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2020年08月21日

武漢風邪対策また大混乱(八月十八日)



 八月も半ばになって、夏休みの終わりが近づいてきたこともあって、政府主導の武漢風邪感染対策にもまた大きな変化がみられるようになった。妥当だと思われるものもあれば、何で今さらと言いたくなるものもあるのだが、とりあえずは、喜ばしいほうから始めよう。

 先日もサッカーのスラビアを例に、このままではリーグ戦がまともに開催できなくなるというようなことを書いたが、スポーツ界が動いた。その結果、リーグ運営マニュアルというか、各チームに対して、感染者が出た際にどのような対応を取るべきなのかをまとめたマニュアルが作成され、感染者が出たら、即時にチーム全体が隔離されて活動を停止するというルールは撤廃された。
 現時点ではサッカーとアイスホッケーのプロリーグ、恐らくは一部と二部が対象となっているが、順次対象となるスポーツを広げ、最終的にはすべてのスポーツで、一番上から一番下までのリーグで適用されることを目標としていると国会議員になってしまった、アイスホッケーの元チェコ代表のゴールキーパーが語っていた。フリニチカだったっけ。スキーのジャンプのヤンダも国会議員になったけど、元スポーツ選手の国会議員ってのはどうなのかね。
 それはともかく、このルールの改定のおかげで、新シーズンが無事に開幕し、最後まで開催される可能性が高くなった。ハンドボールも少しはテレビで見られそうだ。サッカーのような屋外競技とは違って屋内競技だから、観客を入れる際に制限は厳しくなるだろうけど、もともと何千人も客が入るスポーツではないから、そこまで気にしなくてもよかろう。

 いいのか悪いのかよくわからないのが、義務教育レベルの授業に関して、登校ができなくなった場合に実施されるオンライン授業が義務付けられたことである。春から行われていたオンライン授業は緊急だったということもあって、義務ではなく希望者のみが出席すればいいことになっていて、学校の成績には反映されないことになっていた。それもどうかと思うけどさ。
 それがこの九月から始まる学期からは、オンラインに授業が移行した場合には、出席が義務となり、成績にも反映されることになった。チェコはネットへの接続環境はそれほど悪くないのだが、すべての子供がいる家庭で問題なくオンラインで授業が受けられるとは限らないし、複数の子供がいる場合に、PCの数が足りなくて同時に授業が受けられないなんて事態も発生しそうだ。

 チェコに国産のコンピューターメーカーがあれば、国費で大量に購入して子供がいる家庭に配布するなんて手も、国内企業の支援と雇用対策を兼ねて行えるのだろうけど、現状でそれをやると喜ぶのは外国企業だけということになるからなあ。ネット環境の更なる整備も、田舎の地方自治体が補助金もらってやってたりするけど、ただでさえ足元見られて割高の契約を結ばされているところが多いから現状でやるのはまずいよなあ。
 一番いいのは、仮にマスクの着用の義務とか、制限が科されるにしても、例年通り九月一日から学校で普通に授業が行われることである。文部省と厚生省の話し合いで作成されたマニュアルも配布されて、当然とはいえ、感染者が出た場合の対応など、春の対策よりははるかにまとまっていてわかりやすいと好評である。武漢風邪対策としてうがい手洗いの励行とマスクの着用を徹底すれば、普通の風邪やインフルエンザ対策にもなって、怪我の功名なんてことになるかもしれない。

 そうなのである。学校は通常通り授業が行われることになったが、教室外ではマスクの着用が義務付けられた。これは学校だけでのことではなく、自宅、職場以外の屋内と公共交通期間内では、9月1日からマスクの着用が再び義務化されることになった。昨日の政府の記者会見で発表されたのだが、突然の決定だったのと、これまでは、感染状況は特に問題のあるものではなく、国全体にかかわる規制は導入しないと説明されていたのとで、混乱と批判を呼んだ。
 現時点でマスクの着用が義務化されているフリーデク・ミーステクでは、状況が改善に向かったことで明日、水曜日にマスク着用の義務が撤廃されることになっているのだが、義務の軽減は二週間弱で終わることになった。地方レベルでの感染対策と、国家レベルでの対策が、うまく連携していない印象を与える。いや、恐らく、規制の再強化はバビシュ首相の鶴の一声で決まったんじゃないかとまで考えてしまう。厚生大臣も辞任を批判をあびて辞任を求められることも多いが、辞任しても次の引き受け手がいなさそうである。そんな感想を、以前自らも医師である上院議員が述べていた。

 チェコの厚生省では、チェコ国内の各旧オクレスを単位にして、信号機風に危険度に応じて色分けするというのを始めている。ほぼ問題がない地区は白で、多少問題があるのが緑、危険度が上がると、黄色、赤と変わっていく。その地図によれば、現在色がついているのはプラハと、フリーデク・ミーステクだけで、それも緑色。この状態で規制を強化するというのは、こんな地図を作成する意味がないじゃないかという当然の批判が出ている。
 夏休みに入るころから、感染者の絶対数ではなく、人口十万人当たりの数で感染状況が紹介されることが増えているのだが、これも、大都市、とくにプラハの感染者が多いのを隠す目的があるようにも思われる。カルビナーで千人を越える大規模集団感染が発生してなお、感染者の絶対数ではプラハの方が倍近く多いのである。それが見えなくなる発表の仕方には、恣意を感じてしまう。カルビナーだけでなく、モラビアシレジア地方全体なら、プラハよりも多くはなるのだけどさ。

 夏休みの間は、感染の危険性があって感染者の数が増える恐れがあっても、観光業を支援するために、あちこち出かけやすいようにしておいて、夏休みが終わったら観光業よりも感染の拡大防止を優先して規制を強化するというのなら、それはそれでかまわないと思うのだが、そんな説明は全くなく、突然の規制の強化には反発を感じる人も多くなりそうだ。
2020年8月19日10時。




具体的にどこでマスクの着用が義務化されるのかについて、二転三転していて、いったいどうなることやらである。最初はレストランは義務化しないと言っていたのに、翌日にはやっぱり義務化するとなって、今日になって、首相との会談でやっぱりしないことになった。8月20日追記。




https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
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posted by olomoučan at 07:07| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ

2020年08月12日

ボフミーンの悲劇(八月九日)



 鉄道でプラハからオロモウツを経てオストラバに向かう幹線が、ポーランドにつながる国境の位置にあるのがボフミーンである。高速道路も、まだ完全にはつながっていないが、プラハ、ブルノ、オストラバを結ぶD1が、ボフミーンで国境を越える。確か、2012年にポーランドで行われたサッカーのヨーロッパ選手権に向けて、チェコ側とポーランド側で急いで工事を進めて連絡させる予定だったのが、チェコ側は完成したものの、ポーランド側が中国企業に受注させた結果、間に合わないという醜態をさらしていた。今ではポーランド側も高速道路が完成しており、残るはチェコ国内のプシェロフ付近だけという事になっている。

 それはともかく、その国境の町ボフミーンで火事が起こったというニュースが最初に流れたのは土曜日の夜のことだった。火事が起こって一時間ほどしかたっていない時点だったので、情報は錯綜しており、確実なこととして報道されたのは、ボフミーンの12階建のマンションの11階で火事が起こって、犠牲者が出ているということぐらいだった。犠牲者の数に関しては、10人という説もあると紹介していたが、映像を見る限り建物が倒壊するような火事ではなく、一部屋、二部屋を焼いただけのように見えた。

 今日になって火事の詳細がある程度判明し、犠牲者は全部で11人、そのうち6人は火事の起こった部屋で焼死し、残りの5人は火に襲われてパニックになってベランダから飛び降りた結果亡くなったということらしい。消防署は通報後5分以内に現場に到着し、はしご車や飛び降りさせるためのマットの準備を進めていたが間に合わなかったとも言う。
 この件に関して、現場で様子を見ていた野次馬の一人が、消防隊員が現場についてから15分、20分ほど何もしていなかったとか、飛び降りのためのマットを実際に飛び降りてから引っ張り出したとか批判していたけど、こういう状況では時間が経つのが長く感じられるから、野次馬のいうことがどこまで信じられるか疑問である。それよりは、消防署の記者会見での、飛び降り用のマットは、10階以上という高さからの飛び降りは想定していないので、準備が間に合ったところで救えたかどうかは疑問だという発言のほうが信憑性が高い。一つにはマットめがけて飛び降りられるかという問題があり、もう一つはマットで衝撃を受け止めきれるかという問題があるという。

 おそらく、一番の問題は火災を起こしたマンションの建築方法にある。これはパネラークと呼ばれる、共産党政権下でできるだけ早く大量に集合住宅を建設するために発明された建築技術で、日本語ができるチェコ人の中にはプレハブ式高層建築と呼ぶ人もいる。いずれにしても、日本では耐震性のなさから建築が許可されないような代物で、5階建てぐらいでやめておけばいいのに、チェコ各地に10階建てを越える背の高いパネラークが林立しているのである。
 当時のこととて、安全対策などろくになされているわけがない。ベランダに緊急避難用のハシゴでも設置してあれば、一つ下の階に逃げられたのだろうけど、火に焼かれる恐怖に飛び降りることを選択するしかなかったということか。現場でははしご車も活動していたようだが、11階というのは、その能力を超えた高さで、救助の役には立たなかったようだ。消火と救助の活動で消防隊員にも怪我で病院に運ばれた人が何人かいるというし、消防署はできるだけのことはしたと理解していい。

 今回の火事は、失火ではなく、放火だったようで、容疑者がすでに警察によって拘束され、犯行を認めているという。家族内の対立が激化した結果の犯行で、何かのお祝いに集まったのを利用して火を放ったようだ。犠牲者の中には子供も3人いたというから、すくわれない。

 ボフミーンを含むカルビナー・オクレスでは武漢風邪の巨大集団感染もあったし、最近明るい話題がないよなあ。ここはハンドボールのカルビナーチームに頑張ってもらうしかない。その前に、ちゃんとリーグが開幕することが一番の明るいニュースになりそうだ。そして最後まで開催されてカルビナーが優勝となれば最高なのだけど。フリーデク・ミーステクも含めて武漢風邪にやられた町のチームの活躍を願っておこう。
2020年8月10日18時。





 犯人は、妻と息子たちのお祝いの場にガソリンをまいて火をつけたらしい。隣の部屋のベランダにかなり無理をして逃げた人が4人、怪我で入院はしているものの命は助かったという。消防署の動きを批判していた野次馬の女性は自分の間違いを認めて謝罪していたが、信憑性にかける野次馬の発言を報道するのも問題だと思う。日本のマスコミお得意の目撃者のでっち上げはしないから、そこはまだましなんだけどね。
8月11日追記。






タグ:火事 事件
posted by olomoučan at 06:44| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ

2020年08月06日

悪魔の聖書(八月三日)



 イジー・ストラフの傑作連作ドラマ「悪魔の罠」において重要な役割を果たした、この本の正式名称は「コデックス・ギガス」というらしいが、ドラマの中でもようだったように、一般にはキリスト教の信者には受け入れられなさそうな「悪魔の聖書」という名前で呼ばれている。本とは言っても、出版されたものではなく、13世紀に手書きで書かれたものである。
 世界最大の手書きの本だとされるこの本は、持ち運びどころか。ページをめくるのも一人では大変そうなサイズで、羊皮紙に書かれている。パルドゥビツェの南にあるフルディムの近くのポドラジツェにあった修道院で作成されたと言われ、チェコの文化財と言ってもいいようなものなのだが、残念ながらチェコはなく、スウェーデンのストックホルムにある。三十年戦争中にチェコ各地で略奪を働いたスウェーデン軍が戦果の一つとして持ち帰り、二度と返還されなかった。チェコが三十年戦争で失ったものは多いが、この本もその最も重要な一つである。

 俗称に「悪魔の」という名前がつけられているのは、本の中に悪魔の姿が描かれているからであり、執筆当時の人々の持っていた悪魔に対するイメージを知ることができる。顔は緑色で開いた口の両端からそれぞれ赤色の舌のようなものが伸びている。髪の毛は黒くパンチパーマのようで二本の赤い角が生えている。手足の指は四本ずつで先端にはとがった赤色のつめが付いている。これが当時のチェコの修道院の人々が考えた悪魔の像だと考えていいのだろう。
 内容は、聖書とは言っても聖書だけでなく、医学的な教訓や、悪魔祓いの方法、歴史の研究など当時の知識を集成したもので、一種の百科事典のようなものとされる。ポドラジツェの修道士たちが総力を挙げて、書き上げたものだと考えたくなるのだが、伝説によると、一人の修道士が、しかも一夜の間に書き上げたのだという。

 1212年にプシェミスル・オタカル1世のスイスのバーゼル訪問に同行した修道士が、当地で知り合った人物に悪魔崇拝について教えられた。チェコに帰国したあと修道院長に悪魔崇拝について学んだことを知られ、生きたまま壁に塗りこめられる刑に処されるところだった。それを避けるために、修道士は一夜のうちに世界のすべての知を収めた本を書き上げることを約束した。
 しかし、すでに真夜中の時点で朝までに書き上げられないことが明らかになり、絶望した修道士は自らの魂を悪魔に売りつけた。そして、修道士の代わりに悪魔が書き上げたのがこの大部の本だと言うのである。ということは「悪魔の聖書」というのは、単に「悪魔が描かれた聖書」というだけではなく、「悪魔によって書かれた聖書」という意味も持つようである。

 最も信仰に厚いはずの修道院の修道士の中から、悪魔崇拝に傾倒するものが出て、秘密結社が結成されたなんて話はよく聞くから、「悪魔の聖書」に関する伝説にもその事実が反映されているのかもしれない。異教徒を悪魔の手先と断じて迫害し人間扱いしなかったキリスト教の信仰の中から悪魔崇拝が生まれてくるのは皮肉である。
 だから異教ではなく、キリスト教こそが悪魔の宗教だなどと短絡する気はないが、共産主義や環境教も含めて熱心な信者になることは、悪魔に魂を売るに等しいと断じておく。自らの正しさを疑うことを知らないあの思考停止ぶりは悪魔のせいだというにふさわしい。
2020年8月3日22時。











タグ:失敗
posted by olomoučan at 06:40| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ

2020年07月29日

感染者の数が減った(七月廿六日)



 最近新規感染者の数が順調に増加する一方、治療済みの人の数がなかなか減らず、感染中の人の数が右肩上がりに増えていたのだが、突如、厚生省がこれまで発表してきたデータの修正を行った。その結果、治療済みの人の数が大幅に増え、現在感染している人が2000人近く減って、3500人ほどになった。このデータの修正について厚生省では、カルビナーの超大規模集団感染の発生以後、データの収集と整理が間に合わなくなったところがあって、とにかく一番重要な新規感染者を優先して処理した結果、快癒した人のデータの処理が遅れたのだと説明していた(と思う。ちゃんとニュースを聞いていなかったのが悪い)。
 確かに、軽症の人や無症状の人が治療済みにいたる期間が、平均で二週間と言われている割には、治療済みの人の数が増えないのは不思議だった。期間に多少の長短があることを考えても、連日百人以上が追加されてもおかしくないはずなのに、データ上は50人以下ということが多く、日によっては十数人とか、一桁の日もあったかもしれない。その辺のたまっていたデータの処理が終わったのが今日だという事なのだろう。今後も、治療済みの数については修正が入る可能性は高そうだ。

 とはいえ、チェコの感染状況が、以前の全国的に広がっている状況にもどりつつあるのは、確かで、厚生省ではやらないと言っていた、全国的な対策の強化を再度導入することを余儀なくされた。ただし、それほど厳しいものではなく、屋内で行われる100人以上のイベントに参加する場合にはマスクを着用しなければならないというのと、屋内のイベントが500人、屋外が1000人という人数制限が加わったぐらいである。
 もちろん、モラビアシレジア地方や、リベレツ地方など地方全体で特別な規制を導入しているところもあるし、イフラバやブルチノフなどより小さな規模で規制を強化しているところもある。ここ二ヶ月ほど、チェコの武漢風邪の中心であり続けているカルビナー地区では、一度減った新規の感染者数がまた少し増え始めている。これは、OKDの炭鉱関係者の集団検査の二回目が行われたことによるという。前回陰性だった人と、休暇中で検査できなかった人を対象にした検査では、前回よりははるかに小さな割合ではあるが、感染者が確認されているようだ。

 大きな問題になっているのが、イフラバにあるアルツハイマー病の患者を収容する施設で、患者たちだけではなく職員の間にも感染が広がっていて、施設の運営にも大きな問題を引き起こしている。緊急で看護師などの募集をしていて、宿泊用に施設の前の駐車場にキャンピングカーを準備したと言っていたけど、この状況で人が集まるかどうかは疑問である。おそらく、最終的には以前同様の問題を起こした老人ホームと同様に軍隊が派遣されることになるだろう。
 今回厚生省が、全国的な規制の再導入を決定した理由がこれで、ここ以外にも、病院の入院病棟、老人ホームなどでの集団感染が、一つ一つの規模は小さいとはいえ、各地で発生していることが大きな問題とされている。また、外国からつれてこられた季節労働者が住んでいる宿泊施設でも各地で中断感染が発生しているが、今のところ外国からの労働者を禁止するという方向には向かっていないようだ。

 あらゆることでチェコの中心であるプラハでも、カルビナーを除けば最大の集団感染が発生した。夜中に若者達が集まって馬鹿騒ぎをするクラブでのイベントで、100人を越える感染者が確認されたのだ。話によると、狭い空間に大量の人間が詰め込まれて、飲み物を飲むのにストローが共用されたりなんてこともあったようだ。ここで起こった集団感染が、屋内での100人以上のイベントでのマスク着用の義務が導入された原因のひとつになっている。
 理解できないのは、このクラブが、専門業者による殺菌処理を終えて、多少の制限は受けたもののすでに営業の再開をしていることで、日本だったら営業停止処分になるんじゃないかと考えてしまった。集団感染が発生したイベント自体は当時の規制には違反していなかったとはいえ、客の問題行動を制止しなかった責任はあると思うのだけど。さすがチェコと言うべきところか。

 今後流行がさらに拡大したとしても、春の最初のときのような、がちがちの規制の導入はできまい。あれをやると流行が終わる前に経済だけでなく社会が崩壊しかねない。外出禁止の期間に家庭内暴力が大きく増えたという話もあるし、通報されても対処できないケースも多かったなんて話も聞く。子供たちにとっては外出が制限されるというのは苦痛でしかなかっただろうし、繰り返されたら心を病む子供も出かねない。
2020年7月27日18時。







posted by olomoučan at 06:44| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ

2020年07月22日

武漢風邪現状(七月十九日)



 ここらで一つ、チェコの武漢風邪流行の現状をまとめておこう。数字は20日朝のもの、つまり19日の検査結果までが集計されたものである。厚生省がデータをまとめて発表しているページによれば国全体にかかわる数字としては以下のとおりになる。

  累計検査数  624780
  累計感染者数 13945
  現在感染者数 4826
  完治者数   8760
  死亡者数   359
  入院者数   134

 検査数は、確認のための再検査なども含めた数なので、これだけの数の人が検査を受けたというわけではない。特に最近は集団感染が発生した企業などの関係者を中心に検査が行われているため、それ以外の検査数は減少する傾向にある。そのため一度開設した検査専用の施設を閉鎖する病院も増えている。集団感染が発生して慌てて再度開設したなんて話もあるけど。

 現在感染している人の数は、5月末には1800人程度まで減っていたのだが、6月に入って再度増加をはじめ、これまで最高だった4月11日の数字を越えて5000人に迫りつつある。オロモウツ地方では、地方の提供するページによれば、7月に入ってからはすでに再度減少を始めており、一時は150人に迫っていたのが、60人程度まで減っている。
 ただし、現在の感染者数は、情報源によって数字に差があるため注意が必要で、例えばセズナムの提供するページでは、オロモウツ地方全体ではなく、かつてのオロモウツオクレスだけで115人という数が出ていて。地方全体を合計すると145人となる。これについては、セズナム自体が、情報が錯綜していて正確な数字がつかめないという記事を載せいてた。現状を把握するのに大切なのは累計ではなく現在の感染者の数だから何とかしてほしいものである。

 死亡者数に関しては、他の病気が主因で亡くなった人でもコロナウイルスが確認された場合にはこの中に入れられているのは他の国と同様。武漢風邪が主因で亡くなった人の数はほんの一部だと言われている。問題はオロモウツ地方の発表するデータは、この死亡者の数抜きになっていることで、現在の感染者数は累計から感知した人の数を引いたものである。死亡者も出ているはずなのだけど。

 厚生省の発表するデータの中に、最近七日間の新規感染者数を人口十万人当たりに換算して、オクレスごとに示した地図がある。数が多ければ多いほど赤が濃くなっていくのだが、二週間ほど前までは真っ赤に染まったカルビナー以外は、ほんのり赤い場所があるぐらいで、厚生省のカルビナー以外は問題ないという説明に説得力を与えていた。それが一時は300を越えていたカルビナーの数字がどんどん減って50程度と落ち着いてきたのとは反対に、全体的に赤みがかってきたというか、色のついたところが増えてきた印象である。
 特にカルビナーのあるモラビアシレジア地方は、40に近づきつつあるフリーデク・ミーステクだけでなく、ノビー・イチーンも10を越え、オパバとオストラバも10に近いという状況で、数字だけを見ると地方の保健所が規制強化を実行したのも仕方がないかなとは思える。ただ人口も少なく新規の感染者も少ないブルンタールは巻き込まれた感が強いけど。

 スロバーツコのウヘルスケー・フラディシュテでも新規の感染者が増えているが、一つは町の病院で患者と医療関係者が十数人感染したというもので、もう一つは近くの村ブルチノフで8人の集団感染が確認されている。ブルチノフはイーズダ・クラールー(王の騎行)というユネスコの無形文化遺産にも指定されている伝統行事で知られる村だが、ニュースで何かの行事を中止するかどうか検討すると村長が語っていたので、イーズダ・クラールーのことかと思っていたら違って、ホディと呼ばれる収穫祭のようなイベントだった。
 村の提供する行事のページによれば、今年のイーズダ・クラールーは5月末に予定されていたが、規制の厳しい時期で実施できず、すでに来年への延期が決まっているようだ。ページの一番上に「Jízda králů Vlčnov 2020 aneb ani Covid nás nezastaví」というビデオがあるから、一瞬無理やり開催したのかと思ったけど、下のほうに中止を知らせるニュースもあった。

 話を戻そう。地方別の累計の患者数を見ると、流行の最初から常に他の地方よりも多かったプラハをモラビアシレジア地方が抜いて、4000人超となっている。セズナムの情報ではカルビナーだけで累計2000人を越えている。プラハが常に一番というのは気に入らないのだけど、この場合はプラハが一番でも何の文句もないんだけどねえ。
 最後の入院者数を見ると、以前と比べると、入院しなければならないほど病状が悪化する人の割合が減っていることがわかる。集団感染に関するニュースでも、大半は無症状か軽症だということが多いし。これが季節による環境の変化が原因なのか、病気の性質が代わったことが原因なのかはわからないが、感染して免疫をつけるなら今が一番かもしれない。

 何だか話があちこちそれたけれども、これが簡単にまとめたチェコの現状である。
2020年7月19日24時30分。






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2020年07月21日

武漢風邪対策大混乱(七月十八日)



 チェコの武漢風邪対策は、感染がチェコ国内に入って流行が拡大し厳しい封じ込めたい策をとっていた時期には、厚生省の疫学の専門家であるプリムラ氏を中心とする対策委員会が主導していた。その後流行の拡大を押さえ込むことに成功し、経済への影響を考えながら規制を緩和するという段になると、政治家が主導権を握るようになっていた。

 そして、規制緩和が進んだ結果、局地的な集団感染が散発するようになってからは、国全体での規制の強化は行われず、流行が発生している地方単位、場合によってはさらに小さい地域単位で規制の再強化が行われてきた。OKDの炭鉱で巨大な集団感染が発生しているカルビナーや、小さな集団感染があちこちで起こっていたプラハなどでは、国全体でマスクの着用などの規制がほぼ完全に解除された後も、規制が残っていた。
 皮肉にも感染症対策の初期にナノテクノロジーを使ったマスクや防護服を生産して医療現場を支えていた工場で集団感染が発生したフリーデク・ミーステクや、近くの村の工場で集団感染が発生したクトナー・ホラなどでは4一度解除された規制が、保健所の判断で再度導入されていた。その再規制に関しては、保健所と地方政府の話し合いで決められるものだと思っていたし、規制を強化する場合には、これまでも国全体の規制でそうだったように、猶予期間を設けて発表日の夜中からとか、翌日の深夜からという形になるものだと思っていた。国の決定も当初は即日のものがあって対応できないとあちこちから批判をあびた挙句に猶予期間を設けるようになっていたわけだから。

 それが勘違いでしかないことを知らされたのは、昨日の昼前のことだった。カルビナーやフリーデク・ミーステクなどが含まれるモラビアシレジア地方の保健所が、突如として地方全体の規制の再強化を発表したのだ。しかも、猶予期間なしで発表と同時に有効になる規制としてである。最初に厚生大臣がツイッターかなんかで発表したあと、地方の保健所の疫病対策の責任者が記者会見で発表すると同時に有効にされたのだったかな。
 内容は公共交通機関やお店などの自宅以外の室内でのマスク着用の再度の義務化と、病院や老人ホームにお見舞いに行く場合には普通のマスクではなく医療用の高性能のマスクが必要になるというもの、イベントの参加人数の上限を100人にするというものである。それから外国から通勤している人に対して、二週間に一度検査を受けることを義務付けて陰性である証明を提出することを求めている。これはポーランドからの通勤者を対象としたものである。

 問題は、この規制の再強化に関して、地方政府も各市町村も事前に相談も連絡も受けていなかったことで寝耳に水の決定だったようだ。前日まではカルビナーの炭鉱を中心とする集団感染も下火に向かっていて特に警戒する必要はないとか、集団感染が発生しているだけで無軌道に広まっているわけではないから対策を強化する必要はないというのが公式見解だったのに、突如感染が高齢者などの重症化の危険性が高い人たちの間にも広まりつつあると言い出したから驚きだった。
 厚生大臣は、感染の現状を分析した結果、規制が必要だという考え方には賛成の意を表したが、その規制の決定のあり方を批判していた。事前に地方政府側との交渉もなく、規制強化に猶予期間をおかないというのはやってはいけないことだというのだが、事前に連絡を受けていたはずなのだから、厚生省側からの指導で、せめて猶予期間をおくことはできなかったのだろうかと言いたくなる。

 当初は、規制にかかわることはすべて首相である自分の責任だと、らしくなくもかっこいいことを言っていたバビシュ首相も最近は、専門家たちが決めていることで自分の決定ではないと責任逃れの発言をすることが増えているように、チェコの武漢風邪対策ちぐはぐなものになりつつある。もともと制度の変更とか、現場の迷惑を考えずに猶予期間をおかずに実施することの多かったチェコの政治家、官僚のことなので、何度外国人警察の人とお互い口をこぼしあったことか、昔に戻ったと考えれば納得なのだけどね。
 オストラバで毎年行われている音楽フェスティバルが中止になって、代替イベントとして1000人に人数を制限して行われていたイベントは、開催期間中に、しかもその日のプログラムの途中で中止という最悪の終わり方を強制されていた。この件に関しては主催者だけではなく、参加者からも大きな批判の声が聞こえてきていた。

 この状況に、これでこそチェコだよなあと嬉しくなってしまうのは、昔の20年ぐらい前のチェコを知る人間としては当然のことである。この武漢風邪騒ぎもいい加減終わってくれよとは思うけどさ。
2020年7月19日11時。








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2020年07月12日

カルビナーをめぐる大騒ぎ(七月九日)



 一昨日の記事にまたコメントがついていたので、前回コメントをくれた人が、記事を読んでまたコメントしたのかと思って確認したら、前回と全く同じコメントがついていた。こりゃ読んでないわ。自分のブログの宣伝のためにあちこちのブログにコメントを付けて回っているのだろうか。そんな暇があったら、文章を書いたほうがいいと思うのだけどねえ。とりあえず、二つ目のコメントは削除しておいた。三つ目が来たら一つ目も削除してしまおう。

 ところで、カルビナーで仕事をしている知り合いに連絡してみたら、会社の従業員からは患者は出ていないけど、家族や親せきが感染して隔離状態に置かれた人はいるような話が返ってきた。カルビナーなんてそんなに大きな町じゃないし、周辺の街を合わせてカルビンスコと呼ばれる地域全体でも25万人ぐらいしかいない中、2000人近くの感染者が出ているから、感染が疑われる人が出るのは仕方がないのだろう。とにかく本人は何事もないようで安心した。
 このカルビナーの集団感染の拡大については、政治問題化しつつあり、与野党を問わず、ANOを除く政党は厚生省と地方の保健所の対応が甘かった、遅すぎたのではないかと批判している。五月下旬のカルビナーの炭鉱で感染者が出始めたころに、楽観視し過ぎじゃないのと思ったことはあるのだが、同時にチェコだけではなくヨーロッパ全体で規制解除に向けて邁進していた時期に、地域を限定してとはいえ規制を強化するのは難しいだろうなあとも思った。

 重要なのは、カルビナーの市長も含めて、政府の対応を批判している人たちが、当時は何も言っていなかったことだ。どうにもこうにも後出しじゃんけんの観があって批判には同調しにくい。おまけに、チェコテレビのニュースのアナウンサーに代替案を求められても、まともな対策を答えられる人はいないし、批判のための批判に出している印象である。批判することで存在感を出そうという日本でもよくみられる政治ショーと化しているわけだ。
 もちろん、厚生省の対策が完璧で批判するところがないとは言わない。そもそもの話で言えば、この武漢風邪がここまで警戒して厳しい対策を取る必要がある病気だったのかというところから疑わしいのだけど、国会での議論をニュースで見ても、次への対策につながる建設的な議論にはなっておらず、秋に行われる地方選挙に向けた広報の場になっている。チェコの政治も、他のヨーロッパの国々や日本に負けずに衆愚化が進んでいるのである。

 もう一つ、ショーと化しつつあるのが、サッカーリーグのカルビナーをめぐる疑惑である。リーグ再開に際して、降格の危機にさらされていた4チームが積極的に賛成しなかったのだが、その中の一つだったカルビナーでは意図的に選手を感染させたのではないかという疑惑を口にする人たちがいるのだ。リーグが完結しなければ降格チームは出ないわけで、確実に降格を避けるためには、リーグ戦が開催できない状態にする、つまりチームから感染者を出すのが一番だと考えたというのである。
 このような主張をする人たちは、状況証拠、選手たちの検査が決まった経緯とか、関係者の証言と現実の食い違いなどを挙げて、これは怪しいと主張するのだけど、憶測に憶測を重ねている感じで、どこまで信じていいのやらである。当然カルビナーの側からも反論は出ているのだが、これもまた、どうにもこうにも怪しいというか、説得力がないもので、困ったものである。

 こうなったら、一番いいのは、カルビナーの次の検査がすべて陰性で、暫定の計画通りにリーグ戦だけでなく、入れ替え戦まで行うことである。入れ替え戦では日程的に厳しい1部のチームよりも、準備期間が長くなる2部のチームのほうが有利になるという不平も聞こえてくるけど、疑惑を疑惑で終わらせるにはこれが最善のはずである。問題は、4人だったチーム内の感染者が、新たな感染者の発覚で5人に増えたことである。
 個人的には、この問題で失敗したのはサッカー協会(もしくはリーグを運営するリーグ協会)だと思う。カルビナーで集団感染が発覚した時点で、カルビナーのチームがカルビナーで活動するのを禁止して、暫定的に他の町に活動拠点を移させるべきだったのだ。公平性を失うという批判はあるにしても、チームから感染者を出して再度リーグが中断されるよりはましなはずである。
 いや、中断した時点でリーグがまともに行われたとは言い切れなくなったのだから、降格なしで昇格だけということにしたほうがよかったのかもしれない。そうなると全節終了後のグループ分けをした上での追加のリーグ戦とプレーオフが維持できなくなるのかな。そこまでいいものだとは思えないのだけど。このカルビナーを巡る馬鹿騒ぎ、いつまで続くのだろうか。
2020年7月10日12時。












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2020年07月10日

チェコ安全?(七月七日)



 先週の末ぐらいから、患者数が増え続けるチェコを危険国指定して、チェコ人の入国に制限をつけようとしていたスロベニアだが、その規制が実際に適用されてから、わずか一日、二日で撤回された。チェコの感染者数の動向は、スロベニアの独自基準を越えて続けているのは確かなので、撤回に至ったのは両国間の直接交渉によるものと思われる。
 実は、チェコ人たちの最大のバカンスの目的地であるクロアチアも独自基準を設けており、チェコの新規の感染者数はその基準も超えているらしいのだが、クロアチアの場合には数だけではなく、他にもいくつかの項目が設定されていることで、チェコが安全国リストから除外されることはなかったらしい。はたから見ていると、クロアチア側がチェコからの観光客を逃したくないと考えているようにも見える。
 スロベニアに追随してチェコを危険国扱いしたのは、キプロスとバルト三国のうちのエストニアともう一カ国だけで、それに続く国はなかった。おそらく、チェコと状況が変わらない、つまり一度は減った新規の感染者の数が、規制の解除と共に再び増えている国が多いのだろう。そして、それは事前に予想されていたことだから、国境を再度閉鎖する理由にはならないのだと考えている。

 それはともかく、スロベニアもチェコ側の巨大な集団感染が起こっているカルビナーを含むモラビアシレジア地方以外は、感染者の数はあまり増えていないという説明に納得したのか、チェコ人に対する規制を再度撤廃する際に、モラビアシレジア地方の人は除くという条件をつけた。それで、チェコの外務省は、スロベニアに入国する予定のある人に対して、入国前にモラビアシレジア地方に滞在していなかったという宣誓書を準備しておくように指導している。そんなのうそのつき放題じゃないかと思うのは、チェコ人を知っているからだろうか。

 カルビナーの状況については、野党側から政府や厚生省、地方の保健所の対応が遅れたのが最大の問題だという批判が巻き起こっている。先にポーランド側のシレジアの炭鉱で大きな集団感染が起こったことを考えれば、チェコ側で起こるのも予想がついたはずだというのだけど、五月末にカルビナーの炭鉱で最初の感染者が出たときに、そんなことを主張している人はいなかったと記憶する。当時は与野党を問わず、官民問わず規制緩和のスピードを上げることを求める声ばかりだったはずだ。
 厚生大臣の発現にもあったが、カルビナーの集団感染の特徴は、無症状、軽症状の人が多いことで、感染者の数が増えているわりには、入院患者や、重症化して集中治療室に入っている患者の数が増えていない。一時期百人を越えて病院のキャパシティが足りるのか心配された重症患者の数は、十人ちょっとで安定している。これは感染したら重症化する可能性が高いとされる高齢者と、持病を抱える人を守ることに成功していると考えてよさそうである。炭鉱で働く人は確か定年も早いし、病気だと仕事できなさそうだから、炭鉱で集団感染が発生したのは不幸中の幸いだったのかもしれない。

 この集団感染に巻き込まれて現在チーム全体が隔離状態に置かれているカルビナーのサッカーチームだが、再検査で全員陰性だった場合に、活動を再開できるのは早くとも7月16日になるという。サッカー協会では、延期された追加リーグの残留争いの部の残り2節を何としてでも開催する意向で、無期限延期された試合の日程を決めた。それによると、23日と26日に残りの2節を開催し、29日と8月2日に、入れ替え戦を行うことになるという。今年は比較的涼しいのが救いだけど、これまで以上にタイトなスケジュールである。
 もちろん、カルビナーの選手たちの検査で陽性が出た場合には、リーグ戦は最後まで行われない可能性が高くなり、その場合には、以前の決定通り、1部からの降格はなく、2部から優勝チームだけが昇格して、来シーズンは17チームで優勝を争うことになる。また中間の計画もあって、入れ替え戦だけが開催できなかった場合には、2部の1位と2位のチームが昇格して、1部の15位と16位のチームが降格するという。すべては、カルビナーの検査の結果がわかる16日の翌日、17日に行われるリーグの会議で決定されるようだ。
 リーグを最後の試合まで開催するための最大の障壁はUEFAが決めた今シーズン終了のデッドラインで、8月2日に設定されているらしい。来シーズンのことを考えると早く終了するに越したことはないのだろうけど……。移籍期間とかシーズン前のキャンプとか、全部ぐちゃぐちゃになっているからなあ。

 そういえば、カルビナーには、日本企業のシマノの工場があるんだった。従業員が集団感染に巻き込まれていないことを願おう。
2020年7月8日12時。














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2020年07月06日

危険国チェコ(七月三日)



 すでに六月の前半にミニシェンゲンとして、チェコ、スロバキア、オーストリア、ハンガリーの四カ国で国境の出入りの際の規制を相互に完全に撤廃することに成功していたチェコだが、七月一日の夏休み、つまりはバカンスシーズンの開始に向けて、他の国々とも交渉を進め、シェンゲン圏の国々の大半には、チェコ人は制限なしに入国と出国ができるようになっていた。

 チェコの人たちは、此れまで何度も書いてきたけれども、借金をしてまで出かけるという人がいるほど、ちょっと大げさに言うと、夏のバカンスに命をかけている。行き先は、寒冷な内陸国チェコの人にとってのあこがれである暖かい海のあるところで、伝統的に旧ユーゴスラビアのアドリア海沿岸に出かける人が多い。西側に出られなかった共産党政権の時代はブルガリアやルーマニアの黒海沿岸、海じゃないけどハンガリーのバラトン湖なんかも人気だったという。
 ベルリンの壁崩壊後は、イタリアやギリシャなどに出かける人も増え、経済的に豊かになった最近は、エジプトの紅海沿岸やインドネシアなどの遠方まで出かける人もいる。ただ武漢風邪に蹂躙された今年の夏は、遠方に出かけるのはほぼ不可能になっている。ということでチェコ政府にとって一番重要だったのは、クロアチアまで規制なしで出かけられるようにすることだった。

 それで観光立国であるイタリアやギリシャが国境を開いて入国の制限を撤廃するといっているのをよそ目に、クロアチアと積極的な交渉を続けていた。一時はプラハからクロアチアの観光地へ直行便を飛ばすなんてアイデアも出ていた。ただ、チェコ人はクロアチアに行くのに飛行機は使わないのである。節約のために自家用車に、ビールなどの必要物資を積んで、自ら運転して出かけるのが典型的なチェコのバカンスのスタイルである。国によってはそんなチェコ人に対して肉の持ち込み制限を課しているところもあったと記憶する。
 チェコから車でクロアチアまで行くためにはスロベニアを通過する必要がある。それで規制緩和が始まったころから、クロアチアだけでなく、スロベニアも感染の状況が安定しているからチェコ人が出かけても問題ないだろうなんてことが主張されていた。正直、他の国との違いはよくわからなかったので、何としてもこの二カ国には行けるようにする必要があるのだろうという印象を受けた。

 それで、交渉の甲斐あってスロベニアを経てクロアチアまで、無制限に行けるようになっていたのだが、もちろんスロベニアを目的地とする人もいるのだろうけど、本格的なバカンスシーズンが始まってすぐの今日、スロベニアがチェコ人の入国を制限することを発表した。スロベニア政府が定めた入国規制に関する基準があるようで、カルビナーを中心に集団感染が発生して、感染者の数が再び急速に増え続けているチェコはその規準を越えてしまったらしいのである。
 その結果、スロベニアに入国する際に、あれこれ書類を提示する必要が出てきて、場合によっては二週間の隔離生活を強いられることになるようだ。行き先がクロアチアの場合には、クロアチアの宿泊施設の予約証明があれば、スロベニア国内でどこにも立ち寄らないことを条件に通過が認められるのかな。

 この手の規制というものは、上で決定されても現場でどのように運用されるかはわからない部分があるので、旅行会社などでは情報収集に追われているようである。チェコテレビのニュースでも、オーストリアとスロベニアの国境の様子を中継していたが、規制が発表された段階で、また適用前だったため特に変わったところはなかった。バビシュ首相のところにスロベニアの首相から直接電話がかかってきた様子も流された。
 チェコ政府は、集団感染が何箇所か起こっているだけで、無軌道な感染の拡大は起こっていないから危険性はないと主張するのだろうけど、外から感染者の数字を見て判断するなら、危険だと考えても仕方がないとは思う。感染の拡大初期にリトベルなどが閉鎖されたのと同様に、カルビナー地区、場合によってはシレジアモラビア地方全域を閉鎖するという強硬手段でも取っていればまた与える印象は変わったのだろうけど、他が規制の全面解除に向かう中、一地方だけ閉鎖なんてことになったら、住民の反発はとんでもないものになるだろうし、踏み切れるものでもなかったのだろう。

 今後、スロベニアに追随してチェコを危険国指定して入国制限を課す国も出てきそうだし、今年の夏は、一度は覚悟したように、国外への旅行は全面的に停止して国内旅行の需要を掘り起こすことを考えたほうが、国内の観光業を支援するという意味でもいいと思うんだけどねえ。国内の感染状況を見ていると、感染者数が増えている割には重症者や入院者の数は増えていないから、そこまで警戒する必要はないという厚生省の判断は間違っていないとも思う。こちらの願いは、今後第二波とやらが発生して感染が拡大しても、再度の厳しい規制が導入されないことである。
2020年7月4日12時。






A34 地球の歩き方 クロアチア スロヴェニア 2019~2020










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2020年07月04日

暑い(七月朔日)



 今年の夏は雨が多いおかげもあって、気温はあまり高くない。最高気温が20度から25度という、気温だけで言えば快適な日が続いている。ただし、実際には雨が多く日本の梅雨に通じる不快感を感じることが多い。雨がやんで日が出ると気温はそれほど高くならなくても、蒸し暑さを感じることもある。
 今日のニュースでは、国内の何箇所かで30度を越える気温が観測され、これは今年に入って四回目のことだと言っていた。去年や一昨年などに比べるとこの数字は非常に小さいと言える。武漢風邪で、クーラーのない自宅で仕事をしなければならない人が増え、外出時のマスク着用が義務化されていたことを考えると、ここ数年続いている猛暑に襲われていたら、武漢風邪で入院する人よりも、熱中症で倒れて救急車で運ばれる人の数が多くなっていたことだろう。

 春の流行が始まったばかりのころに言われていた、夏が来て気温が上がれば自然に流行は収束するという説が間違っていたことが明らかになった現在、武漢風邪の流行で生じる損害と、感染症対策を続けることで乗じる損害を冷静に比較して、バランスのいい対策を取ることが求められている。武漢風邪の感染者がゼロになったとしても、その結果熱中症で病院に運ばれる人の数が倍増したというのであれば、その対策は失敗だったと評価されるべきである。他にも倒産の数や失業率など政治家が考えなければいけない要素は多い。
 チェコでは、今日から一部の例外を除いて規制が全面的に撤廃された。マスクの着用も、これまでは義務だったお店の中や公共交通機関の中なども含めて、不要となった。例外は病気の人の割合が高いと思われる病院などの医療機関と処方箋で薬を出す薬局、高齢者ばかりの老人ホームで、これらの施設に入る場合には、これまで通りマスクの着用が求められる。

 地域的な例外も存在する。そのうちの一つは、人口が集中していてあちこちで小さな集団感染が起こっていて完全に消し止められていないプラハである。ここでは公共交通機関のうち、バスとトラムは他の地域と同様マスク着用の義務が解除されたが、地下鉄だけは駅の構内も含めて義務が残った。また、屋内で100人以上の人を集めて行われるイベントに参加する際も、マスクが求められるという。

 そして、もう一つが、ポーランドの感染多発地帯だったシレジア・ボイボツトビーと隣接するモラビアシレジア地方、その中でも特に感染者が急増し続けているカルビナーを中心とする地域と、隣接するフリーデク・ミーステク周辺である。カルビナー地区では、OKDという石炭採掘企業の従業員とその家族を中心に、1000人以上の患者が確認されており、新規の感染者の大半はモラビアシレジア地方で確認されている。
 週末の土曜だったか、全国で300人を超える陽性の判定が出た日には、検査結果の陽性の割合が17パーセントと過去最高の値を示しているが、この数字をどう評価するかも問題である。個人的には、集団感染が炭鉱という閉鎖された空間で発生し、感染の可能性が高いと思われる炭鉱で働く人たちとその家族を中心に検査が行われたことを考えると、意外と高くないと思ってしまう。

 とまれ、その、あっという間にチェコの武漢風邪の中心となってしまったカルビナーと、フリーデク・ミーステクを中心とする地域では、規制が強化されることになった。マスクの着用義務の範囲はこれまでと変わらないが、イベントで集められる人の数が100人までに減らされたのかな。ただし、カルビナーほどではないにしても、フリーデク・ミーステクと同じぐらいの割合で患者確認されている地方の中心都市オストラバでは、チェコの他の地方と同様に規制が解除されたのでどこまで効果があるのか疑問である。
 オストラバからは規制の厳しい地域へのバスや鉄道の便が出ているわけだが、オストラバで乗ったときにはマスクが不要で、規制地域に入ったとたんにマスク着用を求める車内アナウンスが入るのだとか。逆方向の場合には、マスクを外してもいいというアナウンスが入ることになる。それぐらいなら、一部でも規制の厳しい地域を走るバスや鉄道は、始発から終点までマスク着用を求めたほうがマシのような気がする。

 一部リーグ残留をかけて戦っているサッカーのカルビナーは、ホームゲームを禁止されたため、最終節のプシーブラムとの試合をどこで行うのか検討が始まったようである。個人的にはサッカーチームよりもハンドボールチームのほうが心配で、9月から始まるだろう来シーズンの開幕に間に合うのかとか、スポンサーがOKDだったのだけど撤退したりしないかなどと不安に思っている。本来カルビナーはサッカーではなく、ハンドボールの街なのだから、サッカーチームがつぶれてもハンドボールだけは守り通してほしいと思う。

 当初の予定とは全然違う方向に話が向かってしまって、気が付いたら何を書くつもりだったのかも覚えていないという体たらく。それもこれも今年一番の暑さ、オロモウツの場合には気温はそこまで高くなかったけど、直射日光も含めた体感温度の高さがいけないんだということで、題名は元のままにしておく。そうだ、チェコ語で集団感染が起こっているところを「ohnisko」というのだけど、これが「oheň(火)」からできた言葉で云々と、熱さ、暑さにつなげていこうと思っていたのだった。
2020年7月2日10時。











posted by olomoučan at 06:47| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ
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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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