2017年01月13日
再生エネルギーの余剰電力と炭酸ガスの問題を同時に解決する
将来原子力発電を代替するであろう電気として太陽光や風力などの再生可能エネルギーが増加している。
しかしこれらの電気は水力や地熱と違い天候による発電量が不安定な為、既存の電力網に入れない場合、
余剰電力となる。
この対策として電力貯蔵すなわち蓄電池に溜めて使うという方法が取られているが全て貯めることも現実的ではない。
一方火力発電所や工場などでは地球温暖化の原因となる炭酸ガスが大量に発生しその抜本的な対策が急がれている。
地中や海底に貯めるという方法も鋭意研究されているが、消費するいう方法ではなく、問題の先送りだと私は思う。
最近この二つの問題を同時に解決する一石二鳥の技術が進んできている。
その技術とは、余剰電力で水を分解して水素を作り、工場などから出る二酸化炭素(炭酸ガスCO2)を触媒のもとで反応させメタンガスにする方法で、パワー・ツー・ガス(PtG)と呼ばれる技術だ。
出来たメタンガスは家庭用ガス(燃焼、燃料電池用)として使える。
この炭酸ガスと水素を反応させてメタンを作る方法は昔から知らていたが、
これまでは経済性の問題で実用化が進んでいなかった。
しかし再生エネルギーの普及を背景に研究が大きく進むようになった。
触媒は1980年代に東北工業大学と日立造船が共同で変換効率が高く、耐久性の高い触媒を開発した。
昨年10月からは官民プロジェクトが始まり、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援を受けて
日立造船らが検証実験を行ない更に北海道室蘭市での実証試験が予定されている。
このパワー・ツー・ガス(PtG)技術開発は日本が先行してきたが、実用化ではドイツの方が先行している。
2011年の福島原発事故を見て、22年に全ての原発の運転を停止することを決めたドイツは、
再生エネルギーと火力で電力を賄う必要があり、PtG技術で対処する必要があるからだ。
日本も技術の普及を図るべく昨年11月産官による研究会を発足させた。
PtG技術について詳しくはここから。
備考:小文字「t」を大文字「T」とするとPTG(心的外傷後成長)という全く違う意味になりますのでご注意。
尚本技術については、炭酸ガスを一旦メタンに変えても単に燃焼させて熱に変えるだけでは、また炭酸ガスが発生するではないかという意見があります。
これについては、さらに発展した技術があります。次のページをご参照ください。
余剰電力から作った水素と工場から発生した炭酸ガスを反応させてメタンを作るまでは同じプロセス。
この次にこのメタンに更に炭酸ガスを加えて、加熱下で触媒と反応させると、合成ガスと呼ばれる一酸化炭素と水素の混合気体が生成する。
この合成ガスは化学品の原料や炭素繊維(繊維長は短い)にすることができる。触媒には価格の安いニッケルを使い、加熱には工場の排熱を使えるので排熱を有効活用出来る。
この技術を開発した静岡大学は企業と組んで数年後の実証プラントの建設を考えている。
炭素繊維の発生料は最初に混ぜるメタンと炭酸ガスの混合比によって変わり、炭酸ガスの量が多いほど効率よく合成ガスが発生し、少ないほどその逆となる。
炭素繊維は直径100から200ナノメートル、長さ数ミリまで成長するが、その中にはCNTも含まれているという。
合成ガス製造時の副産物としての活用も考えられる。
<ご参考>
説明箇所は小さなスペースがありました。
しかしこれらの電気は水力や地熱と違い天候による発電量が不安定な為、既存の電力網に入れない場合、
余剰電力となる。
この対策として電力貯蔵すなわち蓄電池に溜めて使うという方法が取られているが全て貯めることも現実的ではない。
一方火力発電所や工場などでは地球温暖化の原因となる炭酸ガスが大量に発生しその抜本的な対策が急がれている。
地中や海底に貯めるという方法も鋭意研究されているが、消費するいう方法ではなく、問題の先送りだと私は思う。
最近この二つの問題を同時に解決する一石二鳥の技術が進んできている。
その技術とは、余剰電力で水を分解して水素を作り、工場などから出る二酸化炭素(炭酸ガスCO2)を触媒のもとで反応させメタンガスにする方法で、パワー・ツー・ガス(PtG)と呼ばれる技術だ。
出来たメタンガスは家庭用ガス(燃焼、燃料電池用)として使える。
この炭酸ガスと水素を反応させてメタンを作る方法は昔から知らていたが、
これまでは経済性の問題で実用化が進んでいなかった。
しかし再生エネルギーの普及を背景に研究が大きく進むようになった。
触媒は1980年代に東北工業大学と日立造船が共同で変換効率が高く、耐久性の高い触媒を開発した。
昨年10月からは官民プロジェクトが始まり、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援を受けて
日立造船らが検証実験を行ない更に北海道室蘭市での実証試験が予定されている。
このパワー・ツー・ガス(PtG)技術開発は日本が先行してきたが、実用化ではドイツの方が先行している。
2011年の福島原発事故を見て、22年に全ての原発の運転を停止することを決めたドイツは、
再生エネルギーと火力で電力を賄う必要があり、PtG技術で対処する必要があるからだ。
日本も技術の普及を図るべく昨年11月産官による研究会を発足させた。
PtG技術について詳しくはここから。
備考:小文字「t」を大文字「T」とするとPTG(心的外傷後成長)という全く違う意味になりますのでご注意。
尚本技術については、炭酸ガスを一旦メタンに変えても単に燃焼させて熱に変えるだけでは、また炭酸ガスが発生するではないかという意見があります。
これについては、さらに発展した技術があります。次のページをご参照ください。
余剰電力から作った水素と工場から発生した炭酸ガスを反応させてメタンを作るまでは同じプロセス。
この次にこのメタンに更に炭酸ガスを加えて、加熱下で触媒と反応させると、合成ガスと呼ばれる一酸化炭素と水素の混合気体が生成する。
この合成ガスは化学品の原料や炭素繊維(繊維長は短い)にすることができる。触媒には価格の安いニッケルを使い、加熱には工場の排熱を使えるので排熱を有効活用出来る。
この技術を開発した静岡大学は企業と組んで数年後の実証プラントの建設を考えている。
炭素繊維の発生料は最初に混ぜるメタンと炭酸ガスの混合比によって変わり、炭酸ガスの量が多いほど効率よく合成ガスが発生し、少ないほどその逆となる。
炭素繊維は直径100から200ナノメートル、長さ数ミリまで成長するが、その中にはCNTも含まれているという。
合成ガス製造時の副産物としての活用も考えられる。
<ご参考>
説明箇所は小さなスペースがありました。
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