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2022年09月26日

会社をある日突然辞めることになり路頭に迷う

当時、働いていた派遣会社の事務ですが、特に不満はありませんでした。派遣社員60名ほどのケアをするのは楽しくも感じました。

しかし、それはある日突然やってきました。派遣会社の所長兼上司からこのような話をされたのです。

自分が親しい大きな会社で、派遣部門を立ち上げる。いわゆる「引き抜き」をされた。待遇も良いとのこと。

そこへお前も一緒に連れて行きたい。同時に会社を辞めると本社から詮索されるおそれがあるから、先に会社を辞めて待っていて欲しい。後始末が済んだらそこへ呼ぶ。とのことだった。


そして、突然、2週間ほどの引継ぎを行って辞めることとなりました。


辞めたはいいけれども、仕事を探すわけにはゆかない事に気づきました。すぐに仕事に就くためには、仕事をせずに待たなければならない。たとえバイトにしても、引継ぎをしている時間は無いし、すぐに連絡が来たら、バイト先には申し訳ない。そんな思いから仕事を探すことはやめました。蓄えはあったので、少しの間ならそのような状況でもよいかもしれませんでした。

とはいえ、いつまもでもジリジリと蓄えを減らしながら待ってはいられないと、悩みました。そこで始めたのが「パチンコ」です。パチンコと言っても、時間つぶしにやっていたわけではありません。

収入がある事を考え、勝つパチンコを始めたのです。実は「スロット」の方が主なんですが。学生時代には、ちゃんとプラス収支を出していました。月の収支で負けたことはありません。

勝つ自信はありました。しかし長い間離れていたため、初月は12万円しか勝つことができませんでした。それでも、まったく収入が無いという状況は打破することができました。そうして、2ヵ月目からはそこそこ稼げるようになり、貯蓄はどんどんと増えて行きました。

当初、一か月後くらいには連絡があるだろうと考えていました。しかし、2ヵ月経っても、3ヵ月経っても連絡が来ません。後に聞いたは話では、引き抜きであることが会社側にバレて大変なことになったというのを知らされました。しかし、それを聞いた時、「辞めさせるために騙されたのかな」という考えも脳裏をよぎりました。さらに後々会った時には、その元上司も会社が変わっており、ウソであるとは考えにくい状況でした。

転職の待機をするために始めたスロットですが、結局気づいたら4年以上もそのような生活をしていました。いわゆる「スロプロ」として生活していたことになります。4年もブランクがあり、再就職をするのは難しいとも考えていました。


パチプロになりたいと思う人は少なからずいると思います。しかし自分はなりたいからなった訳ではありませんでした。生活をしのぐ為に仕方なく始めたのです。

ここで詳細はあえて書きませんが、なかなか特異な経験でした。

20代後半のある日、ある人物からの電話でその生活が終わりを迎えました。派遣会社の上司ではありません。

大学時代に将来、会社を設立しようと話していた知人からの電話でした。何の業種で立ち上げればよいのか、迷いはありませんでした。パソコン関連です。

当初、修理をすることは考えていませんでした。周辺機器の販売をするつもりで会社を立ち上げたのです。

最近になって、NHK党の立花隆さんや、俳優の阿部寛さんが昔パチプロをやっていたという話をききました。ちょうど自分がそうだった時期と重なり、とても稼ぎやすい時代だったから、そんな人が多かったんだと、納得しました。

会社を設立して18年以上経ちました。人生の中では、そちらでの出来事の方がとても印象深い事だらけです。そんな修理屋としての出来事をたくさんつづっておりますので、他の記事も是非読んで頂ければと思います。
posted by エコ8 at 10:58| 回想日誌

2022年08月24日

文系の私がSE (システムエンジニア) を目指して挫折した理由 (その3・最終回)

大したプログラミングの知識もないのに、アクセスで1回アプリケーションを作成しただけで勘違いしていました。

しかし、あっさりと上司はプログラマーとして派遣にOKをくれたのです。

派遣先は、アパレルの卸問屋から6億円の商品管理・経理システムを受注した企業。臨時で6か月間の人員増強のための派遣でした。

私と一緒にもう一人、自分よりも5歳ほど年上の方と一緒に派遣されました。私よりも確実に経験と知識のある方でした。

最初に与えられた仕事は、仕様書と出来上がった部分的なプログラムを渡され、不具合が無いか、出力される数値に間違いがないかをチェックする作業です。いわゆる「デバッグ」です。


アクセスで SQL を学んでいたおかげで、難解な仕様書を理解する事ができ、なんとか仕事をこなすことができました。それから、たまたま簿記の資格を持っていたことも、仕様書に出てくる科目の理解の助けとなりました。

現在、思い返してみると、あの程度の知識でよくプログラマーとして働きたいと思ったものだと恥ずかしくなります。

プログラミングの知識が低いのを補うため、コミュニケーションに特に気を使いました。挨拶は快活に。返答や受け答えは、はっきりと活舌よく、を心掛けました。そうしていると、一ヵ月ほど経ったある日の事。

一緒に派遣されたもう一人の方が、契約解除されてしまったのです。上司の話によると派遣先に仕事ができないと判断されてしまったようです。確実に自分の方が知識がないにもかかわらずです。

その方は仕事はできるのに、コミュニケーションを取るのが少し苦手がゆえに、解除されてしまったのです。本当は自分も苦手なのですが、必死に補おうとしていました。

結局、仕事において重要なのは「コミュニケーション」というのを学んだ25歳夏の出来事です。

少しずつ、難しい仕事もするようになり、半年はあっという間でした。半年といいますか、一日があっという間なんです。物事に集中していると会社に来て、あっという間に昼になり、あっという間に夜になる。という日々を繰り返しました。別に楽しいからではありませんよ。


現在でも、パソコンを使って長丁場な仕事をしていると、時間の進みを速く感じ、一日では大した作業がこなせない事にいら立ちを感じることがあります。これに似た感覚です。


プログラマーとしての派遣の半年が過ぎ、派遣会社の事務へ戻ってくることになりました。仕事の満足感はあったものの、目指している SE は、はたして本当に自分がやりたい仕事なのか、という疑問にブチ当たりました。


やりたい仕事ではなく、体験してみたい仕事、だったのかもしれません。一日中、パソコンと向き合って、あっという間に日が暮れる生活に一気に熱がさめた気がしました。

作るのは好きですが、与えられた設計図を組み立てる。同じことを延々と毎日繰り返す。この事に冷めてしまったのだと思います。

自分はどちらかというと、自分で考えたアイデアを形にしたい。色々な仕事をやりたいと思う性格です。SE になれば、自分の考えたアイデアをある程度形にはできます。しかし、下積みを何年もやっての話です。それから、いくら SE でも顧客の要望を無視してアイデアを形にすることはできません。そして SE になるとパソコンにあまり触らなくなるという現実。

そういった「自分の性格に合ってないんじゃないか」という仕事内容を、より垣間見ることができて挫折してしまったのです。

最後は体よく言葉にしましたが、「もっと楽しそうな他の仕事が見えて来た」というのも大いにあります・・・。


次回は、そんな目指すものが無くなってしまった私が、ある日突然、無職になったお話をさせて頂きます。
posted by エコ8 at 18:26| 回想日誌

2022年07月31日

文系の私がSE (システムエンジニア) を目指して挫折した理由 (その2)

仕事を始めて半年もたった頃、会社からの信頼も得ることができました。

そのおかげでオペレーターをこなしつつ、その会社のホームページ作成やCG検定試験セミナーの講師助手を任されるようになりました。

大学に入った直後には、日本でインターネットはまだ知られていませんでした。代わりに「パソコン通信」というものがあり、利用していました。大学3、4年あたりで日本でもやっとインターネットが普及し始め、のめり込んだのを覚えています。

周りの誰もインターネットをしていないのに、本を買ってきて見よう見まねでホームページを作成しアップロードしたのを覚えています。

今は会社のホームページがあって当たり前ですが、当時はそうではありませんでした。たまたま、ホームページを持っているという話をしたことで、会社のホームページ作成を任されたのです。ただの派遣社員が一部上場企業のホームページ作成です。当然クオリティは低いものでしたし、与えられた資料を見やすく表示させるように組んでいくだけでした。

ちなみに自分のホームページでは、大学時代に描いた絵を紹介していました。そこで自分用にリンク集を作成し、公開もしていました。本を沢山買ってきて、便利そうなサイトをかたっぱしから追加していました。そうすると、いつの間にか、なかなかなのアクセスがあるようになっていたんです。

「グーグル」や「Yahoo!!」 がまだ無い時です。インターネットで人が一番欲しているのは良いサイトのアドレスなんだ、と、当時、少し気づいていましたが、それ以上広げることができなかったのが残念です。

また、後に「絵画に関するディスカッション掲示板」のコンテンツを追加した時も、大量の書き込みがあり、管理が大変な時期がありました。「2ちゃんねる」がまだ無い時です。だから「2ちゃんねる」が全盛になった時には、「ああ、コレもみんなが求めていたものだったなぁ」となりました。

「人が求めるものを、一番最初に便利に提供できる人が成功をつかむんだなぁ」と、思っていたのを思い出します。

さて、話は戻りましてSEに加えプログラマーの人とも仲良くなり、「プログラミングの仕事もやってみるか?」、「上司に相談してやろう」というところまで行っていました。ちょうど会社に入って1年が経過しようとしていた頃です。

当時、派遣社員の契約は1年単位。継続で更新があればもう1年働くことができる話でした。しかし、社員の知り合いが入社することになり、私が行っていたオペーレーターの席を空ける必要があったのです。

残念ながら、ちょうど1年で辞める事になり、次の仕事を探さなければいけない状況となったのです。

本来、派遣期間が終了すると次の仕事がすぐに用意されているわけではありません。しかし、たまたま簿記の資格を持っていたので、「派遣会社の経理をやらないか」という話をもらいました。

選んでいる余裕はなかったので、不本意ではあるものの承諾しました。初めの話では派遣会社の経理・営業を主に行うということでした。

実際に働いてみると、60名ほどいる派遣社員の給与計算や勤怠確認、派遣社員の募集を見て来た方の面接、派遣先の会社へ訪問でした。

派遣されていた従業員は理系を卒業して、プログラマーとして派遣されているプログラマーとSEがほとんどでした。

能力はあるのに社員として入社せず、派遣社員で SE をしているのはなぜなのか。それは実際に働いている人と仲良くなって知ることができました。私は給与管理をしていたので、従業員全員の給与金額を知っていましたし、能力も分かっていました。


ある能力のある SE の月給は60万円ほどでした。能力のあるSEにしては少ないです。しかし、この SE さん。遅刻・欠勤しまくりなのに60万円だったんです。

派遣先からクレームはしょっちゅう。しかし、派遣先はSEの能力が高すぎて本人には強く言えてなかったんです。「突然欠勤するけど、来たら人の何倍もの成果を出す」本人も給料分の仕事はやってるから文句言うなよ的な感覚だったんでしょう。

さらに暴露すると、派遣先から支払われていた契約額は月120万円でした。半分ピンハネです。当時、能力のある SE であれば月120万円でも引っ張りだこの時代でした。

また、そこそこ能力のあるプログラマーは突然、会社を3ヵ月休みたいと申し出ました。貯めたお金で世界一周を計画していたそうです。

普通に就職していたら、却下される相談です。しかし、派遣会社だから契約の期間さえ調節すれば、何の問題もありません。3ヵ月後、戻ってきて普通に働いていました。


そんな仕事をこなしていたある日、私の上司が一人の派遣プログラマーにある相談をしていました。それは、「給与計算の管理と帳票印刷ができるようソフトを作成して欲しい」というものでした。

特殊な入力項目が多く、対応したソフトが無いため毎回エクセルで全て作成していました。毎月あるのですが、約60名分を一覧で確認できる表を作成するだけで数時間かかるのです。

ソフトをつくれば、その作業が数字の入力だけでできるようになる予定でした。

私は経理の仕事の間に、マイクロソフトの「アクセス」を使って作成に挑戦してみたのです。本を一冊買ってきて、試行錯誤して作成してゆきました。


出来上がったものを、上司に見てもらうと採用されてしまいました。この件がきっかけで、プログラマーとして世に出てみたい気持ちが再び燃え上がってしまいました。

そして、上司に「派遣に出してください」とお願いしたのです。
posted by エコ8 at 13:25| 回想日誌

2022年06月24日

文系の私がSE (システムエンジニア) を目指して挫折した理由 (その1)

システムエンジニアという言葉だけにあこがれていたのかもしません。
「パソコンのソフトを作り上げるまとめ役の人」というイメージを当時は持っていました。


仕事の中心は「プログラマーの中の一人としてパソコンの前で仕事をするんだろうな」とも考えていました。


就職超氷河期に文系の三流大学を卒業した自分には、成りたい職業を選ぶという事ができない時代でした。


それでも、パソコンが好きで大学時代には200万円以上を注ぎこみ、機器やソフトを揃え、パソコンに触ったことが無い人が多い時代に、それなりに扱えるようになっていました。


田舎の社員募集を見ると、パソコン関連の会社は1社のみ。募集人員も数名なのに、そこへ百人以上応募するようなイカれた時代でした。

大学は九州でしたが、福岡で就職活動をしてみると、田舎の数百倍とも言えるような募集がありました。
IT系の募集は特に多く、SEをなんとなく意識し始めていた自分には好都合でした。


それでも厳しい就職難。就職説明会、入社試験・面接をたくさんしていると、正直、心が折れました。
自分は元々、自分を良く見せようと説明するのが苦手なのです。
それでも面接ではそのアピールが必要です。
「犬に木に登れ」と言ってもできる訳がありません。


また、「圧迫面接」というものが当時は普通に行われていました。
故意に侮辱したり怒らせるような発言をされます。今考えれば、冷静に対応でき、ストレスに耐えうる人間を見分けるのに必要だったんだと納得できます。
しかし当時は、圧迫面接を理解せずに暴言をあびせられ、半分病んでしまいました。


仕事を見つけなければ生きていくことができない。
そう思った私は、ハローワークへ足を運んだり、就職雑誌、はたまたバイト雑誌まで入手し、新卒がやる事ではない行動をし、情報だけでも得ようと必死でした。


そんな中、目に止まったのがバイトの求人広告に出ていた「IT派遣」というものでした。
「バイトと社員の中間?」と考えていた私は、すぐにプログラマーやオペレーターの派遣募集している会社の面接に申し込んだのです。


就職難の時代でしたが、当時の福岡は後に「ITバブル」と言われるほどパソコンに関わる仕事があったんです。


面接をして数日後でした。


電話があり、「夜勤の仕事なんだけど、大丈夫?」という内容でした。
仕事は、ある上場企業の印刷オペレーター。
保険証や診断書、公的な書類を印刷する仕事です。
特殊な印刷工程作業をパソコンを使って操作するというもの。


本来なら正社員として就職したいところですが、文系の自分が正攻法で目指せる世界ではないと気づき始めていたので、二度返事で受け入れました。


印刷オペレーターの仕事は、1年間でした。仕事を始めて1ヵ月で10kg痩せたり、30時間ぶっ続け労働を体験したこともありました。
死ぬような思いをした事もありましたが、そんなことでSEを諦めようとは思いませんでした。


仕事にも慣れ、落ち着いた頃、上司の SE の方と仲良くなり仕事内容を見る機会がありました。
その SE は日中でも、夜勤上がりの午前3時ころでも、祝日の日も、いつも会社にいるのです。
寝袋は常備。椅子を並べて寝る方法も教えてもらいました。



まるで会社に住んでいるようでした。
どんなにサボっているように見えても、会社の社長がこの人だけには逆らえない状況も垣間見ました。


それから、SE の生態で一番驚いたのは「パソコンを触っているのをほとんど見たことが無い」という事です。
SE なのにパソコンに触らないのか?と思うところですが、その時に私が理解したのは、 SE とは顧客との打ち合わせ。設計作成。プログラマーに手書きの個別仕様書を渡す。
という流れです。パソコンはあまり必要ないのです。


SE に必要な技能にはプログラミングの深い理解もありますが、「コミニュケーション能力」の方が大事だと感じました。


打ち合わせで何度も何度も顧客と合って話すからです。


先生のトップである校長は授業をしません。
野球監督もバットを振るワケではりません。
そう、校長や野球監督のような存在が SE です。
成りたいと思うべき職業ではなく、行き着く職業だったんです。


それを理解し始めた私は、SE に対する憧れが急に冷め始めたのを覚えています。
とは言え当時は、急な方向転換ができず、プログラマーの端くれまでは経験をしました。




以降の内容につきましては (その2) で述べさせていただきます。
posted by エコ8 at 12:57| 回想日誌

2022年05月10日

Windows Server 2019 essentials がアップデート後起動不能

先日、サーバーメンテナンスを行っている会社のサーバーがクラッシュしました。サーバーとして利用しているのは、富士通 PRIMERGY TX1310 M3 です。メンテナンス時にアップデートを行い、再起動をしたところ、以下のメッセージが出て起動不能となりました。


some of the disks are not responding.
The following PDs need attention :
3
Please check the cable or replace these drives if necessary
Please reboot the system.



設定やアプリケーションのインストールなどは行っておらず、バックアップを取っただけです。タイミングから考えると、アップデートが原因ではないかと考えました。

ストレージの故障であれば、交換して「リビルド」を行うのですが、この段階では原因は特定できていなかった為、原因特定を最初にすることにしました。



幸いデータはバックアップを直前に取っていたため、被害はほとんどありません。しかし、サーバーの復旧という予期もしない追加業務が増えてしまい、頭が痛いところです。


月末であり、データが必要な業務が多く、早めの復旧を行わなければなりません。とゆうことで、バックアップデータで仕事はできるように対応し、サーバーを預かり徹夜で原因特定及び復旧作業をすることになりました。


機器のチェックとRAID構造の再構築作業


メモリテスト、ストレージのエラーチェックをしましたが不具合は見当たりませんでした。先々月にアップデートプログラムに不具合があり、再起動を繰り返す報告が見つかりました。(※後に関係ないことが分かりました。)


今回の不具合もアップデートにあるのかもしれないと感じ、とりあえず RAID再構築、Windws server OS の再インストールを行いました。


管理構造の確認と構築のやり方を思い出しながら、次の日の夕方頃には完了する予定でした。接続ユーザー数が多く、設定を事前に入れておかなければ、設置時に時間が足りなくなってしまうので時間がかかりました。

そうして、アップデートが完了して何回か起動した時です。またもや同じブルースクリーンが出て起動不能に陥ったのです。

完全に忘れていました。アップデートを完了したらアカンかったのです。いや、アップデートしたら、最後に直近のアップデートを削除しなければならないのでした。最初からやり直しです。


2回目の作業を行っていたところ、またもやブルースクリーンが出て起動不能に陥りました。しかし、今回は、1回目のアップデート後です。最後まで行っていないにも関わらずエラーとなったのです。


そうして BIOS の RAID 設定項目を確認していると、ある文字を見つけました。Rebuilding という文字です。片方のストレージに RAID 再構築が行われているのです。


取り出して搭載している SSD を調べましたが不具合やエラーは見つかりません。作業中に何かしらの不具合が発生して、AUTO Rebuild (自動修復)が始まったようです。


そうして、作業中に 問題の SSD を念入りに調べるとある事が分かりました。DiskInfo という記録媒体をチェックできるソフトでは「正常」と表示されますが、過去に読み込みエラーの出た記録がありました。


そして、動作検証をしているとサーバーに負荷がかかった時にクラッシュしてしまう事が分かりました。負荷がかかっている時には、温度上昇と内部ファンがフル回転しています。フル回転による振動もありましたので、「この振動によって一時的に SSD を認識しない状態になるのではないか」と考えました。


解決した作業


新品の同型の SSD がストックでありましたので、交換をしました。もう一方の SSD はそのまま利用。

今後に同じような不具合が起きた時に、備忘録として使えるよう、今回の手順を記述させて頂きます。作業前に、BIOS を最新に更新しました。BIOS を更新した後に、同じ条件でインストールしましたが、不具合が発生しましたので、BIOSは関係ありませんでした。



@ SSD を新品に交換

A BIOS にて RAID 構築をしなおす

B Windows Server 2019 をインストール

C Server OS インストール中に RAID ドライバをインストール (メーカーからダウンロード)

D サーバーを最新の状態に更新

E サーバーの初期システムエラーを修復

F サーバーのローカルポリシーを調整 (パスワードの長さと有効期限)

G ファイルサーバー用設定の構築 (フォルダ・ユーザー・権限)


上記作業中に失敗したものとして、INTEL 純正グラフィックドライバを手動ダウンロード・インストールを行ったところ、システムエラーが出続ける不具合がありました。ウィンドウズアップデートによる、標準ドライバ適用ではエラーは出なかったため、ドライバを削除しました。


動作検証・インストール検証を行って分かった不具合原因


不具合の原因は、 SSD にあると考えられます。振動もしくは熱で不具合が出ている可能性が高いです。この場合でも DiskInfo では正常と表示される。今回のサーバー用コンピューターはファイルサーバー単体のシステムとして構築したにも関わらず、リモートデスクトップ設定や、別のソフトのサーバーとして、別の業者が勝手に使ってしまっていました。本来、そのような仕様として考えていなかったため、負荷が想定を超えていた事は否定できません。

しかも、個人情報保護法の厳格化により、当初、台の上に置かれていたサーバーが、ラックの中に入れられていました。夏場などは熱がこもりやすく、ファンが常に高回転している状態でした。このような要因が SSD の劣化を早めてしまったのかもしれません。


原因推測


サーバーのウィンドウズアップデート適用時の負荷により、SSD のデータがクラッシュ。その後、再認識した SSD を交換した正常なものと誤認し、オートリビルド機能が働いた。

エラーの出る SSD ではリビルドも完了せず、症状を繰り返していた。と結論づけました。


RAID のサーバーは保全性は上がりますが、故障率も上昇します。故障しにくい事も大切ですが、何か起こった時に素早く復旧できるよう準備が必要だという事を再認識致しました。

もう一つの重要な原因要素


作業を終えて最終的な結論として、正確な原因特定はできませんでした。「SSDの不具合」はあくまで推測です。付け加えるべき、もう一点の原因要素を挙げさせて頂きます。それは、Windows Server 2019 essentials をインストールする時に、サーバーに付属していたソフトウェア「FUJITUS Software ServerView」の「Installation Software」にも起因するのではないかという点です。

というのも、このソフトウェア利用中に不可解なエラーが出ることがあったのと、このソフトウェアを利用せず、直接 Server OS をインストールした時は安定して動作したのです。

アプリケーション利用時はインストール仕様書の説明に従い、メーカーページから最適なドライバなどを入れ調整しても不具合が起こっていました。

付属のアプリケーションを使えば、簡単にサーバーOSをインストールする事はできますが、直接インストールするのが難しい訳ではありません。

BIOS にて RAID1 の設定さえちゃんと行えていれば、問題は起こりません。

ただし、この PRIMERGY TX1310 M3 は他のサーバー機に比べ、RAID 設定が少し複雑です。「PRIMERGY TX1310 M3 RAID設定」で設定手順を調べてから行うのが良いと思います。

丁寧に説明しているサイトが複数ありましたので、ここでは説明を控えさせて頂きます。

次回、同じような不具合が起こったときに思い出しやすいように記述しております。分かりにくい点がありましたら、申し訳ございません。


posted by エコ8 at 12:05| サーバー

2022年03月26日

アクセスランプが点灯したままパソコンが認識しないSSD・HDDの直し方

今回説明する方法は全ての認識しない記憶装置を直すものではありません。しかし、比較的多くのSSD・HDD を短時間で回復する方法になります。


外付けハードディスクや外付けSSDを利用していると、たまにパソコンが認識しなくなることがあります。症状は、「アクセスランプが光ったままで、いくら待ってもパソコン上に表示されない」と、いうものです。

物理的に故障しているときは、異音がしたり、ずっと「カチッ、ウィーン、カチ・・・」と規則的な音を出していることが多いです。

しかし、ご紹介する回復方法がでは、この状態のものは回復できません。

物理的な故障は無く、MBR (マスターブートレコード)と言われる記憶装置の最初に記述されている情報が、破損してしまっていると思われる故障の対処になります。しかも、パソコンに接続して、いくら待っても認識しない状態のものです。

この状態になると「管理」の「ディスクの管理」で確認できないので、フォーマットもできず困っている方が多いのではないでしょうか。


用意するもの

・SATA記憶装置コピー機
・なるべく容量の少ない SSD 又は HDD

SATA記憶装置コピー機は、アマゾンで 5,000円前後で販売されています。
私が今回使用したのは、「玄人志向 KURO-DACHI/CLONE/U3」です。

hsr005.jpg


この作業を行うと、中のデータは消えてしまいます。もし、中のデータを復旧したい場合は、回復後に「TestDisk」、「データ復旧ソフト」などを利用してデータを復元してやる必要が生じます。私は、「データ復旧ソフト」で中のデータの全てを取り出すことができました。

コピーをしても、完全にデータが消えるわけではなく、領域の設定だけされるので可能となります。ただし、100%取り出せるという保証はありませんので、自己責任になります。

作業手順

@ コピー元の「なるべく容量の少ない SSD 又は HDD をフォーマットしてデータをなくします。

A フォーマットした媒体の領域(ボリューム)を「ディスク管理」でなるべく小さく作成してください。

B コピー元とコピー先(アクセスできないSSD または HDD)をセットします。

C コピー完了したものを接続して確認してください。

D 回復した SSD または HDD の領域を最大値でクイックフォーマットしなおします

E データの復旧が必要であれば、この状態から行うことができます。

注意1 ※コピー元の媒体は、コピー先の媒体よりも小さい容量の必要があります。
注意2 ※クイックフォーマットでなければ、データが消えてしまいます。

データが必要ないのであれば、記憶媒体の回復は「あっ」という間です。

追記 : 先日、接続すると「ブルースクリーンが出てパソコンが落ちてしまうSSD」を同じように、この方法で復旧を試みましたところ、正常にアクセスできるようになりました。



2022年02月24日

パソコンを初期化した事で「筆ぐるめ」が消えてしまったら【解決法】

初期化して年賀状印刷ソフト「筆ぐるめ」が消滅


先日、サポートでパソコンを初期化しました。

Windows 7 が勝手に Windows 10 にアップデートされてしまって、そのまま使っていたそうです。

動作が不安定で使いづらいとの事で、初期化 (リカバリ) 作業を行いました。


NEC のパソコンで購入時には色々なソフトがインストールされているものでした。

そのソフトの中に「筆ぐるめ」があり、年賀状印刷・住所管理に利用されていたそうです。

続けて利用したいという事で、対応をしました。

fudeg001.jpg

同じ問題を抱えている方の解決策になるかもしれないので、ご紹介をさせて頂きます。

初期化後も「筆ぐるめ」を利用する方法


方法といっても、同じ「筆ぐるめ」を購入してインストール。

データを読み込ませるだけです。

年末年始には、パソコンソフトを扱っているお店では簡単に入手できますが、時期が違う場合はネットで購入するのが一番確実です。


それから、良い情報もあります。

年末・年始以外は、このソフト、とても安く購入できるんです。

年末・年始は4,000円近い値段でも、時期がずれるだけで半額の2,000円ほどで購入できるんです。


年賀状印刷ソフトのバージョン問題


同じメーカーの年賀状印刷ソフトであれば、バージョンが違っても変換して読み込むことができます。

ですので、最新版の「筆ぐるめ」を購入すれば、データの移行は簡単にすることができます。


筆ぐるめのデータの場所


移行するためには、ちゃんとデータのバックアップをとっておく必要があります。

そのデータの場所は、ほとんどの場合「Cドライブ → ユーザー → パブリック」の中に「筆ぐるめ」というフォルダが作られそこにあります。

「筆自慢」や「筆王」などの年賀状印刷ソフトの場合


筆ぐるめと同じく最新のバージョンを購入してデータ移行することができます。

また、間違って違うソフトを購入してしまっても、他社の年賀状ソフトデータからの読み込み機能を備えているものが多いので、利用できる場合があります。


「筆ぐるめ」を購入するときに気を付けること


同じような名前のソフトが多いため、勘違いで別のソフトを購入してしまう方がいらっしゃいます。

また、数年前のものも販売されていることがあるので、必ず「最新版」を選ぶのが良いです。

最新版である方が、不具合が少なく合った素材も充実しているからです。

posted by エコ8 at 11:29| サポート記録

2022年01月23日

どのメーカーのパソコンを購入するのが一番良いのか【修理屋情報】

メーカーを選んだ方が良い理由


先日、トヨタのバッテリーEVの発表CMを見入っておりました。

30種類のバッテリーEVの開発発表をしており、いかなるニーズにも答れるように選択肢を広げたそうです。

トヨタ車はアメリカでもその販売台数を伸ばし、ついに GM を超えて一位になったそうです。

私の父は生前、車の整備・販売の仕事についておりました。当時は口癖のように「車を買うならトヨタにしなさい」と言っておりました。

その理由は、「修理・整備がしやすい」、「不具合があればすぐに対応してくれる」、「中古として売る場合高く売れる」です。

販売台数が多いため、部品の流通が安定しており、どんな部品でもすぐに入手でき、修理費用も安くできるんです。

致命的な不具合が発見されても、ひた隠しにするメーカーもある中、トヨタは企業体質的にそのような事はしないのです。

また、そのような企業なので中古価格は他のメーカーにくらべ、同じような状態・乗車年数でも割高で取引されているのです。

どのメーカーのパソコンを購入するのが一番良いのか


この考え方はパソコンも同じなんです。メーカーで言うと NEC 、富士通が該当します。NEC 一つだけと思ったのですが、私は部品調達が容易なので富士通製パソコンを多く扱っており、この2つのメーカーをご紹介しました。

パソコンの部品でよく故障する部品と言えばハードディスクです。自分でも交換修理できるような作りになっているメーカーが、NEC 、富士通です。

これらのメーカーは、ほとんどの製品に対して「リカバリディスク」の作成方法がマニュアルに記載されています。購入してちゃんと作成さえしていれば、ハードディスクが故障しても簡単に購入時の状態には戻せるのです。

fuji101.jpg



アマゾンやパソコンショップで内蔵型のハードディスクを購入して、交換・リカバリを行うのですが、簡単に取り外し・取り付けができるのも NEC、富士通の良いところです。他メーカーでは、バラバラに分解しなければ取り外せない場所にハードディスクがあるものが多いのです。

私が最も苦戦したハードディスク交換は、ある日本メーカー製のデスクトップパソコンでした。特殊な工具が無いと外せない仕様で、しかも場所も隠し構造でした。知らずに力任せに外してしまい、破損させてしまったことがあります。

売る場合にも利点が多いNECと富士通製パソコン


パソコンが壊れてしまったら、価値がなくなるとお思いかもしれませんが、修理用に部品の流用ができるのです。特に販売数の多いメーカーのパソコンは、交換部費用に中古が多く流通しています。

私も液晶修理、キーボード修理、マザーボード修理などのときに中古パソコンを入手することがあります。メーカーに修理依頼をすると、どれも3万円は下らない価格が見積もられます。

しかし、中古で入手すれば、確実に安く抑えることができるのです。そういった意味で、不要になってもお金を払って処分するのではなく、売却という選択肢が得やすいと言えます。

ここまでメーカーでのパソコン選びをご紹介しましたが、他のメーカーでも販売台数が多いものやとても修理しやすい仕様のものはあります。また、コストパフォーマンスから言えば、外資系のパソコンメーカーも選択肢としては間違っていません。

昔から、「どのメーカーのパソコンが良いですか」という質問を良く受けましたので、単純にメーカーからパソコンを選ぶ場合のご紹介をさせて頂きました。
posted by エコ8 at 17:27| 修理屋の本音

2021年12月22日

「システム リソースが不足しているため〜」と出てブラウザが立ち上がらない原因

先日、あるお客様から電話の問い合わせがありました。その内容は「前日からブラウザ (Microsoft Edge) が立ち上がらない」というものです。

エラーメッセージとして「システム リソースが不足しているため〜」という表示が出たそうです。タスクマネージャーをみてみると、メモリの使用量が80%を超えている状態でした。使用量の順に並べ替えをしてみると、「マカフィー」のプログラムが5つほど上位を占有していました。

マカフィーが原因である可能性が高いことを伝え、一旦削除してみることにしました。削除が完了するとシステムリソースは52%ほどになり、ブラウザも問題なく立ち上がるようになりました。

ちなみに、マカフィーが何かパソコンの危険なプログラムをブロックしているのではないかと、削除前に調べましたが何も怪しいところはありませんでした。今までに何度か「セキュリティソフト」が原因でインターネットにつながらなくなるという不具合はありました。

しかし今回は、インターネットにはつながっていましたが、ブラウザが立ち上がらないという不具合でした。プログラムの破損かバグが原因ではないかと思います。そのようなときは、問題のプログラムを一旦削除しインストールしなおすことで解決できることがあります。


「システム リソースが不足しているため〜」の原因確認方法


また、「システム リソースが不足しているため〜」というエラー表示が出たときは、メモリの使用量に問題がある事が多いので、「タスクマネージャー」を開いて確認・対処するのが良いと思います。

タスクマネージャーの開き方


キーボードの Ctrl と Alt を同時に押した状態で Delete を押すとタスクマネージャーを選択できる画面が出てきます。

2021年11月18日

やさしいファイルサーバー作成スキル習得方法【準備編】

難しい知識が無くても、自作で「ファイルサーバー」を試す方法があります。

ちゃんとしたサーバーを作成しようとすれば、出費を10万円以内に抑えるのは難しいです。

しかし、テストで作成したり短い期間の運用を試すのであれば、費用はそれほどかかりません。その理由について説明をさせて頂きます。

server_s.jpg



ファイルサーバー作成で用意するもの


・サーバー用コンピューター
・ストレージ (RAID用ハードディスク) 2個
・キーボード
・マウス
・DP-VGA変換ケーブル

hdd_2s.jpg


「サーバー用コンピューター」は用意した方が良いです。市販されているパソコンでもサーバーを組むことはできますが、サーバー用コンピューターは構造や部品が少しづつ違います。

サーバーを組むのであれば、こちらを選んでおいた方が後に役立ちます。

上記の物を全てアマゾンで新品で揃えた場合、45,000円ほどです。
(※モニターは現在絶賛高騰中。流用がおすすめです。)


サーバーは「FUJITSU TX1310 M3[PCサーバ Server PRIMERGY(CPU:Pentium G4560/OS:レス/メモリ:8GB/HDD:レス)]」を選択しました。

これは私が実際に過去に組んだことのあるものです。
Windows Server 2019 も問題なくインストールができました。

サーバーOS の入手に関して


本来、運用するためには、Windows Server 2019 が必要です。
入手時に気を付けなければならないのがバージョンです。「スタンダード」であれば、5クライアントまで接続できるライセンスが付属しているものがあります。

マイクロソフトのサーバー製品には、「クライアントライセンス」という概念があり、OSに加えてサーバーにアクセスするための権利を購入しなければなりません。

パソコンの台数やユーザーの数に制限があります。私がよく使用するのは「Windows Server Essentials 2019」というバージョンです。

25ユーザ、50デバイスまでセットになっているものです。パソコンの台数が20台以下のような環境であれば、ライセンス追加の必要はありません。

現在の価格は、68,000円程です。高く感じるかもしれませんが、「Windows Serve OS」ではこれでも相当安い部類に入ります。調査時点では、NTT-X Store が最も安く販売していました。

しかし、この68000円の出費なく、試す方法があります!!


テスト用に評価版があるからです。


なんと6か月の間、試用できます!!

なんなら、別バージョンでもなんでも半年間はお試しができるんです。


最も出費の少ないファイルサーバー作成のスキル習得方法


上記では「サーバー用コンピューター」を準備しての手順をご説明しました。その理由は、通常のパソコンと若干作りが異なるためです。スキルとしてサーバー機に慣れる事が大事だと感じたために書きました。

しかし、普段使っているパソコンでもサーバーOSをインストールできるものが多くあります。ある程度のスペックを満たしてなければなりませんが、試すことができます。

テスト評価版の「Windows Serve OS」を使って試すことはいくらでもできます。

posted by エコ8 at 14:22| サーバー
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