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2017年01月20日

トイレの絵記号を統一で訪日客に明快

人間が生命を維持するために必要な食物摂取と排泄。

この排泄の方すなわちトイレについては現在日本は世界最先端の設備で世界の訪日客に人気だ。

しかしこれまでメーカーや関連業者の説明や表示が各社ごとにばらばらで、訪日外国人(インバウンド)が理解し難い
部分もあったと言われている。

そこでTOTOやLIXIL、パナソニックなど水回りの住宅設備メーカー9社は温水洗浄便座の操作を誰でも分かるデザインで8種類の絵記号(ピクトグラム)に統一した。
トイレピクトグラム.PNG

2016年の訪日外国人旅行者は2040万人と前年より22%増加した。政府は2020年には4000万人にする目標を掲げている。東京五輪に向けて駅などの公共施設のリニューアルやホテル、商業施設の新設が相次いでおり、統一記号の浸透を目指す。

日本レストルーム工業会の発表はここから。

日本レストルーム工業会:
2015(平成27)年4月より日本衛生設備機器工業会と温水洗浄便座工業会が合併し、トイレ・洗面室等、水まわりにかかわる設備機器を対象とした事業を実施する組織に再編し新たにスタート。

ピクトグラム:言語や文化習慣などの違いを超えて誰もがすぐに情報を理解出来る用にデザインされた絵記号のこと。
      公共施設や交通機関、観光施設など不特定多数の人が集まる場所を中心に世界中で使われている。
      日本では140種類のピクトグラムがJISで規定されており誰でも自由に使うことが出来る。
      ただ、国際標準化機構(ISO)とJISで違う場合もあり議論が起こっている。  
     
posted by taiga at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 住居関連

2017年01月18日

リチウム電池の改良と次世代電池の開発

電池にはアルカリ電池の様な使い切りの電池(1次電池)とリチウムイオン電池の様な充電して繰り返し使える電池(2次電池)がある。

現在最も幅広く使われている2次電池はリチウムイオン電池で1980年代に日本人によって開発され1990年年代に製品化された。

リチウムイオン電池は現代生活の中で欠かせないスマホやノートパソコンからハイブリッド自動車、ジェット機用などの電源としてその重要性がますます高まっている。

電池の構成は正極、電解質、セパレーター、負極で構成されているが、リチウムイオン電池は電解質に有機溶媒を使用しているため、液漏れしたり、過熱すると発火する危険性がある。
これまでにスマホでは何度も発火の事故があり、ボーイング787の事故や、最近でも韓国メーカーのスマホが発火した。

液漏れは電解質を半固体(ゲル化)することにより防げるが発火は防げない。


この問題を根本的に解消するために個体の電解質を使う「全固体電池」の実用化に向けた研究が行われている。

固体なので構造が単純になり小型軽量化が期待出来る。また1ユニットを多層積み重ねて電圧を高めることも出来る。

ただ、液体電解質に比べ固体電解質はイオンが流れにくいのが難点ではあったが、東工大と自動車メーカーとの共同研究で通常のリチウムイオン電池のイオンの2倍の流れやすさの新素材セラミクス電解質が開発された。


一方繰り返し使用(充電)により陰極表面にリチウムが不規則に析出し電極表面が劣化し、蓄電容量が低下していたが、素材をポリイミドに変えリチウムイオンの通る穴を細かくし均一にした新規セパレーターの開発で性能劣化を抑える方法が開発された。


ところで、
改良され現在広範に使われているリチウム電池にも欠点があり、新たな研究・開発がすすめられている。

1つはリチウムがレアメタルで産出国がチリ他に限られていること。これに対しては自然界に豊富にあるナトリウムを使うナトリウムイオン電池の開発が進められている。

2つ目は電気容量が小さいということ。
これについては、NEDOを中心として正極にシリコン(又は錫)、陰極に硫黄(S)を使うシリコンー硫黄電池が
当面の第一候補として研究が進められている。
リチウムイオンの次の電池.GIF
尚、今後の2次電池の今後の長期開発計画(ロードマップ)がNEDOによって策定されている。
東洋経済のサイトに分かり易い図があるのでご参照。

NEDOのロードマップ原文(2013年の改定)はここをご参照)

その他科学技術振興機構(JST)の次世代蓄電池のページもご参照。

<ご参考>
尚電池一般については一般社団法人電池工業会のホームページが電気教科書様であり、歴史から各電池の各論、使用法等まで網羅されている。

歴史のページでは、私は初めて知ったのだが、1885年に長岡市出身の屋井先蔵(やいさきぞう)という日本人が世界初の 乾電池を発明し、生産していたのですね。

追記
ポストリチウムイオン電池として2価金属イオン電池があるが、中でも最も期待されているのが
マグネシウムイオン2次電池。これについては、ここからご参照。
posted by taiga at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 蓄電池

2017年01月17日

玩具でも立派な研究道具になる


今回はミニブログです。
サイトを調べている時に見つけました。
少し感動したのであなたとシェアしたいと思います。
(ご興味なければスルーしてください。)


1つ目は幼い時遊んだものです。

ボタンの2つの穴にに糸を通して両手でタイミングを合わせながら引っ張るとブンブンまわる遊びがありました。

この原理で、医療や科学実験に必須の超安上がりの遠心分離機ができています。

ブンブンゴマ原理の格安遠心分離機

これを見てると高速回転を使う何か別の応用品も出来るのではという感じがしてきました。


2つ目は紙で作る顕微鏡です。

紙から顕微鏡が出来るとは驚きです。

「オリガミ」はもう普通に世界の言葉になっているのですね。

紙で作る格安顕微鏡です。
posted by taiga at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 注目の玩具

2017年01月13日

再生エネルギーの余剰電力と炭酸ガスの問題を同時に解決する

将来原子力発電を代替するであろう電気として太陽光や風力などの再生可能エネルギーが増加している。

しかしこれらの電気は水力や地熱と違い天候による発電量が不安定な為、既存の電力網に入れない場合、
余剰電力となる。
この対策として電力貯蔵すなわち蓄電池に溜めて使うという方法が取られているが全て貯めることも現実的ではない。

一方火力発電所や工場などでは地球温暖化の原因となる炭酸ガスが大量に発生しその抜本的な対策が急がれている。
地中や海底に貯めるという方法も鋭意研究されているが、消費するいう方法ではなく、問題の先送りだと私は思う。

最近この二つの問題を同時に解決する一石二鳥の技術が進んできている。

その技術とは、余剰電力で水を分解して水素を作り、工場などから出る二酸化炭素(炭酸ガスCO2)を触媒のもとで反応させメタンガスにする方法で、パワー・ツー・ガス(PtG)と呼ばれる技術だ。
出来たメタンガスは家庭用ガス(燃焼、燃料電池用)として使える。

この炭酸ガスと水素を反応させてメタンを作る方法は昔から知らていたが、
これまでは経済性の問題で実用化が進んでいなかった。

しかし再生エネルギーの普及を背景に研究が大きく進むようになった。

触媒は1980年代に東北工業大学と日立造船が共同で変換効率が高く、耐久性の高い触媒を開発した。

昨年10月からは官民プロジェクトが始まり、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援を受けて
日立造船らが検証実験を行ない更に北海道室蘭市での実証試験が予定されている。

このパワー・ツー・ガス(PtG)技術開発は日本が先行してきたが、実用化ではドイツの方が先行している。

2011年の福島原発事故を見て、22年に全ての原発の運転を停止することを決めたドイツは、
再生エネルギーと火力で電力を賄う必要があり、PtG技術で対処する必要があるからだ。

日本も技術の普及を図るべく昨年11月産官による研究会を発足させた。

PtG技術について詳しくはここから。


備考:小文字「t」を大文字「T」とするとPTG(心的外傷後成長)という全く違う意味になりますのでご注意。



尚本技術については、炭酸ガスを一旦メタンに変えても単に燃焼させて熱に変えるだけでは、また炭酸ガスが発生するではないかという意見があります。

これについては、さらに発展した技術があります。次のページをご参照ください。







続きはここから
posted by taiga at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | エネルギー

2017年01月11日

今年はIOTが大いに進化する

今年2017年はどんな年になるのか、誰もがいろいろ思うことでしょう。
しかし災害は起こるかどうかは予想出来ないし、政治絡みでの変化も予想出来ません。
ただ技術は確実に進歩し、予想に沿う発展を遂げると思います。

その代表がIoT(Internet of Things)です。IoTはあらゆるものがインターネットにつながることによって実現する新たなサービスやビジネスモデル、又はそれを可能にする要素技術の総称です。

あらゆるものとは、現在まだインターネットにつながっていない、各種家電類、自動車とその周辺機器類、今後の自動運転車とその周辺システム機器、各種おもちゃ類、健康関連機器、介護関連機器等のほか衣料品、食料品など殆ど全ての物品であり、それにセンサーやタグが付いてクラウドに繋がり管理出来る(される)社会になりそうです。

ソフトバンクの孫正義社長が英国半導体開発会社のアーム社を3.3兆円で買収するのも将来のIOT社会でのアーム社の製品(半導体設計)の将来性に掛けたからです。

将来のIoTの話はさておいて、今年の身近なIoT活用例について考えてみましょう。

まず家電の例では
家電は現在でもかなりいろいろな機能がついてはいますが、IoTで更に進化すると予想されます。

シャープのウオーターオーブン「ヘルシオ」ではクラウド上の人工知能(AI)に繋がり、現在までの使用状況の各種データから最適なレシピの提案を提案したり、食材の仕上がりを自動で調整する等利用者の好みのデータを学んで反映します。
シャープ以外のメーカーもIoT家電に力を入れていますのでいろいろな製品が出て来るでしょう。

エアコンは現在既にカメラやセンサーで人を認識し個人個人に最適な温度の風邪を送る機能が付いた製品が出ていますが、スマホとの連動系に更に進化するでしょう。

iRobot社ルンバに先導されて日本のロボット掃除機は大層進化しましたが、さらにこれまでできなかった機能を持つ製品に進化するでしょう。

今まで全く出ていなかったロボット家電としては、窓拭きロボットや洗濯物の自動折り畳機などが注目されています。



またペットとの関係もIOTで大きく変わりそうだ。
ペットとの“会話”を深められる機器で愛犬や愛猫にきめ細かく対応出来るようになるかも知れません。
また各種センサーを取り付けペットの健康管理も出来る用になるでしょう。


人用としては親子のコミューニケーションや健康管理、学習などに、特に共働き家庭向けや高齢者向けの製品・システムが大きく進化すると思われる。

一方製品やシステムといった表立ったものではなく、それらを裏で動かすOSに日本で開発されたOS「トロン」が見直されるチャンスと言われています。
トロンは1984年東大の坂村健教授(当時助手)によって開発・提唱されたもので、パソコン初期の時代に日本のOSとして提案されたものですが、マイクロソフトの力?に負けて裏方で生き続けているOSです。
携帯やなんと日本の大型ロケット「H2A」や「H2B」にも使われているものです。
IOT時代に本領発揮して世界を席巻してほしいものです。

詳しくは以下からどうぞ。
1:トロンとは
2:トロンプロジェクトの詳細

posted by taiga at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | IOT
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大手化学系メーカーで各種の研究、製造現場、技術営業等種々経験。 特に各種素材に携わった事が財産。退職後現在某大手不動産系列で勤務の傍ら、朝日、読売新聞、日経産業新聞、日刊工業その他季刊誌、雑誌、折り込み等からの情報収集、及び面白そうなイベントには極力顔を出し、自分自身体験しながら、面白情報、お役立ち情報を仕入れています。 これまで取り溜めた膨大な情報は残念ながら殆ど発信しなかったので今後は新規入手情報は逐一小出しに発信して行こうと思っています。乞うご期待。
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