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2021年04月07日

ボヘミアの醜聞(四月四日)



 昨日の夜、あまり大きな声では言えない方法で入手した「シャーロック・ホームズの冒険」のチェコ語吹き替え版「ボヘミアの醜聞」を見た。全体のストーリーにも興味はあるが、「ボヘミア」がどのように使われているかも興味の対象である。何せ、この作品を読んだり見たりしていたころは、まだチェコのことなどろくに知らず、ボヘミアはドイツの一部だとしか思っていなかったのである。現在の無駄にチェコに詳しくなった目で見ると、いろいろ言いたくなることが出てくるに違いない。

 そういうと、まず、この回のチェコ語の題名からして、微妙なものを感じさせられてしまう。「Skandál v Čechách」がそれしかない訳だというのも、自分で訳してもそうするだろうというのも重々承知の上で、ドイツの印象の強い歴史上の「ボヘミア」をチェコ語で「Čechy」と訳すのに慣れないのである。逆に、チェコ語の「Čechy」を「ボヘミア」と日本語訳するのには慣れて違和感も感じなくなっているから不思議である。
 作品中に最初に登場するチェコと関係のある物は、紙である。正体不明の依頼人が残して行った手紙の書かれた紙に刷りこまれた文字から、紙の生産地を確定して、差出人はボヘミアのドイツ人だと断定する。その生産地が「エグル」とかいう地名なのである。ボヘミアの地名で、ドイツ名「エグル」となると、日本では「エーガー」と書かれるヘプのことじゃないか。三十年戦争の英雄ワレンシュタイン将軍が暗殺されたことで知られるチェコの最西部の町である。

 続いて、手紙の差出人でホームズに事件の解決を依頼するためにボヘミア王が登場する。昔は、ボヘミアという地名があるからには、そこに王がいるのは当然だと考えて不思議にも思わなかったのだが、チェコスロバキア独立以前のこの時期、ボヘミア王位はハプスブルク家のもので、オーストリア=ハンガリー二重帝国の皇帝が兼任していたはずである。仮面を取って名乗りを上げるときに、どんな名前を使うかと楽しみに待っていたら、長すぎて聞き取れなかった。ハプスブルクもオーストリアも出てこなかったことは確かだけど。
 それで、原作ではどんな名乗りを使っているのか確認することにした。幸いなことに青空文庫に大久保ゆう訳「ボヘミアの醜聞」が上がっていて読めるようになっている。それによると、「ヴィルヘルム・ゴッツライヒ・ジギースモーント・フォン・オルムシュタイン、つまりカッセル=フェルシュタイン大公」と言ったようだ。貴族の正式な名前にありがちな、いくつも名前の連なるものだけど、「オルムシュタイン」ってどこだ? 架空の地名と考えるのがいいか。
 コナン・ドイルの時代のイギリスの人たちにとっては、やはりボヘミアなんて名前だけしか知らない僻遠の地だったのだろうなあ。その点では、昔の自分も同じだし、こうやってボヘミア王の名前が云々なんてことが言えるのも、こちらに来てボヘミアの歴史というものを実感を以て知ることができたからに他ならない。これが他の国のことなら、気づきもしないで、そんなもんかという感想で終わったはずである。

 そして、もう一つ、驚きが待っていた。この物語の主人公といってもいい女性の名前が、アイリーンではなかったのだ。かの『しゃべくり探偵』でも、「愛人アドラ」として、むりやり、「アイリーン・アドラー」に結び付けていたのに、チェコ語版では「イレーナ・アドレロバー」となっていた。やはり登場人物の名前の響きは、作品の印象と密接に結びついているのだなあ。同じ語源の名前が、英語では「アイリーン」となり、チェコ語では「イレーナ」になるのは、わかってはいるけど、ここは「アイリーン」で通してほしかったと考えるのは、外国人のわがままなのだろうか。
 この時代は、名前も使用する言葉によって翻訳していた時代だ(と思う)から、アメリカ出身の「アイリーン」が、ボヘミア王とワルシャワで出会ったときには「イレーナ」と名乗っていたとしても不思議はないのだけど。そういえば青空文庫の「ボヘミアの醜聞」では、冒頭から「イレーナ」が使われていて、最後のホームズに宛てた手紙の署名だけが「アイリーン」になっていた。恐らく意図的に使い分けられているのだろうが、英語名とスラブ語での名前の事情を知らない人が読んだら混乱するかもしれない。

 そんな細かいところを気にしながら見たとはいえ、満足満足。これは第二回の「踊る人形」も手にいれずばなるまい。そして、来週からは毎週土曜日の午前中に録画して、お昼時に見るという生活になりそうである。
2021年4月5日11時。




シャーロック・ホームズの冒険 【新訳版】 シャーロック・ホームズ・シリーズ (創元推理文庫)









2021年04月06日

シャーロック・ホームズの冒険(四月三日)



 自らをシャーロキアンというほどのめりこんではいないが、小学校の高学年から中学校にかけて推理小説の面白さに目覚めたころから、シャーロック・ホームズはお気に入りの探偵の一人で、あれこれ、パロディやらオマージュ作品やらの派生作品も含めて、読んできた。その手の派生作品で、一番のお気に入りは黒崎緑の「しゃべくり探偵」シリーズなのだけど、二冊で止まっていて、続編を待ち続けてウン十年である。

 映像作品のほうは、最初に見た作品のインパクトが強すぎて、以後はどれを見ても、いまいちというか納得しきれないものが残る。完全に現代化を施したBBCの「シャーロック」は、あれはあれでありだと思ったけれども、他はどうしても記憶の中のシャーロック・ホームズと比べて、違うと思ってしまう。
 こんな感情は、1980年代半ばから90年代にかけてNHKで放送されていた「シャーロック・ホームズの冒険」を見ていた人の多くが感じているに違いない。それほど、あのイギリスのグラナダTVが制作したドラマの完成度は高かった。日本語の吹き替えも悪くなかったし、珍しくまたいつか見てみたいと思えるテレビ番組だった。

 だから、チェコに来て、あのジェレミー・ブレットがホームズを演じるテレビドラマが放送されるのを知ったときには、何のためらいもなく録画することを決めたのだった。しかし、残念ながら放送されたのは、同一のシリーズなのだろうけど、2時間物の長編ばかりで、かつてNHKで見た短編までは放送されなかった。長編の出来が悪いと言うつもりはないけど、冗長な感じは否めない。昼食時に見るにはちょっと長すぎるし。

 それが、昨日だっただろうか。何気なくテレビの番組表を眺めていたら、「Dobrodružství Sherlocka Holmese」の文字が目に入ってきた。日本語に訳すと「シャーロック・ホームズの冒険」である。イギリスのドラマで、制作年は1984年となっていた。これまでも何度か期待してははずれということがあったので、念のためにチェコテレビのホームページで確認したら、大当たりだった。
 大当たりだったのはいいのだけど、先週、先々週とすでに二回分の放送が済んでいて、今後の再放送の予定もないようだった。何だって、こんな名作を土曜日の午前十時からなんて中途半端な時間帯に放送するんだ。いや、それはまだいい。一体どうして、大々的に予告編を流さなかったのだろう。現代版の「シャーロック」のときには何度も予告編が流されて、第一回の放送を見逃すなんてありえないような状態だったのに。
 一回目、二回目は見逃したとはいえ、三回目以降を見逃すわけにはいかない。休日とはいえ午前中からテレビをつける気にはなれないから、セット・トップ・ボックスで録画である。この時点で、全部放送された場合に備えて、録画して保存するためのUSBメモリーを新たに買うかなんてことを考え始めていた。ファイルの形式を変換するのには異常に長い時間がかかり、毎週一回一時間分なんてやりたくないから、DVDをMP4に変えたビデオ保存用のハードディスクに一緒にしたくはない。

 それはともかく、昼食時に再生した「シャーロック・ホームズの冒険」は、本当に昔見たあれだった。オープニングの特徴的な音楽といい、ブレット演じるホームズのときに奇矯な振る舞いといい、長らく見たいと思っていたあのホームズだった。この回の題名は「námořní smlouva」、すぐには日本語題が思いつかなかったのだが、「海軍条約」である。小説も読んだし、このドラマも見たはずなのだけど、あまり覚えておらず、頓珍漢な推理をしながら最後まで見た。
 そして、深い満足感を感じると共に、一回目の「ボヘミアの醜聞」と二回目の「踊る人形」が見られないことを残念に思う気持ちが改めて沸き起こった。特に「ボヘミアの醜聞」のほうは、チェコに関る話だけに、どのような形で出てくるのかが気になる。ということで、いかに見逃した二回分を手に入れるカを考えることにする。チェコテレビが再放送してくれればそんなことする必要はないのだけどねえ。
2021年4月4日21時。




シャーロック・ホームズの冒険[完全版] DVD-SET1












2021年04月05日

暑さ寒さも(四月二日)



 職場に入るのに感染していないことを証明する検査結果を求められるようになったことで、在宅勤務に切り替えたことで、外に出る機会がめっきり減った。人間というのは、と一般化するのは不適切かもしれないが、えてして楽なほうに流れようとするもので、外に出られない理由ができてしまえば、出なくなってしまうものだ。
 去年と同様、チェコに住まわせてもらっている身としては、規制を意図的に破るなんてことはしづらいので、外出するためだけに外出するというのはしたくない。散歩や運動のための外出は禁止はされていないのだが、推奨されているようでもないし、外出が許可される特別な理由に含まれると解釈していいのか難しいところである。という言い訳で、散歩や運動のための外出を避けているのだけど、それでは去年以上の引きこもりになってしまう。

 去年のこの時期、規制の緩和が始まるまでは、せいぜいゴミがたまったときに捨てに行くぐらいだったのだが、それを完全に再現するのは避けたいので、外出する理由を作ることにした。買い物である。在宅勤務になってコーヒーの消費量が増えているため、普段なら二週間に一回でいい、コーヒーの購入が毎週必要になる。それで、先月半ばの在宅勤務以降以来、毎週一回は、街中まで出るという「運動」を行えている。
 去年は、在宅での仕事の強要がそこまで強くはなかったから、たまに必要なときには職場に出てスキャンとかしていたのだったかな。ただ、回数で言うと、コーヒー以外の買い物にも出ることのある今年のほうが多い。この前も、歯磨き粉とかフィルターとか買いに行ったし、とにかく一回の外出では一つの店にしか行かないようにして、外出の回数を増やしている。
 それでも、外に出ない日のほうが多いのだけど、たまに出て思うのは、部屋の中では外の気温、寒さ、暖かさはわからないということで、着る物間違えて寒さに震えたり、汗まみれになったりすることがないのは在宅勤務の利点だなあなんてことを考える。ごみ捨てならすぐ終わるから間違えたままでも問題ないし、何時までという時間の制約のない買い物なら、間違えたら一度戻って着替えることができる。

 というのも、この冬から春になる時期のチェコの天候は非常に不安定で、気温が上がる日と、下がる日が、何日かごとに繰り返し訪れる。日本の三寒四温というのは、じつは日本ではなく朝鮮半島北部の春のはじめの様子を表したものだとも言うけれども、チェコの場合には、三と四に入る数字が一定ではなく、一のこともあれば、十以上のこともあるという極端さである。
 さらに極端なのは、上がり下がりの幅で、天気予報で見る限り今年は例年以上に大きいようだ。三月末には、暖かくなって、最高気温が25度に迫る、場所によっては越えて夏日になるという暖かさが何日か続き、これで完全に冬の寒さとはおさらばだと喜んだのだけど、イースターの直前になって寒の戻りがあった。最低気温はマイナスまで落ち、最高気温も十度を超えないという二十度ちかくの気温の低下で、平地でも雪がちらついていた。この寒さがイースター明けぐらいまで続くらしい。

 それで思い出したのがこちらに着た一年目のイースターの前後のことで、今よりも厳しい冬を越えて暖かくなり始めて春が来たと大喜びしていたら、イースターの直前になって大雪に見舞われたのだった。あのときは外を出歩く生活をしていたから冬の再来に絶望的な気分になったものだが、今年は外に出ないから実害はない。とはいえ、この時期の気温の変化対策として買った薄手のコートの活躍する機会がないのはちょっと残念。

 ところで、日本では暑さ寒さも彼岸までなんて言い方をするのだけど、チェコなら寒さもイースターまでと言えそうな気がしてきた。イースターの後に寒さが戻ってきたとしても、それは春の寒さでオロモウツ辺りならマイナスになることはないし、雪が降ることもほとんどない。ちゃんと統計を取っているわけでもなく、単なる思い付きに過ぎないのだけど、これが最後の寒さだと思えれば、気持ちも楽になる。これで、またひとつ寒さに強くなれるのか?
2021年4月3日24時。









2021年04月04日

これはプラハかベルギーか(四月朔日)



 国会図書館オンラインで、古いチェコ関係の記述を探して遊んでいたら、『建築写真類聚』という本に突き当たった。写真集、もしくは図版集というべきもので、解説はもちろん、刊行の事情を説明した前書きも後書きも、場合によっては目次、奥付さえなく、写真と図版が簡潔なキャプションつきで並んでいるだけという書物である。
 編集は建築写真類聚刊行会で、出版社は建築関係の本を多く手がけていたと見られる洪洋社。第一期の第一冊が、大正9年というから、1920年に刊行され、以後巻をついで、1943年の第十一期まで刊行が続いたようである。各巻には、例えば最初の巻の「玄関」のように、テーマが設定され、それに沿った写真が類従されている。

 その第一期の第13冊が、「劇場建築」の写真が収められた巻となっていて、そこにあれ? と言いたくなるキャプションの着いた図版が3枚あるのだ。順番に、「チェッチ国立劇場配景(白国プラグ)」「チェッチ国立劇場配景(白国プラグ)」「チェッチ国立劇場観覧席(白国プラグ)」で、その次には「独逸劇場配景図(白国プラグ)」というのもある。

 さて、問題は「白国プラグ」という表記である。「白国」というと普通は、「白耳義」と表記されたベルギーのことを指す。「プラグ」と表記しうる町がベルギーにあるのかも疑問であるし、「チェッチ国立劇場」と訳せる劇場があるのかもわからない。
 逆に「プラグ」をプラハのことだと考えると、「チェッチ」は、普通は英語の発音にあわせて「チェック」と読まれるものを、誤って「チェッチ」と読んだものと考えることができる。昔、たしか川原泉の漫画で、本来「アーク」と発音される英語の言葉を、「アーチ」と読むものだと思い込んでいて、作中に使用した後、英和辞典で発音を確認して愕然としたなんてことが描かれていたのを思い出す。「Czech」の最後の「ch」を「チ」と読んでしまったのかな。
 ただし、当時のチェコスロバキア、もしくはボヘミアを「白」という漢字で代表させた例は、発見できない。官報などでもすべてベルギーを指している。チェコスロバキアの略称として「致国」というのは見かけたことがあるけれども、これも一般的に使われていたものではないようだ。

 幸いなことにこの写真集はインターネット公開されているので、収められた写真を見ると、「チェッチ国立劇場」は、プラハの国民劇場の外観に似ているように思われる。念のためにセズナムの地図で国民劇場を探して現在の写真を表示させて見たら、間違いなく同じものだった。現在では日本では国民劇場という呼称が定着してしまっているが、当時は国立劇場と訳す人もいたのだなあとちょっと感心してしまった。
 それなら、もう一つの「独逸劇場」に相当するものも、プラハにあるはずである。20世紀初頭に存在した劇場だということから、あたりをつけた最初の候補、駅の近くの国立歌劇場が、大当たりだった。劇場の歴史を確認すると、もともとは、プラハ市内のドイツ系の住民たちが建てたのがこの劇場だった。それで「独逸劇場」と呼ばれていたのである。

 念のために収録された写真の国ごとの配列を確認すると、フランスのパリから始まり、イギリスを経てロシアに向かい、その後、ドイツ、オーストリア、ハンガリーを経て、「白国」と並んでいる。「白国」のあとは、スイス、オランダと続いているから、この写真集における「白国」はベルギーではなく、チェコスロバキアのことだと考えてよさそうだ。ベルギーならオランダの前後に入るはずだしさ。いや、普通に誤記、誤植と考えるのが自然か。

 それにしても、こちらが想定していない表記が使われていると発見するのは難しいなあ。チェコスロバキアのカタカナ表記に関しては、入念に探してきたつもりだけど、見落としもまだ結構ありそうだ。
2021年4月2日24時30分。










posted by olomoučan at 06:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 本関係

2021年04月03日

国会図書館オンライン利用者登録(三月卅一日)



 国会図書館オンラインの検索機能には、あれこれお世話になっているのだが、「遠隔複写」を申し込むことも可能になっている。これまでも、存在は知っていたけど、どうしても必要なときには、日本にいる知り合いにお願いをして、職場近くの図書館に所蔵されている本や雑誌のコピーをお願いしてきた。都合よく所蔵図書館の近くに、連絡を取り合っている知り合いがいない場合は諦めていた。専門的に、研究しているというわけではなく個人的な趣味で読んでみたいと思っているだけだしさ。
 それが、現状では国会図書館ですら入館制限をして予約制で、普段よりも少ない人しか入れないようになっているようだ。他の公共図書館や、大学の図書館などでも入館制限や営業の停止などがなされているだろうことは想像に難くない。日本はヒステリックに大声で叫ぶ意見のほうが、非論理的であっても通りやすいという変な国だし、知り合いにそんな状況の中図書館に足を運んでもらうのは申し訳ない。自分が日本に行ったとしても、国会図書館に入れるとは限らないようだ。

 ということで、遠隔複写サービスを試してみることにした。国外からの以来も受け付けているようだし、支払いにクレジットカードも使えるようである。国外の研究者向けのサービスでもあることを考えると、書かれていないけど外国発行のクレジットカードにも対応していると考えていいのかな。その辺の細かい情報が少ないのはやはりお役所仕事というところか。大切なのは複写に対応してくれることだから、文句は言うまい。
 その前に、利用者登録が必要だった。日本語至上主義者としては、ユーザー登録ではなく、利用者登録になっているところに、国会図書館のプライドが垣間見える気がして好ましい。入館にはさらに登録利用者カードの発行が必要になるようだが、こちらが日本に行けるめどは立っていない。行きたいかと言われると、答に窮してしまうのだが、いずれは銀行の手続きなどで行かねばなるまいとは思っている。

 登録方法は、特に目新しいところもなく、メールアドレスを登録したら本登録用のアドレスが送られてきて、必要事項を入力するだけだった。外国の電話番号でも問題なく入力できたのはありがたかった。電話番号の入力を必須にしておきながら、日本の電話番号にしか対応していないところがあるけれども、実家の電話番号が使えなくなったらどうしようと不安になってしまう。
 登録して、ログインして利用者情報のページをみたら、外国の住所を登録したのに居住国が日本になっていた。チェコに変更。問題なく変更できて、すぐに変更されたという連絡のメールが届いた。郵便番号のところにチェコの郵便番号を入れることもできたのだが、〒の後ろに5桁の郵便番号が並んで、その後に住所がつくという表記はチェコのものとは違うから、どうしようか考えているところである。

 さて、一体何の複写をたのもうか。郵送料がかかることを考えると、いくつかまとめてお願いしたいところである。とはいえ、最初は使えるかどうかの確認だから、細かいことは考えなくてもいいような気もする。そうしたら、気になる本や雑誌を登録しておける機能があった。著作権はきれているはずなのに、インターネット公開されていない雑誌のチェコに関する記事や全集に納められている原典のわからない翻訳などを登録しておくことにしよう。
 そういえば、マサリク大統領から日本の子供たちへのメッセージなんてのがあったなあ。どういう経緯で日本の雑誌がマサリク大統領に原稿を依頼したのかも気になるし、まず、これから依頼してみようか。いや、俳句雑誌に載っているらしいチャペクの翻訳も読んでみたいし、もう少し考えてからにしよう。
2021年4月1日24時30分。










タグ:国会図書館
posted by olomoučan at 07:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 本関係

2021年04月02日

スロバキア首相辞任(三月卅日)



 マトビチ首相が、独断でロシアからワクチンのスプートニクVを輸入したことがきっかけで、勃発したスロバキアの連立与党内の対立は、マトビチ首相の辞任でけりがついた。だからといって解散、総選挙になるのではなく、首相の首の挿げ替え、いや、首相と財務大臣が役職を交代するだけということになるようだ。

 マトビチ氏率いる政党OLaNOでは、ワクチン輸入が明らかになった際に、厚生大臣が辞任しているが、その後、マトビチ氏に対する抗議で、連立を組む政党SaSが、大臣を次々に辞任させ、キスカ氏の党の大臣も一人辞任していたため、マトビチ内閣は存在はするけれども、半数近くの大臣を欠くという状態に陥っていた。
 SaS党が大臣が復任する条件として、マトビチ首相の辞任を求め、マトビチ首相が辞任する条件として、SaSに飲めそうもない条件を突きつけたことで、このまま機能しない内閣が続くか、内閣総辞職で解散、総選挙になるかと期待していたのだけど(制度上一院制の議会の解散ができるのかどうかは知らない)、マトビチ氏があっさり譲歩したことで、政治上の危機は一応終結した。

 後任首相になると目されているのは、財務大臣のエドゥアルド・へゲル氏で、マトビチ氏の長年の政治上の盟友として知られている。ただ、マトビチ氏ほど攻撃的な性格ではなく、人当たりがいいため、反感をかいづらく、他の連立与党からも反対が出にくいと見られているようだ。この状況で、指導力よりも調整能力が評価されている人が首相で大丈夫かと心配にはなるけど、強引さで失敗したマトビチ氏の後任としてはこの手の人を選ぶしかないのだろう。
 もう一つの心配としては、へゲル氏が首相になっても、実態はマトビチ氏の操り人形に針はしないかということで、そうなるとまた、連立を組むSaS党との対立が起こって、内閣が機能しない政治危機を迎えることになりかねない。この連立内閣は、成立当初からOLaNO党の党首マトビチ氏と、SaS党のスリーク氏の過剰なライバル意識が見え隠れしていたから、ワクチンの件がなくても遅かれ早かれ、二党の対立に至ったのではないかと思う。いや、今後も対立して倒閣の危機が繰り返されるだろうと予測しておく。

 現時点でマトビチ氏は去年の選挙のときの熱狂的な支持が嘘のように、支持を落としているようだ。結局、去年の選挙の時点では、フィツォ政権の犠牲者とも言えなくはないジャーナリストのクツィアク氏が暗殺されて最初の選挙では、フィツォ党、コトレバ党以外であれば誰でもよかったのだろう。つまり、マトビチ氏が選ばれたのは、この人ならという積極的な選択ではなく、消去法で選ばれたということだ。だからこそ、迷走を始めるとやっぱり駄目だったかとすぐに見限られるのである。
 言ってみれば、十年ほど前の日本の民主党政権みたいなものだ。お試しでチャンスを与えられて、能力を示せば、支持者を増やして長期的に政権をになうことになったのだろうけど、どちらも、批判するのは得意だけど、実務能力に欠け、それを批判されるのには耐えられないという典型的な野党体質を露呈してしまった。日本チェコに限らず、与党も野党も、偉そうなことを言っていても、なべてポピュリスト政党と化してしまっている世界的な傾向は、スロバキアも同じということか。

 次の選挙で、すぐにフィツォ党が復活するとは思えないが、大統領だったキスカ氏が設立した新政党も期待したほど存在感を発揮できていないし、注目に値しそうなのは、フィツォ党内にいながらフィツォ氏からはちょっと距離を置いていて、フィツォ氏が対人を余儀なくされた後に首相を勤めたペリグリーニ氏が設立した新政党だろうか。無責任に予言しておく。
2021年3月31日24時。









タグ:政治 内閣

2021年04月01日

国勢調査(三月廿九日)



 土曜日の午前0時から始まったオンラインでの国勢調査は、10時間以上も回答を始められない状態が続き、技術的な問題だけでなく、渋滞も解消されて完全に問題なく回答できるようになったのは、日曜日になってからだと考えていいようだ。一日で初期不良を何とか解決できたのは、チェコにおけるデジタル化、オンライン化の流れの中では、比較的早かったといいたくなる。十年以上前の話だけど、自動車の登録システムの場合には、稼動に至るまでに何度も延期され、ようやく稼動したかと思ったら問題続出で、解決までに半年ぐらいかかったような記憶がある。

 統計局もシステムが安定して稼動するかどうかに不安があるのか、オンラインでの回答期限を5月11日までと、一ヶ月延長した。当初の回答期間が、4月9日までと二週間ぐらいしか設定されていなかったから、延長期間のほうが長いという本末転倒ぶりである。それによって回答する人が同じ時間に集中しないようにということなのだろうけど、チェコ人なんて、スーパー何かの開店の際に行列を作ってまでできるだけ早く入ろうとする人たちが多いのだか、国勢調査でも開始直後に多くの人が殺到するのは予想できたと思うのだけどなあ。
 うちのは日曜日の午後に回答したようだが、10分ほどで問題なく終えていたから、この時点で、ほぼ問題は解消されていたと考えてよさそうだ。ニュースでは土日だけで、全人口の十分の一、百万人ほどの人がオンラインで回答を済ませたと言っていた。それだけ、最初に済ませてしまいたいと考えた人が多かったということだろうし、初日の駄目っぷりを考えるとこれだけの人が回答を済ませられたのは意外でもある。

 もちろん、チェコに居住する外国人として回答の義務があるので、今日うちのの指導の下、回答してみた。質問もあまり読まないまま、指示にしたがって答えていったので、細かい質問は覚えていないのだが、前回紙で回答したときよりは質問の数が減っていて、妙に偏っているような印象を受けた。特に前半は住まいのことについての質問がいくつも並んでいた。今後の住宅開発の参考にするのだろうか。
 調査の目的の一つに、住民登録しているのとは違う住所に住んでいる人の数を把握して、より実態に近い人口を明らかにするというのもあるようだが、それには時期が悪いのではないかという疑念も残る。現在感染症対策の規制で、実家に戻っている学生が多く、本来であればオロモウツ在住で回答する学生が実家在住で回答した結果、オロモウツの人口が減る可能性もある。寮済みの学生は最初から実家で回答する可能性もあるけど。

 回答をしていて、住所や、職種などを記入するところで、全部入力しなくても、ある程度入れると候補が限定されて、その中から選択できるというのは、オンラインならではの機能で回答を楽にすることが目的なのだろう。住所のほうは、通り名と建物の番号を入れると、町の名前まで入った候補が出てくる。ほかの町にも同じ名前の通りがあるのは知っていたけれども、こうして並んでいるのを見ると改めて実感がわく。
 日本人的な感覚では、具体的な住所から町を確定するというのがちょっと落ち着かず、選ぶときに間違えるのではないかと不安だった。地方などの大きい地名から順番に小さいほうに選択していくほうが、間違いが少なくなるんじゃないかと考えるのは、日本的な住所表記になれているからだろうか。チェコもまあ通りの中での番号だけを先に書くようなことはしないから、アメリカ式の住所表記に比べればまだ対応しやすいのだけど。

 一つだけ覚えている質問を挙げておくと、宗教を信じているかというものがあった。自分の考えの中に神道的なもの、仏教的なものがあるのは自覚しているが、直接信者かと聞かれて、そうだと答えるほどではない。日本の国勢調査でも直接具体的に仏教、神道の信者かどうかを問えば、日本の信者数が2億人なんておかしなことにはならないと思うのだけど、記名の調査だし、プライバシー云々でやっていないのだろうか。
 ちなみチェコで最近増えているのが、この国勢調査の信仰する宗教に関する質問に、「ジェダイ教」と答える人だという。現実の宗教に絶望した人たちが、映画の中に救いを求めたのか、集団的な冗談なのかはわからないけど、ツィムルマンのことを考えたら後者かなあ。2011年の調査では1万5千人ほどの人が「ジェダイ教」の信者だと答えたらしい。そのうちカトリックを超えると面白いのだけどね。
2021年3月30日11時。










posted by olomoučan at 06:37| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ

2021年03月31日

チェコ語の動詞と名詞の関係(三月廿八日)



 これまで、チェコ語について書いてきた文章を振り返ると、大部分がすでにチェコ語のことを知っている人向けというか、チェコ語を知らない人には呼んでもわかりにくいものだった。ということで、チェコ語を知らない人向けに、チェコ語はこんな言葉なんだという説明をしてみようと思い立った。うまく行くかどうかはわからないけどさ。

 チェコ語に限らず、最低限の短い文を作るために必要なのは動詞と名詞である。例外はあるけれどもとりあえずそういうことにしておく。そして大切なのは、動詞と名詞の関係、もしくは文中における名詞の役割をはっきりさせることである。動詞はひとつしかなければ、それが述語として使われることは明らかだが、名詞の場合は一つしかなくても、動詞に対する主語になるとは限らない。
 日本語では、文中の名詞の役割をはっきりさせるために、助詞を使う。どんな助詞を必要とするかは、文中での役割に基づいて動詞が決定することになる。大抵は、役割が同じなら同じ助詞を使うが、例えば場所を表す場合には、「で」と「に」、さらには「を」の中でどれを使うかは、動詞によって決定される。それは、ほぼ同じことを表した「この会社で働く」と「この会社に勤める」を比べれば、理解できるはずである。

 日本語の場合で、重要なのは、文中での役割と動詞が同じであれば、どんな名詞であっても同じ助詞を付けるという点である。例外として「は」があちこちに放り込めるというのはあるけれども、ここでは無視する。つまり、日本語では、どんな助詞を使うかに関して、名詞には決定権がないのである。格助詞ではあっても、格変化ではないから、などというと先走りすぎかな。
 一方、チェコ語の場合は、助詞の代りに格変化と前置詞があり、どの格、前置詞を使うかをきめるのは動詞である。たとえば、同じように「わかる/理解する」という意味の動詞でも、「rozumět」は理解する対象となる名詞は3格で表され、「pochopit」は4格を取る。これは動詞の意味そのものよりも、恐らくは語源にまでさかのぼって解釈する必要のあることだろうが、とにかく、動詞が決まれば必要な名詞の格も決まるのである。

 では、日本語の助詞と対応させたくなく名詞の語尾はというと、どの名詞でも同じなのではなく、名詞の格変化のタイプによって異なり、同じ名詞でも単数と複数でどんな語尾が使用されるかは違う。チェコ語には、男性、女性、中性という三つの性があり、それぞれの性の中でも、男性名詞は生きている活動体と、それ以外の不活動体に分けたうえで、硬変化、軟変化、特殊変化などいくつかの格変化のタイプに分類されるのである。
 さらに厄介なのは、すべての格変化で、1格から7格まですべて語尾が違うというものは存在せず、それぞれいくつかの格が共通の語尾を取ることがあり、その共通の語尾を取る格が、格変化の種類によって異なるという点である。だから、文中である名詞を使う場合には、動詞から何格が必要かを確認した上で、名詞の格変化のタイプに基づいて、必要な語尾をつけるという作業が求められる。少なくとも最初のうちは、入念にやらないと、自動的に使えるようにはならない。

 書かれたものを読む際、話されるのを耳で聞く際には、逆の手順で文中の名詞の格を確定した上でないと理解できないということになる。大抵は動詞や前置詞のおかげで細かいことは考えずに格が確定できるけれども、二つの名詞を別の格で伴える動詞の場合には、どちらが何格なのか正確に理解することが重要になる。
 別の言い方でこのことを説明すると、例えば語尾に母音「u」が現れている場合、真っ先に思い浮かぶのは、女性名詞硬変化単数4格だが、ほかにも男性名詞活動体単数3格と6格、不活動体2格と3格、6格、中性名詞硬変化単数3格と6格である可能性もある。語尾を見ただけでは、何格で使われているかは確定できないのである。知らない名詞の場合は、動詞から格を確定して、単数一格の形に戻してやらないと辞書も正確に引けないから困ったものである。
2021年3月29日10時30分。








タグ:名詞 動詞 基礎

2021年03月30日

チェコがデジタル化をすると(三月廿七日)



 日本では、確か五年に一度行われる国勢調査だが、チェコでは十年に一度行われることになっており、今年がその年に当たっている。前回の2011年の調査の際は、配布された調査用紙に記入して提出したはずなのだけど、どうやって用紙をもらって提出したかは覚えていない。ニュースを見ていると、どうも調査担当の人が配布して回収するというのが従来のやり方のようなのだけど、どうだったかなあ。滞在許可持ちの外国人も対象で、回答しないと罰金とられるという話だったから、頑張って回答したのは確かである。

 今年の調査は、非常事態宣言下で、人と人の接触をできるだけ減らそうとしている中で行われるためなのか、以前からの計画だったのかは知らないが、原則としてオンラインで行なわれ、期間中に回答しなかった人のところには、調査担当者が調査用紙を配布するという形になるようだ。同時に担当者は直接家に行ってはいけないなんてこともいっていたから、実際にどのように配布するのかは理解できなかったけど。
 そのオンラインの国政調査は、今日の午前0時、つまりは昨日の夜中の12時から回答できるようになっていた。どうして週末の深夜の不都合が起きたときには誰も対応できないような時間帯に開始するのだろうか。平日の朝9時とかの開始であれば、問題が起こったとしても対応しやすいはずである。そして、この手のオンラインシステムのスタートで、問題が起こらないはずがない。

 朝起きたら、うちのが笑って、国勢調査のサイトが、予想通り時間になっても利用できない状態だったというニュースを教えてくれた。深夜のこととてすぐに対応できるはずもなく、朝の時点ではまだ回答はできない状態だった。その後、統計局は、問題を取り除いて回答できるようになったと発表したが、回答を始めることは可能になったものの途中で回答できなくなるという問題が発生したらしく、再度回答の受付を停止した。
 全ての問題が解決して最後まで解党できるようになったのは、夕方になってからだっただろうか。しかし、午前0時から回答しようと待ち構えていた人たちが殺到したためサーバーがダウンするという事態を引き起こしていた。統計局の局長が今すぐに解答する必要があるというわけではないのだから、もう少し待ってくれとか、一度に回答しようとしないでくれなんてことをニュースで言っていた。
 バビシュ首相は、統計局長の責任は重いとして辞任を求めているようだが、統計局長はそこまで重大なことだとは考えていないようで、週明けに政府に対して事情の説明をすると話していた。局長が軽く考えいているのは、これまで政府が導入したオンラインシステムが悉く不調、初期不良を露呈しているからだろう。1月に運用が始まったワクチン接種の予約システムでも、当初はまともに登録ができず、優先的に登録できるはずだった高齢者とその家族が頭を抱えていたし、高速道路の通行券の販売システムも、初日はまともに機能していなかった。

 だからといって、オンライン化の失敗の責任は誰も取らないかと言うとそんなことはなく、昨年は高速道路の通行券のオンライン販売サイトの問題で運輸大臣が辞任して、ハブリーチェクマルチ大臣が誕生している。バビシュ政権に限らずチェコ政府がオンラインシステムを導入したり、システムを変えたりすると、決まって最初の何日かはまともに機能しない印象がある。古くは、十年以上前に、自動車の登録システムを刷新使用として大失敗して、運輸大臣が二、三人、次々に解任されたことがある。就任早々前任者の責任を取られた人もいたなあ。あのときは市民民主党の内閣だっただろうか。
 だから、現在まことしやかにささやかれている、今秋行なわれる予定の下院議員選挙でオンラインでの投票を可能にするというのには、やめといたほうがいいんじゃないのとしか思えない。ヂステムが機能しなくて投票できないと言うのなら、まだましで、同じ人が何回か投票できたり、意図的かどうかはともかく、自動的に特定の政党に票が入るようなシステムができあがりかねない。
2021年3月28日24時30分











posted by olomoučan at 06:42| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ

2021年03月29日

夏時間の憂鬱(三月廿六日)



 あまり覚えていないけれども、チェコに来て一年目は、夏時間が終わるのも、始まるのも、どちらも最初の経験で、それを辛いと思った記憶はない。しかし、目新しさが消えると、全く歓迎できないものになった。秋の夏時間の終わりはともかく、春の始まりに関しては夜が一時間、つまりは睡眠時間が一時間短くなるわけで、この時期の体調不良の原因になっていた。
 それがここ数年、夏時間の廃止がEUの議題に上るようになり、実現も近いと思われていたのだが、最後の一歩が遠い。気が遠くなるほど遠い。本来なら二年前、遅くとも去年には、夏時間と、標準人のどちらを一年中使うかが決定され、時間の変更のない生活が訪れているはずだったのだが、イギリスとEUが、離脱の手続きをまともに進められない醜態をさらし、中国から輸出されたウイルス対策に忙殺された結果、話し合いが行われず、また一年夏時間が使われることになってしまった。

 それでも、去年は自宅監禁生活の衝撃が大きく、直前まで夏時間になることを忘れていたし、職場に出ることを禁止されていて、無理して急に起床時間を一時間早める必要もなかったから、大きな影響はなかったような気がする。体調不良にならなかったという意味ではなく、自宅監禁生活に比べたら、影響は小さかったということである。
 今年も、職場が指定する検査を受けられず、在宅勤務、すなわち自宅監禁生活を余儀なくされ、その対応でどたばたしていて夏時間のことはすっかり忘れていたのだが、思い出すとうんざりだという気分を拭い去ることはできない。今年は自宅監禁生活になれた分だけ、夏時間の体調に与える影響が大きくなるような気がする。いやはや憂鬱なことである。

 それにしても、国全体の時計を一時間、進めたり戻したりするなんて手間のかかることを誰が考え出して実行したのだろう。必要なところだけが、夏の間だけ始業時間を一時間早めるぐらいにしておいてくれれば、すぐにでもそんな企業や役所はなくなっていただろうと思うのだけど、国全体、いやヨーロッパ全体で導入したものだから、簡単に廃止もできなくなったのだ。全く持って迷惑な話である。
 まだ夏時間も始まっていないというのに、明日の夜中に始まるかと思うと、頭がくらくらするような気がする。ということは、精神的なものなのだろうか。憂鬱だと筆も進まなくなるので、短いけど、今日はこの辺でお仕舞い。
2021年3月27日24時。








posted by olomoučan at 07:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯言
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