▼僕と君の夏休み清理編攻略。唯一主人公と幼馴染ではないヒロインなので、違うテイストのシナリオを期待してスタート
主人公が悪霊に憑りつかれて、ヒロインがそれを退治しよう、でも勝てない、じゃあ修行しよう、ってな導入部
彦磨を倒すための修行のテキストがAAになっているのが面白い。
流石にここまでは同人ゲームじゃないと出来ない芸当だ。
しかもこのAA、テキスト送りをするとパラパラ漫画のように動く。これ、かなり画期的な演出じゃないだろうか。結構びっくりだ
▼恋愛ゲームだから主人公とヒロインが修行といいながらも仲良くなるんだけど、その過程がとてもいいね。
毎日休みなく修業をしてきた清理。普通の女の子がしてきたことを何も知らない
夏輝は俺の修行に付き合ってくださいという建前で、清理をデートに誘う。清理もすぐに修行と称したデートであると気づくんだけど、ここで拒否せず素直に遊ぶのがとても性格のいい女の子で好感が持てる
(この後の展開で主人公に生き方を指摘されたときも、ヒスを起こさず素直に受け入れるし)
商店街で入った喫茶店で初めてパフェを食べて感激する清理。
今時そんな女の子がいるのかと驚く夏輝…
彼女の特殊な事情を知りながらも強く惹かれていく
うーん、王道だ
▼特殊な家系に生まれた人間だから、弱い自分を隠して必死に生きる清理。
でもそんな本心を夏輝だけは見抜いてて、本当の自分になろう、それが本当の成長になると諭す
そしてこれまで以上に強く惹かれる二人。
しかしこのシナリオ、他のヒロイン全く出てこないな…
▼告白のキスシーンは、バックで花火が打ちあがるのが、もうベタオブベタなんだけどすごくきれいな展開。
「初めて好きになれた男性が主人公でよかった」「多分俺は清理さんよりも前から清理さんが好きだった」の流れは特にきれい。
ループムービーが背景に流れるという、滅多に見ない演出を同人ゲームでやってるのが凄い。
私の知る限りだとこの演出をやったのは北へ。ダイヤモンドダストだけだ(実写背景ゲーム自体が少ないしね)
▼キスシーンの後、シナリオ突入。
おお、遂に入ったー。これから彼女になった清理とのラブラブイチャコラとかがあるんだな。
ここまでプレーして僕夏は、後半にヒロイン視点のシーンが入り、祭りの日に告白して付き合う(保留されるケースもあったが)シナリオが共通だと気づいた。なるほど、お約束って奴ね
▼なん…だと…
いきなりの事後で驚く。このゲームで主人公とヒロインが露骨にセックスした描写があるとは。いまのところ、唯一エロゲーの名残だ。
っていうかキスやセックス中、彦磨はどうしてたんだろうね。なんかこのシナリオ、他のヒロインがほぼ出てこないし、これまでのシナリオと雰囲気が悪い意味で違う部分がある…
▼そんなふうに、ん?と思ううちに、違和感を覚えながらも、かなり唐突な展開のあと、清理と彦磨のバトルスタート
え?いきなり?確かにもう31日が近いけど、展開早すぎる…
結構真面目なシーンの筈が、これスーファミ版キャプテン翼のパロディじゃねえか(笑)
更にスーパーサイヤ人的に覚醒する清理…
夏輝「スーパー清理さんだ!」
えっと…
このシーンマジで必要あった?もうすでにやりすぎで寒いんだが…
折角、清理が初めて夏輝を名前で呼ぶシーンなんだし、もっと感動的に出来たんだけど
そして戦いは引き分けに終わる。
▼更に唐突な展開で旅立ち。高校を休学し、修業の旅に同行すると言い出す夏輝
他のシナリオの感動シーンである友達との別れは、まさかの無し。しかも疎遠になって別れすら無しというあり得ない流れ。
えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇ……
そりゃないよ。清理の台詞にも皆は夏輝のことが好きと2度もあったし、このゲームは夏休みをテーマにした恋愛友情ストーリーじゃないのかよ…
僕夏は、主人公が他のヒロインとくっ付いても三角関係とかドロドロにはならない。
主人公の事が相当好きなのに、フラれたらスッパリ諦めるというのが、ヒロインの株を上げていたし、ヒロイン間にも友情がある爽やかさが夏らしくて良かったのに、これじゃ台無し
ノーマルエンドでは夏輝はそんなに薄情じゃないと言ってたが、むしろおまえらが薄情じゃないかと
夏祭りは皆で過ごしたし、疎遠になるにも早すぎる。
っていうかなにこの唐突に唐突な展開は…シナリオ入ってからまだ10分くらいしか経ってねーよ…
別れのシーンの音楽を清理が泣くシーンで流しても、全然感動しない…
そしてアニメーションもエピローグもなく、夏輝のモノローグで唐突にFIN
これもキレが悪い
▼いやあビックリした…ビックリ…
途中までは本心を出せない女の子とそれを励ます少年、という、ボーイミーツガールのお約束ストーリーが凄く面白くて惹き付けられたんだけど、いくら何でも終盤が酷過ぎる。
もう一夏の思い出とか一夏の恋とか全然関係ねーよ。シナリオ入ってからは安っぽいバトル展開しかないし
ストーリー後半という認識の部分が完全に終盤だった事が驚き。シナリオ入ってから10分で終了。まさかこんなにあっけなく終わるとは思わなった。内容も酷いしね
彦麿にしても散々思わせぶりなことをいっておいて、特に活躍も言及もなく終わり。これも、夏輝のモノローグだけで終わり。まるで打ち切り漫画のよう
友達との別離は100歩譲って、別の道を夏輝が歩むことになった演出にしても、書き方が最低に雑。そもそもヒロインたちはそんな人間じゃないし、清理が楓を放置して去っていくとか、前の攻略が楓編だっただけに本当に有り得ない
これならまだ、楓EDの後に見たノーマルエンドのほうがずっといいEDだわ(というかノーマルEDはかなり綺麗なED)
評価。30点の駄作。前半が90点だけに落差が酷過ぎる…
絶対にもっと面白く出来たから、非常にもったいないシナリオ
シナリオライターは同じ人みたいだが、もう引き出しが尽きてしまったのだろうか
プロと素人の絶対的な違いは、やはり引き出しの量と質。だから同人ゲーム制作者は一発屋が多い
所詮同人ゲームは素人が作ったものなんだなあと思い知ってしまった。本当は格の違いを見せつけてほしかった