2020年12月06日
泥棒を助けたお坊さんの話
あるお寺でのお話です。
ある夜更けに、一人の泥棒がお寺に忍び込み時計を盗もうとしました。
その時計は、アンティークで金の飾りがついているものでした。
恐らく高く売れるほど値打ちがある時計だったのでしょう。
その泥棒は時計を取ろうとしましたが、壁の高いところに掛けてあるので手が届きませんでした。
仕方なく泥棒はその日はあきらめて帰りました。
実は、その様子の一部始終をお寺のお坊さんは見ていました。
あくる日、お坊さんは泥棒が来る時刻に待っていました。
再び泥棒がお寺に入って来た時、彼は辺りを見渡し何かステップになるものを探しました。
ちょうどいいところへ今夜は椅子が置いてあるではありませんか!
嬉しくなって泥棒は時計を壁から外して出ていこうとしたその時、お坊さんが泥棒に言いました。
「あなたが時計を取りやすいように私が椅子を用意しました。」
それを聞いた泥棒はびっくりして、一目散に逃げてしまいました。
その後、お寺の時計が盗まれたことを知った弟子がお坊さんに聞きました。
「それは昨日と同じ泥棒ですか?」
お坊さんは「そうですよ」と言いました。
「お坊様、なぜ泥棒をつかまえないのですか?」と聞くと、「彼が時計に届かないので手伝ってあげたのです。」とお坊さんが答えました。
「でもそれは高価なアンティークの時計ですよ!」
するとお坊さんは、「いいえ、私はきっと前の人生で何か彼からとったものがあり、その借りを返す時間がきたようです。今回の時計がそうだと思いました。だから、そのまま持っていってもらったのです。」
お坊さんは、もし彼の弟子が泥棒をけっとばして暴力をふるうとことがあれば、大きな事件になることを避けるため、平和的に解決したのです。
何か悪いことをされたり言われたりした時には、その人に対して憎しみや怒りを感じますが、その人の悪徳はいずれその人に返ってくると思えば、心がおだやかになり気にならなくなります。
反対に、善い行い(功徳)も同じように積まれていきますので、その報いはいつか必ず得られるとお釈迦様もおっしゃっています。
明日も皆様の一日が幸せで満ちあふれますように・・・!
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