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2017年06月15日

かたわ少女 プレイ日記7と総評 手塚琳シナリオ 哲学ながらも帰結は極めてシンプル

▼かたわ少女、琳を攻略。大体6時間かかった。

トータル20時間後半のプレータイムで大ボリュームだった。凄いフリーゲームだ。

忙しかったこともあり、攻略に2カ月以上かかったが、これにてかたわ少女をハッピーエンド全制覇。進捗率は98%(コンプまでのプレー日記は最後に追記)








▼シナリオのテーマは間違いなく「理解」だと思われる



琳に対して一方通行な選択肢をするとバッドエンドになるので、あくまで琳を理解したいというスタンスでシナリオが展開する


琳が、自己表現とかもあるが、自分を他人に理解してもらいたいという思想で絵を描いていたり、正直オチとしては引っ張った割にありきたりだなと思った。





しかもシナリオの中盤、ラブロマンス展開は面白いが、ずっと琳を追いかけて付かず離れずを繰り返すので、正直ダレてしまった。拒絶するヒロインというのも骨が折れる





こないでといわれてもこらえ切れずに出向いてしまう久夫。そこで見たものは思いもよらず、薄暗い部屋でひとり自慰をする琳だった。そこから久夫が自慰を手伝うのだが、ここなんて最早シリアスな笑いですらあった


だがその後の2人が相互理解をしつつも、または出来ないながらも恋愛感情と精神的成長によって歩み寄る流れはとても綺麗で読ませた。


久夫も完全に琳の事を(シナリオテーマ的には他人のことを)理解できたわけではないが、美術教師が明らかに琳の事をまるで理解していないキャラクターとして描かれてるので(静音の父とポジションが被る)、ここに明確な違いがあった


琳の考えや人格、作中では物凄く深く、他人には理解できないものだと描かれてるが、私は案外本当に普通だなって思った。


最初の生理の話で、あ、なんだ割と普通の人じゃん、って思って、そのイメージがずっとあった。これが素顔なんだと

焦って物凄い早口で捲し立てるのも(画面中を埋め尽くすテキスト演出は地味に画期的)思いを言葉にするのが苦手だからだとすぐわかった


そして久夫に本心を打ち明けて泣いてしまう辺りでも、根本は素直な普通の少女なんだと


まあスピードワゴン小沢みたいに、新しい言葉を作りたがったりもするけれど


これだけ変人キャラとして設定されたヒロインの結末としては些か肩透かしだが、琳はこのゲームのヒロインでは闇が深くないほうだ。前にやったのが闇が深すぎる笑美だからかもしれない




素直になれないだけ、最悪、ただの厨2病とさえ取られかねない


特に腕がないという障害が意外にもクローズアップされないことが原因。琳もそれを障害として本当に捉えてるかは微妙だ。もしかしたら琳は腕があっても同じように変な人だったかもしれない

ただそれには琳の家族のエピソードが必要不可欠だが、何故か琳に限ってのみ、過去の話や家族の話が一切出てこない。両親を失っている華子を除くと、恐らくは存命なのに、両親が唯一登場しないヒロインなのが謎










▼終盤の展開は非常に綺麗。このかたわ少女で描かれるセックスや恋愛は本当に綺麗としかいいようがない。琳のイベント絵は綺麗なのが多かった




ラストシーンは結局のところ琳が変わらない琳らしくてよかった。やはり変な奴である。ここはなかなか感動した。最後の言葉は「幸せ」かと思った












▼ただ静音シナリオなどでもいわれてるが、久夫って結局何歳まで生きられるの?ヒロインと幸せな関係を築いたのに直後に死にましたじゃ余りにも悲しい。




他にも疑問や不満としては、笑美の私服が実は笑美シナリオで彼女になることとは一切関係なかったこと(笑美シナリオ終盤で割と衝撃の事実っぽく知らされる年上という事実も、さらっと言っちゃうし、久夫もほぼ無反応だし…)、琳は笑美を本当はどう思ってるのか分からなかったこと、琳の裸の立ち絵がなかったこと、琳、久夫に笑った顔を見た事ないと言ってるが、お前もシナリオ入ってからただの一度も笑ってないな…などが挙げられる









▼さて、これでかたわ少女はほぼ完クリしたが、本当に素晴らしい名作だった。




琳シナリオは90点、感動シーンも多いが中弛みが酷かった。ただ正直、華子シナリオと少し展開が似ているので、焼き直しっぽい。



展開も似てるが、お互いへの理解というテーマまで同じだ



優しく解釈するとこれは本作そのもののメインテーマでもあるのだが、華子と琳、どちらを先にやるかでこの2つののシナリオの評価は変わりそうだ






このかたわ少女というゲーム自体には、評価S+ 95点をつけたい。


本当は100点でもいいくらい好きになったが、障害をテーマにしてようがそこはエンタメ、ゲーム、やはり甲乙はある






【総評】
シナリオ
笑美>リリー>>華子>琳>静音

キャラクター
リリー>>華子>>笑美>琳>静音


で良かった順番。




静音はゲーム的にも選択肢が1つしか出ない箸休めラノベシナリオのヒロインだったり、不遇だな…







だが、名作の定義は後世に残るテーマや完成度のある良作だとしているが、かたわ少女はそのどちらにも当てはまるだろう。

だが残念ながら日本ではかたわ少女はそこまでヒットしなかったようだ。youtubeなどの国際的サイトでも日本語ファイルは殆どあがっていない。逆に海外からのアップロードはいまだに盛況している。様々な国からアップされているが、日本が一番少ない(ユーザー人口などももちろんあるが)


これはあまりにも勿体ない。折角無料でプレーできるフリーゲームなのに。









海外ゲーム、所謂洋ゲーはGTAなどのアクションゲームが圧倒的に主流だが、ADVでもこんな名作を作られたらもう国産ゲーの立場、勝ち目がないレベル。




というか今まで遊んだ洋ゲーで一番面白かったのがかたわ少女だ







かたわ少女の開発費はどのくらいだろうか。音声がない以外は商業作品以上のクオリティなので、500万円はしたかもしれない。

もう今後これ以上のフリーゲームが出ないことは間違いないだろう。このゲームが衰退した時代に商業ゲームを遥かに超えるクオリティの名作を遊べたことは非常に満足だ


















【翌日追記】
進捗率100%を目指す。

▼琳バッドエンドを見る。

明らかに琳への理解をブン投げてアホの子になり果てた久夫。

だが雨の中の琳との会話はなかなか感動的な方向に行く…が、やはり最後は破綻、別離してしまう。

これは最初ノーマルエンドと思ったが、内容的にはバッドエンドだろう。華子だけはEDがグッド、ノーマル、バッドと3種類あるが、琳はグッド、バッド1、バッド2だと思った。琳シナリオはなぜか選択肢が3つ出るのだが、殆ど意味が変わらない部分が多かった




▼バッドエンドを見る
これは酷いエンディングだ、まさかのまさか、久夫がこのゲームで唯一死んでしまう。しかも不整脈と関係なく、屋上から酔っぱらって落下だ。健二の責任は重いだろう。しかし健二のこのシーンでの台詞も意味不明だし、なんのために作ったシナリオかサッパリだった。


この時点で達成率99%。残りCGはその他の絵が3つ残っている


▼華子のシティランデブーの下のみが空白なので、ここを埋めるために模索する。

まずは図書室からシティランデブーに飛ぶ。そうしたらなぜか違う会話になる、1%刻みという時点であまり正確じゃないが、進捗率が少し埋まったのだろうか。


その後ゲームロードからシティランデブーに到達すると、ささやきと接触が解放。

これで100%達成だが、ささやきと達成は既に初回プレーで出ている…というかこれは普通にグッドルートのはず。

進捗率の仕様がよくわからないが、実は全てのテキストを読んだら初めて図書室に開放される仕様なんだろうか?


残りCGも確認したら一切増えてないのに埋まったことになっている。

結果最後のオマケCG(最後の最後だというのに、誰が描いたのか、へたくそ)が解放。これにて本当にかたわ少女をコンプ。だが前記の仕様ならまだまだ見てないテキストがあるかもしれない。ないかもしれない。もしくは進捗率一定以上とか他のヒロインを攻略してることが条件、ってパターンかもしれない。ここだけよくわからなかった。
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