癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

冬時期・・・夜中のトイレは起きるのが辛い。

若い頃とは違い、布団から出るまでの躊躇具合が半端ない。

だから、枕元に上着を置いて寝ている。

それを羽織れば寒さは和らぐ。

夜中にトイレに起きるとき、階段前を通る。

そこには1階と2階の階段を仕切っている扉がある。

1階の電気がついていれば、その扉の曇りガラスから

確認することが出来る。

以前は1階で両親が寝ていた。

母が闘病中、1階では母が一人寂しく寝ていた。

夜中にトイレに起きた時、1階から明かりが漏れている時があった。

それは母が眠れていないことを意味していた。
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胸が苦しくて眠れない。

胸が痛くて眠れない。

呼吸が、息が苦しくて眠れない。

症状を緩和するために痛み止めを飲んでいるのかもしれない。

母は・・・恐怖の夜・・・と表現していたことがある。

他界するまで、1か月を切っていた頃だった。

いろんな症状で、その時々の精神状態で、

母は夜が来るのが怖かったのだろう・・・・。

そういうことさえも、心底理解してあげられなかった。

そんな自分が本当に嫌になる。

あとで思う・・・いつもそうだ・・・

あの時、夜中にトイレに起きた時、

そっと1階に降りて母の顔を・・・母に顔を出してあげる

だけでも良かったじゃないか・・・と。

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