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2019年12月30日

正月飾り

「あらめずらしい門松…。」
母が私の住む田舎に来たとき、ある店の前に置いてあった門松を見てそう言った。

以前はマーケットにせよ、すこし大きめの店舗には必ず門松が置いてあったが、昨今はそうしたことは行われないらしい。
長く続く不景気による経費削減なのか、日本人として信仰心が薄れたのか、はたまた伝統文化の衰退
か…。

確かに昨今、正月飾りがすくなくなった。
以前、アパートやマンションに一人で暮らしているときですら、私自身、正月飾りを玄関につけた記憶がある。それより前は、自家用車にも正月飾りをつけていたこともある。

ところが、このところ、飾りをする家の方が少ないように思える。
ここ田舎でもそうなのだから、都市部ではなおさらだろう。

「一夜飾りはだめよ。」
と、執拗に母に言われたことを思い出す。

今日、回覧板で『どんど焼き』の案内が来たが、正月飾りのない家は、『どんと焼き』の時に、何をお炊き上げするのだろうか。

政治の失策により、経済成長が二十五年以上止まっていることを考えれば、経費削減もやむを得まい。

一方で、日本人として信仰心が薄くなっているのは、核家族化と教育によるものが大きいだろう。
令和の時代になり、あらたに天皇陛下即位した。

一連の儀式は、日本神道の伝統的な儀式であり、すべては『日本の神々に感謝を捧げ、国民の平安と繁栄を願う』ものである。

儀式だけが取り上げられ、世界中にアピールされたが、果たしてその心は伝えられたのだろうか。

伝統文化の衰退も急速に進んでいる。
時代とともに変わりゆくものもあるが、変わってはいけないもの、守るべきものもあるのだ。

伝統を子どもたちに教えるのは、家庭や地域の役割だったが、今や、学校でも関わりを持たないと、ますます廃れてしまうに違いない。

人知を超えた存在である神さまによって生かされているのが人間なのだ。

堂々とそう教育できる日は、いつになったらやってくるのだろうか…。








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