しかし、それはある日突然やってきました。派遣会社の所長兼上司からこのような話をされたのです。
自分が親しい大きな会社で、派遣部門を立ち上げる。いわゆる「引き抜き」をされた。待遇も良いとのこと。
そこへお前も一緒に連れて行きたい。同時に会社を辞めると本社から詮索されるおそれがあるから、先に会社を辞めて待っていて欲しい。後始末が済んだらそこへ呼ぶ。とのことだった。
そして、突然、2週間ほどの引継ぎを行って辞めることとなりました。
辞めたはいいけれども、仕事を探すわけにはゆかない事に気づきました。すぐに仕事に就くためには、仕事をせずに待たなければならない。たとえバイトにしても、引継ぎをしている時間は無いし、すぐに連絡が来たら、バイト先には申し訳ない。そんな思いから仕事を探すことはやめました。蓄えはあったので、少しの間ならそのような状況でもよいかもしれませんでした。
とはいえ、いつまもでもジリジリと蓄えを減らしながら待ってはいられないと、悩みました。そこで始めたのが「パチンコ」です。パチンコと言っても、時間つぶしにやっていたわけではありません。
収入がある事を考え、勝つパチンコを始めたのです。実は「スロット」の方が主なんですが。学生時代には、ちゃんとプラス収支を出していました。月の収支で負けたことはありません。
勝つ自信はありました。しかし長い間離れていたため、初月は12万円しか勝つことができませんでした。それでも、まったく収入が無いという状況は打破することができました。そうして、2ヵ月目からはそこそこ稼げるようになり、貯蓄はどんどんと増えて行きました。
当初、一か月後くらいには連絡があるだろうと考えていました。しかし、2ヵ月経っても、3ヵ月経っても連絡が来ません。後に聞いたは話では、引き抜きであることが会社側にバレて大変なことになったというのを知らされました。しかし、それを聞いた時、「辞めさせるために騙されたのかな」という考えも脳裏をよぎりました。さらに後々会った時には、その元上司も会社が変わっており、ウソであるとは考えにくい状況でした。
転職の待機をするために始めたスロットですが、結局気づいたら4年以上もそのような生活をしていました。いわゆる「スロプロ」として生活していたことになります。4年もブランクがあり、再就職をするのは難しいとも考えていました。
パチプロになりたいと思う人は少なからずいると思います。しかし自分はなりたいからなった訳ではありませんでした。生活をしのぐ為に仕方なく始めたのです。
ここで詳細はあえて書きませんが、なかなか特異な経験でした。
20代後半のある日、ある人物からの電話でその生活が終わりを迎えました。派遣会社の上司ではありません。
大学時代に将来、会社を設立しようと話していた知人からの電話でした。何の業種で立ち上げればよいのか、迷いはありませんでした。パソコン関連です。
当初、修理をすることは考えていませんでした。周辺機器の販売をするつもりで会社を立ち上げたのです。
最近になって、NHK党の立花隆さんや、俳優の阿部寛さんが昔パチプロをやっていたという話をききました。ちょうど自分がそうだった時期と重なり、とても稼ぎやすい時代だったから、そんな人が多かったんだと、納得しました。
会社を設立して18年以上経ちました。人生の中では、そちらでの出来事の方がとても印象深い事だらけです。そんな修理屋としての出来事をたくさんつづっておりますので、他の記事も是非読んで頂ければと思います。
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