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2022年07月31日

文系の私がSE (システムエンジニア) を目指して挫折した理由 (その2)

仕事を始めて半年もたった頃、会社からの信頼も得ることができました。

そのおかげでオペレーターをこなしつつ、その会社のホームページ作成やCG検定試験セミナーの講師助手を任されるようになりました。

大学に入った直後には、日本でインターネットはまだ知られていませんでした。代わりに「パソコン通信」というものがあり、利用していました。大学3、4年あたりで日本でもやっとインターネットが普及し始め、のめり込んだのを覚えています。

周りの誰もインターネットをしていないのに、本を買ってきて見よう見まねでホームページを作成しアップロードしたのを覚えています。

今は会社のホームページがあって当たり前ですが、当時はそうではありませんでした。たまたま、ホームページを持っているという話をしたことで、会社のホームページ作成を任されたのです。ただの派遣社員が一部上場企業のホームページ作成です。当然クオリティは低いものでしたし、与えられた資料を見やすく表示させるように組んでいくだけでした。

ちなみに自分のホームページでは、大学時代に描いた絵を紹介していました。そこで自分用にリンク集を作成し、公開もしていました。本を沢山買ってきて、便利そうなサイトをかたっぱしから追加していました。そうすると、いつの間にか、なかなかなのアクセスがあるようになっていたんです。

「グーグル」や「Yahoo!!」 がまだ無い時です。インターネットで人が一番欲しているのは良いサイトのアドレスなんだ、と、当時、少し気づいていましたが、それ以上広げることができなかったのが残念です。

また、後に「絵画に関するディスカッション掲示板」のコンテンツを追加した時も、大量の書き込みがあり、管理が大変な時期がありました。「2ちゃんねる」がまだ無い時です。だから「2ちゃんねる」が全盛になった時には、「ああ、コレもみんなが求めていたものだったなぁ」となりました。

「人が求めるものを、一番最初に便利に提供できる人が成功をつかむんだなぁ」と、思っていたのを思い出します。

さて、話は戻りましてSEに加えプログラマーの人とも仲良くなり、「プログラミングの仕事もやってみるか?」、「上司に相談してやろう」というところまで行っていました。ちょうど会社に入って1年が経過しようとしていた頃です。

当時、派遣社員の契約は1年単位。継続で更新があればもう1年働くことができる話でした。しかし、社員の知り合いが入社することになり、私が行っていたオペーレーターの席を空ける必要があったのです。

残念ながら、ちょうど1年で辞める事になり、次の仕事を探さなければいけない状況となったのです。

本来、派遣期間が終了すると次の仕事がすぐに用意されているわけではありません。しかし、たまたま簿記の資格を持っていたので、「派遣会社の経理をやらないか」という話をもらいました。

選んでいる余裕はなかったので、不本意ではあるものの承諾しました。初めの話では派遣会社の経理・営業を主に行うということでした。

実際に働いてみると、60名ほどいる派遣社員の給与計算や勤怠確認、派遣社員の募集を見て来た方の面接、派遣先の会社へ訪問でした。

派遣されていた従業員は理系を卒業して、プログラマーとして派遣されているプログラマーとSEがほとんどでした。

能力はあるのに社員として入社せず、派遣社員で SE をしているのはなぜなのか。それは実際に働いている人と仲良くなって知ることができました。私は給与管理をしていたので、従業員全員の給与金額を知っていましたし、能力も分かっていました。


ある能力のある SE の月給は60万円ほどでした。能力のあるSEにしては少ないです。しかし、この SE さん。遅刻・欠勤しまくりなのに60万円だったんです。

派遣先からクレームはしょっちゅう。しかし、派遣先はSEの能力が高すぎて本人には強く言えてなかったんです。「突然欠勤するけど、来たら人の何倍もの成果を出す」本人も給料分の仕事はやってるから文句言うなよ的な感覚だったんでしょう。

さらに暴露すると、派遣先から支払われていた契約額は月120万円でした。半分ピンハネです。当時、能力のある SE であれば月120万円でも引っ張りだこの時代でした。

また、そこそこ能力のあるプログラマーは突然、会社を3ヵ月休みたいと申し出ました。貯めたお金で世界一周を計画していたそうです。

普通に就職していたら、却下される相談です。しかし、派遣会社だから契約の期間さえ調節すれば、何の問題もありません。3ヵ月後、戻ってきて普通に働いていました。


そんな仕事をこなしていたある日、私の上司が一人の派遣プログラマーにある相談をしていました。それは、「給与計算の管理と帳票印刷ができるようソフトを作成して欲しい」というものでした。

特殊な入力項目が多く、対応したソフトが無いため毎回エクセルで全て作成していました。毎月あるのですが、約60名分を一覧で確認できる表を作成するだけで数時間かかるのです。

ソフトをつくれば、その作業が数字の入力だけでできるようになる予定でした。

私は経理の仕事の間に、マイクロソフトの「アクセス」を使って作成に挑戦してみたのです。本を一冊買ってきて、試行錯誤して作成してゆきました。


出来上がったものを、上司に見てもらうと採用されてしまいました。この件がきっかけで、プログラマーとして世に出てみたい気持ちが再び燃え上がってしまいました。

そして、上司に「派遣に出してください」とお願いしたのです。
posted by エコ8 at 13:25| 回想日誌
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