2021年03月30日
チェコがデジタル化をすると(三月廿七日)
日本では、確か五年に一度行われる国勢調査だが、チェコでは十年に一度行われることになっており、今年がその年に当たっている。前回の2011年の調査の際は、配布された調査用紙に記入して提出したはずなのだけど、どうやって用紙をもらって提出したかは覚えていない。ニュースを見ていると、どうも調査担当の人が配布して回収するというのが従来のやり方のようなのだけど、どうだったかなあ。滞在許可持ちの外国人も対象で、回答しないと罰金とられるという話だったから、頑張って回答したのは確かである。
今年の調査は、非常事態宣言下で、人と人の接触をできるだけ減らそうとしている中で行われるためなのか、以前からの計画だったのかは知らないが、原則としてオンラインで行なわれ、期間中に回答しなかった人のところには、調査担当者が調査用紙を配布するという形になるようだ。同時に担当者は直接家に行ってはいけないなんてこともいっていたから、実際にどのように配布するのかは理解できなかったけど。
そのオンラインの国政調査は、今日の午前0時、つまりは昨日の夜中の12時から回答できるようになっていた。どうして週末の深夜の不都合が起きたときには誰も対応できないような時間帯に開始するのだろうか。平日の朝9時とかの開始であれば、問題が起こったとしても対応しやすいはずである。そして、この手のオンラインシステムのスタートで、問題が起こらないはずがない。
朝起きたら、うちのが笑って、国勢調査のサイトが、予想通り時間になっても利用できない状態だったというニュースを教えてくれた。深夜のこととてすぐに対応できるはずもなく、朝の時点ではまだ回答はできない状態だった。その後、統計局は、問題を取り除いて回答できるようになったと発表したが、回答を始めることは可能になったものの途中で回答できなくなるという問題が発生したらしく、再度回答の受付を停止した。
全ての問題が解決して最後まで解党できるようになったのは、夕方になってからだっただろうか。しかし、午前0時から回答しようと待ち構えていた人たちが殺到したためサーバーがダウンするという事態を引き起こしていた。統計局の局長が今すぐに解答する必要があるというわけではないのだから、もう少し待ってくれとか、一度に回答しようとしないでくれなんてことをニュースで言っていた。
バビシュ首相は、統計局長の責任は重いとして辞任を求めているようだが、統計局長はそこまで重大なことだとは考えていないようで、週明けに政府に対して事情の説明をすると話していた。局長が軽く考えいているのは、これまで政府が導入したオンラインシステムが悉く不調、初期不良を露呈しているからだろう。1月に運用が始まったワクチン接種の予約システムでも、当初はまともに登録ができず、優先的に登録できるはずだった高齢者とその家族が頭を抱えていたし、高速道路の通行券の販売システムも、初日はまともに機能していなかった。
だからといって、オンライン化の失敗の責任は誰も取らないかと言うとそんなことはなく、昨年は高速道路の通行券のオンライン販売サイトの問題で運輸大臣が辞任して、ハブリーチェクマルチ大臣が誕生している。バビシュ政権に限らずチェコ政府がオンラインシステムを導入したり、システムを変えたりすると、決まって最初の何日かはまともに機能しない印象がある。古くは、十年以上前に、自動車の登録システムを刷新使用として大失敗して、運輸大臣が二、三人、次々に解任されたことがある。就任早々前任者の責任を取られた人もいたなあ。あのときは市民民主党の内閣だっただろうか。
だから、現在まことしやかにささやかれている、今秋行なわれる予定の下院議員選挙でオンラインでの投票を可能にするというのには、やめといたほうがいいんじゃないのとしか思えない。ヂステムが機能しなくて投票できないと言うのなら、まだましで、同じ人が何回か投票できたり、意図的かどうかはともかく、自動的に特定の政党に票が入るようなシステムができあがりかねない。
2021年3月28日24時30分
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