2015年07月16日
春の雪
さてさて、台風が近づいて
風が強いですね……
私はレポートの嵐に
直撃されております
(言い訳)
本日はこちら
三島由紀夫著『春の雪』
よくよく考えたら
春か冬かに紹介した方が
いろいろと良かったのでは
とか思われそうですが
この際良いでしょう…←
美青年の松枝清顕と
圧倒的な美貌を持つ綾倉聡子
松枝清顕は、男らしさを失い
女々しくしかしそれが
雅に映るような形で
成長していった青年
その、美しさ
しかしその裏にある危うさ
歪んだ自負の念を持ち
そして、その歪みは
聡子にも向けられる
聡子からの、好意に
気づきつつ
彼は、彼女を傷つける
ことに躍起になり
つまらなくなり
しかし、彼は確かに
彼女に恋をしていた、
はずなのに、本当に
聡子のことが
嫌いなのだろうかと
思えてしまうほど
乙女心……ではなく
美青年心は難しいですね笑
しかし、そんな歪んでいて
進展などしそうになくて
案外、進展しそう、
それぞれが幸せな形で
結ばれるのかしら、と
思ったところで
再び、松枝清顕は
その心の歪みを出してしまう
疑心暗鬼になり
聡子が自分を子ども
扱いをしていると憤り
誇りを傷つけられたと
恨み、そうして……
聡子との関係が
描かれる前から
破滅の色を濃く
滲み出させている
美青年
彼は、こわれるしか
ないのではないか、と
そう思わせる
彼が聡子への
愛情をはっきりと自覚し
燃え上がるのは
その恋が互いの
破滅を導くものに
なってから、
狂おしい程
聡子を求め、
むしろ、破滅を
望むかのような二人
さて、その恋愛模様のすえ
二人はどのような
結論を出していくのか……
歪んだ人間が好きな方は
是非是非読んでください
存分に歪みっぷりを
堪能できる美しい一品
そう、美しいというのが
やはりポイント高いと
思うのです
題名は春の雪ですが
本当に雪の降っている
描写はいくつかありますが
どれもこれも美しい。
二人の初めての逢瀬の
描写も、美しく
歪んで恐ろしい雰囲気の
内面と対照的に
描かれる情景の
美しさに麻痺を起して
本当に、彼らの歪みが
美しく思えてくる
しかし、美しいものは
何と儚いことか……
しかし儚いこともまた
美しいの要因でありまして……
是非是非、読んで頂きたい
傑作でございます
人気ブログランキングへ
新品価格 |
価格:766円 |
【このカテゴリーの最新記事】
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/3933020
この記事へのトラックバック