2015年06月13日
天国旅行
おはようございます
さてさて、本日はこちらです
三浦しをん著『天国旅行』
表紙が素敵ですよね。
思わず手に取ってしまった
短篇集です。
「心中」をモチーフにしている
小説ばかりが
おさめられています
しかし、この小説に出て来る人々が
必ず心中をしているかというと、
そういう訳でもありません
まず、心中しようと、自ら死を選びとろうと
する人々は、死というものを
一体どう捉えているのか
死を迎えれば、今、この現実から
逃れられる、という
死を救済と考えている人もあれば
腹いせに、抗議の意を示して
死を選ぶ人もいる
死というものは、激烈だから……
何か、不可侵ななにものか
神聖な力があるような
そんな気もする
だから、愛の究極の形は
死ぬことである、心中である
と叫ぶ人もいれば、
それに対して、いや、
死は死でしかない
と生きて暮らす日々を
慈しむ人もいる
しかしながら、まぁ、
死を選んだ人の
その瞬間の壮絶さ
思いの激しさ。
そのようなものを感じる
作品が多いものです
しかし、一方で
普段私達が考える「心中」と全く異なる
スケールで語られる心中
見解で語られる心中もあります
共に死ぬ、というようよりも
死を共有する、といった、そのような……
死をして結びつく人々
恋人のみならず、複雑な関係であっても
死を共に共有しよう、というその時
人と人の間には、恐ろしく激烈な
結びつきが生まれてしまうものなのだ、
と震えが走ります
しかし、だからといって読者は
死を望むようにはならないと思うのです
むしろ……
生きる事について、
まざまざと考えさせられる
生きる事が、手放しで素晴らしいとは
言えないかもしれない
現実というものは、あまりに
辛いものなのかもしれない
それでも、生きることについて
考えさせられます
死を扱っているからといって、暗く暗く
という話ばかりではない
むしろ暖かさを感じる話さえ、一つではありません
最後におさめられた「SINK」というお話は
最後の最後に命の光を見せて
この短篇集を終えてくれるようで
個人的には一番のお気に入り。
全て読み終わり、
目次をもう一度見返すと、
構成も素敵だったなぁ、と
しみじみ思う良短編集です
是非是非
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三浦しをん著『天国旅行』
表紙が素敵ですよね。
思わず手に取ってしまった
短篇集です。
「心中」をモチーフにしている
小説ばかりが
おさめられています
しかし、この小説に出て来る人々が
必ず心中をしているかというと、
そういう訳でもありません
まず、心中しようと、自ら死を選びとろうと
する人々は、死というものを
一体どう捉えているのか
死を迎えれば、今、この現実から
逃れられる、という
死を救済と考えている人もあれば
腹いせに、抗議の意を示して
死を選ぶ人もいる
死というものは、激烈だから……
何か、不可侵ななにものか
神聖な力があるような
そんな気もする
だから、愛の究極の形は
死ぬことである、心中である
と叫ぶ人もいれば、
それに対して、いや、
死は死でしかない
と生きて暮らす日々を
慈しむ人もいる
しかしながら、まぁ、
死を選んだ人の
その瞬間の壮絶さ
思いの激しさ。
そのようなものを感じる
作品が多いものです
しかし、一方で
普段私達が考える「心中」と全く異なる
スケールで語られる心中
見解で語られる心中もあります
共に死ぬ、というようよりも
死を共有する、といった、そのような……
死をして結びつく人々
恋人のみならず、複雑な関係であっても
死を共に共有しよう、というその時
人と人の間には、恐ろしく激烈な
結びつきが生まれてしまうものなのだ、
と震えが走ります
しかし、だからといって読者は
死を望むようにはならないと思うのです
むしろ……
生きる事について、
まざまざと考えさせられる
生きる事が、手放しで素晴らしいとは
言えないかもしれない
現実というものは、あまりに
辛いものなのかもしれない
それでも、生きることについて
考えさせられます
死を扱っているからといって、暗く暗く
という話ばかりではない
むしろ暖かさを感じる話さえ、一つではありません
最後におさめられた「SINK」というお話は
最後の最後に命の光を見せて
この短篇集を終えてくれるようで
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