や月曜日から日曜日といった一週間のサイクルを幼児向けにやんわりと理解できるストーリーとなっている。
単純に見た目のインパクトが強いだけではなく、勉強としての側面を持っているようだ。
しかも、穴の空いたページがあるのだが読み聞かせをする年齢の子供でもページをめくるだけで楽しいといった構造となっており、見た目の色の装飾と合わさって二段構えの魅力を備えている。
こういった工夫が、大人になっても好きな絵本として取り上げられる理由ではないだろうか。
絵本には「もちもちのき」、「百万回生きた猫」、「かわいそうなぞう」、「もうぬげない」、「ちくわのわーさん」など、古い新しいを問わずに様々な絵本が存在している。
意外と大人でも楽しめるので、童心に帰ったつもりで読んでみてはどうだろうか?
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2021年06月25日
パプリカ 2
所長の支離滅裂な発言は、敦子が夢の中でみたDCミニを盗み出した時田の助手のそれらとは違い、夢を見ていない状態であるにも関わらず狂気に飲み込まれたことになる。
大怪我を負いつつも症状が一時的なことであったことから、所長は誇大妄想家の狂気から抜け出し正気の状態に戻っているが、唯一の疑問である「なぜ夢を見ていない状態なのに夢が現実を浸食していった」のかについて、話し合いが行われるのであった。
話し合いの総論として「分からない」で終わってしまうのだが、自身の助手が自分を裏切った理由を知るために時田はDCミニを使い、夢を共有して接触を図るも同じように狂気に飲み込まれてしまう。
敦子は時田の危機を知らず、悩みを抱えた状態でいるのだが突如、遊園地で目撃した日本人形が巨大化して襲撃してくる。夢の中にあるはずの日本人形であるが、狂気のパレードはとうとう砂漠地帯から街に到達し、無辜の人々を襲っていた。
いきなり上機嫌で踊り出すキャスター。
笑顔で横並びになって飛び降りをするリーマン。
頭部がガラケーになってスカートの中身を見せる女性。
自分こそが総理大臣だと主張する複数の中年男性。
……などなど、かなりの騒々しさを見せる。
そんな狂乱の中で、パプリカの黒幕であった乾が自由に闊歩できる肉体を手に入れ、巨大化した状態で現れる。
乾は現実世界では電動車椅子に乗った状態で、思うままに動ける肉体が欲しかったのか夢と現実がごっちゃになった世界で、喜々とした表情で歩き回るのである。
対して敦子の方は狂気に飲み込まれロボットと化して所長同様、支離滅裂な発言を行う時田の変わり果てた姿に悲しみを覚える。
しかし敦子のアバターであるパプリカが現れ彼女と融合し、乾の目の前に現れるのだが、敦子╱パプリカは幼児としてはそれなりの大きさを持っているのだが、正しく大人と子供といった体格差である。
乾は敦子╱パプリカを殴りつけようとするのだが、その手をまるごと食われ段々と吸い込まれていくのである。小さくなっていく乾に対して、成長していく敦子╱パプリカ。
ラストは黒い空模様だった上空が晴天となり、狂気の悪夢による一連の騒動が終わったことを示唆するかのように日光が照らし出す。
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