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2020年07月04日

暑い(七月朔日)



 今年の夏は雨が多いおかげもあって、気温はあまり高くない。最高気温が20度から25度という、気温だけで言えば快適な日が続いている。ただし、実際には雨が多く日本の梅雨に通じる不快感を感じることが多い。雨がやんで日が出ると気温はそれほど高くならなくても、蒸し暑さを感じることもある。
 今日のニュースでは、国内の何箇所かで30度を越える気温が観測され、これは今年に入って四回目のことだと言っていた。去年や一昨年などに比べるとこの数字は非常に小さいと言える。武漢風邪で、クーラーのない自宅で仕事をしなければならない人が増え、外出時のマスク着用が義務化されていたことを考えると、ここ数年続いている猛暑に襲われていたら、武漢風邪で入院する人よりも、熱中症で倒れて救急車で運ばれる人の数が多くなっていたことだろう。

 春の流行が始まったばかりのころに言われていた、夏が来て気温が上がれば自然に流行は収束するという説が間違っていたことが明らかになった現在、武漢風邪の流行で生じる損害と、感染症対策を続けることで乗じる損害を冷静に比較して、バランスのいい対策を取ることが求められている。武漢風邪の感染者がゼロになったとしても、その結果熱中症で病院に運ばれる人の数が倍増したというのであれば、その対策は失敗だったと評価されるべきである。他にも倒産の数や失業率など政治家が考えなければいけない要素は多い。
 チェコでは、今日から一部の例外を除いて規制が全面的に撤廃された。マスクの着用も、これまでは義務だったお店の中や公共交通機関の中なども含めて、不要となった。例外は病気の人の割合が高いと思われる病院などの医療機関と処方箋で薬を出す薬局、高齢者ばかりの老人ホームで、これらの施設に入る場合には、これまで通りマスクの着用が求められる。

 地域的な例外も存在する。そのうちの一つは、人口が集中していてあちこちで小さな集団感染が起こっていて完全に消し止められていないプラハである。ここでは公共交通機関のうち、バスとトラムは他の地域と同様マスク着用の義務が解除されたが、地下鉄だけは駅の構内も含めて義務が残った。また、屋内で100人以上の人を集めて行われるイベントに参加する際も、マスクが求められるという。

 そして、もう一つが、ポーランドの感染多発地帯だったシレジア・ボイボツトビーと隣接するモラビアシレジア地方、その中でも特に感染者が急増し続けているカルビナーを中心とする地域と、隣接するフリーデク・ミーステク周辺である。カルビナー地区では、OKDという石炭採掘企業の従業員とその家族を中心に、1000人以上の患者が確認されており、新規の感染者の大半はモラビアシレジア地方で確認されている。
 週末の土曜だったか、全国で300人を超える陽性の判定が出た日には、検査結果の陽性の割合が17パーセントと過去最高の値を示しているが、この数字をどう評価するかも問題である。個人的には、集団感染が炭鉱という閉鎖された空間で発生し、感染の可能性が高いと思われる炭鉱で働く人たちとその家族を中心に検査が行われたことを考えると、意外と高くないと思ってしまう。

 とまれ、その、あっという間にチェコの武漢風邪の中心となってしまったカルビナーと、フリーデク・ミーステクを中心とする地域では、規制が強化されることになった。マスクの着用義務の範囲はこれまでと変わらないが、イベントで集められる人の数が100人までに減らされたのかな。ただし、カルビナーほどではないにしても、フリーデク・ミーステクと同じぐらいの割合で患者確認されている地方の中心都市オストラバでは、チェコの他の地方と同様に規制が解除されたのでどこまで効果があるのか疑問である。
 オストラバからは規制の厳しい地域へのバスや鉄道の便が出ているわけだが、オストラバで乗ったときにはマスクが不要で、規制地域に入ったとたんにマスク着用を求める車内アナウンスが入るのだとか。逆方向の場合には、マスクを外してもいいというアナウンスが入ることになる。それぐらいなら、一部でも規制の厳しい地域を走るバスや鉄道は、始発から終点までマスク着用を求めたほうがマシのような気がする。

 一部リーグ残留をかけて戦っているサッカーのカルビナーは、ホームゲームを禁止されたため、最終節のプシーブラムとの試合をどこで行うのか検討が始まったようである。個人的にはサッカーチームよりもハンドボールチームのほうが心配で、9月から始まるだろう来シーズンの開幕に間に合うのかとか、スポンサーがOKDだったのだけど撤退したりしないかなどと不安に思っている。本来カルビナーはサッカーではなく、ハンドボールの街なのだから、サッカーチームがつぶれてもハンドボールだけは守り通してほしいと思う。

 当初の予定とは全然違う方向に話が向かってしまって、気が付いたら何を書くつもりだったのかも覚えていないという体たらく。それもこれも今年一番の暑さ、オロモウツの場合には気温はそこまで高くなかったけど、直射日光も含めた体感温度の高さがいけないんだということで、題名は元のままにしておく。そうだ、チェコ語で集団感染が起こっているところを「ohnisko」というのだけど、これが「oheň(火)」からできた言葉で云々と、熱さ、暑さにつなげていこうと思っていたのだった。
2020年7月2日10時。











posted by olomoučan at 06:47| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ
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