2021年07月02日
意外と知らない小野小町
小野小町とは平安時代の人物。三十六歌仙などで歌われている。
よく世界三大美人の一人として名前が挙げられる。
【内容】
小野小町は生前の絵などがないため、絵師によって描かれたモノは後世による作品であり、記憶を元に描かれたものだと思われる。しかし絵師によっては当時の小町を完全なる想像で可能性があるため、正確な顔立ちについては不明。本当に美人なのか分からない。
しかも信憑性は限りなく低いだろうが、いとこはとこなどといった血縁者がいるが、恐らく自称、もしくは偶然名前が被っている可能性がある。
生誕地についても非常にあやふやで、宮仕えだったと考察されているが、墓所の場所もやたら多いのも特徴的で本当に実在していた人物さえ怪しくなってくる。
また、百夜通として非常に有名。昔の平安貴族の婚礼は結婚の条件が現代と比べて、通うだけで成立するものであり、難易度は低かった。しかし結婚率は高いが同時に、離婚も星の数だけあった模様である。
百夜通のエピソードから小町の町をとって、「待ち針」の名前が出来たとの逸話もある。
歌人として
・思ひつつ寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせば覚めざらましを
・色見えで移ろふものは世の中の 人の心花にぞありける
・いとせめて恋しき時はむばたまの 夜の衣をかへしてぞ着る
・おろかなる涙ぞ袖に玉はなす 我はせきあへずたぎつせなれば
などと色々な物があるが一番有名なのは、
花の色は移りにけりないたづらに 我が身世をふるながめせし間に
であろう。
義務教育で習う。習わなくとも人生で一度くらいは耳にする。
歌人として名高い小野小町であるが、伝説や伝承の意外なエピソードとして九相図の話がある。
九相図(九相詩絵巻)、別名「小野小町九相図」というものがあり、檀林皇后(橘喜智子)が実際に行ったとされているが「我死なば焼くな埋むな野に捨てて 痩せたる犬の腹を肥やせよ(埋葬せず野犬に食われるまで道端に亡骸を放置していて下さい)」と遺言で伝えた。
九相図の段階として、
・脹相 (腐敗ガスで遺骸が膨らむ)
・壊相 (腐乱の進行のより皮膚が破れ始める)
・血塗相 (腐敗の損壊が進み、体内の液体が流れ出る)
・膿欄相 (死体が腐敗により溶ける)
・青瘀相 (亡骸が青黒くなる)
・噉相 (蛆などの虫が湧き、害虫に食い荒らされる)
・散相 (肉体がバラバラになる)
・骨相 (骨だけの状態になる)
・焼相 (骨が焼かれ灰になる)
といった九つの段階である。
小野小町は絶世の佳人(美女)と言われるだけに男性に言い寄られることが多く、僧として修業する懊悩の妨げとなっていると思い、美しいものが無残にも醜い姿になっていく様を見て煩悩を取り除こうとした。
その昔、僧は女性の身体に触れるだけで地獄に墜ちると言われており、後世創造の多い小野小町はともかく、実際に九相図を行ったとされている檀林皇后も美女であったため、僧たちの思いを懸念して、帷子辻にて遺骸を放置させたものだとされている。
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