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2023年02月28日

神に愛されるということ 2



スレ189の239ですが、覚えている人いらっしゃるかな(占い師に、とりついているもののせいで長生きできないと言われた者です)
最後に書き込んだのが多分2009年の夏頃だったと思うのですが無事生きています(医療裁判も示談で話がつきました)
そして、自分でもびっくりなんですが、来年成人する息子の下に、もう一人男の子が生まれました。
高齢出産ながら安産で、いま三ヶ月の赤ちゃんも健康優良児です。
右腕も相変わらず重く、左手は以前のまま。赤ちゃんを抱っこするのにも気をつけないといけないんですが、無事です。
相談していた神主さん昨年の最新の後の妊娠を告げたときに、「寿命が延びましたね」と言われました。
もしかしてもう一人「息子」が生まれたから、「息子が成人するまで」の期限が延びたってことなのだろうか?と思ったが詳細確認しませんでした。
神主さんが言うには、「母親って強いんだけど、子供が小さければ小さいほどパワー全開だから、病気とか事故とか物理的な災難はどうしようもないけれど、この手のものは大概はじくよ」だそうで。
夢は見続けていますが赤子の夜泣きで中断されることも多く、舌打ちされます。
夢は思い込みじゃないかなあ?本当に夢に意味なんかないんじゃないのかなあ?とおもうけど、夢の中では両手が動いてとても気分がよく、もうあんなに弾けるはずないのにまだ腕が落ちていない気がしたりしてる。
でも、絶対来年に死ぬ気はしなくなってきた。
気にしてくれた人何スレか前にいたので、無事出産を待っての報告でした。


レスくれた人ありがとう。来年の2月に生存報告に来ます。
それでは最後にしますね。

―――

覚えている人いるか解りませんが、書き込みにきました。
「あと五年の命」と言われた者です。
まとめサイト等でも探せませんでした、すみません。
五年以上たちましたが、ぴんぴんしております。
とりあえずご報告まで。
五年の期限をすっかり忘れていて、いま六年目くらいと思います。
とりあえず元気です。
まとめサイト、それです。
「来年の二月に」って書いてあるのに再来年になってしまったORZ
下の子が小さいんで、あっぷあっぷしているのだと、昨年のちょうど今頃胆石の手術で入院したりばたばたしてしまったので、月日がたってしまいました。
左手のリハビリは続けていますが、元通りにはほど遠いです。
夢も見ますが、頻度は下がってます。
本屋で「師匠シリーズ」の本を見て、「あ!もしかして来年?!」と思ったら去年だったという。
まとめサイト見たら、生存報告待ってるってあったので本当にすみません。
あと、神主の「寿命が延びましたね」は、高齢で妊娠した人へ言うお祝いの一種みたいな言葉で、古い言い回しだけどうちの地方ではまだ言う人がいますとの事で、「息子が成人するまで」云々はわたしの思い込みでした。
でも、今実際生きているんで、もう思い込みでもなんでもいいやー!!と。


あと、将門さまについては、とある禁忌を犯してしまったので、もう守られていないかもしれないです。
でもそのへんは、たたらえさえしなければOK!の気持ちでいます。
息子の成人に関してなら次はだいたい18年後なんで、さすがに書き込みはしないです。
ていうか、忘れてしぶとく生きていこうと思います。

2023年02月27日

義妹のぬいぐるみを娘が欲しがったので持って帰ったら発狂した




843: 名無しさん@HOME 2018/12/08(土) 18:56:56.97 0
コトメが20歳になってぬいぐるみ大好きで気持ち悪い。夫いわく数年前まで受けてたコウト(夫とコトメの兄)からの性的虐待が原因で精神不安定で、電気がついた部屋でぬいぐるみを抱いていないと寝られないとのこと。昔からそうらしい。
家にいる時はお風呂以外、食事中でもトイレでも紐で背中にくくりつけたり、膝に抱いたりしてる。小さな布団を敷いて赤ちゃんを世話するみたいに毛布かけてたこともあった。
それを見て娘もぬいぐるみを欲しがったからお風呂入ってる隙に貰って帰った。
そしたらその晩にコトメが暴れているから返してほしいと良トメに電話もらったからぬいぐるみはコトメに引き渡すことに…。お気に入りのぬいぐるみを取り上げられて泣き叫ぶ娘と夜中に運転させられる夫がひたすら可愛そうだった。良トメはこれで娘にぬいぐるみ買ってあげてと一万円くれたけど貰っていいものなのか…。
「外出ではどうしてるの?」と夫に聞いたら、コウトが部屋にいないからぬいぐるみがなくても安心してるとのことだった。
165センチでアラサーの私より老けている(大学の講師に間違われたって自分でもネタにしてた)コトメがぬいぐるみ遊びしてるってやっぱり気持ち悪い。
私の妹の後輩がコトメと同じ大学だからぬいぐるみ遊びやぬいぐるみがなくて暴れていた話をしたらドン引きしてたorz


846: 名無しさん@HOME 2018/12/08(土) 19:03:54.75 O
泥棒が何を偉そうなこと言ってるんだ。


847: 843 2018/12/08(土) 19:21:52.09 0
誤解させてすみません。
「ぬいぐるみありがとう。これで新しいの買ってね」と500円と置手紙は置いておいたので盗んだものではないです。キティちゃんのぬいぐるみでした。同じものをどこで買えるか聞いたら、幼稚園の頃に親戚のおばさん(故人)がくれたものだから分からないと言われたんです。
コトメが長いこと遊んでたからか、バシッバシになっていて白いところが汚れてグレーになっていて赤いリボンは千切れかかっていたのですが、娘がこれが良いって言うので有難く頂きました。
コトメも新しいものが貰えるからwinwinだったんですけどね。


850: 名無しさん@HOME 2018/12/08(土) 20:16:05.25 0
今時、500円でぬいぐるみが買えるのか?加えて所有者の同意なしに持ち去るなんて立派な泥棒じゃん。
847みたいな親に育てられたのがいたが自分の欲求に歯止めが利かず、欲しい物は盗んでも強奪してもヨシ!に育ってしまい、少年院に入って成人後は刑務所にも行ったな。


851: 名無しさん@HOME 2018/12/08(土) 21:40:28.46 0
泥棒が子育てしてる方がよほど怖いし近づいて欲しくない。


840: 最低人類0号 2018/12/08(土) 20:08:47.13 ID:3xsGtWzF0
無断で持って帰ったのなら泥棒。
以上。


841: 最低人類0号 2018/12/08(土) 20:28:53.84 ID:BUCWnspR0
同感。
コトメのことはあなたが関与することじゃないし、言いふらしてるのも引く。


842: キティちゃん ◆Em.uJR96uU 2018/12/08(土) 20:41:32.34 ID:sRmjaxOF0
置手紙と500円は置いて行きました。性的虐待ではなく、来週で21歳になる大人が3歳の姪からぬいぐるみを取り上げたことやぬいぐるみ遊びに熱中していることを妹の後輩に話しただけです。
本当に薄汚れててゴミでしたよ。フリマでも値段がつかないものです。ぬいぐるみを譲りに行った時も目を真っ赤にして「キティちゃんがいない…」って呟いていて精神異常者そのものでした。普段はOLみたいにキッチリした格好で歩いて40分も掛けて元気に大学にいっている癖にその姿は障害者のようにしか見えませんでした。
トメさんやウトさん、コウトはコトメをなだめようと家中のぬいぐるみを持ってきたりしてご機嫌とりをしていたようですがコトメは「キティちゃん〜!」とずっとパニック状態。
夢に見そうで怖いです。娘は車で夫と待機させてて良かった。


843: 最低人類0号 2018/12/08(土) 21:00:14.68 ID:GxcmVgUZ0
自分の行為が正当なものだと自信があるなら、金置いて黙って持ち帰らずに、ちゃんと直接金払って譲って貰えば良いだろ?それが出来てない時点でお前は窃盗犯に等しい。そんな母親に育てられる子供が不憫だわ。


844: 最低人類0号 2018/12/08(土) 21:02:12.18 ID:src6ZNKE0
フリマでも値段が付かないって…勝手に黙って持ってきた挙句お値段が良ければ売ろうと思っていたってことだよね?
人として最低。


845: キティちゃん ◆Em.uJR96uU 2018/12/08(土) 21:09:30.15 ID:sRmjaxOF0
コトメに譲るように頼みましたが「それがないとおかしくなるんです!」と言って離しませんでした。ぬいぐるみは子供が楽しむものであって、成人の精神安定剤ではないと説教しましたが聞く耳もたずでした。
普段からコウトが娘と遊ぼうとしてもわざわざ邪魔してきて頭がおかしんです。
ボロボロで娘が欲しがっている以外無価値という例えです。娘がいらないと言えばちゃんとゴミ回収で捨てますよ。


847: 最低人類0号 2018/12/08(土) 21:36:52.27 ID:EGF+eZl80
>ぬいぐるみは子供が楽しむものであって、成人の精神安定剤ではないと説教しましたが

本人が精神安定剤として使っているなら、その人にとって薬と同じ。ぬいぐるみは本来の役割でしか使ってはいけないなんて誰が決めたの?


848: 最低人類0号 2018/12/08(土) 21:56:54.74 ID:QPnhANcm0
なんだ。コウトに娘を性的虐待してほしいのか。


850: キティちゃん ◆Em.uJR96uU 2018/12/08(土) 22:07:43.99 ID:sRmjaxOF0
置手紙です。そもそも窃盗だとしても家族内だと窃盗にならないですよね。

コウトは男子校→経済学部と女性が少ない環境にいたんです。可哀想ですが、コウトだけが悪いのではないと思いますよ。小学生時代のコトメの写真見るとミニスカートやらホットパンツ履いてて性被害を誘発するような恰好もしていたようですから。
ていうか、コトメも今もコウトと同じ部屋にいますよ。トメさんが精神不安定なコトメを心配して一人暮らししたら殺されると、一人暮らしの女性や家族の留守中に女性や子供が殺害された事件のウィキペディア見せたりして、一人暮らしさせないようにキツく言っているからなんですけどね。
多分、もう逃げる気はないと思います。精神不安定なのも、唯一まともな夫に構ってほしい仮病だと思っています。


849: 最低人類0号 2018/12/08(土) 22:01:32.12 ID:vKMG+DEU0
置手紙置いておこうが500円置いていこうが本人の了承なく持ち帰った時点で窃盗。動機も身勝手で反省もしていない。


851: 最低人類0号 2018/12/08(土) 22:08:58.67 ID:GxcmVgUZ0
ぬいぐるみがコトメの所有物である以上、手紙を置こうが金を置こうが、お前がどんな理由をつけても黙って持ち出した時点で犯罪者。お前に正当性など一切無い。お前は自分の子供に「自分が正しいと思ったら、好きなものを黙って持って行っても大丈夫なんだよ」って教育するのか?


852: 最低人類0号 2018/12/08(土) 22:21:15.68 ID:3iDOiq51O
ゴミ当然だろうと他人の所有物を承諾なしに持ち帰ったのは窃盗ですよ。普通あんたの子供ぐらいの年齢には教えられてるものなんだけど。もしかして今までそうやって他人の物をパクってきたとか?まさかの前科者?どんな育ちを受けたら普通に犯罪が出来る人間になるんだろ。


855: 最低人類0号 2018/12/08(土) 22:30:23.71 ID:iRfGeA7S0
同居じゃないなら親告罪になるだけで窃盗の構成要件は満たしてるよ。


義妹のぬいぐるみを娘が欲しがったので持って帰ったら発狂した 2へ

神に愛されるということ



私も占い師に「長生きできんね」と言われたことある。
理由も聞いた。

「あんた、大陸に行ったことあるだろう?そこで憑かれたんだと思うけど、悪霊なんてもんじゃない。神に近いから、まず払えないし、どこに行っても障ることを恐れて何もできないよ」とか。

確かに、仕事で中国に数年住んでいた。

「まあ、日本にいる限り、息子さんが成人するまでは持つよ。あんたの背後に白狐が見える。これが強いし、あんたの家系、将門信仰している者がいるからね。お祖父さまお祖母様に感謝することだ。…それと、叔母さんかな?修道院にいる人もいるねえ。彼女も遠くからあなたを守っているよ。…でも、あと数年だね」

息子、もう15歳なんですが。
あと5年でこの世とさよなら?それを何故断言できる?
私の不審そうな顔に、占い師は続けた。

「あなた、過去に手の筋切って何かできなくなってない?」

確かに。ジャズピアノをやっていてそこそこ仕事もあったが、交通事故の後遺症で今、左手が動かず、ピアノなんてもうとても無理な状態である。

「それは持って行かれたんだよ。でも命だけは、あんたを守る人たちに救われた。でも、次は全て取る、と言っているよ。…ごめんねえ、不快な事ばかり言って」

占い師はそう言って、私から料金を取らなかった。
あと5年でこの世から去る?
にわかに信じられないし、今も信じていない。
ところが、その占い師は「当たる」と評判だそうだ。
割りと高額な見料も、あんなに長時間話したのに「残りの人生に使いなさい」と貰わなかった。
帰宅後、夫と子供に話した。信じてないけど、と言いつつ。
「私が死んだら、あなたたちが心配で…」と言ったら、夫も子供も「それは自分たちが乗り越えること。おかんは心配しないで。残りを好きに使っていいよ」と。
今のところ病気などは無い。でも人は何で死ぬか解らない。
ちなみに、後日、ある有名神社にお祓いの相談をしたら占い師の言ったとおり、「神様にはできる限り障りたく無いんです。こちらの命も危ないですから」と。

「すみません、どんな神様が憑いてるって?」
「…地獄の神様です。あなたの左手を持っています。…日本の神様ではありませんね」

と。


回避方法無しり言われたのだが、神主さんには、

「でも基本的に自分はあまり信じてないんです。私には見えませんから」

と言ったところ、「そういう強い気持ちも大事ですよ」とか。

「なんで私なんでしょう?」
「人と同じですよ。好みなんです。昔から、神様に愛されると長生きできないと言いますね。あれと一緒ですよ」

いや、そんな若くも無いですしと言ったら、「寿命からしたら充分若いですよ」と。
実家のお稲荷様と、近所の将門神社には毎日詣でている。
でも、最近、右肩が重いことに気がついた。
そして、もともと夢などあまり見ないのに、夢を見るようになった。
どこかの屋敷で、ピアノをずっと弾き続けている夢。
動かない左手が動くのは気分がいい、ずっとここにいたいと思う。
「ずっといてもいいんだよ」と、背後から右肩に手を置かれ、めが覚める。
いつかこのまま、目を覚まさなくなるのだろうか。
実話なんだけど、信じてないと言い切りたいが、全く他人二人に言われるとちょっと怖い。
まああとは人に迷惑かけない死に方ができるように、かな。
一応死後は墓には入りたいないので散骨をおねがいしている。そんなもん。
(献体とか臓器提供も遺言にはあるのだが、夫と息子が嫌だと言っているので多分無理)
でもさあ、神様が連れて行くならもっと高名なピアニストとかじゃないのー?と。
それすら好みなのか?そのあたりがワカラン。
そこまで愛されるほどの容姿とも思えないしなあ。
ま、5ねんたってぴんぴんしてたら、その占い師と神主にはケチつけに行きますわw
でも信じて無くても、「もうすぐ死にますよ」ってのは、精神的に堪えるね。


ここに書けば何か対策でもあるかなー?という気持ち半分と、自分もまるきり信じているわけではないのでどうなのかな?という気持ちと半々なんだよね。
臓器移植は確かに憑いていくとまずいかもしれませんね。やめておきます。
臓器の健康にはすっごい自身があるので勿体ない気もするけど。
他の占い師に、顔見るなり「帰ってくれ、悪いけど見られない」と言われたこともあるのでじわじわ怖くなってきている。
でもあと5年と言われたところで病気でもないし、じゃあ何をするかというと、日常を淡々とこなしていくしかないんですよね。
実家では、私が交通事故にあったとき、仏壇の観音様がまっぷたつに割れたそうです(修理済み)。
実家については占い師さんの言っていることは全て大当たりです。
なんだかあっちこっちに守って貰ったり連れて行かれそうになったり。
まあ、本当に夢を見ながらそっと死ねればいいかなあと思う反面、絶対五年後生きてるぞ!
このエセ占い師め!とそこに怒鳴り込むwことも考えています。
マサさんは高額そうだし、系統が違うみたいなのでちょっとw
五年後、生き抜けたらここで宣言しに来るので。ではノシ


神に愛されると言うこと 2へ

2023年02月24日

ある女を家に泊めるようになったのが、恐怖の始まりだった・・・・ 2



必死におさえていたが、「うぬらうぬら」といいながら、男3人でおさえているのに、なんでもないように、マッチポウがたちあがるかのように、異様なたちあがり方をした。

〇←ゝ
│←ゝゝ
│←ゝゝゝ
│ ――――〇

メンバーは3人とも吹き飛ばされた。この力が異様だったという。
女の目は白目になってた。


パニックのなか眺めるしかなかったが、女はあいかわらずわけのわからない昔言葉をしゃべりながら、ジャンプをはじめた。
このジャンプも異様だったらしい。
あきらかに宙に浮いている時間が、フツウのジャンプとちがい長かった。
そのあたりのものを片っ端からこわしだして、やや力持ち程度の力ではない。
しかもなんだか手が異様に長く、そしてたくさんあるかんじだった。
あたりもおかしくなってきた。
横では電話がなったかとおもうと一回できれたり、TVが勝手についたり、通常の電話のなり方ではない音が連続的にはじまった。
女はそのあたりをぶっ壊しながら。となりの部屋へいって…押入れをにらみつけ、「あdぐ:いw:え」とかいいながら、押入れをけ破り、宗教の祭壇をこなごなにした。
もちろん、その間もメンバーがそれぞれ取り押さえようとしたけど、あきらかに無理な力だった。
その祭壇を壊したぐらいにこちらを向いたのだが…こんなに首が回るの?ってぐらい首だけ回して(エクソシストのあれ、首だけが振り返るやつ)、「うまるらわfげr…」と叫ぶと、グニュアと曲がってそこに崩れおちたかとおもうと、痙攣をはじめ苦しそうになった。


今度は女の声にもどったが(その女の声ではないけど)、再びなにをいっているのかわからない。

「…っさま…さま。。。あでrlprpl」

あおむけのまま首をかきむしっていたが、「ああ7mfdfg、やっとこの期がいまだ、みたされ…」と叫ぶと、下半身だけ抜き始め目をずらして(メンバーのスウェットを着ていた)、パンティをかきむしりながら、性器をひらくようなポーズをして、大きく足を開き腰だけを上下にゆらしながら、

「ゝ_〇」

「今でございます。今でございます。今でございます」と大声をだしながら、腰を大きく動かし始めた。
(いや、結構おもしろいけど、異様やろ?笑)


メンバーはすべて唖然としていると、しばらく腰を振っていたが、またガクガクと痙攣を始め、

〇←ゝ
│←ゝゝ
│←ゝゝゝ
│ ――――〇

このたちあがり方をしたかとおもうと、「ケタケタケタ…」と笑いはじめた(表現的に「ケタケタ」が一番近いらしい)。
「うぬら土百姓が…」とかなんとかいって(この声も異様だったらしい)、全員をなめるようにゆっくりみると、突然かがんだ姿勢になって、大声でうめきながら玄関に走っていって、そのまま外に出ていってしまった。


メンバーは恐怖で、お互いを見回し唖然としていると、ひとりのメンバーが窓を見て驚いた。
女が窓にはりついてこっちをみていた。
その顔は口裂け女とでもいうのか、異様に口が横に大きく、その口からすこし長い舌が延びて、窓ガラスにビタっと引っ付いていた。
ニッターーとわらったかと思うと、窓ガラスを2、3度平手でたたいて、大声で何かを叫びながら走っていってしまった。
残されたメンバーはわけがわからず、これはヤバイと思ったがどうしようもなく、その夜は恐怖で寝れなかったらしい。
何日かしたが、もう女は戻ってこなかった。


女が残していったカバンがあったので、なかをみると、ごくフツウのものばかりだった。
免許や保険証はなかったが、なにかの手帳に電話番号がいろいろ書いてあった(当時は携帯なんかない)。
その子の苗字といっしょだったのと、一番上にあったという理由で、その番号に電話をしてみた。
「あの…」と話すと、向こうから『…〇〇子の事ですか?』と、その女の名前をすぐにいってきた。
相手は続けざまに質問してきた。

『そこにいますか?』
「いえ」
『…そうですか…』
「あの…家には戻られましたか?」
『いえ、〇〇子はウチのじゃありません』
「はぁ…?」

福やカバンがあったので、それらの話をすると、『ああ、捨ててください』といって電話を切られた。


次の日朝早くピンポンがなったかと思うと、少しやつれた感じの小男が立っていた。
男「〇〇子の件で昨日電話いただきまして」といった。
(電話をしたのはAなんだが、そのときの声や感じから番う人と思うとの事)

男「あの荷物を…」
「あ、戻られたんですか?」
男「いえ、まだです」

「え?なぜこの場所がわかったんですか?」と聞くと、「いや…」と男はごまかした。

男「カバンを…」

カバンと服をあずけると、急いだ感じでその場でカバンを開いて、なにかを確認してるっぽかった。

男「…本当に、これだけしか入ってませんでしたか?」
「ええ」

実際なにも取っていない。

男「わかりました。またアレをみかけたら、すぐに電話くれませんか? 最後に「御願いです。次みかけても、家には入れないでくださいね。…これすくないですが…」

といって帰っていった。
封筒には5万円が入っていた。
(これも後日談なのだが、Hができたってことで、どうもその女にやや惚れたメンバーDが電話をしたが、『現在使われておりません』だったそうだ)。


メンバー全員「ここに住みたくない」という意見は一致し、ノイローゼになったメンバーの一人が半端でなく怖がり、「とにかく帰る」といいだし、両親が家につれて帰った。
このバンドの集団下宿は、この時点で終了した。
先に書くと面白くないので書かなかったんだが、女に最初にあったとき着ていた服は、男もんのスウェットだったとさ。

あのね、なんども書くけど、ほとんど脚色してないよ。
ガチな話。おもしろかった?

2023年02月23日

ある女を家に泊めるようになったのが、恐怖の始まりだった・・・・



最近ツレから聞いて怖かったのおしえてあげる。笑
体験者は5人、10年以上前の話だけどね。
その5人の中に俺の友達は2人いる。
嘘つくようなやつじゃないし、実はその話を全く別の日、別の所でひとりずつ聞いたので。
(てか、ひとりか言われて、それを確認の意味で、もう一人に別の日に「なんか怖い体験したの?」っていったらしゃべりだして、その内容が一致したので、キターとおもったのよね)
ツレたちはバンドで一旗あげようと、田舎から東京にでてきたらしい。
で金もないから、メンバーと2LDK程度の安いとこに、5人のメンバーで住んでいた。
年齢は22ぐらいの時、だいたいそのぐらいのメンバーとだ。
ボロボロの平屋で、すぐそばに人が居なくて、結構さわいでもOKってな感じだったので契約したそうな。
場所は神奈川だってさ。
でだ、まー金もなく、バイトでもさがしてがんばんべと皆で気合を入れて、なんとか全員バイト先を見つけ、がんばってたらしいんだけど。

ある日の練習の帰りに、家のすぐ前に女の子がうずくまっていたそうだよ。
あまり人がいるようなところではなかったから、メンバーの一人が「大丈夫?」って声をかけたら、顔を上げた。
まーかわいかったそうな(笑
「うん」とかいっているけど、どうも変。ちょっと酔ってるぽかった。
あまり会話が上手く続かなく、「…いくとこないの…」とか言い出して、「泊めてよ」と、女の方からいってきたらしい。
俺のツレの一人Bは、なんか嫌なものというか変な感じがしたので、

「だめだよ、家かえらないと。だって、おれら男5人だから、泊めたらなにするかわからないよ」

と、ホントに帰す意味で冗談っぽくいったんだと…。
女は「いいよ」って答えたらしい。
これに反応したのがツレAだ(笑
「ぢゃおいでよ!」ってことで。


そして、Bは嫌がったんだけど、まーAと他のメンバーはひっぱりこんだらしい。
でだ、みんなバイトも決まった直後で、宴会もかねてビールで乾杯とかなった。
酔いが回ってくると、条件どうりAが一番にその女とやった(笑
で、結局嫌がっていたBを最後に、女を全員で回したらしい。
細くしておくと、その女は好きもんで、「もっともっと」系だったそうな。しかもかわいかったそうだ。
そこから一泊して、女は帰ると思ってたが、なんと居座ったそうな。

「帰るところがないの…」

メンバーもそういわれればタダでHもできるし、料理も?とか期待しながら、なーなーで事は進んでいった。
何日かして、異変がはじまりだした。
メンバーは別々のバイトをしており、基本的にはだれかが家にいるようになった。
まー簡単にいえば、そんときHできるからかな?と今おもうけど。


夜中にバイトから帰ってきてメンバーが揃うという感じで、女は常に家にいた。
もちろん買い物などは出るが、知らない女を一人で家にというのも怖いし、というのもあっただろう。
女は少し頭が弱いという部分もあった。
例えば、会話が続かないというか、トンチンカンな事をいったりとか、天然系という言葉でかたずけられる程度ではあったが…。
あとでわかるのだが、実は最初の異変は2日目に起きていた。つまり次の日。
バンドのメンバーの2人、ツレのAとBは、ある宗教に入っていた。
(何かは書かない。ただ、あまり効かないだけでフツウ)
その宗教地震はある飾り物が必要で、それを押入れに入れていたのだが、その部屋には女が入っていない部屋の押入れなんだが、朝おきて女を起こすと、「隣の部屋の奥には変な神さまがいるね」といってきたらしい。ただ、この起こしたメンバーはCで、ABが宗教に入っているのをしらなかったので、「???」だったそうな。


何日かして、電車からの帰り際、AとDの会話。

D「なぁ」
A「ん?」
D「あの女へんじゃね?」
A「なにが?」
D「なんかな、たまに一点を見つめて、小声でブツブツいってるしさ」
A「は?」
D[なんかさ、音もしないのに、いきなり後ろにいたりさ]
A「…」
D「こないだなんかな、肉かってきただろ?アレ焼こうと思ったら、半分ないんだよ」
A「女が食ったんだろ?」
D「いやーフライパン使った痕跡ねーんだよな」

A自身は変な体験はなかったが(というか、ほとんど寝てたかららしい)、とにかく変だった。


みんなが色々と経験した話も、それぞれストーリー的に書けるけど、長くなるので列記。

・ステレオでバンドのテープを聴いてたら切れる。
・練習のテープ内容が途中で途絶える。
・食べ物(特に生もの)がなくなる。
・卵がなくなる。しかも殻ごと。
・TVが勝手につく。
・電気が勝手に消える。
・部屋をしめているのに、蛍光灯の紐がゆれる。
・TV以外から男の声で「おい」と、どこからともなくする。
・ラップ音らしきものがする。
・電話がなる。出ようとするとベルが止まる。
・金縛りにあう。
・窓もしめているのに、部屋の中に冷たい場所がある。

ひとり暮らしだったら、「えええ?」となるようなことも、集団で暮らしていることもあって、特に気にならなかったといってた。
みんなに共通していたのは、「とにかく男の声がする」ということ、「なんか、変な声がしない?」。
あるメンバーが言った一言で、「お、お前もする?男の声」って、みんなの意見が一致したらしい。


ある日Aが帰ると、仲間Eが倒れて寝ていた。
他のメンバーCに、「Eはどうしたの」と聞くと、Cが帰ったとき、Eがうつぶせで苦しそうだった。
「どうした?」と聞くと、ノイローゼっぽい感じで、「あの女…うぅぅ…」とかいっていたそうだ。
そのとき女は、ニタニタしながらゲームをやってたらしい。
その顔みたらCもゾッとしたそうだ。
Cが「女を追い出そう」といいだした。
さすがにリーダー格であるAも気持ち悪くなってきたので(A自身も、男の声は聞いたことがあった)、メンバー全員一致で女を追い出そうとなった。

「そろそろ帰りなよ」

「…いくとこがないの」とかぐずっていたが、おいだそうとすると、こちらの語尾も野蛮になっていく。
「ええから、帰れや!」と、怒鳴りつけながら話をしていた。
そんな会話をしていると、事態が豹変した。


女が泣きながらワケのわからない事をしゃべりだしたと思うと、突然たちあがり大声でしゃべりだした。
その声は男の声だった。

「そこに直れ、わらわをなんとこころえる」

なんせ言葉は違うが、内容は武士時代の言葉で、そんな事言い始めた。
「わらわは藤原が第何代の嫡子…」とか、とにかくわけわからんことを叫び始めた。
おもいっきりガニマタで男のような感じ。しかも、声が明らかに男の低い声だった。
で、とにかく暴れだした。
剣を持っていないのに、剣をふるような仕草。
そこにあるものを投げつけ始めた。
もうメンバーもパニック。
さすがにメンバー数人でとりおさえ、女を倒して横にした。
そのとき、なにか恐ろしく硬い感じがしたといってた。


ある女を家に泊めるようになったのが、恐怖の始まりだった・・・・ 2へ

2023年02月22日

黒長さん



数ヶ月前に体験した話。

その日は家でケムリクサを見ていて、その途中で電話が掛かってきた。
大学で知り合ったAくんからの電話なのだが、出てみると、Aくんの嗚咽交じりの声が聞こえてきて、『黒長さんに殺される』だとか『裏切られた』とか泣き喚いていた。
明らかに普通ではなさそうだし、まだ自分の家にいるらしいので取り敢えずAくんの家に車で向かってみた。
家の玄関は特に鍵も掛かっておらず、チャイムを鳴らしてみても反応がない。
中にいることは確かなので玄関を開けて一歩踏み込んだ瞬間、急に周りの空気が冷たくなった。
別にクーラーをつけるような季節でもないし、何かおかしいかって、玄関を開けたときはなんとも思わなかったのに、中に入った途端に寒くなったんだ。
廊下は強盗に荒らされたような痕跡はなく、前にお邪魔したときと変わった様子はなかった。物音ひとつしない。
自分の部屋にいるだろうと思い階段を上がって二階へ向かったけど、何かしら異臭がする。
その異臭はAくんの部屋に近づくにつれて徐々に強くなっていく。
Aくんの部屋の前にまで来て確信した、もうなんか絶対にやらかしている。
部屋の扉には、何回も何回も刃物で切り付けたような跡があったんだ。
木製の扉なんだけど、表面の塗装が剥がれて、その下の木が深く抉られていた。
意外なことに鍵は掛かっていなくて、扉はすんなりと開いた。
すんなりと開いたのだが、開けて激しく後悔した。
部屋の中は酷く荒れていて、折れた椅子やら本の破かれたページやらが滅茶苦茶に散乱していた。
その中心には排泄物まみれで痩せ細ったAくんが体育座りをしていて、見開いた目で俺を見上げていたんだ。
俺は救急車を呼び、Aくんは病院に運ばれた。
幸い(?)、軽い栄養失調だけで体に異常はなかったらしい。


ここから先はAくんから聞いた話だが、彼女から誘われて黒長さんをすることになったらしい。
黒長さんというのは『こっくりさん』や『さとるくん』みたいな遊びの一種で、成功すると何でも願いが叶うそうな。
黒長さんを呼ぶ方法は少し面倒で

1、 塩水を用意し、部屋の全ての扉と窓に鍵をかける
2、携帯またはPCのホーム画面を黒の単色に設定する
3、掲示板かSNSに『黒長さん、黒長さん、お待ちしております』と書き込む
4、相方が『黒長さん、黒長さん、〇〇(呼ぶ側)くんが呼んでいますと書き込む
5、一時間待つ(二時間待ってもよい)
6、その後、三十分以内に相方に『黒長さん黒長さん、ありがとうございました』と書き込んでもらう(二時間待ったときは十五分以内に)
7,書き込みを確認したら、すぐに塩水を飲み干す。これで終了。

というもの。
ただし、いくつか注意点があって

1、終了するまではホーム画面を覗いてはならない
2、終了するまでは決して部屋を出てはならない
3、儀式の途中で抜けてはならない

だそうだ。

で、Aくんが呼ぶ側になりスマホでゲームをしながら待っていたのだが、一時間になっても二時間になっても彼女の書き込みがない。
そこで彼女に電話しようとしてホームボタンを押したら、黒く設定したホーム画面が目に入ったらしい。バカなの?
ホーム画面を見た途端、背中に冷たくて長いムカデがよじ上ってくるような感覚がして、耐えられず壁や床に背中を叩きつけ暴れていたら、今度は誰かが階段を駆け上がる音が聞こえて、固まっていたらドアノブをガチャガチャガチャ回された揚句、扉を激しく叩かれたらしい。
背中に冷たい虫が湧く感覚と扉を破かれる恐怖に襲われながら、まる二日が経過。
二日の間何も食えず、トイレにも行けず、眠ることもできずに部屋に閉じこもっていたという。
これ以上は限界だと察したAくんは知り合いに片っ端から電話をかけることにして、一番最初に電話した先が俺だそうだ。


Aくんが退院して数日後、俺と二人で彼女の家に突撃したのだが、玄関先で別れを告げられて二人で( ゚д゚)ポカーン
Aくんは女たらしなことで有名で、よく女関係でトラブルを起こしていたのだが、今回の件もAくんの浮気を知った彼女が、復讐のつもりで黒長さんに誘ったそうだ。
とはいえ、当日Aくんの家に行ったか聞いてみても、様子を見に家の前を通ったことはあっても中には入っていないらしい。
あともうひとつ、入院中のAくんにお見舞いに行ったときに「どうやって家の中に入ったんだ?」と質問されて、普通に開いていたと答えたら、「んなわえあるか俺は閉めたぞ」と返された。
部屋の扉だって、俺に電話する前はきちんと鍵が閉まっていたらしい。
あと少し遅かったら、本当に危なかったかもしれん。

2023年02月21日

逆さの樵面 2



「決して中へ入ってはなりません」

と姑は言い、悪いことは言わないからこのままお引取りを、と囁いたのです。
明かりもなく暗い座敷の奥から、どす黒い妖気のようなものが廊下まで漂ってきていたと、父は言います。
締め切られていた奥座敷の暗がりの中、奥の中央に位置する大きな柱に樵面は掛けられていました。
しかしその顔は天地が逆、つまり逆さまに掛けられているのです。
しかも柱に掛けられていると見えたのは、目が暗がりに慣れてくるとそうではないことに気づきます。
面の両目の部分が釘で打たれ、柱に深く打ち留められていたのです。

「なんということをするのだ」

と古参の舞太夫が姑に詰め寄るも、教育委員会の職員に抑えられました。
「とにかくあれを外します」と職員が言うと、姑は強い口調で

「目が潰れてもですか」

父は耐え難い悪寒に襲われていました。
姑曰く、あの天地を逆さにして釘に目を打たれた面は、協力な呪いを撒き散らしていると。
そしてこの座敷に上がった人間は、ことごとく失明するのだと言うのです。
「バカバカしい」と言って座敷に入ろうとする者はいませんでした。
古い神楽面には力があると、信じているというより、理解しているのです。
だからこそ、翁面を小さな行李に入れ、また「1年使わないと表情が変わる」といわれる般若面の手入れを欠かさないのです。
入らずには面を外せない。
入れば失明する。
だからこそ、土屋家ではこの奥座敷の樵面を放置していたわけです。
調度品の類もない畳敷きの座敷は埃と煤で覆われていました。
明治の前よりこのままだと、姑は言いました。
何か方法がないかと考えていた太夫の一人が、

「あんた、向かいの太郎坊に取りに入らせたらよかろう」

と手を打ちました。
「あれはめくらだから」と。
父はなるほど、と思いました。
確かに土谷家の隣家の息子は目が見えない。
彼に面を外させに行かせたらいいのだ。
ところが、姑は暗い顔のまま首を振ります。
そしてこの樵面の演技を訥々と語り始めたのです。
かつて、日野草四郎篤矩によって神楽を伝承された4家は、その後も大いに栄えたと伝えられている。
ところが、姑曰く土谷家はその4家よりも古い神楽を伝えられているという。
日野家と同じ客人(まろうど)であった土谷家こそが、日野家以前にこの千羽に神楽を伝え、千羽神楽の宗家であったのだと。
ところがあらたに入って来た遠来の神楽とその立場を追われ、山姫などいくつかの演目と面、そして縁起まで奪われてしまったのだと。
そしてこの樵面こそ、土屋家が今はいすことも知れない異郷より携えて来た、祖先伝来の面なのだと。
それを日野家由来とする資料は、ことごとく糊塗されたものだと。
そうした経緯があるためか、4家のみによる神楽舞の伝承が壊れたのちも、土屋家から舞太夫を出さないという仕来りがあった。
しかし江戸時代末期に、とうとう土谷家の人間が舞太夫に選ばれることとなった。
土谷甚平は思わず樵面を所望したという。
ところが樵面を着けた夜、甚平は葉桜の下に狂い、村中を走った。
そしてこの世のものとは思えない声でこう叫んだ。

「土モ稲モ枯レ果テヨ。沢モ井戸モ枯レ果テヨ」

そして面の上から自らの両目を釘で打ち、村境の崖から躍り出て死んだという。
死骸から面を外した甚平の姉は、密かに面を持ち去り、土屋家の奥座敷の柱に逆さまにして打ちつけた。
その歳よりは未曽有の飢饉に見舞われ、また「戸口に影が立った家」にはいわれ無き死人が出たという。
樵面は樵でありながら神そのものであり、その神に別の神の言葉を喋らせ、別の神の舞を踏ませることが、面の怒りをぐつぐつと長い年月に亘って煮出せていたのだという。
そして甚平の体を借りて呪詛を村中に撒き散らせたのだ。
いわば日野流神楽への土谷流神楽からの復讐だった。
その樵面は未だに土谷家の奥座敷にて、この村を呪い続けている…。
姑の口から忌まわしい恩讐の話を聞かされた父たちは、その場に凍りついたままだったといいます。
憑き物がわずかに取れた顔で、姑は肩の力を抜きました。

「太郎さんはいけんよ。次は命がないけんね」

その言葉を聞いて、太夫や職員は色めきました。
姑はつまりこう言っているのです。
「太郎さんの目が見えないのは、むかし樵面を取りに座敷に入ったからだ」と。
結局一同は土谷の屋敷から離れました。
そして近くの神社に寄りあって、どうしたらいいのか協議をしました。
壁を壊して座敷の裏側から面を外してはどうかという意見が出ましたが、土屋家の人間を説得できない限りそんな無法はできないという結論に至るばかりです。
さりとてこのままにしてはいけない、と頭を抱えていたとき、一人の老人が寄り合い所を訪れました。
90年配の高齢と思わしき老人は、自分が樵面を外すと言いました。
人に外せないなら、人ならぬものが外せばいいと。
再び土谷家に出向いた一同は、ことの次第を姑に話しました。
老人の手を握り、承知した姑は奥座敷に案内しました。
襖を開け、再び樵面にまみえた父たちは怖気づきましたが、控えの間から白い人影が現れたとき、えもいわれぬ安堵感に包まれたと言います。
山姫の面に格衣、そして白い布を羽織った老人が静々と歩み寄って来たのです。
そして神歌とともに舞いながら、ゆっくりと座敷の内側に入り込んで行きました。
息を呑む父たちの前で、不思議な光景が繰り広げられました。
暗い座敷の中で白い人ならぬものが舞っているのです。
太夫の一人が叩く神楽太鼓の響きの中、山姫はひと時も止まることなく足を運び、円を描きながら奥の柱の樵面へ近づいていきました。
山姫の手が樵面に触れるや否や、面の両目を打っていた釘がぼろぼろと崩れ落ちました。
100年以上も経っているため、腐っていたからでしょうか、父にはそう思えませんでした。
この襖の向こう側は人の領域ではないのだから、何が起こっても不思議ではないと、素直にそう思えたのです。
ちょうど舞が終わるころ、黒い樵面を携えて山姫が座敷から出てきました。

「もう舞うことはないと思っていた」

森本彰浩老人はそう言って山姫の面を外しました。
『山姫の舞』『火荒神の舞』『荻の舞』
三舞復活縁起のまさにその人が、最後の『樵の舞』の面を取り戻したのです。
父は得体の知れない感情に胸を打たれて、むせび泣いたそうです。
その後、樵面は土谷家ゆかりの神社に祀られることになりました。
演目としては催されることはありませんが、『樵の舞』は土谷家に密かに伝わっていたため、これで失われていた4つの舞が甦ったわけです。
のちに父は機会があり、森本老人に舞太夫としての心得を聞きました。
森本老人は「素面にあっては人として神に向かい、面を着けては神として人に向かうこと」とだけ教えてくれました。
神そのものに心身が合一すると、はじめて見えてくるものがある。そう言って笑うのです。
千羽神楽の名かで樵は山姫と恋仲になることが、演目のなかに見えてきます。
しかし山姫などのいくつかの演目は、いにしえの土谷流と日野流ではまったく違うものであったといいます。
現在土谷家に伝わっていたのは『樵の舞』だけであったため、『山姫の舞』などは日野流と面を同じくこそすれ、一体どんな演目であったのか皆目わからないのです。
しかし、森本老人は樵面を取り戻した舞の中で、山姫は樵を愛していることが分かったと言います。

「きっと、いにしえの舞でも、玉姫と樵は恋仲にあったのだろう」

だからこそ、樵面をあの座敷から出すことができたのではないか、と。
その言葉に父は頷きました。
神楽とは、一方的に与え、一方的に奪う、荒ぶる神の交信の手段なのだと私は思います。
神を饗待し、褒め、時には貶し、集落で生きる弱き者の思いを伝え、またその神の意思を知るために神楽が舞われるのだと思います。
「神」を「自然」と置き換えてもかまいません。
日本の神様は怒りっぽいということを聞いたことがあります。
しかし荒々しい怒りとともに、たいていその怒りを鎮める方法も同時に存在するものです。
多分、陰々と千羽を呪い続けた樵面にとって、あの森本老人の山姫の舞がそうであったように。
その出来事のあと、私が生まれる数年前に森本老人の家の戸口に影が立っているのを多くの人が見たそうです。
あの樵面の呪いにより、いわれ無き死人が出るという影です。
しかしその日は、1世紀にわたって生きた舞太夫の、大往生だったということです。

2023年02月20日

逆さの樵面



私が生まれる前の話なので、直接見聞きしたことではなく、その点では私の想像で補ってしまう分もあることを先に申しておきます。
それから地名、人名等は仮名としました。もったいぶった始め方ですが、この話の終わりには家の戸口に影が経つことがあるかもしれません…。

私の生まれた村はつい先日合併によって開村し、別の名前の村に生まれ変わりました。
しかし千羽神楽の名は残っています。
室町時代から脈々と続くこの夜神楽は、かつて村の4つの家によって継承されてきました。
稲には実りを、また山には厳しい寒さをもたらす神々を、歓待し楽しませるための舞を踊るのです。
村にはある神社を1年間で順繰りに回り、氏子たちが見守る中で夜が更けるまで舞い続けます。
舞うのは4つの家の太夫と、かつては決まっていたようですが現在では1家を除いて家筋の消息が不明となり、若者不足も重なって舞太夫には誰にでもなれるようになっています。
もともと4家に神楽を伝えたのは熊野より落着した日野家であると、資料にはあります。
当主であった日の草四郎篤矩がそのとき持参したといわれる神楽面が、のちに村の家々の戸口に影を立たせることになるのです。
千羽神楽では素面の舞もありますが、面をつけての舞がほとんどです。
神楽面は舞太夫さんが人から人外のものへと変わるための装置であり、衣装を合わせた面をつけた時、それは太夫ではなく鬼神や魔物そのものが舞っているものとして認識されます。
そのため、神社の中とはいえ人の領域の内に鬼神を招くための結界として、はじめに注連縄が張られるのです。
受け継がれてきた古い面には力があり、けして粗末な扱いをしてはならないとされています。
江戸中期に記された『千羽山譚』には、「特に翁の面は怪力を持ち他のめんと同じ行李に入れていては、他の面を食い破る」という不気味なことが書かれており、現在も神楽面の中で唯一翁面だけが竹で編んだ小さな行李に単独で保管されています。
私の父はこの翁面の舞手でしたが、いつもこの面を着けるときだけは手に汗が浮くと言っていました。
さて、室町時代より500年にも亘って続く千羽神楽ですが、その長い歴史の中で演目が亡失するということもあったようです。
千羽郷に赴任された役人の古河伝介が記したという『千羽山譚』や、その他の旧史料に現れる神楽の記述によると、もう舞われなくなっている4つの舞があることがわかっています。
このいずれも、面も祭文も残っておらず、資料の挿絵によって衣装が辛うじてわかるくらいでした。
ことの発端は、この失われた舞が復活する次第よりはじまるのです。
大正11年の5月11日、神楽面が出て来たという通報が村役場にありました。
橋家という旧家の土蔵より、幾ばくかの資料とともに2つの神楽面が発見されたというのです。
橋家はかつて数代にわたって神楽の座長を務めたといわれており、何代か前にあとを襲う男児に恵まれなかった折に養子を招き、神楽からは離れていったようです。
そしてなんらかの理由で次の太夫にこれらの面と舞を伝えることもないまま、演目が亡失するという事態に陥ったということでした。
さて、面は出て来たものの舞の復活には至りません。
祭文が出てこないのです。
しかし、失われた神楽舞の復活に賭ける気運が高まっていたため、千羽神楽を興した日野家のルーツである熊野へ人を遣り、近似の舞から演目を起こすという計画が持ち上がっていました。
そんなとき、計画を主導していた当時の座長である森本弘明氏が不思議な夢を見たのです。
弘明氏は消防団の団長を勤めていた人物で、校正で篤実な人柄が認められていたといわれています。
その彼が神楽が催されたある夜に、舞い疲れて家に帰らず神社の社殿で一人眠っていたとき、真っ黒な夢が降りてきたと言うのです。
夢で深山の夜を思わせる暗闇の中にひとり佇んでいると、目の前に篝火がぽっと灯され、白いおもての奇妙な服を着た人物が暗闇の奥より静々と進んできました。
良く見ると白い顔は神楽面で、高橋家の土蔵より発見された山姫と呼ばれる面だったのです。
格衣に白い布を羽織り、山姫の面を着けた人物は篝火の前まで進み出ると、弘明氏に向かってこう言いました。

『これより、山姫の舞を授ける』

そして静かに舞いはじめたのです。
弘明氏はこれはただの夢ではないと直感し、その舞の一挙手一投足を逃すまいと必死で見ていたようです。
やがて山姫が舞い終わると、篝火が消え深い闇の帳が降りました。
しかしまだ夢は覚めないのです。
また篝火が灯りました。
こんどは赤く猛々しい鬼神のような面をつけた人物が現れました。
そうしてこう言ったのです。

『これより、火荒神の舞を授ける』

山姫の舞から一転して激しい舞がはじまりました。
そしてその面はやはり土蔵から見つかった面だったのです。
舞が終わるとふたたび篝火が消え、また灯りました。
こんどは格衣に烏帽子姿の人物が闇の奥より現れました。
面を着けていない素面で、その目じりには深い皺が刻まれた初老の男でした。

『これより、荻の舞を授ける』

その声を聞いて明宏氏はすべての舞を演じたのがこの人だと悟ったのです。
明宏氏は、舞を見ながら涙を流したと言います。
どの舞も情熱的で、人が舞っているとは思えないくらい神々しい舞でした。
社殿の畳の上で目覚めて、明宏氏はただちに今見た舞を踊りました。
試行錯誤を繰り返し、東の山に陽が射すころには3つの舞を完璧にこの世に蘇らせたといいます。
これが失われた3つの舞が千羽神楽に取り戻された事の次第で、未だに千羽に語り継がれる縁起なのです。
その夜、明宏氏の夢に現れた人物は高橋家の5代前の当主であった高橋重次郎氏ではないかと言われています。
橋家の太刀自は当時100に近い歳であったといわれていますが、明宏氏が披露した舞を見たとき、幼いころに見た曾祖父の舞だと言って泣き崩れたと伝えられています。
さて、失われた4つの舞のうち3つまでは復活しました。
『山姫の舞』『火荒神の舞』『荻の舞』…。
『千羽山譚』によると残る一つは『樵の舞』とあります。
しかし高橋家の土蔵からはこの舞に使われる樵面が発見されず、『樵の舞』だけは亡失されたままでした。
樵面は熊野より落着した日野草四郎篤矩が持参した面とされ、明応七年(1498年)の銘が入っていたと、資料にはあります。
一時期、前述の翁面と同一視されていたこともあったようですが、翁面には永禄五年(1562年)の銘があり、別の面であると認識されるようになっています。
時は下って昭和40年。
私の父が舞太夫としての手解きを受けたばかりの頃です。
大正時代に高橋家より面が見つかって以来、役場を中心に各旧家の協力の下、あれだけ捜索されても発見されなかった樵面が、あっさりと出て来たのです。
人々を震え上がらせる呪いとともに…。
当時、存村の建設会社に勤務していた父は職場で「樵面発見」の報を聞きました。
社長がもともと舞太夫で、父に神楽舞を勧めた本人だったため、早退を許してもらった父は、さっそく面が見つかったという矢荻集落の土谷家へと車を走らせました。
もともと山間の千羽でも、特に険しい地形にある矢荻集落は町ほど露骨ではなかったものの、いわゆる部落差別の対象となるような土地でした。
父のころにはまだその習慣が残っていて、あまり普段は足を向けたくない場所だったといいます。
その集落にある土屋家は、もともと県境の山を越えてやってきた客人の血筋で、集落では庄屋としての役割を果たしていたようです。
江戸時代から続くといわれるその古い家屋敷に噂を聞きつけ幾人かの人が集まっていました。
その家の姑である60年配の女と役場の腕章をつけた男が言い争いをしており、その間に父は先に来ていた太夫仲間にことのあらましを教えてもらいました。
どうやら、その日の朝に役場へ匿名の電話が入ったようです。
曰く「樵面を隠している家がある」と。
それは土谷家だ、とだけ言って電話は切られました。
不審な点があるものの、とりあえず教育委員会の職員が土谷家へ向かい、ことを問いただすと「確かに樵面はある」と認めたのでした。
言い争いは平行線だったようですが、とりあえず土谷家側が折れて父たちを屋敷へあげてくれました。
歴史ある旧家だけあって広い畳敷きの部屋がいくつもあり、長い廊下を通って、玄関からは最奥にあたる山側の奥座敷の前で止まりました。
どんな秘密の隠し場所に封じ込められているのだろう、と想像していた父は拍子抜けしたといいます。
姑が奥座敷の襖を開けたその向こうに、樵面の黒い顔が見えたのです。
しかしその瞬間、集まっていた人々の間に「おお」という畏怖にも似た響きの声が上がりました。


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2023年02月17日

C 菜の夢 13



な、何だったんだ…。何か不安に思っていることがあれば、俺に話してくれれば良いのに…。心のモヤモヤはあるけど、俺は何も出来ず仕舞いだった。
そして、E子との付き合いが半年になったある日。
俺は、E子からプレゼントを貰った。

俺「これ…何?」
E子「亡くなった母の懐中時計だよ!」
俺「え!い、いいよ!こんな大事なもの!」
E子「いいの…貰っておいて」
俺「う、うん、分かった」
E子「俺君」
俺「何?」
E子「今までありがとう、楽しかったよ」
俺「え!?」

突然のことに、頭が動揺する。
これは…別れを告げられているのか。

俺「それって…別れたいってこと?」

動揺しながらE子に訊ねる。

E子「…………」
俺「一体なんで!?ずっと一緒に居ようって二人で言ったじゃないか!」
E子「ごめんね…」
俺「なんで…」
E子「どうか理由は聞かないで、お願い」
俺「…………」
E子「本当に本当に楽しかった!さようなら…!」

E子は走るように去って行った。一度も振り返ることもなく。残された俺は呆然としていた。あまりの展開に頭が付いていかない。別れる理由が全く思いつかない…何でだよ。
翌日から俺は抜け殻のように毎日を過ごした。授業はかろうじて出席しているが、サークルに行く気にはならない。食事もあまり取らなくなり、目に見えてやつれていった。F男やサークルのメンバーから電話やメールが何度も届いたが、しばらく行かないとだけ返事をして切った。そして授業と授業の合間の休み時間。

俺「…………」
F男「おい」
俺「…………」
F男「おいってば!」
俺「ん?何だF男か……」
F男「何だじゃないだろ!!皆心配してるぞ!」
俺「…………」

答える気にならなかった。

F男「E子ちゃんも音信不通だし、どうなってんだよ!」
俺「え?E子が?」
F男「そうだよ、お前がサークル来なくなった一緒のタイミングで連絡取れなくなったんだよ」

これはどういうことだろう。

F男「何かあったのか?」
俺「……別れたんだ」
F男「え?」
俺「E子と別れたんだよ」
F男「そ…そうだったのか」
俺「……」
F男「でも、音信不通ってのはおかしいんじゃないか?」

それは俺も思うところだ。気まずくてサークルに来れないのはまだ分かる。しかし、全く電話にもメールにも返事をしないというのは異常だ。

F男「とりあえず…まあ元気になったら顔を出してくれ」

そう告げてF男は去って行った。
E子…どうしたんだろう。未練が無いと言ったら嘘になる。
なにせ、あまりにも納得がいかない別れ方だ。
E子は俺に不満は無いと言っていたし、それに別れる人に対して大事な形見など渡すだろうか。
…あまりにも不可解。
ちょっと、E子を探してみよう。俺は行動に移すことにした。
当然のことながら、携帯は繋がらないので、俺はE子のゼミに行ってみることにした。適当な人を捕まえ、E子について聞いてみる。

俺「あの、E子さん居ますか?」
ゼミ生「いやー、最近見かけないね」
俺「そうですか」

他にも色んな人にE子のことを聞いて回ったが、E子の近状を知っている人は皆無だった。放課後に、直接独り暮らしのE子の自宅を訪ねてみたが、不在だったので管理人さんに聞いてみることにした。

管理人「〇〇さんねぇ、しばらく帰って来てないのよ」
俺「え、帰ってもいないんですか?」
管理人「そうよ、そろそろご実家に連絡しようかと思ってるの」
俺「そうですか…」

俺は頭を抱えた。別れた相手にここまでやるのは下手したらストーカーかもしれない。しかし、やっぱりあれだけ好きだったのだ、悩んでしまう。
しかし、どうすることも出来ず、いたずらに日数だけが過ぎていった。
そして、ゼミの授業が終わった時間。

D子「俺君」
俺「ん?何?」
D子「貴方がお付き合いしていた子について少し話があるんだけど」
俺「え?E子?何か知ってるのか?」
D子「何も聞かなかったの?」
俺「何もって…、何かあったかすら分からないし、何も言ってくれなかったんだ」
D子「…成程、そういうことね」
俺「何なんだよ、どういう意味だよ」
D子「どの道、抗えるとは思えないけど」
俺「は?」

意味が分からない。

D子「貴方達が昔に、あの子にした約束、覚えてないの?」
俺「あの子?約束…?」
D子「…知らない方が幸せなこともあるのよ」

そう言って、席を立とうとするD子。

俺「ま、待てって!!」
D子「A男君も…」
俺「A男…?」

予想外の名前に俺は驚いた。

D子「もう遅いの」

そう言ってD子は去って行って。
残された俺は、何もかもが分からず呆然としていた。
分からない…分からない。
知れ以来、結局E子は見つからなかった。そして何故か、C菜の夢を見るようになった。だが、幼少の頃に見ていた夢とは違い、C菜がただ俺をじっと見るだけ。何も発さない。一週間に数回、C菜の夢を見る。今日もC菜が俺を見てくるかもしれない。明日かもしれない。明後日かもしれない。何も言わずに、じっと見てくる。真っ直ぐ俺を見据えて。
長々となってしまったが、読んでくれた人ありがとう。
謎ばかりが残ってしまったが…俺も未だに分からないんだ。

2023年02月16日

C 菜の夢 12


E子「俺君…」
俺「大丈夫か?何があったんだ!?」
E子「ちょっと…貧血起こしちゃったみたい…えへへ」
俺「とりあえず、場所を移して休もう」
E子「うん、ありがとう…」

それにしてもこの部屋全体が異常なまでに寒い。本当に寒すぎる。
ただ室温が低いだけでなく…なんというか心に重く圧し掛かるような寒さというか。


…?
以前、これと同じような感覚を体験した気が…?

俺「一旦、外に出よう」

本来ならベッドに寝かせるべきなのだが、俺は何かの危険を感じ、E子を抱えて公園のベンチまで連れて行った。
E子をベンチへと座らせ、俺は横へ座る。
温かい飲み物を購入し、E子へと手渡す。
最初は顔が真っ青だったE子だが、徐々に落ち着きを取り戻したようだ。

俺「E子?大丈夫か?」
E子「…うん、大丈夫だよ」

しかし、E子が貧血持ちだったなんて、初耳だ。

俺「貧血…今まで無かったけど急に?」
E子「うん、ちょっと…ふらふらっときちゃって、でも大丈夫だよ」
俺「そうか…E子、誰かと話してなかった?」
E子「え?」
俺「誰かと話してた声が聞こえたんだけど」
E子「あ、うん、ちょっと来客中でね、俺君が来る時間だから急いで帰って貰ったよ」
俺「そうか…」
E子「…………」

何だろう?何か違和感を感じる。

E子「ごめんね…今日はもう、休ませて貰っていいかな?」
俺「あ、うん、そうだよね」
E子「せっかく来てくれたのに、ごめんね」
俺「部屋なで送ろうか?」
E子「ううん、ここで大丈夫」
俺「そうか、じゃあまた、元気になったらね」
E子「うん」

俺は帰る際、違和感の正体について考えた。
あの寒さ…エアコンを付けているわけでもないのに、あの寒さ…?
E子は来客中と言っていたが、俺がアパートに足を運んだ瞬間、声が聞こえた。
E子の部屋に行くまで、あの会話を聞いてから、ものの数分だ。
そんな早さでアパートの外に出ることが出来るか…?
まあ、階段は二つあるから、俺が片方を上っている間に逆から急いで降りた可能性もあるが。
…。
俺は妙な違和感を抱えながら、家へと帰った。
そしてその夜、俺は再び、あの夢を見ることになる。
空気が重く、どす黒い空間。あの夢だ。
後ろに気配を感じ、振り返る。

俺「!!!!!!!!!!!!」

俺は一瞬にして総毛立った。そこには、前の夢で見た青年が居た。しかし青年の目がおかしかったのだ。
片目がない…。

俺「…………」

俺は青年の異様な風貌に、固まってしまう。
青年は必死に、また何かを訴えている。
だが…相変わらず聞き取る事が出来ない。
次第に青年の顔がぼやけていく…。そして、俺は目が覚めた。
…………。
俺はさっきの夢について考えた。同じ夢を何回も見る。これはC菜の夢と同じ。そして、あの青年、どこかで会ったことがある気がする。俺は必死に、昔の記憶を頼りに、一致する人が居ないかを考えた。



…!
あっ!
俺は思わず声に出していた。
あの青年…。
あれは……A男だ。まさか、A男に何かが?胸騒ぎの消えない俺は、A男に電話をしてみることにした。そういえば、A男と電話するのなんて何年振りだろうか。A男から一回、電話が掛かって来たことはあった。そう、俺が加奈子さんの噂に巻き込まれた時だ。あの時、A男は何の用事だったんだろうか。そんなことを考えながら、ダイヤルを回す。


「お掛けになられた番号は、現在、使われておりません」
ダメか…。
これはもう、直接、A男の家へ行ってみるべきだろう。俺は授業が終わった後に、A男の家へ行ってみることにした。A男の家は、住宅街のかなり奥まった所にある。家は一軒家だが、かなり古びた造りで、平屋だった記憶がある。小学校時代に、何度も訪れているため、難なく訪ねることが出来た。
しかし、俺はA男の家の前で全く身動きが取れなくなっていた。

俺「……」

本から古びた造りだったが、これ以上ないくらい朽ちていた。どう考えても、人が住んでいるとは思えない。予想通り、インターフォンは押しても鳴らなかった。仕方なく、かなり強めにノックをする。
ドンッ!ドンッ!ドンッ!


反応が無い。
引き戸のノブに手を伸ばし、回してみたが、やはり鍵は掛かっていた。
どうしようか…とりあえず裏口に回ってみよう。
A男の家は正反対の箇所に裏口があった。
そこから入ればA男の部屋が近いから、昔はよくそこからお邪魔したっけ。雑草がぼうぼうに生えている庭をかきわけ、俺は裏口へと向かった。

俺「え?」

俺は裏側の壁を見て固まってしまった。

口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄
口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄
口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄
口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄
口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄
口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄口兄

何だ…これ?
裏側の壁いっぱいにペンキのようなもので文字が書かれている。ふ、と裏口に目を移すと、そこには大きく赤い色で一文字が書かれていた。



…あまりの異様さに声が出ない。
俺は必死になってその場から逃げた。怖かったのだ。何だよあれ…。意味分かんないよ…。
俺は先ほど見たものを必死に見なかったことにしようとした。実際、見てしまったことには変わりないのに…。
そんな中、E子と水族館へ行ったデートの帰り。

俺「今日、楽しかったね」
E子「うん」
俺「E子さ…最近元気がない時が多いけどどうしたの?」
E子「…………」
俺「何か悩みがあるなら言って欲しいんだ。もしかして何か俺に不満がある?」
E子「ううん、俺君のことは大好きだよ」
俺「そっか、何かあったらすぐ言ってね」
E子「俺君…」
俺「ん?」
E子「ずっと一緒に居たいよ…」
俺「勿論、俺だってそうだよ」

何故か、E子は少し涙ぐんでいる。

E子「一緒に居たいよ!居たいよ!!」

そう告げると、E子は堰が切れたかのように泣き始めた。突然のことに、驚きを隠せない俺。

俺「も、勿論だよ!」
E子「うう…うわーん!」

何か不安なことがあったのだろうか。俺はE子を優しく抱き締めた。

俺「大丈夫…大丈夫だから」
E子「…………」

ひとしきり泣いた後、E子はそっと俺から離れていった。

E子「ありがとう」
俺「ううん、大丈夫?」
E子「もう…………」
俺「え?」
E子「ううん、今日はもうありがとう!!またね!!」

E子は俯きながら去って行った。


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