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2021年07月06日

姑獲鳥の夏


姑獲鳥の夏とは京極夏彦による小説。
この小説は講談社メフィスト賞を創設するに至るきっかけとなった小説であり、第0回受賞者として、時折京極夏彦の名が挙げられる。
京極夏彦自身は仕事の片手間に執筆したものであるが、出来上がった小説を担当者が読んだ感想としては「プロが匿名で出したきた」といわれている。
をばれう。をばれう。

【内容】


あらすじ

「この世には不思議なことなどないもないのだよ」
東京・雑司ヶ谷の医院に奇妙な噂が流れる。娘は二十箇月も身籠ったままで、その夫は密室から失踪したという。文士・関口や探偵・榎木津らの推理を超え噂は意外な結末へ。

以上、本文庫から抜粋。

まず本書のタイトルに「うぶめ」とある通り、まず「姑獲鳥」とは何であるのかを説明しなくてはいけない。
姑獲鳥とは鬼子母神のように、子供を攫う妖怪と言われている。「こかくちょう」とも読み、元は中国の妖怪であったが、日本の産婆と同一視されるようになった。
姑獲鳥の夏においては非常に重要なキーワードであり、モチーフとなっている。


物語の冒頭としては小説化・関口が安倍晴明の流れを組む陰陽師にして憑き物落としである彼に「二十箇月も妊婦は子供を身籠ることは出来るのだろうか」といった、奇妙な相談であった。
しかも相談内容はそれだけではなく、「夫(内藤)が密室から煙のようにいなくなってしまった」と関口は述べるのだが、京極堂はあまり面白くなさそうな反応である。

「人間は無意識下に見たいものと見たくないものを選別している」と述べ、一旦その話は終わり、関口は直々に噂のタネとなっていた久遠寺医院に、探偵・榎木津と共に訪れるのだが、夫が失踪した部屋に入るなり榎木津は「警察に通報しろ」と述べる。
どうやら「見えないものが見えてしまう榎木津からしたらこの密室は異常なモノ」らしく、彼の特性について知っていた関口は「普通の人には見えないものが見えてしまうえのさんには何が見えたのか説明して貰わないと分からない」と述べるのであった。

関口は部屋の内部に何かキラリと光るものを発見しつつも、榎木津の急変した態度に不思議に思いつつ、過去、京極堂と関口共通の知り合いである藤野(梗子の夫であり密室の失踪者)が「きょうこ」の手紙の届人として関口は動いていた。


姑獲鳥の夏 2へ

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感想(21件)


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