2015年05月30日
友情
本日も暑くなりそうですね…
夏バテ等には、十分お気を付け下さいね
さて、本日はこちら
武者小路実篤著『友情』
うーむ・・・
既に読みました、という方が
多いかもしれませんが。
恋愛小説なのですよね
冴えない主人公野島が、
おそらく美人なのであろう
杉子に恋をして
親友大宮にその胸のうちを
告白し、相談しながら
杉子にアプローチ…
出来ていると言って
いいのか、どうなのか笑
何しろ冴えないんです、彼
体は貧相だし
(大宮はがっちり男らしい)
妄想しかしてないし
(しかも妄想激しい)
ずーっと、野島目線で
物語は進んでいくのですが
この恋がうまくいく気が
する読者は、
いないんじゃないか、
という位、野島と杉子の
関係は全く縮まらない
さて、そんな野島を
気の毒に思って
いろいろと手を貸してあげるのが
大宮です
親友大宮が、非常に良い人
なんですよね・・・
何となく、大宮は
杉子はあんまり好きじゃない
けれども
野島が愛している
と言っているんだから
野島とどうにか
くっ付いてほしい
と、思っていそうな感じ
しかし、野島は
勝手にうじうじ悩んで
妄想して
杉子に求めるものも
結構独りよがり
女の私からすると
野島に対して
同情だとか、頑張れ!
だとか、全く
思いませんでしたね・・・笑
無理無理、絶対無理
杉子さんを
よく見てあげて
脈ない!絶対脈ないから!
さらに、物語が進むに
つれて、野島は
おそらく意識的に
無視しているのですが
ある、野島にとって
悲劇的な
展開へと
物語は進んでいきます
ちなみに、私は
それを見て
そりゃそーだ。笑
と思った覚えがあるのですが
しかし、自分に
都合の悪い現実から
ひたすら目を逸らす野島は
ついに杉子に
結婚を申し込み……
最後の数ページが
圧巻です
野島がずっと
目を逸らし続けていた
問題と、対面する
時が来た、とでも
言うのでしょうか
そして、最後をもって
この物語が
恋は盲目、だとか
独りよがりの愛だとか
そんなんではなく
友情
という題名だったことが
よくよく納得されます
この物語、
確かに友情ありきの
物語でした
そのことがよくよく
了解されます
そして、最後
しっかり友情で終わる
終わり方が
すっきりしています
悲劇的ながら
すっきりしている
それまで、魅力的な
女性として描かれていた
ように思われる杉子
でしたが、
この物語の中で
真に魅力的なのは
杉子ではなく
固い友情で結ばれた
野島と大宮という
二人だったのだなぁ、と
野島だけでは
魅力は無いと思います・・・
大宮だけでも、
駄目なんだろうなぁ、と
しかし、この二人の
友情は、確かに
固いものであって
二人以外には
分からないものも
あるのではないか、と
最後の最後
野島の言葉は
少し、意外なのです
自分勝手な野島が
そうか、こんな言葉を
吐くのか、と
野島を成長させたのは
盲目の恋ではなく
友情だったに違いない、と
はじめて、野島
頑張れ!
と思わせて
物語は幕を下ろします
非常に巧みに
読者を惹きつけ
動かしてきますね、
この物語は
間違いない、傑作です
まだ、読んでなかった!
という方は
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