2021年05月22日
西表島はなぜイリオモテジマと読むのか?奄美大島他は日本で5番目の世界自然遺産へ。
今年2021年5月10日、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島」の4島がユネスコの諮問機関IUCNから自然遺産の登録勧告を受けました。これでこれら4つ区域が日本で5番目の世界自然遺産となることがほぼ決定しました。ここ
本年7月中に正式登録となる予定です。
今回の奄美大島地区の世界自然遺産の登録勧告までは、大略以下の様ないろいろな経緯がありました。
2003年に琉球諸島(南北800km)を候補地に選定。
2013年1月ユネスコに申請するも広すぎるとされたため12月「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および
西表島」の4島に絞り申請。
2017年10月 IUCNの4島の現地調査が行われたが、種々問題があり
2018年5月 IUCNが登録延期を勧告。政府は6月推薦取り下げを決定。
次の推薦のため、区域数の削減(24区から計5区へ)、区域面積の増加(米軍跡地の編入)、
遺産の評価基準(クライテリア)を「生態系」を見送り「生物多様性」を強調することに変更。
2019年2月ユネスコへ修正推薦書を再提出。10月の再調査を経て、登録審査を予定していたが
2020年夏 世界遺産委員会(委員国21カ国)が新型コロナウイルスで延期され勧告も延期。
2021年5月 IUCNが登録を勧告
これまでの日本の世界自然遺産について
これまで日本では、平成5年(1993)12月に「白神山地」と「屋久島」、平成17年(2005)7月に「知床」、
平成23年(2011)6月に「小笠原諸島」がそれぞれ世界自然遺産として登録されました。
<今回の奄美大島他3島の世界自然遺産登録に関する記事>
・奄美大島・沖縄本島北部の森林など 世界自然遺産登録の見通し(NHK)
・ 奄美を世界自然遺産へ(鹿児島県)
・奄美大島が世界遺産登録へ!再挑戦を経て国内5件目となる自然遺産に
・「奄美・沖縄」を世界遺産へ IUCN勧告 7月にも正式決定(観光・経済新聞)
・奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島 世界自然遺産候補地
・10年ぶり世界自然遺産の誕生となるか?「沖縄・奄美」自然ツアーと持続可能な観光への取り組みを取材した(トラベルボイス)
さて
西表島(イリオモテジマ)に関してです。
私はずっと昔の若いころ、西表島を勝手に「にしおもてじま」と読んでいました。
また音声でイリオモテジマと耳に入ってくるときはそのまま受け入れていて、この2つが一致していなかったのです。
その後西表島がイリオモテジマと読むという事が分かっても変なん読み方だとは思っていましたが
地名なのでいろいろな読み方があるから「まいいか」という事で済ましてきました。
しかしその後、このことを解説した記事を見て分かりました。
この度この島が世界自然遺産に登録された琉球列島中にあり今後も頻繁に出てくると思われるので、
この際タイミングがいいのでその理由を極簡単にご紹介します。
これは、沖縄の方言で、東を「あがり」西を「いり」南は「ふえー」北を「にし」と言う事からきています。
従って島民にとっては、「太陽は朝あがりの海から上(のぼ)り、夕方いりの海に沈む」のですね。
この場所で西の付いた島は他にもあり、与那国島にある日本で最西端の岬・西崎岬も
「にしざき」岬ではなく「いりざき」岬です。
しかし北を「にし」と言われると「えっ」と思ってしまいますね。
幸いこの諸島に北(表)島が無くてよかったですね。もしあったらアナウンサーは苦労するだろうし、
視聴者はいろいろ混乱することでしょう。北島(三郎や康介・・・)さんは西表島に行ったらなんと呼ばれているのかな。
ところで東西南北は風と切っても切れない関係にあります。
この地方の呼び方では当然東風は「あがりかぜ」、西風は「いりかぜ」、南風は「ふぇーかぜ」、北風は「にしかぜ」となりますが、特にこの諸島での「にしかぜ」には注意がいりそうです。
その他に特殊な読み方として一般に、東風は「こち」、「あゆ」、南風には「はえ」があります。
特に「東風(こち)」は、九州に流された学問の神様「菅原道真」の歌に
「東風(こち)吹かば匂い起こせよ梅の花主なしとて春な忘れそ」(現代では「春を忘るな」という表現)で有名ですね。
その他雲の場合は、「東雲」を「しののめ」と呼ぶ呼ぶ雅な呼び方もあります。
東京のJR線の駅に東雲駅があります。
更に
最近コロナ禍で外出禁止を強いられていることにより、この「東風」を「とんぷう」あるいは「とんのかぜ」と呼ぶ人たちが増えたそうですね。
もちろんこの場合、東西南北は順序が入れ替わりぐるりと回る東南西北「トン・ナン・シャー・ぺー」ですが・・。
閑話休題
以下は今までばらばらだった(私の頭の中の)世界遺産全体の知識と理解度をアップし、知識の体系付けの一助として、世界遺産のそもそもの考え方や設置の背景から登録基準、環境省サイト、人気ランキング等々
参考サイトをリストします。(ご参考まで)
<日本の世界遺産関連参考サイト>
1)登録基準(@〜E:文化遺産、F〜I:自然遺産、両基準:複合遺産)
2)日本の世界自然遺産(世界遺産とは、知床、屋久島、白神、小笠原諸島)
各遺産についてそれぞれ関係者4人の人たちの想いの記事あり。
3)日本の世界自然遺産(その大部分を占める森林から言及したサイト)
世界自然遺産に登録された森林
4)世界自然遺産と日本の世界自然遺産
世界自然遺産の登録条件の詳細解説と日本の4つの自然遺産
5)【一生に一度は行きたい!】世界遺産に登録された美しい海10選(小笠原諸島は8番目)
6)日本の世界自然遺産について
・関係者が4つの自然遺産について語る。
・日本の世界遺産Back to NATURE short ver. )(日本語字幕つき).有り。
a)約3分要約動画
b)44分の長編動画
7)日本の世界自然遺産(環境省)<世界中の世界自然遺産と複合遺産>
尚日本の4つ自然遺産と候補地の状況が分かったら、世界の自然遺産(含複合遺産)も見たくなりました。
世界全体の世界遺産トータル、文化、自然、複合の各件数とランキングを表にしましたのでまずは全体の状況を見てみましょう。(2019年のデータ採用)
・世界自然遺産人気ランキング
・世界複合遺産人気ランキング
・世界遺産人気ランキング(文化・自然・複合全体)の人気ランキング
・世界遺産 国別 登録数ランキング全体の数字だけの状況。
<あとがき>
当初は今回登録候補になった奄美大島関係のことだけを書こうと思っていましたが、
これまでばらばらに頭に入っていた世界遺産の内容について整理したくなり長文になってしまいました。
これで、自然遺産に関してはよく分かったので今後は文化遺産も含め状況の進展に応じて逐次記事をアップしてゆきたいと思います。
日本の文化遺産登録のが決まったらその時はまた全体を俯瞰してみたいと思います。
今は世界中がコロナ禍で旅行を控えている分、収まればどっと世界遺産を目指す旅行が増えると
予想されますね。
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