癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

予想通りの流れが始まった。
父にとって、これからが辛い日々となる。

いろんな症状に苦しんでいる方をよそに
父の今の状況は「辛い」には値しないだろう。

・・・が、ジレンマというか、イライラがおさまらない状況であることには違いない。
父は水分をごくごくと飲めない。
何を飲むにしても、とろみをつけなければならない。
とろみと言っても、ジャム状だ。
水も、お茶も、ジュースも、何もかも・・・だ。

今回の誤嚥性肺炎をきっかけに、
父の良い部分と悪い部分がハッキリと出ている。
痛みや苦しみに我慢強い所はさすがと言えるが、
それが逆に悲しくもなる。

それでいて、父は聞き分けが悪い。

そしてここからは、父のその悪い部分が先行していくのだろう。
本来、父は聞き分けが悪い。
昔から、口で言って伝わる人ではない。

自分自らが「こうだ」と言い出したら
絶対に聞かない。

母はそんな父に49年間付き添った・・・力尽きるまで・・・。
振り回されたと言えばそうだろう・・・が、
上手くコントロールしてきたともとれる。
いずれにしても、今の父が居るのは
母のお蔭であることは間違いない。


今日の父は、何を言ってもどんな説明をしても
水分を・・・とろみのついていないものを飲ませろ・・・
その一点張りだった。

目つきは悪く、攻撃的。
つられてこっちがイライラしてはいけない・・・と
同じ説明を繰り返すことしかできなかった。

押し問答を繰り返すこと20〜30分。
一向に怒りがおさまらない父。
どうにもできない歯痒さ・・・当たる所は何処にもない。

わかった・・・相談してくる・・・と言い残し、
父のいる部屋を後にした。

相談したところで、答えは変わらない。
父の希望を叶えて、再び誤嚥性肺炎を引き起こしたら
次はどうなるかわからない。
今回は約6日間の絶食を余儀なくされた父。

しかし、何を言っても全く受け付けなくなった父には
何を言っても・・・となってしまった。

この状況は、ずっと続くのだろうか。
それとも・・・
いずれにしても、辛いのは父だ。
そして、私は何もしてあげられない。


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