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2017年06月19日

僕と君の夏休み プレイ日記3 八幡清理編 途中まで面白かったのに、まるで打ち切り漫画…
















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▼僕と君の夏休み清理編攻略。唯一主人公と幼馴染ではないヒロインなので、違うテイストのシナリオを期待してスタート


主人公が悪霊に憑りつかれて、ヒロインがそれを退治しよう、でも勝てない、じゃあ修行しよう、ってな導入部



彦磨を倒すための修行のテキストがAAになっているのが面白い。

流石にここまでは同人ゲームじゃないと出来ない芸当だ。

しかもこのAA、テキスト送りをするとパラパラ漫画のように動く。これ、かなり画期的な演出じゃないだろうか。結構びっくりだ











▼恋愛ゲームだから主人公とヒロインが修行といいながらも仲良くなるんだけど、その過程がとてもいいね。


毎日休みなく修業をしてきた清理。普通の女の子がしてきたことを何も知らない



夏輝は俺の修行に付き合ってくださいという建前で、清理をデートに誘う。清理もすぐに修行と称したデートであると気づくんだけど、ここで拒否せず素直に遊ぶのがとても性格のいい女の子で好感が持てる
(この後の展開で主人公に生き方を指摘されたときも、ヒスを起こさず素直に受け入れるし)



商店街で入った喫茶店で初めてパフェを食べて感激する清理。

今時そんな女の子がいるのかと驚く夏輝…

彼女の特殊な事情を知りながらも強く惹かれていく

うーん、王道だ









▼特殊な家系に生まれた人間だから、弱い自分を隠して必死に生きる清理。



でもそんな本心を夏輝だけは見抜いてて、本当の自分になろう、それが本当の成長になると諭す


そしてこれまで以上に強く惹かれる二人。


しかしこのシナリオ、他のヒロイン全く出てこないな…









▼告白のキスシーンは、バックで花火が打ちあがるのが、もうベタオブベタなんだけどすごくきれいな展開。


「初めて好きになれた男性が主人公でよかった」「多分俺は清理さんよりも前から清理さんが好きだった」の流れは特にきれい。


ループムービーが背景に流れるという、滅多に見ない演出を同人ゲームでやってるのが凄い。




私の知る限りだとこの演出をやったのは北へ。ダイヤモンドダストだけだ(実写背景ゲーム自体が少ないしね)










▼キスシーンの後、シナリオ突入。


おお、遂に入ったー。これから彼女になった清理とのラブラブイチャコラとかがあるんだな。


ここまでプレーして僕夏は、後半にヒロイン視点のシーンが入り、祭りの日に告白して付き合う(保留されるケースもあったが)シナリオが共通だと気づいた。なるほど、お約束って奴ね






なん…だと…





いきなりの事後で驚く。このゲームで主人公とヒロインが露骨にセックスした描写があるとは。いまのところ、唯一エロゲーの名残だ。



っていうかキスやセックス中、彦磨はどうしてたんだろうね。なんかこのシナリオ、他のヒロインがほぼ出てこないし、これまでのシナリオと雰囲気が悪い意味で違う部分がある…






▼そんなふうに、ん?と思ううちに、違和感を覚えながらも、かなり唐突な展開のあと、清理と彦磨のバトルスタート


え?いきなり?確かにもう31日が近いけど、展開早すぎる…


結構真面目なシーンの筈が、これスーファミ版キャプテン翼のパロディじゃねえか(笑)


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更にスーパーサイヤ人的に覚醒する清理


夏輝「スーパー清理さんだ!」


えっと…

このシーンマジで必要あった?もうすでにやりすぎで寒いんだが…



折角、清理が初めて夏輝を名前で呼ぶシーンなんだし、もっと感動的に出来たんだけど



そして戦いは引き分けに終わる。








▼更に唐突な展開で旅立ち。高校を休学し、修業の旅に同行すると言い出す夏輝


他のシナリオの感動シーンである友達との別れは、まさかの無し。しかも疎遠になって別れすら無しというあり得ない流れ。


えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇ……



そりゃないよ。清理の台詞にも皆は夏輝のことが好きと2度もあったし、このゲームは夏休みをテーマにした恋愛友情ストーリーじゃないのかよ…


僕夏は、主人公が他のヒロインとくっ付いても三角関係とかドロドロにはならない。

主人公の事が相当好きなのに、フラれたらスッパリ諦めるというのが、ヒロインの株を上げていたし、ヒロイン間にも友情がある爽やかさが夏らしくて良かったのに、これじゃ台無し







ノーマルエンドでは夏輝はそんなに薄情じゃないと言ってたが、むしろおまえらが薄情じゃないかと






夏祭りは皆で過ごしたし、疎遠になるにも早すぎる。


っていうかなにこの唐突に唐突な展開は…シナリオ入ってからまだ10分くらいしか経ってねーよ…

別れのシーンの音楽を清理が泣くシーンで流しても、全然感動しない…

そしてアニメーションもエピローグもなく、夏輝のモノローグで唐突にFIN

これもキレが悪い









▼いやあビックリした…ビックリ…


途中までは本心を出せない女の子とそれを励ます少年、という、ボーイミーツガールのお約束ストーリーが凄く面白くて惹き付けられたんだけど、いくら何でも終盤が酷過ぎる。



もう一夏の思い出とか一夏の恋とか全然関係ねーよ。シナリオ入ってからは安っぽいバトル展開しかないし



ストーリー後半という認識の部分が完全に終盤だった事が驚き。シナリオ入ってから10分で終了。まさかこんなにあっけなく終わるとは思わなった。内容も酷いしね


彦麿にしても散々思わせぶりなことをいっておいて、特に活躍も言及もなく終わり。これも、夏輝のモノローグだけで終わり。まるで打ち切り漫画のよう


友達との別離は100歩譲って、別の道を夏輝が歩むことになった演出にしても、書き方が最低に雑。そもそもヒロインたちはそんな人間じゃないし、清理が楓を放置して去っていくとか、前の攻略が楓編だっただけに本当に有り得ない


これならまだ、楓EDの後に見たノーマルエンドのほうがずっといいEDだわ(というかノーマルEDはかなり綺麗なED)


評価。30点の駄作。前半が90点だけに落差が酷過ぎる…

絶対にもっと面白く出来たから、非常にもったいないシナリオ



シナリオライターは同じ人みたいだが、もう引き出しが尽きてしまったのだろうか


プロと素人の絶対的な違いは、やはり引き出しの量と質。だから同人ゲーム制作者は一発屋が多い


所詮同人ゲームは素人が作ったものなんだなあと思い知ってしまった。本当は格の違いを見せつけてほしかった




2017年06月17日

かたわ少女体験版をプレー 製品版との違いが多くて驚く






かたわ少女をコンプしたので体験版をプレーしたが、余りの違いの多さに驚いた。30時間近いプレーで慣れたので余計にギャップがある。

まずいきなりタイトル音楽が違う。しかも違うだけではなくて、この音楽は製品版には存在しない。サントラにも入ってなかった気がする。


これがまた凄い綺麗な音楽で、かたわ少女は体験版までクオリティが高いのかって感心した


(この時点でかなりの衝撃で、意外にもかたわ少女の体験版と製品版の違いをまとめたサイトがなかったので、ここに記してみる)


そんな、製品版未収録の音楽が非常に多い。琳にいたってはテーマBGMすら違うアレンジがされている。

ついでに、健二も

もしかしたら曲名も違うかもしれない。


これだけ大規模な変化のある体験版と製品版も珍しい







タイトル画面も違う。

体験版ではヒロインとサブキャラの設定画。なかなかかわいい。センターのリリーは今より幼く見えるが、どの設定画とも雰囲気が違う、強いて言うならミーシャがまだ綺麗だった頃の、作中の学園祭のシーンっぽい。男性キャラはイメージそのまま





製品版では攻略していった順番に下からACT画面の絵が並ぶ(でも最終的には同じ絵になるかも)








体験版デモ画面の、とても日本人には見えないバタ臭い久夫には笑った




だが製品版ではゲーム中同様、イケメンに変貌。表情もクールで、片手で傷ついたハート(ロゴ)を持つ







チャプタータイトルも微妙に変更。体験版の「残された時間」ってのは、主人公が死ぬこと前提みたいなニュアンスだから変更したのだろうか?


和訳の演出も製品版のみだ
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オプションに製品版にはない機能がある。これは逆に製品版が劣化してしまったのだろうか








クラスメイトに、露骨にどこかで見た人がいる

しかもなんかすごいこっち見てる

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自作ではなくキャプチャっぽいが、これはジャパンアニメに熱狂しすぎたスタッフが空気読まずにやったのだろうか?製品版では当然変更。製品版では消えた、まさに幻のクラスメイトである













製品版では知り合った直後から「久夫君」と親し気に呼んでくれる華子が、体験版ではなぜかずっと「中井君」と呼ぶ。距離、あるな…




これは製品版のプレー日記で、華子は「案外距離を詰めてくる」と言うような事を書いたが、製品版のほうが改善後なのだし、こちらのほうが好きだ。スタッフ的にもやはり考えるポイントだったことに納得した





その他にも細かい違いが多かった。体験版の優良な音楽の数々はぜひとも使って欲しかったなあ。






2017年06月16日

僕と君の夏休み プレイ日記2 一条楓編 ベタと斬新さと












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▼僕と君の夏休み楓編クリア。幽霊ヒロインとしてはベタもベタな展開だが、面白い。ベタ以外の何者もないヒロインとシナリオなんて稀じゃないかってくらいにベタ。楓がうっかり夏輝の中に入ったり、





幽霊であることなどから、他のヒロインへの劣等感と嫉妬に狂って暴走した楓が、他のヒロインを始末しようとしたり、危険と見做され強制的に処分するしかないという展開になったり…


だが主人公の愛で正気に戻ったり(正気に戻す為に何故か乳首を吸うというミラクルは新しい)、その後いっしょに記憶探しをしたり…



楓もまた、他のヒロインたちと同じで実は幼馴染だったり…


と余りにもベタだが、既に記憶喪失設定のある主人公が、再度記憶喪失になるというストーリーが新しい。

これは逆に、初めて見た気がする







▼でも、そこからのストーリー展開が急ぎ足で、成仏するまでの会話が冗長でダレたのが残念


泣けると評判だが、プレーしてて我に返ってしまった


お前らいつまで会話してんだよと


名残惜しいのは分かるけどさ


これでは折角の感動シーンが台無しである


ゲームの会話シーンはもっと簡潔にすべきだし、ここまでグダグダ喋ると、え?まだ逝かないの?とさえ思ってしまった






更に、終盤の演出がかなり弱い。スタッフロールの写真もエピローグのものがないし(これは意図的かもしれないが、驚きが無かった)、特に気になるのがラストシーン。



数年後、大人になった主人公。


かつてプレゼントした、もう海に捨てたはずのあの鈴の音が聞こえ、驚く


後を歩いていく、俯いた楓そっくりな女性…


年齢も主人公と同じくらいだし、赤ん坊からではなくリアルタイムで転生したの!?と茫然となった。

最後、プレゼントしたアクセサリが映ってFIN…って…



ちょっと尻切れトンボな気がしない?



いかにも映画でありそうなシーンだが、この後どうやってまた恋愛関係になるんだよとか、なぜ捨てた鈴を持ってるんだよとか(これはベタなら同じ物を偶然持ってたってのがありそう)そっちの疑問が感動を上回っちゃったよ。転生って同じ顔の生きてる女にでもしたの?ってのもね


そこがスッキリしない原因








▼幽霊ヒロインだとまぼろし月夜のあやめのEDが非常に良かった。


成仏し、転生するところまでは同じだが、ちゃんと0歳から15歳(あやめの年齢)になる15年後に再会する。


主人公はその間も、ヒロインを忘れられず、女性と付き合う事もなく、大人になっている


だから凄くストーリーが重いんだ。


もう良い大人になってて、他のヒロインたちも完全に独立した人生を歩んでる。しかもギャルゲーなのに、主人公以外の男と結婚までしてるというバツグンのリアリティ


15年ぶりに再会したヒロインは、前は着物を着ていたが(幽霊だからね)、今はかつて主人公が通っていた高校の制服を着ている。だが主人公の事は完全に忘れている


そしてそんなエンディングは、オープニングで主人公とヒロインが初めて出会うシーンを踏襲しており、最後の最後、ヒロインは主人公を思い出し、名前を呟く…


うわあ…泣いちゃうよこんなの


という私が見た中で一番感動的な幽霊ヒロインのエンディングなんだが、どうもそっちにイメージを引っ張られてたせいか、オチがないような、中途半端な幕切れに感じてしまった。


(楓編に感動したプレイヤーもまぼろし月夜のこのEDを見ていたら、物足りなく感じると思う)








▼僕夏のエンディングはメインヒロインの紗耶のそれを見ても思うが、割とアッサリしている。紗耶はそれが綺麗さに繋がったが、楓はどうにも中途半端で残念だ


評価 85点。面白いけどスッキリしない











▼あと…紗耶編と違って、EDが人間のボーカルじゃなくて、初音ミクというのがどうも…
製作が下手であまり綺麗に歌わせられてないし、作詞VIPPERってのもVIPPERのダレ?って我に返っちゃったよ

駅の名前がいちじょうなのも特に意味がないんだろうか…





2017年06月15日

かたわ少女 プレイ日記7と総評 手塚琳シナリオ 哲学ながらも帰結は極めてシンプル

▼かたわ少女、琳を攻略。大体6時間かかった。

トータル20時間後半のプレータイムで大ボリュームだった。凄いフリーゲームだ。

忙しかったこともあり、攻略に2カ月以上かかったが、これにてかたわ少女をハッピーエンド全制覇。進捗率は98%(コンプまでのプレー日記は最後に追記)








▼シナリオのテーマは間違いなく「理解」だと思われる



琳に対して一方通行な選択肢をするとバッドエンドになるので、あくまで琳を理解したいというスタンスでシナリオが展開する


琳が、自己表現とかもあるが、自分を他人に理解してもらいたいという思想で絵を描いていたり、正直オチとしては引っ張った割にありきたりだなと思った。





しかもシナリオの中盤、ラブロマンス展開は面白いが、ずっと琳を追いかけて付かず離れずを繰り返すので、正直ダレてしまった。拒絶するヒロインというのも骨が折れる





こないでといわれてもこらえ切れずに出向いてしまう久夫。そこで見たものは思いもよらず、薄暗い部屋でひとり自慰をする琳だった。そこから久夫が自慰を手伝うのだが、ここなんて最早シリアスな笑いですらあった


だがその後の2人が相互理解をしつつも、または出来ないながらも恋愛感情と精神的成長によって歩み寄る流れはとても綺麗で読ませた。


久夫も完全に琳の事を(シナリオテーマ的には他人のことを)理解できたわけではないが、美術教師が明らかに琳の事をまるで理解していないキャラクターとして描かれてるので(静音の父とポジションが被る)、ここに明確な違いがあった


琳の考えや人格、作中では物凄く深く、他人には理解できないものだと描かれてるが、私は案外本当に普通だなって思った。


最初の生理の話で、あ、なんだ割と普通の人じゃん、って思って、そのイメージがずっとあった。これが素顔なんだと

焦って物凄い早口で捲し立てるのも(画面中を埋め尽くすテキスト演出は地味に画期的)思いを言葉にするのが苦手だからだとすぐわかった


そして久夫に本心を打ち明けて泣いてしまう辺りでも、根本は素直な普通の少女なんだと


まあスピードワゴン小沢みたいに、新しい言葉を作りたがったりもするけれど


これだけ変人キャラとして設定されたヒロインの結末としては些か肩透かしだが、琳はこのゲームのヒロインでは闇が深くないほうだ。前にやったのが闇が深すぎる笑美だからかもしれない




素直になれないだけ、最悪、ただの厨2病とさえ取られかねない


特に腕がないという障害が意外にもクローズアップされないことが原因。琳もそれを障害として本当に捉えてるかは微妙だ。もしかしたら琳は腕があっても同じように変な人だったかもしれない

ただそれには琳の家族のエピソードが必要不可欠だが、何故か琳に限ってのみ、過去の話や家族の話が一切出てこない。両親を失っている華子を除くと、恐らくは存命なのに、両親が唯一登場しないヒロインなのが謎










▼終盤の展開は非常に綺麗。このかたわ少女で描かれるセックスや恋愛は本当に綺麗としかいいようがない。琳のイベント絵は綺麗なのが多かった




ラストシーンは結局のところ琳が変わらない琳らしくてよかった。やはり変な奴である。ここはなかなか感動した。最後の言葉は「幸せ」かと思った












▼ただ静音シナリオなどでもいわれてるが、久夫って結局何歳まで生きられるの?ヒロインと幸せな関係を築いたのに直後に死にましたじゃ余りにも悲しい。




他にも疑問や不満としては、笑美の私服が実は笑美シナリオで彼女になることとは一切関係なかったこと(笑美シナリオ終盤で割と衝撃の事実っぽく知らされる年上という事実も、さらっと言っちゃうし、久夫もほぼ無反応だし…)、琳は笑美を本当はどう思ってるのか分からなかったこと、琳の裸の立ち絵がなかったこと、琳、久夫に笑った顔を見た事ないと言ってるが、お前もシナリオ入ってからただの一度も笑ってないな…などが挙げられる









▼さて、これでかたわ少女はほぼ完クリしたが、本当に素晴らしい名作だった。




琳シナリオは90点、感動シーンも多いが中弛みが酷かった。ただ正直、華子シナリオと少し展開が似ているので、焼き直しっぽい。



展開も似てるが、お互いへの理解というテーマまで同じだ



優しく解釈するとこれは本作そのもののメインテーマでもあるのだが、華子と琳、どちらを先にやるかでこの2つののシナリオの評価は変わりそうだ






このかたわ少女というゲーム自体には、評価S+ 95点をつけたい。


本当は100点でもいいくらい好きになったが、障害をテーマにしてようがそこはエンタメ、ゲーム、やはり甲乙はある






【総評】
シナリオ
笑美>リリー>>華子>琳>静音

キャラクター
リリー>>華子>>笑美>琳>静音


で良かった順番。




静音はゲーム的にも選択肢が1つしか出ない箸休めラノベシナリオのヒロインだったり、不遇だな…







だが、名作の定義は後世に残るテーマや完成度のある良作だとしているが、かたわ少女はそのどちらにも当てはまるだろう。

だが残念ながら日本ではかたわ少女はそこまでヒットしなかったようだ。youtubeなどの国際的サイトでも日本語ファイルは殆どあがっていない。逆に海外からのアップロードはいまだに盛況している。様々な国からアップされているが、日本が一番少ない(ユーザー人口などももちろんあるが)


これはあまりにも勿体ない。折角無料でプレーできるフリーゲームなのに。









海外ゲーム、所謂洋ゲーはGTAなどのアクションゲームが圧倒的に主流だが、ADVでもこんな名作を作られたらもう国産ゲーの立場、勝ち目がないレベル。




というか今まで遊んだ洋ゲーで一番面白かったのがかたわ少女だ







かたわ少女の開発費はどのくらいだろうか。音声がない以外は商業作品以上のクオリティなので、500万円はしたかもしれない。

もう今後これ以上のフリーゲームが出ないことは間違いないだろう。このゲームが衰退した時代に商業ゲームを遥かに超えるクオリティの名作を遊べたことは非常に満足だ


















【翌日追記】
進捗率100%を目指す。

▼琳バッドエンドを見る。

明らかに琳への理解をブン投げてアホの子になり果てた久夫。

だが雨の中の琳との会話はなかなか感動的な方向に行く…が、やはり最後は破綻、別離してしまう。

これは最初ノーマルエンドと思ったが、内容的にはバッドエンドだろう。華子だけはEDがグッド、ノーマル、バッドと3種類あるが、琳はグッド、バッド1、バッド2だと思った。琳シナリオはなぜか選択肢が3つ出るのだが、殆ど意味が変わらない部分が多かった




▼バッドエンドを見る
これは酷いエンディングだ、まさかのまさか、久夫がこのゲームで唯一死んでしまう。しかも不整脈と関係なく、屋上から酔っぱらって落下だ。健二の責任は重いだろう。しかし健二のこのシーンでの台詞も意味不明だし、なんのために作ったシナリオかサッパリだった。


この時点で達成率99%。残りCGはその他の絵が3つ残っている


▼華子のシティランデブーの下のみが空白なので、ここを埋めるために模索する。

まずは図書室からシティランデブーに飛ぶ。そうしたらなぜか違う会話になる、1%刻みという時点であまり正確じゃないが、進捗率が少し埋まったのだろうか。


その後ゲームロードからシティランデブーに到達すると、ささやきと接触が解放。

これで100%達成だが、ささやきと達成は既に初回プレーで出ている…というかこれは普通にグッドルートのはず。

進捗率の仕様がよくわからないが、実は全てのテキストを読んだら初めて図書室に開放される仕様なんだろうか?


残りCGも確認したら一切増えてないのに埋まったことになっている。

結果最後のオマケCG(最後の最後だというのに、誰が描いたのか、へたくそ)が解放。これにて本当にかたわ少女をコンプ。だが前記の仕様ならまだまだ見てないテキストがあるかもしれない。ないかもしれない。もしくは進捗率一定以上とか他のヒロインを攻略してることが条件、ってパターンかもしれない。ここだけよくわからなかった。

2017年06月13日

僕と君の夏休み レビュー感想&プレイ日記1 小翠紗耶編 まさかの王道青春モノ(ネタバレ)





















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▼今更ながら僕と君の夏休みをプレー中。

やろうと思った動機というか、なぜこれまでやらなかったかというと、はっきりいって2chのVIP発ということで、バカにしてたから





でも4ch発のゲームであるかたわ少女があまりにも面白かったのでネット掲示板のゲームも良作があるのではないかと思ったから(もっとも、かたわ少女のことはバカにしてなかったが)



ただこのゲームの評価がやけに高い事は知っていた


そんな人による、現在からの視点によるレビュー感想を徒然と書いてみる


今更このゲームをやる人は少ないだろうから、ある意味貴重なレビューになると思う









▼まず特筆すべきは、かつてないほど2ちゃんねるスラングやアニメネタ、パロディを多用したゲームであるということ。

そして開発着手が2007年、それから3年開発で2010年配信ということで、まあ当然なんだけど、ネタが非常に古い


現在の2ちゃんねる、ネット界はなんJが主流に取って変わったが(でもなんJはあくまで野球ネタだし、ゲーム開発もしないから、VIPとは違うか)近年ブームの淫夢ネタが当然ながら、ない。

野獣先輩ではなくくそみそテクニックや阿部さんがホモネタのメインだったり、物凄く時代を感じた。



ネットネタ、オタクネタの乱発については、余りにも臭い内容だが、私は意外な程、そこまで違和感がなかった


理由は、あれからネット業界、サブカル業界も徐々に変化し、ネットの垣根が無くなったことが言えるだろう。

アニメやオタクが当時に比べ、市民権を得たことがいえる。

今では、邦画はアニメしかヒットしないしね(一応いうと私はアニオタでは全くないので、著名人の発言などから見た、客観的な分析)



リア充なんて言葉も今じゃ一般的になったし、オタク系のラノベ、アニメではこのゲームと同じくらいのネットネタ、アニメネタがある




2010年なら俺の妹がこんなに可愛いわけがないが強烈だったが、ネットカルチャー、オタクネタの頻度はそれらの作品と大体同程度であるので、悪く言えばこのゲームの独創性が開発が長引いたせいで霞んでしまった


リアルタイムでやっていたら、もっとインパクトがあったかもしれない。でもそれらの作品と違い、本作はオタクネタを乱発してこそいるが、主人公がネット、アニメ好きの少年程度の個性に抑えられていて、ヒロインが全員非オタなのが良かった。ここが決定的に違う








▼グラフィック
まず目につくのが、やはりキャラデザ。OPの時点で違和感が酷かったが(でもこのOP自体はあり得ないほどいいデキ)キャラデザの方向性だけではなく、画力に落差がありすぎる。


紗耶と楓は少年誌的で上手いし可愛いが、ももが余りにも酷い。他のキャラも、もう何系のキャラデザかも不明


公式HPの絵はそこそこ描けているが、実際の立ち絵は落書きみたい

並ぶとギャップも酷いので、これはもう少しなんとかして欲しかった










▼音楽
意外なことに(?)音楽がとてもいい。しかも全て自作だというのだから、驚きだ。


主題歌まであるし、王道の青春っぽい音楽。AIRに似た曲があるので、参考にしたのかもしれない


いや音楽はマジでいい…びっくりだ。







▼パロディ
前述したが現在では非常に古いネタばかりなので、今遊ぶと時代を感じ、逆に面白い。当時のユーザーなら尚更楽しめる。開発者も言ってるが、逆に知らないとサッパリ笑えないと思う。主人公の日記の表紙がひろゆきのAAで笑えたが、これも歴史が古い


そもそも本作はぼくのなつやすみのエロゲー版として開発されたのだが(略称がぼくなつと僕夏って紛らわしいな、検索するとどっちも出ちゃうし)、
ぼくなつっぽさは全然なかった。

せいぜい共通点は日記くらいで、ぼくなつのぼくくんの純粋な文章とはまるで違うけど、かなり笑えた


1ページで手抜きする主人公もね



しかも開発者によると大人の事情でエロはカットされてしまったらしい。名残でR16くらいだと言っているが、エロ要素がほぼなかったのが残念(正直)。セックスしたと思われる個所すらない







▼システム環境
シーンを丸ごとスキップ出来るし、オマケでシーン頭にジャンプ出来たり、非常に有能。フリゲとは思えない。ただ前の選択肢に戻るがそのセーブデータではなく、プレイ状況そのものに依存しているのが厄介だった。



攻略に関してはヒロインとの対話で選択肢が一切出ず、選べるのは移動場所のみ。これはヒロインとコミュニケートしている感が薄いので悪手







▼シナリオ
ギャグも笑えるし、ネットネタを多大に挟みつつも意外なことに王道ラブコメ。


最初なのでストーリーのコアを知るためにもメインヒロインの紗耶から攻略したのだが、本当に有り得ないことに、綺麗な青春物語でとても面白かった。







前半と打って変わって後半はネットネタがほぼなく、少し残念だが、アホな日記もなくなる。右上のモナーとダディクールが浮いていたほどだ、もうVIPが全然関係ない(そういえば俺の妹とかも後半はオタクネタが全然関係なかった)






EDでヒロインたちと別れるシーンでは、不覚にもグっときてしまった。


そして多分楓の絵師が描いてるので紗耶と楓以外のヒロインが、突然の美化。グっときながらも笑ってしまった


ピンポンパンポーン♪というアナウンスの音が、まるで前奏のようにナイスタイミングだね(BGM扱いでもないのに)。




「またねっ!」で半泣きだわ
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このシーンで流れる音楽が、またいいんだわ。









▼だが本当に感心したのはここからだった






紗耶から手を握られた際にこっそり渡された手紙を船の上で読み、そこで初めて、素直になれない彼女の本心を知る。(それがVIPクオリティ!のAAに噴く。しかもURLつき。シリアスシーンだしこれはいらなかったかもね)



主人公は必ず帰ってくると誓う




そのままエンドロール






なんだこの、サクラ大戦3みたいな別れの美学は…ちょっと泣けるやんけ




スタッフロールでは、紗耶との思い出の写真が映し出されていく





そして最後の1枚が、ロングヘアでスカートを履いた、まさに女の子に成長した、紗耶。こちらに向かって笑顔で手を振っている。これには正直驚いた。




フリゲでまさかこんな粋な演出をするとは。もう映画じゃん





そしてその後のエピローグでは、紗耶からの「最後の手紙」。




主人公の中の紗耶が、あの夏の思い出で止まっているのがポイント(今度は普通の封筒で良かった)




この後、先程の写真のシーンにつながることを予想しながら読み進めていくのだが、




それがまさかのアニメーションムービーとは予想外。













ひとり寂し気に主人公を待つ紗耶






主人公の存在に気づく


こちらに向かって笑顔で手を振る、女の子らしく成長した紗耶




セピア調になり





Fin










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……って…





うわあ…なんやこれ…






ものごっつ綺麗なエンディングやんけ…(半泣き)




沙耶の成長って、こういうことね(胸も少しだけ大きくなったしな)



もう別れのシーンから再会まで、全てが完璧過ぎる





主人公はなんで来るのにまた1年もかかってんだよとか、ってことは大学は違うのかとか(EDで進路の話もしたのに)、女の子になった紗耶はどんな性格なのかとかまあ疑問も多いが



もうね、アホかと、バカかと。




余りの青春ストーリーに、ちょっと感動しちゃったよ








▼まさかの連続でとても驚かされた。前半のアホな内容からこんな感動的なEDが待ってるとはとても想像できなかった。この記事でも、何度あり得ないとか、まさかとか書いてるんだろうね、本当に不意打ちの良作だった


ただピークはスタッフロールの写真だったので、エピローグはもっと違う見せ方がよかったと思った。


期待度が低かったこともあって、とても良作だ。VIPだからという偏見は完全にいらないフィルターだった。


90点の良作







▼逆にダメなところを纏めると



・表情パターンが多い割にポーズが少なすぎる。紗耶が終盤泣くシーンは、お前なんで腕組みしながら泣いてるんだよってシュールさで笑っちゃった(ちゃんと普通のポーズで泣くシーンもあるのに)



・SDキャラの雰囲気が実際の絵を再現できてない。紗耶、なぜ茶髪?最初誰かと思ったよ



・フラグ管理が非常に適当で、雑過ぎ。出てこないキャラの名前が出たり、知り合いという設定だったりする。EDにいきなり出てきた豪三郎にはマジでお前誰だった




・紗耶の部屋に入りたかった。引っ張った癖に、まさか入れないまま終わりだとは。多分バッドエンドで紗耶が隠れていたのは、灯台下暗し的に自分の部屋だと思うんだが…




・グッドエンド、バッドエンドの分岐フラグが意味不明。ももと会っているとグッド、あやめと会っているとなぜかバッドになるのだが、それが一切ストーリーに結び付いていない。これは攻略出来ずに困ったユーザーが数多くいるだろう。開発者が計算通りの反応だと書いてるが、何が計算か意味が分からない



公式サイトのブログが、海外からの荒らしに酷く荒らされている(悲)。コメントが数千件もあるので、うお、すげえ人気じゃん!って思ったら全部荒らしスパムで、ファンのレスが一つもなくて心底がっかりした。それが削除されてないのは管理人も面倒臭いのだろう。次の記事からこっそりコメント閉鎖されてるし、bbsも荒らされたまま









今遊んでもお勧めの良作です。



それが、VIPクオリティ!
(やはり、古いな…)






2017年06月06日

かたわ少女 プレー日記5 茨崎笑美シナリオ 〜ゲームの中の人生〜

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▼かたわ少女、笑美シナリオクリアしました。


いやあ、正直さほど期待してなかったし、キャラデザ的にも、どうせいかにもギャルゲエロゲのロリ系、妹系のシナリオだろ?わざとらしくツインテだしな。全部の話が暗いのもアレだから、これは箸休め的シナリオなんだろ?程度に思ってたんだが、とんでもなかったな。

いい意味で裏切ってくれた。

これはもう、本当に素晴らしい。

ゲームの中で茨崎笑美という、1人の人間とその人生を作ったのではというくらい凄い



まず最初に言っておくとこの笑美シナリオ、かたわ少女の何番目にプレーするかでかなり先入観と評価が変わるんじゃないか

キャラ紹介にはこうある


膝から下を切断するという障害を負ってなお、笑美は学校どころか世界でもっとも陽気で楽天的な少女の一人かも知れない。足を失う原因となった事故の後も決して絶望することなく、むしろ自分の障害を天の恵みと考え、その義足は永遠の重荷となるどころか、陸上部員としての彼女の能力を最大限に引き出している。



私は4週目なのでこのイメージが頭にあるし、これまでクリアしてきた華子、リリー、静音シナリオに断片的に登場する笑美はまさにその通りのキャラクターで、障害に負けない強い少女なんだなあと思ってた


まあフェイクだったわ



▼で、いざやってみると、笑美が設定やこれまでのシナリオ通りの性格ではないことにすぐに気付く。


まあハッキリいうと、かなり畜生度が高い。








ラノベまたはギャルゲー的な見た目通り、シナリオもギャルゲー的に展開されるので、障害の扱いが非常に軽い



笑美は完全に自分の障害を乗り越えてるし、他の障害者に対してもそういう、あっけらかんとした扱いをする(とその時点では思っていた。他の所感も同義)


他のシナリオでは、久夫の不整脈はヒロインにとても心配されるが、笑美にとっては非常に扱いが雑で、「私のせいで死んだら寝覚めが悪い」、とまで言われてしまう(ひでぇ)


他にも非常に強引かつハデな性格で、練習後「エッチみたいに気持ちいい」というこれまでのシナリオとは違うキャラクター性のセリフに驚く。


え?お前したことあんのか?1人エッチか?お?イキってんのか?




この時点で、あ、この人の本来の性格はこうなんだな。仲良くなるとこうなんだな、と気付く





▼ストーリーは本当にトラッドなギャルゲータイプで、久夫は笑美が陸上部の部長と付き合ってるのではないかとやきもきしながらも、笑美と徐々に親密になっていく





そしてかなり急激な展開で付き合う2人。

「キスするならチャイムが鳴るまでにしたほうがいいよ」


唇を重ねるふたり。「いちごの香りと味がする…」



オオッ!青春だあ!ギャルゲーだあ!


甘酸っぱいなあ、オイ!





▼その後の交際してるんだかしてないんだか分からない、もどかしい距離感がいい。実にフワっとしており、親友の琳にも交際したことを言わないし、主人公ですら、笑美が彼女なのか微妙ということを口にする



このあたりがACT1〜2のピークで、付き合う前後が一番面白かった。


付き合ってからは立ち絵が変わったり(これにはかなり驚き)、久夫と呼び捨てになり、特別感もかなりある





▼交際後、初めてデートをする2人。友達から恋人になったが、これまでとやってることが何も変わらないのでは?でも、友達同士はキスはしないでしょ?といういかにも青春モードで悩む



部屋で枕投げをして遊ぶシーンは子供っぽさも相俟ってとても微笑ましい(セックスしそうな流れだけど)

寝転がる笑美……可愛すぎィイイイイイ!




笑美の部屋で初めてセックスをする二人。驚いた事にアホなシーンで掛かるファニーな音楽が流れている(笑)

あ、やっぱりこのシナリオはこういう流れなんだな


と思うのも束の間…








▼だがこの後が名作シナリオの汚点過ぎる。


幾らなんでもこれ、付き合ってから中盤のターニングポイントまでの展開、雑すぎでしょ。



スポーツ少女ということで爽やかな恋愛を期待したのに、セックスしてセックスして…









アレッ!?他になんかやってたっけ???







特に練習しようと思ったのに倉庫でアナルファックしたのは呆れてしまった

しかもこのシーン、最早ギャグだろってくらいに絵がヘタクソ。アメリカのアニメの作画崩壊レベルで酷い。寝転がるシーンとは別人過ぎる


これまで、あれだけ走る事に熱心で、走れ走れと言ってたのに…



ゲイだとかアナルとか、ローションとか、ネタも汚い。


何かもう本当に単なるエロゲーにかたわ少女は成り下がってしまった。障害という大きなテーマはどこにいったのだ


ハッキリいって、あまりの劣化に失望し、このあたりで既に他のゲームをやろうとすら思ったのだが、続けていくうちにストーリーに暗雲たち込める。







▼笑美は何か大きな隠し事をしており、苦悩を抱えている。そして主人公の事を信頼していないのか、何も話してくれない。頼ってもくれない。恋人なのに


ずっとこのシナリオを箸休めだと思っていたから、おっ?と思うわけだ



ここからの急展開により強烈なギャップを生んだのは本当に見事で、一瞬の雰囲気の変化が凄い。

ここでイッキに引き込まれた(だからといってここまでの展開をこれほど下品にする必要性もないが)


ラブラブでセックスまでして、彼女と仲良くなって、素顔を知ったように見えても、それは意図的に笑美が引いた一線によるもの。その裏に隠された本当の素顔は見せていない。


まあ普通に考えて脚を切断されて平気なわけないよな(正論)






▼これまで見せたこともない笑美の潜んでいた邪悪さや、拭い去れない苦悩、悪夢との戦い。久夫をあっという間に切り捨てて別れようとしたり、女って怖いなと思わせる。ライターは女性だろうか。これまでの好き合った流れがウソのように「合わないから」とあっさりと別れを切り出され、その後話す事すらなかったというバッドエンドは本当に鬱だ。





致命的に関係が決裂しそうになる2人


周りのアドバイスもあり(実は最後のミーシャ以外のアドバイスは、受けなくてもハッピーエンドは見れる、この分岐も上手かった)、彼女とその悪夢に立ち向う久夫…


頑固だった笑美もそんな久夫に心を打たれ、更に隠された、弱い少女である本当の素顔を見せる…という一連のシナリオが本当に見事で引き込まれた

ド畜生だけど、後述のラストシーンなどでも反省してしっかり謝ってくるのも好印象







▼笑美はこのシナリオもそうだが、かたわ少女という1本の作品の中で何度も(表面に出ている)性格が変わる。その分、顔グラも多いんだが、本当に別の人間のようだ。だがそのどれもが笑美なのだろう




笑美がセックスやキスに慣れすぎているので処女ではない(かたわ少女は殆どヒロインからセックスしてくるけど)、彼氏がいたというのは間違いないと察していたが(「キスをして笑われたのなんて初めて」というセリフが最初の確信)、案の定長く付き合っていた彼氏がいたが笑美の引いた一線のせいで別れた事や、


実は事故のため留年していたため年上だったり、


周りの勝手なイメージではピンクが好きだと思われているが、本当は青色が好きだったりという一見どうでもいいことまでを告白されるパパのお墓参りをするシーンは、ショッキングながらもプレイヤー=久夫に笑美に対する強い思いを抱かせる名シーン。



その後のセックスやラストシーンに至るまでもとても綺麗な流れで、髪を下ろした笑美はここで初めて年上の女性に見えた



紆余曲折ありながらも、「今日はどうしよっか?」という本物の日常に戻るセリフで締めたのも、素晴らしい演出だ


笑美シナリオは、要約すると、主人公が必死になって日常に帰ろうとするストーリー。それがたった1つの短いセリフでこれほど表現出来るとは、本当にたまげた








▼笑美シナリオは他のルートに比べ、主人公が周りの人間に助けられているシーンがとても多い。なんと他のシナリオでは主人公の大きな悩みの種であった、あの岩魚子の手紙さえポジティブに変えてしまう(逆に、ルートによって岩魚子の手紙が登場しない唯一のシナリオでもある)



ナースはほぼ全面的に心強い味方だし、何よりリリー、華子ルートでは殆ど敵だった静音とミーシャが、主人公の友達ポジションなのが良い。


これは笑美シナリオに入るまでの生徒会に勧誘される共通ルートがよく反映されてて面白いなあと思った(ただここを通らなくても同じ展開にはなるだろう)。


先に静音を攻略していないと、ただのお節介に見えてしまうが、実際は久夫のことを本当に心配してくれての行動なので、まさか生徒会に入らなくてもこんなに助けてくれるとは…

と、この2人のイイヤツぶりが際立つ(しかも、笑美と静音自体は仲が良くないのに)。


ミーシャに至っては、いなかったら間違いなく笑美と別れてるレベルの活躍


笑美も同じく、主人公を励ます為に走ろうと提案してきたわけだが、他のシナリオで恋のアドバイザーにはならない。そこが違った








▼恐らくプレーした人間の大半が気付くが、笑美シナリオでは実は笑美に対する選択肢は殆どない。



その大部分が、他の人間に対する選択肢だ。


これはまず間違いなく、教師のいう他の角度からの観察という、化学理論に基づいてゲーム性も作ったんじゃない。

ただの紙芝居ゲームなのに実に上手いと感心した







▼評価 95点。中盤の下品な描き方以外は完璧なお話。恐らくギャップを持たせる為にハイテンションなシナリオにしたのだろうが、別に汚い描き方をする必要はなかった






▼-5点したが他にも気になる点はあって、ざっくり箇条書き


・他のヒロインが活躍するシナリオなのに、何故か華子だけ登場しない。前の記事にも書いたが華子の人生が、主人公が介入しない場合どうなるか?というのはとても気になるので、出して欲しかった。リリーの話によるとやはりダメなままのようだし…




・こそ泥の話はストーリーに必要が無い。テンポを悪くするだけだった




・久夫に愛してるとか、好きといわれてから笑美の氷が溶けるまで、幾らなんでも一瞬過ぎないか。まるでこの言葉自体が引き金になったようだが、イマイチ入り込めなかった。というか余りのスピード感に、笑ってしまった。「ごめん!」の連呼とかこの勢いは、リリーの告白シーンと被る




・ラストシーンのタイトルが靴下バンザイなのは意味が分からなかった。ドラッグ、セックス、ロックンロールはないというテキストも意味が分からない。何かのパロディ?まあミスマッチでしょ。きれいな歯もちょっとよくわからない






とにかく密度の濃い5時間でした。







▼残すところ、遂にヒロインは琳1人だけ。達成率79%なんで、長さに差があるように見えて、どのヒロインも実は同じ分量なんだろうか。

このシナリオをプレーして、今更かたわ少女が主人公&ヒロイン2人のスリーマンセルものだと気付いたが、笑美が琳シナリオではどのような役割を持つのか?どのようなキャラクター性なのか?というのが今ではとても気になる


キャラデザが好みじゃないので一番後回しになったが、この独自の価値観を持つキャラの恋愛観には期待



バッドエンドの健二は本当に最後の最後にやるけど




2017年05月29日

徒花の館 レビュー感想 ありがち過ぎる乱造ネタを斬新なゲームに昇華させた良作

エンディングや契約者に関する核心的なネタバレあり


仇花の館、小説というかラノベ化されるということもあって攻略しました。






非常にユニークなゲームで、主人公が集められた側ではなく主催者側の殺人鬼というのが新しい。





殺人鬼が主人公のゲームは金田一少年の事件簿 悲しみの復讐鬼以来じゃないだろうか。いや、フリゲでならなんかあるだろうけど、デスゲーム系では相当稀だろう





デスゲームマンガはもう飽き飽きしているが、ゲームとなれば話は別。この題材をゲームにしようという着眼がよかった



いってみればこれは、デスゲームゲーム




ワンプレー30分で、次からは10分かからず攻略できるのもいい(実は雫との対戦などは、一番上の選択肢だけで勝ててしまうから、AとZを適当に押すだけでOK)





トータル1時間くらいで全エンドを見たが、ラノベライターが製作、執筆してるだけあって中々に愉快なギミックがあって面白かった。


特に前のゲームで主人公に殺されたメンバーの死体や血液を使い、主人公を欺いてくるのが面白い。




でも、前の死亡者の血液を使ってリンゴを赤く染める…ってのはありえないギミックでしょ。見れば普通気付くって




キャラごとに特徴のある駆け引きをしかけてくるのも良い(ただしこの部分にバグあり。ロッカーにいる死体を刺してなくても何故か刺したことになっていたり)




紹介文には、ストーリー要素は殆ど無いと書かれてるが、ラノベライターだけあって結構シナリオが面白い




バッドエンドでは主人公が殺されてしまうが、今度は主人公を殺して残された全員で再度デスゲームをやるというブラックなエンディング






このバッドエンド、主人公が存外あっさり殺されてて、セリフの1つもないんだよね。そこが惜しかった。ああいうキャラが殺そうとしてるターゲットに返り討ちに遭うところとか、見たかったけどね







このゲームの前日譚で、実は主人公が相打ちで殺されていて、デスゲーム参加者も主人公も全員死人だった。



主人公が生き返るために悪魔である執事(黒幕)の能力でデスゲームをやっていた、なんてベタなオチのグッドエンドなんかよりずっとバッドのほうがよかった(このあたりも人狼ゲームと同じような話でありがちだが)






実はマトモに見えて(最初に殺されるキャラ以外)全員が何かしらの異常者というのもシニカル


そういえば石のファイル3だけ出現しなかった。石が意中の相手をなぜ好きだったかだけは謎だったな。





面白かったです。オリジナリティを評価して、70点の良作。





一つ欠点をあげるとデスゲームに大金を使う設定に、意味がなかった。

これは一般的なデスゲーム漫画だと人間的な汚さを煽る話に使われるが、特に1000万とか意味が無かった。生き残れば金を持ち帰れると主人公が煽って敵サイドが混乱するとか、もっと面白くできる要素はあった気がする







でも短いゲームだしそんなシーン入れてるとジャンル変わっちゃうし(カイジになるわ)、ダレるので、これでいいかな


インテンスの3DS脱出ゲーのリリース数が激減してる件…

インテンスが3DSでリリースしている脱出ゲームシリーズの本数が(というかゲームのリリース数が)ピークに比べ、激減している



もうあまり売れないのだろうか










脱出ゲームのリリース減少には、スマホが関係しているのだろうか




スマホで多様なアプリが出ているためか、そちらに人が流れているのかも。



3DSでもシンプルシリーズから出てるシリーズも多いので、十分低価格だが、スマホになってしまうと、もう無料で出来るアプリも多い


リリース減少は寂しい








トキノシリーズは16/9/28に8作目である脱出アドベンチャー 第七の予言が出たきり



超科学脱出シリーズは第3弾である超科学脱出 最果てのクロスアイズが出たきりだ




超科学脱出ストーリー〜絶海の豪華客船〜と超科学脱出 ギア・ディテクティブ両方の続編だから、これで完結の可能性もある






ホラーシリーズの呪いの廃校舎、呪いの廃病院も続編はいまだに出ていない




一番ローコストで作れそうなキャラやシナリオ要素がない脱出ゲームも出ていない





特に一番面白かったケンタロウが主人公の密室シリーズ(SIMPLE DLシリーズ Vol.12 THE 脱出ゲーム 〜危険な5つの密室〜、SIMPLE DLシリーズ Vol.14 THE 脱出ゲーム〜裏切りの密室)はもう出ないのだろうか





主人公とヒロイン結婚してるし、展開パターンがもうないのであれで完結なのか





主人公がピンチになって、くるみが悪態つきながらもたすけてくれるところまで妄想した




このシリーズの場合明確に主人公ケンタロウ、ヒロインサクラってのがあるので、
ヒロインを交代するのはちょっとありえないか



スピンオフでケンタロウたちの後輩の大学生とかでやって欲しい














他のシリーズはSFだったりとんでもカギ師だったりと不思議要素があるけど、
ケンタロウシリーズだけはリアルな世界観なので、逆にオリジナリティがある。出して欲しい


完結といえば完結してはいるが、 続けられそうな要素は結構ある







タランチュラも壊滅してないしクルミともまた会うようなフリがあるEDだったので、続編を意識してた可能性もある




私はケンタロウシリーズが一番好きだが、最初は好調だった脱出ゲーも最近ではめっきり売上が落ちてる(正確には売上データは公表してないが、ニンテンドーショップのレビュー件数より推測)ようで、レビュー件数が1/10以下になってる。

リリース数も激減するわけだ






それに準じた分析をすると、ケンタロウシリーズは超科学脱出シリーズやトキノシリーズよりずっと人気があるので、続編出して欲しい







特にシナリオが面白かった


恋愛ゲームでもないのに、女性の恋愛観や結婚観がこれだけリアルに書けてるゲームは稀







マイナーゲーなので検索しても感想が殆どヒットしないが、SIMPLEシリーズを扱ったサイトではシナリオがチープとあるが、それは的外れでしかない







というのも、ちょっとズルイ言い方をするとプレイヤーの恋愛経験の有無で評価が変わるシナリオなので、そのテのオタク系にはウケない、理解出来ないストーリーだからだ。



私はヒロインのさくらにとても共感した




シナリオライターは女かと思いきや意外にも男。多分結婚で苦労したんじゃないかと妄想する


ストーリーと脱出トリック、どちらも恋愛要素があるのも、ウィットに富んでいる

最後のトリックの答えが、CRUSHONYOUなのは、クルミのケンタロウへの告白で、これも切ない。




「ストーリー」だけの恋愛要素が濃いゲームは数あれど、最後は「トリック」も本当に恋愛絡みというのもよく考えられてた




2周目やると随所でケンタロウに好きだとはいえないからメッセージを送ってるのが、またいい



オマケシナリオで眠ってるケンタロウに自分が恋人になった話を話してたり、イタズラしたいといったり




10話でサクラのフリをしたのも、サクラになりたかった(ケンタロウの恋人になりたかった)んだろうし、そのときの心配も自分には向けられてないとか、更に切ない



このシーンのクルミは怪盗キッド並の変装なので、実はクルミのスカートを覗こうとしてたケンタロウがアホすぎるから、流石にクルミも呆れたかもしれない



あそこでもっと2人にしか分からないようなツッコんだ話をしてたら案外変装がバレたかもしれない




謎解きもシナリオも面白いと感じた脱出ゲームは今のところ「ケンタロウシリーズ」だけ




恋愛要素も人間関係も、きちんと描かれていて面白い





ケンタロウ、サクラ、クルミの三角関係ははらはらしたり切なかったり読み応えあった




おふざけでちょっかい出しているように見えて、
実は本気だったというのが、これまた







1つ思いだしたが、そんなクルミがヒロインっぽい、このオマケシナリオはボツになったんだろうか
ゲームをクリアしても出てこなかった
http://www.4gamer.net/games/227/G022749/20131009038/
004.jpg
005.jpg



ボツだとしたら、それが一番切ない






この隠れた名作のオマケシナリオ情報、知ってる人教えて下さい

2017年05月28日

眠れない夜に レビュー感想 恋人の妹を恋人だと思い込んでいる主人公

ネタバレレビューします




舞台は福岡で、ヒロインと夜の福岡をぶらつくのがプロローグ



しかし、なぜ福岡?


作者名から察するに、製作者が福岡の人間だからというだけが理由っぽいが、地元民のオッサンキャラでさえ方言じゃないし、かなりミスマッチというか、意義を感じない



首都高っぽい道路(実際に福岡にあるんだろうか?)も出るし、普通に東京でいいだろう




クレジットされてないが学校の背景写真も、東京の東大和市立第二小学校だしね。
http://blog.goo.ne.jp/yamato2shou/e/c09552827a4a9fd5a8f086ca0c3613b6
c522d35c1c38fff069dfd3f0722ffe90.jpg














わざわざ地方を舞台にするからには、最低でも福岡を感じさせる要素が欲しかった。



ヒロインのセリフひとつにしたって、「そう?じゃ、食べようよ」じゃなくて「そげか?んだば、食べるばい!」って言うとかね



じゃあそんなアヘアヘ明太子ゲームを…







んだば、ここからレビュー本題ばい!


















タイトル画面やメニュー画面など、90年代〜2000年代初頭のドラマや、初代PSのシンプルシリーズを思わせるゲームデザイン



溢れ出る初代PSクオリティ
nemuyoru.jpg
















ヒロインの絵は結構可愛い。素材だが、デフォルトかな




ラブプラスのミノタローの左手描きっぽい。目を細めて見ると、アトリエシリーズの岸田メルっぽくもある
13624.jpg
(凄い内股やな)







それらを踏まえ、まず最初に言っておくと、演出がかなり弱い。





素材だからできない、というのではない。ただ立ち絵を背景に合わせるだけで、演出的な事を何一つやってない。シーンに合わせて画面を揺らすとかブラーをかけるとかね。






ゲームノベルを謳っているが選択肢も分岐もなく、完全に1本道で見るだけのゲーム



にも関わらず全てが実写背景と(現実のスポットが舞台で、背景が実写のフリーゲームは珍しいので、そこは評価するが)立ち絵のみ。


しかもポーズがたったの一種類しかなく、一切変わらない。





アレッ!?キミ、かなり微動だにしないけど、肩こらないの?









背景が変わるだけで全てこの絵の連続なので、ヴィジュアル面が非常に安っぽく、シーンごとに絵を入れるような工夫がほしかった。(立ち絵がフリー素材でも、一枚絵を描いてるゲームもちゃんとあるし)




これだとぶっちゃけゲームにする必要性もない。極度に動きがなくて、最早紙芝居ですらない


テキストにただ絵と音楽を乗せただけなんだよね





眠っている茜が涙を流すシーンとか、普通なら絵を使うところだろう。山場なんだから





でも、画面真っ暗なんだよね。










あだち充の漫画みたいに、停電したのかな?











だがシナリオは短編ながらに完成度が高く、伏線や叙述トリックの使い方が上手い。



茜の正体が同じ顔をした妹だというのは、ゲームセンターで電話を使うシーンあたりで気付いたが、ベタながらにこの設定の昇華が凄い




伏線を2重に張っているのが非常に巧みで、2段オチを使う、余りないタイプのストーリー展開





茜がラジオのチャンネル操作(主人公の愛車も何故か随分古い車種だし、普通ラジオはダイヤルって言わない?)をミスるシーンが、最初は病気のせいということにされるが、2段オチとして、目が悪いため裸眼ではよく見えてない妹だったという結末は、お見事(じゃあなんで他のシーンでは普通に見えてるんだよって矛盾もあるが)






ヒロインが病気で脳死状態になったり、ショッキングな展開もあるが、クリアしてみればハートフルなゲーム。




携帯小説が好きなら結構感動できそうな話で、妹はエピローグでは随分性格が大人しくなっていたが、青年と少女の成長物語としても中々良かった





姉のほうが死亡し(茜は死んではいないが)、顔が同じ妹がヒロインとして登場したり、PS2のメモリアルソングに設定が似てた




妹が将来的な恋人になるのかなあ…でも主人公は恋人を忘れられないのかなあ…




とどちらとも取れるストーリーでゲームは終了するが、茜から託されたし、何より、前半、妹を恋人の茜だと思い込んでいた時間は、完全に恋人同士だったんで、あっさりと違和感なく前者になりそうな気がした




終盤の妹との会話シーン、セリフが最後だけ「茜」になってるのはどう解釈すればいいんだろうか。そこがわからなかった。


むしろあのシーンは、明確に茜と妹が分かれたシーンなのに






作者の九州壇氏は30代なのにこれが5年ぶりのゲーム製作で、しかも5年前が学生だったという…。


特殊な環境下の人っぽいが、次回作にも期待したい







評価:余りにも画面に動きや花がないので、そこは、もうすこし頑張って欲しい


だがシナリオはよく書けており、短編ながらに良作。75点























最後に1つ、ツッコミを。このゲームの紹介文







舞台は、秋の福岡。
なんとなく眠れない夜を過ごしていた俺は、彼女をドライブに誘う。
彼女は苦笑しながらも了承してくれた。

こうして、僕と彼女の一夜の物語が始まった。
願わくばこの先に、彼女の笑顔がありますように。



■このゲームの特徴をリストアップ
コンセプトは「眠れない夜を、貴方とともに」。
たくさんの夜景写真が、物語を彩ります。

やることがあるわけではない。でも、なんとなく眠りたくない。
そんな方にお勧めです









いや、絶対そんな内容のゲームじゃないだろ










2017年05月24日

親愛なる○○へ レビュー感想 伏線と叙述トリックの巧さ

▼親愛なる○○へ、攻略しました。絵も綺麗だし、非常に面白かったです。


ネタバレ注意




ただ、宣伝コピーと実態にかなり落差がある


宣伝にはこうある


*ストーリー*
大学に入学し、一人暮らしをしている主人公の女性、つかさ。
一週間前から、彼女の元に差出人不明の手紙やプレゼントが届くようになる。
”愛する君へ”これはストーカー・・・?
降りかかる恐怖に怯えながら、つかさは自分に何が起こっているのか調べていく。

ストーカーは人間?それともーー。


ゲームポイント
【ジャンル】探索ホラーゲーム




このアオリを読むとさもストーカーの正体が人間か、怪奇現象かを調べるホラーゲームのように書かれてるが、実際には怪奇要素が出るのはたったの1度(しかもただの見間違いというショッボイオチ)、更にホラー要素も殆ど無い


なので実際には、ジャンル推理ADV。広告に偽りアリかなって思った



▼容疑者がたったの3人で、まあストーカー丸出しの男が犯人なんてオチにはしないだろうから、親友二人のどっちかだろーって読ませておいて、実は主人公の第二人格が犯人だなんてしょーもないオチには心底ガッカリした





進めていくと、おや?どうやら何かが違うぞ?と気付き、第二人格と思しきキャラクターはつかさの弟で、つかさを殺したであろう志穂を調査するためにつかさと同じ行動を取っていた、という流れなのはお見事。

逆につかさの弟として出ていたキャラクターは志穂の弟だが、他人なのに、顔がそっくりだから分からなかった(このゲームはキャラの顔が殆ど同じだから、描き分けが出来ないという弱点を見事に伏線に昇華させたわけだ)



ここまで綺麗に伏線と叙述トリックを使ったゲームは久々


グッドエンドよりも、むしろこの弟が謎解きをするバッドエンド1が見もので、バッドエンドなのにグッドエンドより面白かった。


謎解きシーンから犯人逮捕までも長く、とてもバッドエンドとは思えないデキだが、本来はこっちが正規エンディングだったというのだから、納得(グッドエンドだったにしては、冬真が登場しないのが疑問だが)



▼ただ、推理ゲームではあるものの、何故か女子大生の自宅なのに謎解きパズルがあったり、脱出ゲームの流れを使ってるのは不用。ストーリーともミスマッチだし、全く面白くない





何故か女子大生の部屋に謎解きパズルが!とかあり得ない事の連続






▼他にもミステリというにはガッカリした点がある。

親愛なる○○の「○○」、何が入るかと推理していたが、まさか「姉」とか「つかさ」、だとは酷いオチだ。文字数が違う、これは反則だよ



つかさの弟が高三にして姉と同じ顔なのもムリがある。何故妹という設定にしなかったのだろうか?


他にもコンビニバイトはスカート禁止だとか、廃棄品は持ち帰れないとか、ミステリというにはディティールが甘い


その他矛盾点が多くて、荒削り。


それでも結構面白かったので、評価 80点
シナリオは面白いがつまらないパズルが足を引っ張った





ところで主人公のつかさ性格悪過ぎじゃないか


大人しくて真面目ではあってもイイ人ではない。


冬真が犯人じゃないかチェックするため、ネズミのオモチャで脅かすのも相当アレだが、誤解だと分かったなら、お前謝れよ


冬真が本気で怯えてるのに、「ネズミで驚くなら犯人じゃないかな」って…




志穂がつかさに恨みを持つようになった、志穂の彼氏をフった件も、




「はぐれていた西田くんを私のグループに入れてあげた」とナチュラル畜生発言


はぐれていた、入れてあげた、って…




こいつ西田相手にかなり舐めプしてんな





西田の告白を断ったとあるが、実際にはかなり酷いフリ方をして、それで志穂も怒ったんだろう。


つかさがもっとマトモならこの事件自体起こらなかったかも



犯人にして被害者…志穂が哀れ…




尚、つかさの弟が謎解きをするバッドエンド1と違い、バッドエンド2では冬真が志穂の策略通り誤認逮捕され、犯人の志穂が主役のエンディングとなっている。他のエンディングでは死亡する志穂が、唯一生存するのがこのエンディング


ファストプレーでこのエンディングを見たプレイヤーは、志穂が本当に犯人じゃないと思うんじゃないだろうか(エンドタイトルの「悲願」で気付くかもしれないが)



そのくらい良い笑顔










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