2020年11月14日
山を越えたか(十一月十一日)
毎週新規感染者数が前の週と比べて大きく増え続けていたチェコだが、十月の最終週ぐらいから前の週と同じぐらいのレベルで推移するようになり、今週に入って減少傾向に入ったように見える。もちろん減っているのは、新規感染者の数であって、感染者は今でも平日は毎日一万人弱ずつ増えているから、累計の感染者数は増え続けて、45万人に近づきつつある。
現在感染中で隔離されたり入院したりしている人の数は、日々増えたり減ったりしている。これは春の時期にもあったことだが、新規の陽性患者のデータの処理が優先されるのか、治療済みの人のデータは、ある日突然増えることが多い。陽性であり続ける期間に関して、個人差があるにしても、陽性から回復して陰性になる人の数もある程度一定になるはずなのだが、日によって、追加される数が数百だったり、三万人以上だったりとあまりに大きな差が出ている。厚生省のHPでは、データが出てきた日ではなく、後日数字を実際の検査の日に修正しているようなので、それなりの数字になっているようだけど。
こういう流行の拡大がとまりつつある状況を受けて、サッカーなどのプロリーグの試合再開が許されたのだろうが、今日はさらに来週の水曜日、18日から、小学校の1年生と2年生の授業が再開されることが発表された。学校に通い始めたばかりの子供たちには、オンラインの授業を自宅で集中して受けるというのは難しいに違いない。その結果、子供たちの学びが遅れるリスクと、現状の感染拡大のリスクを比べた結果の決断なのだろう。ドイツなどの国でも、学校の閉鎖だけは避けるというのが対策の一つになっているようだし。
当初の予定では11月2日に小学校の授業が再開される予定だったから、ほぼ二週間遅れということになる。同時にR指数が0.8になることを条件にしていたが、現時点では0.9ぐらいのようだ。このまま行けば来週までには0.8まで下がるという計算なのだろうか。個人的にはクリスマス商戦が本格的に始まる11月末までに、何とか規制の緩和を始めて、チェコ人がプレゼントに命を欠けているといってもいいクリスマスだけは、例年通りにしたいという意図が見えるような気がする。
あちこちでワクチンの開発が進んでいるという、ロシアや中国のはちょっと信頼性に疑問を感じてしまうのだけど、ニュースが流れ、チェコ政府でもすでにかなりの数を、完成していないのに予約しているというから、ワクチンの存在前提で第3波を抑え込もうとしているようにも見える。いや、大学、高校の試験期間である1月から2月前半にかけて学校を再開できるだけの規制緩和をして試験だけは学校で行って、また来学期はオンラインで、5月、6月の試験期間に規制緩和するということを考えているのかもしれない。流石に高校の卒業試験とかオンラインでやるのは無理がありそうだし。
考えてみれば百年前のスペイン風邪も、完全に沈静化するまで2年かかったというから、最悪そのぐらいは続くことは覚悟しておいたほうがよさそうだ。当時より医療そのものだけでなく、感染症対策も大きく進歩しているとはいえ、現在はいわゆるグローバル化によって世界中の人の行き来が盛んになって感染症が外国から入ってくるリスクははるかに高くなっている。
今後も、暫くは規制を厳しくしたり緩めたりしながら、社会が崩壊しないような舵取りが政府に求められるのだろう。バビシュ首相も今年の夏のような、めちゃくちゃなことはもうしないだろうけど、ちょっとうまく行きそうになると、調子に乗って規制をどんどん解除してしまいそうな不安がある。逆に、感染症の専門家にだけ任せていたら、規制することを優先して経済的に大変なことになりそうだし、どうなることやらである。
2020年11月12日20時。
タグ:コロナウイルス
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10335551
この記事へのトラックバック