2011年07月23日
情報いろいろ(2)
情報いろいろ(2)
(6)法人税の修正申告・更正の請求(別表四)の場合における
「消費税の経理方法」による差異に対する検討(法人税申告書「別表四」)
「税務調整」には、「決算調整」と「申告調整」があります。ここでは、「申告調整」です。
●●「原則課税」
(仮定)今回、修正申告の必要が生じた。いずれも税込処理でいうと、売上金63,000円、修理代未払金75,000円の計上モレであった。確定申告者は、消費税が原則課税であり、課税売上割合は95%以上である、とする。「法人税申告書『別表四』」でどのような調節が必要であるか。なお、消費税申告については、考慮せず、消費税申告とは、1円未満での端数処理相違は、考慮しないものとする。
● 「消費税」を「税込処理」でしていた場合
「法人税申告書『別表四』」でする調節
@ 消費税の額(簡便な概算による)
売上金63,000円→消費税及び地方消費税(以下、「消費税等」という。)
63,000×(5/105)=3,000円、税抜価額60,000円
未払金75,000円→消費税等
75,000×(5/105)=3,571円、税抜価額71,429円
未払消費税(ここでは、未収消費税)
3,571 ― 3,000=571円
修理代未払金75,000円
A 必要な調整
別表四 (加算)売上計上もれ 63,000円
消費税計上もれ 571円(∵「未収消費税」の計上あり)
別表四 (減算)修理代未払金計上もれ 75,000円
別表四 (差引)▲11,429円
● 「消費税」を「税抜処理」でしていた場合
@消費税の処理・・・
仮受消費税 3,000 / 仮払消費税 3,571
未収消費税 571
B 必要な調整
別表四 (加算)売上計上もれ 60,000円
別表四 (減算)修理代未払金計上もれ 71,429円
別表四 (差引)▲11,429円
結論としては、いずれの金額の計上でも、同じ課税所得金額となります。
●「参考」
一般的に、上記のことを示すと、
(イ)「税込金額」の場合
・必要な調整
別表四 (加算)売上計上もれ 税抜価額元本A +消費税等B
消費税計上もれ D ― B (∵未収消費税)
別表四 (減算)修理代未払金計上もれ 税抜価額元本C +消費税等D
別表四 (差引)A ― C
(イ)「税抜金額」の場合
・必要な調整
別表四 (加算)売上計上もれ 元本A
別表四 (減算)修理代未払金計上もれ 元本C
別表四 (差引)A ― C
以上のように、同じになります。
===========================
●●「簡易課税」
(仮定)今回、修正申告の必要が生じた。いずれも税込処理でいうと、売上金63,000円、修理代未払金75,000円の計上モレであった。簡易課税であり、みなし仕入率は70%ある。「法人税申告書『別表四』」でどのような調節が必要であるか。なお、消費税申告については、考慮せず、消費税申告とは、1円未満での端数処理は考慮しないものとする。
● 「消費税」を「税込処理」でしていた場合
「法人税申告書『別表四』」でする調節
C 消費税の額(簡便な概算による)
売上金63,000円→消費税等
63,000×(5/105)=3,000円、税抜価額60,000円
未払金75,000円→消費税等
75,000×(5/105)=3,571円、税抜価額71,429円
未払消費税(実際は、未収消費税)
みなし仕入率 70%につき、3,000 ― 3,000×70%=900円
修理代未払金75,000円
D 必要な調整
別表四 (加算)売上計上もれ 63,000円
別表四 (減算)修理代未払金計上もれ 75,000円
消費税計上もれ 900円(∵未払消費税、納税義務が生じるため)
別表四 (差引)▲12,900円
● 「消費税」を「税抜処理」でしていた場合
@消費税の処理・・・
仮受消費税 3,000 / 仮払消費税 3,571
雑損 1,471 / 未払消費税 900
E 必要な調整
別表四 (加算)売上計上もれ 60,000円
別表四 (減算)修理代未払金計上もれ 71,429円
雑損計上もれ 1,471円
別表四 (差引)▲12,900円
結論としては、いずれの金額の計上でも、同じ課税所得金額となります。
●「参考」
一般的に、上記のことを示すと、
(イ)「税込金額」の場合
・必要な調整
別表四 (加算)売上計上もれ 税抜価額元本A +消費税等B
別表四 (減算)修理代未払金計上もれ 税抜価額元本C +消費税等D
消費税計上もれ E (∵未払消費税)
別表四 (差引)A―C+(B−D−E)
(イ)「税抜金額」の場合
・必要な調整
別表四 (加算)売上計上もれ 税抜価額元本A
別表四 (減算)修理代未払金計上もれ 税抜価額元本C
消費税計上もれ (D−B)+消費税貸借差額E
別表四 (差引)A―C+(B−D)−E
以上のように、同じになります。
===========================
参考になりましたでしょうか。
被災に関連し、「借家」の問題がかなりあるようです。近いうちに、取り上げたいと、
考えております。
それでは、また。
(6)法人税の修正申告・更正の請求(別表四)の場合における
「消費税の経理方法」による差異に対する検討(法人税申告書「別表四」)
「税務調整」には、「決算調整」と「申告調整」があります。ここでは、「申告調整」です。
●●「原則課税」
(仮定)今回、修正申告の必要が生じた。いずれも税込処理でいうと、売上金63,000円、修理代未払金75,000円の計上モレであった。確定申告者は、消費税が原則課税であり、課税売上割合は95%以上である、とする。「法人税申告書『別表四』」でどのような調節が必要であるか。なお、消費税申告については、考慮せず、消費税申告とは、1円未満での端数処理相違は、考慮しないものとする。
● 「消費税」を「税込処理」でしていた場合
「法人税申告書『別表四』」でする調節
@ 消費税の額(簡便な概算による)
売上金63,000円→消費税及び地方消費税(以下、「消費税等」という。)
63,000×(5/105)=3,000円、税抜価額60,000円
未払金75,000円→消費税等
75,000×(5/105)=3,571円、税抜価額71,429円
未払消費税(ここでは、未収消費税)
3,571 ― 3,000=571円
修理代未払金75,000円
A 必要な調整
別表四 (加算)売上計上もれ 63,000円
消費税計上もれ 571円(∵「未収消費税」の計上あり)
別表四 (減算)修理代未払金計上もれ 75,000円
別表四 (差引)▲11,429円
● 「消費税」を「税抜処理」でしていた場合
@消費税の処理・・・
仮受消費税 3,000 / 仮払消費税 3,571
未収消費税 571
B 必要な調整
別表四 (加算)売上計上もれ 60,000円
別表四 (減算)修理代未払金計上もれ 71,429円
別表四 (差引)▲11,429円
結論としては、いずれの金額の計上でも、同じ課税所得金額となります。
●「参考」
一般的に、上記のことを示すと、
(イ)「税込金額」の場合
・必要な調整
別表四 (加算)売上計上もれ 税抜価額元本A +消費税等B
消費税計上もれ D ― B (∵未収消費税)
別表四 (減算)修理代未払金計上もれ 税抜価額元本C +消費税等D
別表四 (差引)A ― C
(イ)「税抜金額」の場合
・必要な調整
別表四 (加算)売上計上もれ 元本A
別表四 (減算)修理代未払金計上もれ 元本C
別表四 (差引)A ― C
以上のように、同じになります。
===========================
●●「簡易課税」
(仮定)今回、修正申告の必要が生じた。いずれも税込処理でいうと、売上金63,000円、修理代未払金75,000円の計上モレであった。簡易課税であり、みなし仕入率は70%ある。「法人税申告書『別表四』」でどのような調節が必要であるか。なお、消費税申告については、考慮せず、消費税申告とは、1円未満での端数処理は考慮しないものとする。
● 「消費税」を「税込処理」でしていた場合
「法人税申告書『別表四』」でする調節
C 消費税の額(簡便な概算による)
売上金63,000円→消費税等
63,000×(5/105)=3,000円、税抜価額60,000円
未払金75,000円→消費税等
75,000×(5/105)=3,571円、税抜価額71,429円
未払消費税(実際は、未収消費税)
みなし仕入率 70%につき、3,000 ― 3,000×70%=900円
修理代未払金75,000円
D 必要な調整
別表四 (加算)売上計上もれ 63,000円
別表四 (減算)修理代未払金計上もれ 75,000円
消費税計上もれ 900円(∵未払消費税、納税義務が生じるため)
別表四 (差引)▲12,900円
● 「消費税」を「税抜処理」でしていた場合
@消費税の処理・・・
仮受消費税 3,000 / 仮払消費税 3,571
雑損 1,471 / 未払消費税 900
E 必要な調整
別表四 (加算)売上計上もれ 60,000円
別表四 (減算)修理代未払金計上もれ 71,429円
雑損計上もれ 1,471円
別表四 (差引)▲12,900円
結論としては、いずれの金額の計上でも、同じ課税所得金額となります。
●「参考」
一般的に、上記のことを示すと、
(イ)「税込金額」の場合
・必要な調整
別表四 (加算)売上計上もれ 税抜価額元本A +消費税等B
別表四 (減算)修理代未払金計上もれ 税抜価額元本C +消費税等D
消費税計上もれ E (∵未払消費税)
別表四 (差引)A―C+(B−D−E)
(イ)「税抜金額」の場合
・必要な調整
別表四 (加算)売上計上もれ 税抜価額元本A
別表四 (減算)修理代未払金計上もれ 税抜価額元本C
消費税計上もれ (D−B)+消費税貸借差額E
別表四 (差引)A―C+(B−D)−E
以上のように、同じになります。
===========================
参考になりましたでしょうか。
被災に関連し、「借家」の問題がかなりあるようです。近いうちに、取り上げたいと、
考えております。
それでは、また。
投稿者:日常生活に役立つ税務・法務、経営について|08:34