2015年07月27日
さよなら、シリアルキラー
久方ぶりです……
最近とにかく、暑いですねぇ
少し夏バテ感もあったり…しつつ。
珍しく、外国文学でございます
バリー・ライガ 著, 満園真木 翻訳
『さよなら、シリアルキラー』
小さな街で、名を轟かす
連続殺人犯
を、父に持ジャズという
少年が主人公です
父が逮捕され、祖母と
二人、暮らしていましたが
とある、殺人事件
その現場の捜査を
じっと見つめるジャズ
父から「英才教育」を
受けてきた彼は
殺人犯の目線に立ち、
この殺人事件が
連続殺人になる、と
確信し、事件解決に
乗り出そうと思いますが……
父親が連続殺人犯、それも
非常におぞましい連続殺人犯
であるということからくる
周りのどこか距離を置いた目
しかし、あまり、シリアスな
雰囲気はないのです
いや、シリアスではあるのに
重さがあまりない
理由の一つは、彼の親友と
彼女の存在でしょうか
どちらも、素敵な
キャラクターで、
ジャズ曰く、
彼が狂気へいくのを
食い止めている人物の
ようです
「獲物」を見た時に
それはもう自然と
どのようにして殺すのか、
が頭によぎってしまうほど
徹底して「英才教育」を
受けたジャズは、それでも
心の中で呟き続けます
人は大事だ、人は大事だ……
壮絶な人生を送っている
にも関わらず
どこも卑屈な、というか
狂人的なところがなく
ごくごく普通の高校生として
悩んでいる
そうこうしているうちに、
ジャズの予想通り
第二の被害者が現れ……
連続殺人犯がこんな
小さな街で2人も
出るはずがない、と
思い込みたい、そんな
人々の視線は
自然とジャズへ向きます
連続殺人犯の息子だから
という理由で、
インタビューをどうにか
とりつけようとする記者
ジャズの望む望まぬに
関わらず、彼を
施設へ入れようとする大人
そんな、理不尽に
悩み、時に怒りながらも
ジャズと親友との
会話はとても楽しいものですし
恋人との会話は
とても素敵だと思います
父親の「職業」に
何の疑問を持たない程まで
洗脳されてしまっていた
少年が、父親の逮捕を
きっかけに、
自分は、変わろうと
必死に努力をはじめる
変化出来ない自分を
一方で誇りに思いつつ
一方で自虐的に思いつつ
しかしながら、彼の
成長からは、なかなか
目が離せない
どうも、応援したくなって
しまう少年です
その一方で、難解な
連続殺人事件
この捜査も、一体
警察が犯人を見つけるのか
ジャズが見つけるのか
それとも、見つからないのか
ハラハラします
結果はどうなるんでしょう?
テーマとしては、かなり
重いはずなのですが
サスペンス要素と
ジャズとその素敵な仲間達の
お蔭であまり心に重く
ずっしりとくることもなく
ぐっと読んでしまえます
外国文学ということで
この、自然と異文化な
ところも、やはり外国文学の
魅力ですね
日本の文学でも
まだまだ読みたいものが
ありすぎて
普段手が出せないで
いるのですが
たまに手をだすと
いやぁ面白い。
是非是非どうぞ
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