2021年01月23日
心の病院
風邪をひいたら近くのクリニックや病院へ行きます。
病院では、お医者さんが診察してくれて、ふさわしい薬を処方してくれます。
精神的にダウンした場合でも、精神科があって専門のお医者さんがカウセリングしてくれてお薬をくれることもあります。
しかし、心の病気に関してはそう簡単に治療できないのが、体の病気と異なるところです。
風邪はきちんと薬を飲めばすぐに治ります。
心が病気になった時は、薬を飲んでもなかなか治りません。
その薬は少し眠れるようにしてくれますが、目が覚めるとまだ治っていないのです。
佐々木閑教授(※)は、仏教は「心の病院」だとおっしゃっています。
(※ 佐々木閑(ささきしずか)花園大学文学部仏教学科教授。文学博士。専門は仏教哲学、古代インド仏教学、仏教史。)
お釈迦様の教えの中に、「苦・集・滅・道」という四聖諦の教えがあります。
「苦」・・・生きることは苦しみである
「集」・・・苦しみがあるのは原因があるため
「滅」・・・苦しみはなくすことができる
「道」・・・苦しみをなくすための方法
誰でも生きている間には、病気や災害などに会って「生きることの苦しみ」を体験します。
それは、普通に健康に生活していた人が急に病気になって苦しむようなことです。
それが「苦」です。
そして我慢ができなくなって病院へ行きます。
病院ではお医者さんが病気の原因を調べます。
それが「集」です。
そして、病気にあった治療法を考えます。
それが「滅」です。
決まったら実際に治療を行います。
それが「道」です。
仏教はこのように苦しんでいる人を治す、まるで病院のような存在です。
病院ですから、健康な人は行かないし、無理やり外から病院へ引っ張ってくることはしません。
実はこれが仏教が他の宗教と異なるところであり、仏教が無理に布教活動をしない理由でもあります。
もちろんできれば病院にはお世話にならない方がいいのですが、でもこの世に全くなにも問題がなくて幸せであるという人は果たしてどれくらいいるでしょうか。
心を健康に保つためにもブッダはさまざまな智慧を共有してくださいます。
皆様の毎日が幸せで満ちあふれますように・・・
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