2015年07月03日
さようなら、ギャングたち
おはようございます。
本日はこちらです
高橋源一郎著『さようなら、ギャングたち』
何というか「すごい」作品
好みが真っ二つに分かれる
タイプなのだろうな、とも思います
あらすじ……を書けない笑
文庫の後ろには
「人々は昔、親によってつけられた
名前をもっていた。
それから人々は、自分の名前を
つけるようになった。
だが、恋人たちは違ったやり方で……」
と書かれているのですが
ここ辺りも、十分
魅力的な部分とはいえ
まだまだ序章でしかありません
序章、でもないかもしれない
そもそも、このお話自体が
そんな単純な話ではなく……
異世界へ突然吹っ飛ばされて
そのなかで、真剣に何かを
考える、ことしかできない。
起承転結などというものを
軽々と越えて読者を
嘲笑っているような
作品です
次に何が起こるのかわからない
どころか、今何が起きているのかも
分からないような
でも、その分からない物事へ、
巧みな言葉遣いで
読者を惹き付けてしまう
訳がわからない、うん。
訳がわからないんですけれども。
「ギャング」という言葉
ひとつとったって
結局ギャングとは
何なのか
この世界でしれっと起こること
起こること、一体どういう意味なのか
分からなくて
そのうち分かるのかなぁ、と
読み進めていくうちに
また別の「わからない」が
現れて……
ても真面目
壊れているのか、
おかしくなってしまったのか
そう思いそうになる
絶妙なバランスで、真面目。
時に泣きたくなるほど幸せで
笑いたくなるほど悲しい
主人公や、
その他のキャラクターに
感情移入できるほど
彼らのことが分かるはず
ないというのに、
胸に迫る幸福
ガンと殴られたような虚無感
やるせないほどの切なさ
心臓を投げるような怒り、悲しみ
おかしい、こんな生々しい
はずはないのに。
キャラクターよりもさらに
この大きな感情に
溺れそうになってしまいます。
でも、物語は待ってくれない
とことん、読者に優しくない
作品のようです笑
ついてくるなら、ついてこい!
そう言われて
思わずついていってしまう
そんな感じがあります。
ある意味で
詩のようでもありますが
しかし終わりまで読んでみれば
これはまごうことなく、小説です
確かにあっちこっち飛び回りながら
一つのお話だった訳で、
題名は確かに
『さようなら、ギャングたち』
でないといけないと分かる
とにもかくにも、「たまげたなぁ」
という作品。
魅力に捕まれば、読みきるのは
あっという間です
これほど訳がわからないのに
読者を離さない、ということが
可能なのか、と感心します
なにがはじまるんだろう?
そんな不可思議な気持ちで
是非とも、読みはじめて
見てください
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