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2020年11月26日

危険度カテゴリー4(十一月廿三日)



 先週の金曜日に、チェコ国内の感染の危険度を示す指数が一週間75以下のカテゴリー4相等だったことで、今日からチェコ全体がカテゴリー4となり、それに伴って規制が一部緩和された。このカテゴリー分け、20ごとかと思ったら、4と5だけ違っていて、境界が75、つまり4は60から75、5は76から100となっている。
 犬システムが発表された時点では、国全体は70で、一部の地方で75を越えているところがあったのだったか。それが全国的に75以下に下がり、一週間その状態が続いたことで、金曜日に政府の会議で警戒レベルをカテゴリー4に下げることが決定したのである。そして、現在では数値がカテゴリー3に入るところまで落ちているので、これが金曜日まで継続した場合には、来週から更なる規制の緩和が行われる可能性もある。

 とまれ、警戒レベルが4になったことによる規制の変更としては、夜間の外出禁止が21時からだったものが、2時間短縮されて23時からになった。同時に営業が許されているスーパーマーケットやレストランのお持ち帰り用窓口も23時までは営業を続けてもいいことになった。よくわからないのは23時まで営業している店舗で買い物をして帰る途中に23時を過ぎてしまった場合に、外出禁止に違反したことになるのかどうかである。従業員は、仕事帰りということで例外扱いされるようだけどさ。

 それから、犬システムに記載があったかどうか記憶にないのだが、銃や銃弾などを販売する銃砲店の営業再開が許可された。これは、秋の狩猟期が始まって猟師たちが使用して足りなくなった銃弾などを補充できないという問題への対策らしい。特に今年はまた、ドイツ、ポーランドなどでアフリカブタコレラが、野生のイノシシの間で流行し始めているらしく、チェコでも増え続けるイノシシの数を減らす必要があるため銃砲店の再開店が必要なのだという。
 しかし、テレビのニュースで登場した買い物客は、猟師などではなく、射撃を趣味とする人で拳銃を購入して、射撃場の営業再開が待ち遠しいと語ってた。考えてみればチェコの猟師というのは個人個人で活動しているのではなく、猟師会のような組織で活動しているのである。それなら組織から銃砲店にまとめて発注すれば、納入業者扱いになって特に開店させる必要はないような気もするのだけど、銃好きの人たちの運動に首相か、大臣が心を動かされたかな。

 意味がわからない営業再開の許可としては、ペットサロンも挙げられる。ドッグフードなどとペット向けの食品を扱うペットショップが営業を続けているのは、人間にとっての食料品店だと思えば理解できなくもない。しかし、ペットの見た目をよくするためのペットサロンの営業を再開させる必然性はどこにも見えない。どうせペットを集めてのイベントなど行なわれないし、他人の家に連れて行って自慢するなんてこともできないのだから、見た目の修正など不用だろうに。
 人間の見た目を修正するための床屋や美容院とは違って、人と人の接触が少ないから、感染を広げる可能性は低いというのが、その再開許可の理由らしいけれども、飼い主がペットサロンまでペットを連れて行かなければならないことを考えると、大差はないような気がする。帰省が導入された時点で、例外として営業の継続が認められていたのかもしれないけど、チェコの政府のやることにはよくわからんといいたくなることが多いのである。

 こんな状況で、閉店を余儀なくされた小売店の中には、同じような商品を扱っているのに、自分たちだけが営業を禁止されるのは不公平だとして裁判を起こそうとしている人たちがいる。例えば、衣料品や、靴、書籍などを販売する専門店は、営業禁止の対象になっているが、これらの商品を販売する大型スーパーは、入店人数に制限がかけられているとはいえ、規制を受けることなく営業しているのである。
 スーパー内の服の販売が問題ないのであれば、衣料品店での服の販売も問題ないはずだというのが、専門店側の意見である。同じようにスーパーで手に入るものでも、ペット用品に関してはペットショップの営業が許可されているというのも不公平感を煽るのだろう。ネットショップで購入した商品の受取所を兼ねている店舗でも、店内に客を入れることはできても、自分の店の商品は販売できないと言うよくわからないことになっているし、小売店の人たちが不満を抱えるのも理解できる。

 チェコの人が命をかけるようにプレゼントを購入するクリスマスが近づいていることを考えると、営業中の店の数が少なく、店の前に長い行列ができてしまうことが予想される。それなら、多くの店の営業を再開させて客を分散させたほうが、感染の危険は減るような気もする。政府としては意地でもクリスマス商戦に向けて、11月末、もしくは12月初頭に小売店の営業再開を目論んでいるようだから、心配することもないかな。
2020年11月24日17時30分










posted by olomoučan at 07:57| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ

2020年11月17日

犬システム(十一月十四日)



 犬はチェコ語で「ペス(pes)」という。それが昨日ブラトニー厚生大臣が発表した、流行状況に基づいて各地方の危険度を数値化して、規制の強化と緩和を定めるためのシステムの名前である。正式名称は「Pětistupňový epidemický systém」だったかな、「Protiepidemický systém」かもしれない。危険度の指数を元に5つの段階に分けて、段階ごとにどのような規制を行うかを定めたものである。

 感染状況が改善しつつある現在、今後はこの表を元に、数値が改善し、危険度の段階が下がることに規制が緩和されていくことになる。野党が政府の対応を批判していた一番の理由は、規制の導入も緩和も場当たり的で、基準となる数値がないことだった。夏場に導入された緑、オレンジ、赤に色分けする信号システムも、当初は歓迎されたが、色が変わる規準が全く公表されなかったのと、色ごとの状況の説明はあっても、どんな規制を行うかは決められておらず、規制の決定に関してバビシュ首相の介入を招く原因になっていた。
 ボイテフ氏に代わって就任したプリムラ氏も同様に、規制のあり方に基準がないとか、今後の規制緩和のロードマップみたいなものがないと野党側から批判を受けて、あるけど公表はしないと強弁していたけれども、あの頃準備を始めていたものが、ようやく完成して出てきたといってもいいのかもしれない。

 とまれ、犬システムでは、最近14日間の人口10万人あたりの新規感染者数、病院の空き病床数(割合かも)などいくつかの規準となる数値を元に指数化し、危険度を0から100で示し、20ごとに5段階に分けられる。その段階ごとに、マスクの着用や外出の制限など27の分野における規制が定められている。
 そして、例えば最高の第5段階から、第4段階に規制のレベルを下げるのは、一日だけ危険度指数が第4段階になるだけでは駄目で、その状態が一週間続いて初めて、レベルを下げるのだという、これは、数値が下がってすぐに規制を緩和したら、またすぐに数値が悪化することが予想されるからだという。日々の数値に一喜一憂することなく長期的な傾向を確認した上で、規制を緩和するというのは賢明なことであろう。特に経済界からの圧力に弱いところのある今の内閣を考えると、危険度下がったらすぐに規制緩和と言い出しそうだし。
 それで、昨日の時点のチェコ全体の危険指数は、70で第4段階だが、来週の金曜日の時点で、第4段階の数値が一週間続いていた場合に、再来週の月曜日から第一弾の規制緩和が行われるという計画のようだ。金曜日に規制の変更を決めて、月曜日から適用するというのも、週末を準備の時間として使えるから、悪くない。

 後は、本当にこのシステムに基づいて規制の緩和と強化を実施できるかどうかだけである。本来であれば、第一波の抑えこみに成功した夏の間に準備しておくべきことだったのだろうが、あのころ、チェコの武漢風邪の流行がここまでひどいことになると予想していた人はいなかっただろうし、政府も野党も含めて、チェコ全体が、春の流行の際にヨーロッパでは最も成功した国になったという事実に酔っていて油断していたというのは否定できまい。
 今回も、予想以上に感染者の数が減り始めたら、このシステムを無視して規制緩和を主張する人が出るんだろうなあ。あの大臣とかさ。バビシュ首相は夏の失敗で懲りていそうだから、自分ではなくほかの大臣に主張させそうである。ゼマン大統領も何を言い出すかわからないか。

 さて、この犬は、政府を守る権力の犬になるのか、民衆を守る番犬になるのか。厚生省としては後者の意味でつけたのだろうけど。
2020年11月14日23時。








posted by olomoučan at 08:19| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ

2020年11月14日

山を越えたか(十一月十一日)



 毎週新規感染者数が前の週と比べて大きく増え続けていたチェコだが、十月の最終週ぐらいから前の週と同じぐらいのレベルで推移するようになり、今週に入って減少傾向に入ったように見える。もちろん減っているのは、新規感染者の数であって、感染者は今でも平日は毎日一万人弱ずつ増えているから、累計の感染者数は増え続けて、45万人に近づきつつある。
 現在感染中で隔離されたり入院したりしている人の数は、日々増えたり減ったりしている。これは春の時期にもあったことだが、新規の陽性患者のデータの処理が優先されるのか、治療済みの人のデータは、ある日突然増えることが多い。陽性であり続ける期間に関して、個人差があるにしても、陽性から回復して陰性になる人の数もある程度一定になるはずなのだが、日によって、追加される数が数百だったり、三万人以上だったりとあまりに大きな差が出ている。厚生省のHPでは、データが出てきた日ではなく、後日数字を実際の検査の日に修正しているようなので、それなりの数字になっているようだけど。

 こういう流行の拡大がとまりつつある状況を受けて、サッカーなどのプロリーグの試合再開が許されたのだろうが、今日はさらに来週の水曜日、18日から、小学校の1年生と2年生の授業が再開されることが発表された。学校に通い始めたばかりの子供たちには、オンラインの授業を自宅で集中して受けるというのは難しいに違いない。その結果、子供たちの学びが遅れるリスクと、現状の感染拡大のリスクを比べた結果の決断なのだろう。ドイツなどの国でも、学校の閉鎖だけは避けるというのが対策の一つになっているようだし。
 当初の予定では11月2日に小学校の授業が再開される予定だったから、ほぼ二週間遅れということになる。同時にR指数が0.8になることを条件にしていたが、現時点では0.9ぐらいのようだ。このまま行けば来週までには0.8まで下がるという計算なのだろうか。個人的にはクリスマス商戦が本格的に始まる11月末までに、何とか規制の緩和を始めて、チェコ人がプレゼントに命を欠けているといってもいいクリスマスだけは、例年通りにしたいという意図が見えるような気がする。

 あちこちでワクチンの開発が進んでいるという、ロシアや中国のはちょっと信頼性に疑問を感じてしまうのだけど、ニュースが流れ、チェコ政府でもすでにかなりの数を、完成していないのに予約しているというから、ワクチンの存在前提で第3波を抑え込もうとしているようにも見える。いや、大学、高校の試験期間である1月から2月前半にかけて学校を再開できるだけの規制緩和をして試験だけは学校で行って、また来学期はオンラインで、5月、6月の試験期間に規制緩和するということを考えているのかもしれない。流石に高校の卒業試験とかオンラインでやるのは無理がありそうだし。

 考えてみれば百年前のスペイン風邪も、完全に沈静化するまで2年かかったというから、最悪そのぐらいは続くことは覚悟しておいたほうがよさそうだ。当時より医療そのものだけでなく、感染症対策も大きく進歩しているとはいえ、現在はいわゆるグローバル化によって世界中の人の行き来が盛んになって感染症が外国から入ってくるリスクははるかに高くなっている。
 今後も、暫くは規制を厳しくしたり緩めたりしながら、社会が崩壊しないような舵取りが政府に求められるのだろう。バビシュ首相も今年の夏のような、めちゃくちゃなことはもうしないだろうけど、ちょっとうまく行きそうになると、調子に乗って規制をどんどん解除してしまいそうな不安がある。逆に、感染症の専門家にだけ任せていたら、規制することを優先して経済的に大変なことになりそうだし、どうなることやらである。
2020年11月12日20時。









posted by olomoučan at 08:13| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ

2020年11月04日

墓参りの日(十一月朔日)



 日本でお墓参りというと春秋のお彼岸の時期、夏のお盆の時期にするものだが、チェコでは、十一月の初めがお墓参りの季節である。これは、馬鹿どもが馬鹿騒ぎをする日として日本でも定着しつつあるらしいハロウィンと起源を共通にしているのだろう。ただし、チェコではハロウィンはそれほど定着していないので、12月5日のミクラーシュの日とは違って、騒ぎに巻き込まれるようなことはない。プラハでは知らんけど。

 ところで、チェコではプリムラ前厚生大臣が退任前の最後っ屁として導入した規制の適用が始まっている。そのうちの一つは深夜の外出禁止で、夜9時以降、朝5時までは例外を除いて家を出ることが禁止された。例外は仕事の行き帰りと病院に行く場合、それに犬の散歩ということになっている。犬の散歩だけは自宅から500メートル以内の範囲に限るという制限がついているが、夜中に犬の散歩なんて必要な人がいるのかね。
 すでに、ニュースでは、犬のぬいぐるみを小さな台車に乗せて紐で引きずりながら歩いていた人が、警戒中の警察に止められて、犬の散歩中だと主張する様子が流されている。そのせいか、警察では、通勤、もしくは仕事帰りというのもそのまま信用はできないということで、外出禁止の時間帯に通勤のために外に出なければならない人には、会社などの雇用主に証明書を出してもらうよう求めているようである。

 もう一つの規制の強化は、スーパーマーケットなどの現在でも例外的に営業が許可されている店の、日曜日の営業禁止である。例外的に薬局とガソリンスタンドの売店、駅やバスターミナルなどの売店だけは営業が許可されている。日曜日の営業禁止は、他の規制と同様、人々の外出の機会を減らし、家族以外との接触を減らすことを目的としているという。
 しかしこの規制は発表された時点で、その効果が危ぶまれていた。チェコは共稼ぎの家庭が多く、週末にまとめて大きな買い物をするために、郊外の大規模ショッピングセンターに入っているスーパーに買出しに出かける人が多い。その週末の買い物客が、土曜日に集中することで、店内の混雑が激しくなることが予想されたのである。一応、単位面積当たり何人までの入店を認めるという規制はあるが、すべての店で対応できるとも思えない。
 店内が混雑するということは、同じ空間の中にいる人の数が増え、他人と同じ空間の中にいる時間も長くなるということで、これはこれまでの感染症対策に逆行するのではないかという批判の声が上がった。ただでさえ、日々の営業時間も、閉店時間を早めることが求められているため、短縮されているのである。つまり時間当たりの買い物客の数が増えているわけである。

 そんな中、規制が始まって最初の土曜日は、予想通り各地のスーパーマーケットは混雑していたようだ。ただ、もともと週末の二日間のうち、土曜日の方が買い物客が多いのだが、その普段の土曜日よりも多少多いぐらいですんだという。一つには、ショッピングセンターに入っているほかのお店が軒並み、Eショップで買ったものの受け取り窓口以外は閉店しており、買い物の間子供を遊ばせておくコーナーや、フードコートも閉鎖中なので、暇つぶしに出かける客が減り、買い物が必要な客も滞在時間が短くなっているからだろう。
 それでも、流行の拡大を防ぐという観点から言えば、一時に入店する客の数が増えすぎないほうが望ましいわけで、そう考えると、日曜日の閉店を強制するよりは、スロバキアでは確か再度導入されているはずのお年寄り専用営業時間を設けたほうがましじゃないかとも思う。チェコの場合には、他の国とは違って当のお年寄りたちがこの制度に不満をぶちまけていたから再導入は難しいのだろうけど。

 そして話は冒頭の墓参りに戻る。チェコの墓参りの日は、本来11月2日なのだが、今年は月曜日のため、政府の慫慂もあって、その前日の日曜日に、つまり今日墓参りに行く人が多かった。墓地の近くには、墓参りの際には献じるお花や、蝋燭を売る店が出るのが普通である。今年は、本来であれば規制の対象となって営業できないはずなのだが、政府が例外を認めて営業していた。ただ、お墓参り用品は形だけ他の商品ばかりという売店もあったみたいだけど。流石チェコである。
2020年10月2日22時。





 日曜日の方が時間の都合がつきやすいので、本当のお墓参りの日である月曜日には、それほどお墓は混雑しないものと思っていたら、お墓の近くで渋滞が起きているというニュースも流れた。







posted by olomoučan at 07:55| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ

2020年11月03日

ちょっと心配な厚生大臣(十月卅一日)



 就任から一ヶ月ほどで辞任に追い込まれたプリムラ氏に代わって、いつ辞任したのか、解任の手続きが行われたのかはわからないが、木曜日に新たな厚生大臣がゼマン大統領によって任命された。新たに厚生大臣になったのは、事前に予想されたとおりブルノのマサリク大学医学部の大学病院で小児病棟の長を務めていたヤン・ブラトニー氏である。
 任命式はラーニの城館に滞在中の大統領の下で行われたのだが、最近腕の骨を折って以来、衰えが目立ち、以前は立って行っていたようなことでも、椅子に座ったまま行うことが増えているような気がする。少なくともニュースの映像によれば、ブラトニー氏の任命の儀式も、椅子に座ったまま任命の証書を手渡す形で行われたようだった。

 そして、新任の厚生大臣であるブラトニー氏に助言をしたのだが、その中身がまた物議を醸した。まず、厚生大臣というのは政治的な役職だということを強調して、おそらく単なる医療の専門家としての意識ではいけないということを言おうとしているのかと思ったら、「ビシェフラットにだけは足を向けるな。危険だから」と、前任のプリムラ氏が辞任に追い込まれた事件にあてこすった。
 マスコミが罠をはって待ち構えているから、スキャンダルの原因になるということだろうか。あの件は、プリムラ人気を恐れたANOの仕掛けだったと言われた方が納得がいくような気もするのだけど。それはともかく、状況が普通なら、ゼマン信者に限らず、こういうマスコミに対する当てこすりを喜ぶ人はいそうである。ただ、現在の流行の拡大が止まらない状況では、そんな余裕のある人は多くはあるまい。

 さて、肝心のブラトニー厚生大臣だが、就任早々、周囲を不安にさせるような事実が判明している。この人、チェコの優秀な医師の例に漏れず国外でも、具体的にはアイルランドだったかな、長年医療活動に従事した経験があり、小児科医として優秀であるのは疑いないのだが、感染症についてどこまで詳しいのだろうかという疑問は残る。
 あるマスコミが、今年の春のこととして報道していたのは、ブラトニー氏が春の武漢風邪流行の際に、これは「重いインフルエンザのようなものだ」と公の場で複数回発言していたという事実である。個人的には、この認識は正しく、世間一般が風邪やインフルエンザを軽視しすぎるのが問題だと考えているのだが、特別な感染症対策が重要なこの時期に、このような発言をした人物を責任者としてすえるのはいかがなものかと考える人がいてもおかしくない。

 そして、就任後のある会見の際に、一人の感染者が何人の患者を新たに感染させるかを示す指数であるR指数について、頓珍漢なことを語ったらしい。本来この指数が1.5の場合には、1000人の新規患者が、さらなる1500人の新規患者を産むということで、合計すれば2500人になることを意味するはずである。それを、1000人が1500人に増えるということだと、一度ならず発言したという。これでは、1000人の患者が500人しか患者を増やさないことになり、最初の1000人の治療が終われば、500人しか残らないのだから、感染者の数は減っていくはずである。
 この辺は、厚生省の専門家が、その中には辞任したプリムラ氏も含まれるけど、新大臣を教育していくことになるのだろうけど、マスコミの人間や、素人でも、これまでの説明を受けて理解していることを、医療の専門家である新大臣が誤解しているというのはなんとも頼りないことである。現時点では規制の強化はしないと断言しているが、それがこの誤解が理由だとしたら、ちょっと心配になる。正直。これ以上の規制は勘弁してほしいと思うけど。

 この二つ以上に、先行き不安になるのは、ブラトニー氏に、バビシュ首相の退陣を求める署名活動に賛同して署名した過去があるという報道だった。この春まで、何度も全国的な反バビシュ首相のデモを主宰してきた「ミリオン・フビレク」という団体が、二年前だったかなに、行った署名活動の際にブラトニー氏も署名したというのだ。
 当初は、他人に名前を使われたなんてことを言っていたような気もするが、最終的には自分自身が署名したことを認めた。署名活動なんて、内容をよく考えずに、知り合いにたのまれたからという理由で署名することも多いのだから、特に気にせず最初から認めればよかったのにと思ってしまう。最終的には、バビシュ首相と、政治的な信条よりも、現在は流行の拡大を阻止することが大切だということで合意したらしい。

 現時点ではきれいにまとまってよかったねというところだが、バビシュ首相のことを考えると、この問題はこれでお仕舞いということになるとは思えない。次の厚生大臣が就任するのは年明けぐらいだろうか。
2020年11月1日23時30分。










posted by olomoučan at 08:21| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ

2020年10月31日

百二回目の建国記念日(十月廿八日)



 チェコスロバキアが独立したのは、第一次世界大戦直後の1918年のことだった。ただ、独立したといっても当時のチェコの人たちがどこまで実感を持って受け止められたのかは、いささか心もとない。戦争が発生した時点ではオーストリアの一部だったチェコスロバキアは、マサリク大統領たちの国外での活動によって、最終的には戦勝国側に立ったとはいえ、本来は敗戦国で、国土は荒廃し、食料などさまざまな物資の欠乏に悩まされていたという。1918年からの二年は、世界をスペイン風邪の流行が席巻した時代である。現在とは違って医療技術も保険制度も整っていなかったから、感染した場合にしにいたる危険度ははるかに高かったはずだ。

 そして、独立は決まったものの、ポーランド、ハンガリーとの国境が完全に確定しておらず、ポーランドとはチェシーン地方を巡る紛争、いわゆる七日間戦争をおこしているし、ハンガリーとも何度か軍事的な衝突が起こっていたはずである。建国されたチェコスロバキアの国境がほぼ確定するのは1920年になってからのことだったと記憶する。その一方で、チェコスロバキアに取り込まれることがほぼ確定していたドイツ系の住民が、不満を高めていた。国際的にも国内的にも情勢は不穏だったのである。
 さらに、独立の立役者のマサリク大統領も、スロバキアの英雄シュテファーニクも国外から帰国しておらず、主役を欠いた独立の祝典が、どれだけ盛り上がったのだろうか。マサリク大統領のお国入り、つまり独立を達成して初めて帰国し、鉄道でプラハに到着したときの様子は、一昨日紹介したマサリク大統領の伝記にも記されているが、ある意味で、このマサリク大統領のプラハと帰還が、建国時の最大のイベントだったのではないかとも思われる。

 何故こんなことを考えるかというと、今年の建国記念日が、例年とはまったく違って、チェコ各地で行われる式典のほとんどが中止に追い込まれた結果、非常にさびしいものになってしまったからである。大きなものでは、プラハ城前の広場で行なわれる軍の新人の入隊式典も、城内で行われる大統領による勲章授与の式典も、特に後者はゼマン大統領が最後まで実施しようと頑張っていたが、最終的には政府の勧告を受け入れて中止されることになった。この勧告が厚生大臣としてのプリムラ氏の最後の仕事だったのかもしれない。

 中止された授与式の代わりに、ゼマン大統領はテレビで演説をしたのだが、受勲予定者とその家族に対して、式典を中止せざるをえなかったことを謝っていた。ただ、勲章を授与されるような功績を挙げた人は、高齢者であることが多いから、式典が開催されていたとしても、出席できない人もかなりの数に上ったに違いない。その家族も感染させる危険性を考えて出席を回避する可能性も高いし、関係者の中にも開催を望まない人が多かったに違いない。
 今年の受勲対象者については、名前を発表するだけで、実際の授与式典は来年、来年の分の受勲者と同時に開催されることが決まった。その名簿の発表がまた、物議を醸した。ネット上で名簿を公開しただけで、報道機関の中にはその名簿を入手しようとして大統領府の広報部門に連絡したのに、拒否されたなんてところもあるらしい。個人的には、ゼマン大統領の演説の代わりに、テレビで名前と業績を紹介すればよかったのに。最近のゼマン大統領の話って、同じことの繰り返しばかりで聞いていても全く面白くないのである。

 毎年の建国記念日のイベント、勲章の授与式を楽しみにしているなどという気はないが、最近規制ばかりで息が詰まる。スポーツにしても式典にしても、何かのイベントがどこかで行なわれているという事実が、参加しなくてもニュースで目にすることで、精神的な安定をもたらし、安寧な生活を送らせてくれるということに改めて気づかされた。
 来年は、無事に建国記念日の式典が、授与式だけでなく、チェコ各地で行われる小さな式典も含めて問題なく開催されることを願っておく。スペイン風邪の流行が二年続いたことを考えると、来年はまだ難しいかなあ。ワクチンに期待とは言っても、そんなに短期間に作れるものでも、作っていいものでもないから、再来年ということになるかもしれない。
2020年10月29日23時。



どう決着をつければいいのかわからないレベルで大失敗。うーん。






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2020年10月23日

馬鹿者どもが(十月廿日)



 武漢風邪の流行拡大が洒落にならない領域に入り始めて、政府では次々に規制を導入しているのだが、感染者の数が多い上に、感染者一人当たり何人に感染させるかを示すR指数が、1を越えているため、一日辺りの新規感染者数の増加が止まらない。R指数自体は最悪だった時期に比べると多少はよくなっているのだけど、政府が目標とする0.8以下には程遠い。
 感染者の増加とともに、恐らく割合的には変わらないのだろうが、入院を必要とする患者、集中治療室に入る患者、亡くなる人の数も急増中で、当然医療関係者の感染も増えており、医療現場からは悲鳴が上がり始めている。そのため軍を使って臨時の野戦病院的な入院病棟の準備も始まっている。春もそうだったけれども、軍の人たち、便利屋的に人手が足りないところにまわされて大活躍である。

 そんな状況で、政府の規制強化に反対するデモがプラハで行われた。主催者によれば、現在の状況は危機的でもなんでもなく、政府が国民の管理を強化するためにでっち上げた大嘘で、規制など必要ないとかいうのだったかな。春は比較的政府の言うことを正しいと認めて、規制を守る人が多かったのだが、国民の間に政府不信が広まり、政府のいう規制は守らなくてもいいという考えが広まっているようだ。それが対策の効果を下げているめんもある。
 ただ、政府不信に関しては、完全に政府の自業自得で、夏のバカンスシーズンに、ほぼ完全に規制を撤廃してしまい、感染者が再度増加に転じても、何の問題もないとして全く対策を打たなかったのがいけないのである。チェコの感染症対策で最悪なのは、両極端に走りがちなところで、夏の間も一部の規制を残しておけば、人々の警戒心も残って、ここまでひどいことにはならなかったと思う。

 プラハで行われたデモには、サッカーやアイスホッケーのリーグ戦が中断に追い込まれたことを不満とする自称ファン達も押し寄せた。旧市街広場で行なわれた抗議集会の主催者達は、集団を20人ずつに分けるという政府の規制を守らせるために地面に線を引いてグループ分けをしようとしていたようだが、そんなのをファン達が守るわけがなく、開始早々すべての参加者が入り混じった状態になった。
 マスクを着用していない人たちもかなりいた上に、デモの参加人数の上限である500人をはるかに越える人が集まっているのは明白で、警察はデモの中止を主催者に命令した。何度か繰り返された後にデモ自体は終了が宣言されたのだが、集まった連中が素直に解散して自宅に戻るはずもなく、解散させようとする監視の警官ともめ始め、やがて暴動と化した。アメリカのデモと称する暴動ほどひどいことにはならなかったが、数人の警官が負傷して病院に運ばれ、暴動鎮圧のための部隊が出場して、結局150人ほどのデモ参加者、いや暴徒が警察に拘束されたという。

 その中には、当然のように、オストラバからわざわざプラハまで出かけて参加した、悪名高きバニーク・オストラバのファンたちもいた。サッカーリーグの試合を禁止するからこんなことになるのだ。この連中、社会のことに興味があって規制強化に反対しているわけじゃないのだ。サッカーさえあたえておけば、それが無観客だったとしても、ここまで騒動を起すことはなかったはずである。
 サッカーの1部リーグなんて、特にヨーロッパリーグに出るようなチームになると、選手たちをホテルにほぼ監禁した上で練習、試合に臨ませているし、全てのチームで、最低でも毎週一回選手たちに検査を受けさせて陽性者は即刻隔離し、陰性の選手も念のためすぐに再検査をするという、考えうるかぎり最上の対策を講じた上でリーグ戦を開催してきたのである。
 政府が国民に科した規制よりも厳しい対策をとっているのだから、サッカーの一部リーグだけでも継続させておけばよかったのに。例外はよくないといいつつ、オストラバで行われているテニス大会や、ブルノで行われた格闘技の大会には例外的に開催の許可を与えているのだから、正直理解不能である。

 今後も政府の対応が、場当たり的なものに終始する限り、国民の政府不信はなくならないだろう。その結果規制を守らない人もあまり減らずに、最悪の結果になりかねない。ちょっと鬱になりそうである。
2020年10月21日22時。












posted by olomoučan at 06:52| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ

2020年10月12日

非常事態宣言再び(十月九日)



 厚生大臣が交代して感染症対策の規制が強化される中、バビシュ首相の当初の(形だけかもしれない)反対を押し切って、プリムラ新厚生大臣が主張する非常事態宣言が、今週の月曜日付けで再度出され、更なる規制の強化が行われた。春とは違って外出の禁止令は出されていないが、先週と比べると街中の人の数が減っているような気がした。
 そろそろ営業をやめる時期に来ているレストランのザフラートカ(屋外席)も先週は、結構人がいて飲食を楽しんでいたのに、今週はほとんど人がいなかった。気温は先週も今週もあまり変わらないから、非常事態宣言の影響があったに違いない。屋内席のほうも人があまり入っていないようだし、午後10時までの営業は認められているとは言っても、客がもどってきたところで、これではレストランも経営が苦しいどころではなかろうと思わされる光景である。

 非常事態宣言が出た月曜日以降、その正当性を裏付けるかのように新規感染者数が急激に増え始め、火曜日に4千を越えて過去最高を記録したと思ったら、水曜日に5千を越え、金曜日には午後6時の時点で4千以上(結局8千を越えた)という事態になった。春からの感染者数の総計は10万人を越えており、これはチェコの人口の1パーセントに当たる。他の国のことは知らないが、人口の1パーセントを超える感染者というのは、なかなかの数字である。
 これに対して厚生大臣は、来週の月曜日から更なる規制の強化を行うことを発表した。問題は来週の月曜日からのはずが、一部の規制がいきなり今日から始まるという決定もなされたことで、例によって現場に混乱を起こし、関係者からは怨嗟の声が上がっていた。確か、動物園の営業が禁止され、関係者が屋内施設さえ閉鎖して、入場制限をして入場客に人間距離を十分以上取らせるようにすれば、感染の恐れなんてないのにと不平を漏らしていた。植物園は現時点では

 来週の月曜日からの規制の強化は、かなり厳しいものだが、どのぐらい意味があるのか、怪しいものも多い。春とは違って大型のショッピングセンターを含めて、店舗の営業は禁止されないが、客の側に一緒に買い物できるのは2人までという制限が科された。ただし両親と子供という組み合わせは例外的に許可される。スーパーマーケットでは単位面積当たりの入店できる人数も制限されるのかな。
 それから、フードコートなどで食事が終わってもたむろしている客を追い出すことを目的として無料のWI-FIをオフにすることが求められる。これによってショッピングセンターにおける滞在時間が短くなることが期待されている。ショッピングセンターのフードコートでは、同席できるのは二人まで、レストランなどの飲食店では4人まで、という規制も導入される。いや、ショッピングセンターの規制はすでに今日から導入されたのかもしれない。ニュースですべての席を二人がけにしてしまったショッピングセンターの様子が紹介されていた。

 この手の人数制限にどこまで効果があるのかは不明だが、プリムラ厚生大臣は、チェコ人の多くが実家に帰省して家族で時間を過ごすクリスマスに集まれる人の数も制限することを考えているらしい。普段から同居している場合は別だが、別々に住んでいる場合は、具体的な数字はまだ出されていないが、何人までという制限がなされるようだ。非常事態宣言を出すに当たって同時に出された規制は、二週間という期限を切られていたが、それでは収まらないと予想しているのだろう。

 また、文化活動、スポーツ活動も原則として禁止されることになった。劇場、映画館、博物館、美術館などすべて営業禁止となった。プラハで何年もかけて準備してきたレンブラントの展覧会も、始まって二週間ほどで中止。外国の美術館から借り出した作品が多いため会期の延期は不可能なのである。劇場の多くも今週からの歌禁止に向けて慌てて演目の差し替えをしたのにすべては無駄に終わってしまった。
 最悪なのはようやく正常化に向かいつつあったスポーツを、アマチュアからプロまで一律禁止してしまったことである。あれだけのお金をかけて頻繁に検査を行い、感染者を排除しつつリーグを開催していたサッカーリーグも、例外があるのはよくないという意味不明な理由で開催が禁止されることになった。スポーツという息抜きのない状態でがちがちに規制をかけると、不満から爆発する人が出てくるんじゃないかと心配である。

 春の最初の流行の際に、それまでの衛生局長の女性が解任された後に登場して、対策の指揮をとったプリムラ氏は、それなりの説得力を持っていた。厚生省を去った後、バビシュ首相が特任の役職を作ってまで飼っていたのに特に何をしたということもなく、大臣就任後は過剰ともいえる規制の導入に邁進している。説明が納得できるレベルならいいのだけれども、規制される側、スポーツ界や演劇界を納得させられるレベルのものではない。
 正直な話、春と同じように、プリムラ厚生大臣ががちがちに規制を強化して、規制を続けることを主張するのを、状況が依然したらバビシュ首相が説得して規制解除に向かわせるという台本ができているのではないかと思ってしまう。二度目の茶番劇に騙されるほどチェコ人は甘くないとも思うのだけどなあ。
2020年10月10日23時。











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2020年09月25日

数詞(九月廿二日)



 久しぶりに、チェコ語のまとめの記事を作ろうと考えて、数詞に関する記事をチェックしていたら、数字そのものについてはまとめて説明していないことに気づいた。覚えるしかないといえばその通りなのだが、ちょっと説明をしておいたほうがいいところもあるので、重複するところも出てきそうだけど、改めてかいておく。

 1から10までは覚えるしかない。1と2は後に来る名詞によって形が変わるが、それについては格変化の説明をした記事を参照。

1 jeden(jedna jedno jedny)
2 dva(dvě)
3 tři
4 čtyři
5 pět
6 šest
7 sedm
8 osm
9 devět
10 deset


 11以下は、1桁の数字に「-náct」をつければ出来上がる。その際多少形が変わるのは頑張って覚えるだけである。

11 jedenáct
12 dvanáct
13 třináct
14 čtrnáct
15 patnáct
16 šestnáct
17 sedmnáct
18 osmnáct
19 devatenáct


 10の倍数は、1桁の数字に、「-cet」(2〜4)か、「-desát」(5〜9)をつければ出来上がる。数詞が複数扱いの2〜4と、単数扱いの5以上でつけるものが違うのは注目に値する。微妙な変化が発生するのは19までと同様。

20 dvacet
30 třicet
40 čtyřicet
50 padesát
60 šedesát
70 sedmdesát
80 osmdesát
90 devadesát


 ここまでは、頑張って覚えれば特に問題はない。使うときに、数字を読むときに考える必要が出てくるのは、21以上の10の倍数ではない数字の場合である。それも1の位が5以上の場合はあまり考える必要はない。以前もかいたように、たとえば「25」の場合には、二通りの読み方があって、日本語風に10の位から読んで「dvacet pět」、1の位から読んで「pětadvacet」、どちらでもかまわない。格変化の際には前者は二つの数字を変化させる必要はあるが、後者も含めて皆同じ格変化をするし、後に来る名詞が1格と2格と4格では複数2格を取るのも、全体としては中性名詞の単数扱いされるのも同じなので、考えるべきことは少ない。

 それに対して、1の位が3か4で終わる場合には、少し悩みが大きくなる。数詞自体としては1格の形が一つしかないので、例えば「33」は、「třicet tři」か、「třiatřicet」のどちらかになる。数詞自体の格変化も前者は5以上のときより難しくなるのだが、一番の問題は後に名詞が来た場合である。1格においては、後者が名詞の複数二格を必要とするのは間違いない。前者の場合には複数一格が正しいと思うのだけど、数字としては5以上だという意識が働いて、ついつい複数二格にしてしまう。それでも間違いではないのかな。よくわからん。
 1の位が2の場合には、また少しややこしくなる。「42」を例にすると、一単語にした場合の「dvaačtyřicet」はこれまで同様悩むことはほとんどない。二単語にすると、「čtyřicet dva」なのか、「čtyřicet dvě」なのか考える必要がある。後に来る名詞が男性なら前者で、女性と中性なら後者でいいはずで、名詞は1格の場合には複数1格ということになるのかなあ。名詞のない数字だけの場合は「čtyřicet dva」で問題ないと思う。

 1の場合も同様で、二単語にした場合に後に来る名詞の性によって1の形が、男性「padesát jeden」、女性「padesát jedna」、中性「padesát jedno」とするので問題ないと思うのだけど、数字単独の場合に、「padesát jeden」か「padesát jedna」かで悩んでしまう。
 そして、最大の問題は、1の位が1から4になる場合に、その後の名詞を、単数、複数で使うということは、全体としても、「padesát jedna kniha」などという固まりが、その性、単複にあわせて使うことになるのか、それとも数としては5以上だから中性単数扱いにするのかという点である。やっぱり面倒だから、「jedenapadesát knih」でいいや。
2020年9月23日15時。









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2020年09月21日

武漢風邪対策またまた大混乱(九月十八日)



 チェコで武漢風邪の流行の拡大がひどいことになっている。経済優先で規制の緩和を進め、プラハの深夜営業をするバーやクラブなどのイベントで大規模な集団感染が発生しても、大したことはないと規制の再強化を行わなかったのだから当然といえば当然である。地方の人間からすると、プラハが特別扱いされているように見えて仕方がない。本気で感染の拡大を阻止したいのであれば、現状ではプラハの封鎖が一番であろう。春とは違って完全に感染を押さえ込もうとはしていないようにも見えるけど。

 さて、チェコでも他の国と同じように、かつての行政単位であるオクレスごとに、感染状況を色分けして表す地図を作成して、対策の役に立てようとしている。問題はその地図の運用が恣意的なことである。一番感染のリスクが少ない地区が白というのはいいとしても、導入当初は感染者が出ている地域も白色のままで、一番危険度が高いとされる赤や、二番目のオレンジはともかく、感染者は出ていてもリスクはゼロに近いと規定されている緑色に表示されているところもほとんどなかった。
 プラハなど、感染者数の増加が止まらず、保険所による感染の追跡も間に合わないという状況に追い込まれて、ドイツなどの外国の地図で赤に指定された後もしばらくは緑だったような気もする。現在ではドイツはプラハと中央ボヘミア地方を赤色の危険地域に指定していて、この地域から入国者に対して、一定期間の隔離か、陰性の検査結果の提出が義務付けられている。それで、チェコ側の地図でも赤になったんじゃないかと邪推してしまう。

 感染状況が悪化した結果、地図の色が変わり、それに対して規制を強化するなどの対策をとるというのが、この地図の使い方だと思っていたのだが、実はそうではなく、新たな規制を導入することが決まった時点で、地図の色を変えるという使い方をしているように見える。どこかで突然規制が強化されたときに、地図の色が変わっていないのに規制強化というのは話が違うという反対の声が上がったのに対して、これから色を変えるという答があったような気もする。

 とまれ、9月の上旬は感染者数が増えても一日当たり3桁で済んでおり、対策もゆとりのあるモノが多かった。つまり即日ではなく、来週の月曜日からとか、ある程度準備期間のある規制が多く、春の突然すぎる規制に対する反省がなされたものと思われた。しかし8日だったかに、一日辺りの新規感染者の数が千人を越えるようなると、その余裕は失われた。
 10日、木曜日の夜に、突然翌11日から、自宅以外の屋内でのマスクの着用と、飲食店の深夜営業(0時から6時まで)が禁止された。それまで政府、厚生省は感染が拡大している地域限定の規制しかしないと主張していたのに、全国的な規制として導入された。深夜営業の禁止なんて、爆発的に感染者が増えていたプラハで先に導入するぐらいのことはしてもよかったろうに。

 この規制が導入されたからといってすぐに効果が出るはずがなく、その後も新規感染者の数は、検査数自体が減る週末の例外を除いて4桁を数え、一番多かった日には3000件を超える事態となった。それで、バビシュ首相が首相同士の直接交渉で国境の閉鎖はしないと約束を取り付けたと主張していたスロバキアが、今日から国境を越えての移動に制限を科すことを決めた。
 ポーランド以上に通勤のために毎日国境を越えている人が多いために、通勤者と、通学者、つまり学生は例外とされたが、それ以外の旅行や出張などでチェコからスロバキアへ入国する場合には、10日間の隔離を受けるか、陰性の検査結果を提示することが求められることになった。国境を挟んで家族が別々に住んでいるなんて例も多いけれども、その場合にも国境を越えて家族に会いに行くのも制限されることになる。

 理解できないのは、ある規制を導入した後、その効果が現れたかどうかわかる以前どころか、毎日のように次々と新しい規制が追加されていることで、これでは仮に効果があったとしてもどの規制が、本当に効果があったのか判然としなくなりそうである。地域限定の規制と全国的な規制が混在しているのに、報道、発表のやり方が混乱を極めているせいで、現時点で、オロモウツではどんな規制が適用されているのかよくわからないのも大問題である。とりあえず政治家どもには、ツイッターなどのSNSで重要な規制についての情報を流すのはやめろといっておきたい。

 とまれかくまれ、毎日自宅と職場を往復して、たまに買い物のためにお店によるぐらいであれば、特に問題にはなるまい。マスクをつけたり外したりするのが面倒だけど、気温が上がった日に屋外でマスクをつけっぱなしというのはできれば避けたいところではある。今後気温が下がってからなら屋外でマスクを付けるのも問題ないか。新しいめがねには曇りにくい処理もしてもらったから、その意味でも楽になりそうである。
 春で多少なれたつもりではいたのだけど、規制のある生活が息苦しいものである点は変わらない。自分が感染するのを恐れる気持ちはあまりないのだが、感染した場合にうちのを含めて他の人に移してしまうのだけは避けたい。ワクチン代わりに感染させて二週間隔離してくれる施設があったら夏休みの間に感染して免疫をつけておきたかったなあと今更ながら思う。そんな施設なんてあるわけも、これからできるわけもないから、ないものねだりではあるのだけどさ。
2020年9月19日23時。






https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
https://www.krajpomaha.cz/










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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



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